古文文法辞典 › 敬語
大学受験
ひとことで言うと
敬語動詞は、1語の中に敬意がふくまれる動詞です。尊敬語(おはす・のたまふ・思す・御覧ず・給ふ など)、謙譲語(申す・聞こゆ・奉る・参る・まかる・賜る など)、丁寧語(侍り・候ふ)があり、もとの動詞と敬語の種類をセットで覚えます。「参る」「奉る」は尊敬語にもなります。
このページのポイント
- 敬語動詞は1語で敬意を表す動詞。もとの動詞(言ふ・行く・あり・与ふ など)と種類をセットで覚える
- 尊敬:おはす・おはします・のたまふ・思す・御覧ず・召す・給ふ(四段)など
- 謙譲:申す・聞こゆ・奉る・参る・まうづ・まかる・承る・賜るなど/丁寧:侍り・候ふ
- 「参る・まうづ」は貴人の所へ入る、「まかる・まかづ」は出る
- 「参る」「奉る」は、高貴な人が飲食・着る・乗るなら尊敬(召し上がる・お召しになる・お乗りになる)
はじめて(やさしく)
敬語動詞(けいごどうし)とは、1語の中に敬意がふくまれている動詞です。現代語でも「言う」を目上の人について言うときは「おっしゃる」、自分について言うときは「申し上げる」と、別の語に入れかえますね。古文でも同じで、「言ふ」が「のたまふ」(おっしゃる)や「申す」(申し上げる)に変わります。
敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があります(くわしくは 敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧))。敬語動詞を読むときは、いつも次の2つをセットで覚えます。
- もとの動詞は何か(「のたまふ」なら「言ふ」)
- どの種類の敬語か(「のたまふ」なら尊敬)
うかるくん
敬語動詞って、数が多すぎない? 全部覚えられる気がしないよ……。
合格先生
入試でよく出るのは30語ほど。しかも「言ふ」「行く・来」「あり」「与ふ」の4つの動詞の敬語が半分以上なんだ。もとの動詞ごとにまとめると、ぐっと覚えやすくなるよ。
サクラちゃん
「行く」の敬語は、「参る」と「まかる」があるのよね。どっちも「行く」なの?
合格先生
いい所に気づいたね。えらい人の所へ入るのが「参る」、えらい人の所から出るのが「まかる」。向きが逆なんだ。
「参る」は今も「神社に参る」と使い、「まかる」は「まかり出る」に残っています。「おはす」「おはします」は、身分の高い人がいる・行く・来るときの尊敬語で、「いらっしゃる」と訳します。

サクラちゃん
「のたまふ」も「申す」も、もとは「言ふ」。敬語動詞はもとの動詞に戻して考えればいいのね!
ここまでのまとめ
- 敬語動詞は、1語で敬意を表す動詞(のたまふ・申す・侍り など)
- 覚えるときはもとの動詞と敬語の種類をセットで
- 「参る・まうづ」は貴人の所へ入る、「まかる・まかづ」は貴人の所から出る
覚え方や訳し方で迷ったら、受験掲示板「100点BBS」の古典文法のお勉強で質問できます。
しっかり(大学受験の基礎〜標準)
敬語動詞の一覧① 尊敬語(動作をする人を高める)
| 敬語動詞(読み) | 活用 | もとの動詞 | 訳し方 |
|---|---|---|---|
| おはす | サ変 | あり・行く・来 | いらっしゃる・おいでになる |
| おはします | 四段 | あり・行く・来 | いらっしゃる(おはすより高い) |
| います・いますかり | 四段・ラ変 | あり・行く・来 | いらっしゃる |
| のたまふ | 四段 | 言ふ | おっしゃる |
| のたまはす | 下二段 | 言ふ | おっしゃる(のたまふより高い) |
| 仰す(おほす) | 下二段 | 言ふ・命ず | お命じになる・おっしゃる |
| 思す(おぼす) | 四段 | 思ふ | お思いになる |
| 思し召す(おぼしめす) | 四段 | 思ふ | お思いになる(思すより高い) |
| 聞こす・聞こし召す | 四段 | 聞く・食ふ・飲む・治む | お聞きになる・召し上がる・お治めになる |
| 知ろし召す(しろしめす) | 四段 | 知る・治む | ご存じである・お治めになる |
| 御覧ず(ごらんず) | サ変 | 見る | ご覧になる |
| 大殿ごもる(おほとのごもる) | 四段 | 寝・寝ぬ | おやすみになる |
| 召す(めす) | 四段 | 呼ぶ・食ふ・飲む・着る・乗る | お呼びになる・召し上がる・お召しになる・お乗りになる |
| 遊ばす(あそばす) | 四段 | す(管弦・詩歌などを) | なさる |
| 給ふ・賜ふ(四段) | 四段 | 与ふ・授く | お与えになる・くださる |
| 賜はす(たまはす) | 下二段 | 与ふ | お与えになる(給ふより高い) |
| 奉る(尊敬) | 四段 | 食ふ・飲む・着る・乗る | 召し上がる・お召しになる・お乗りになる |
| 参る(尊敬) | 四段 | 食ふ・飲む | 召し上がる |
敬語動詞の一覧② 謙譲語(動作を受ける人を高める)
| 敬語動詞(読み) | 活用 | もとの動詞 | 訳し方 |
|---|---|---|---|
| 申す(まうす) | 四段 | 言ふ | 申し上げる |
| 聞こゆ(きこゆ) | 下二段 | 言ふ | 申し上げる |
| 聞こえさす | 下二段 | 言ふ | 申し上げる(聞こゆより高い) |
| 奏す(そうす) | サ変 | 言ふ(天皇・院に) | 申し上げる |
| 啓す(けいす) | サ変 | 言ふ(皇后・中宮・皇太子に) | 申し上げる |
| 奉る(たてまつる) | 四段 | 与ふ | 差し上げる |
| 参らす(まゐらす) | 下二段 | 与ふ | 差し上げる |
| 参る(まゐる) | 四段 | 行く・来/与ふ・す | 参上する/差し上げる・して差し上げる |
| まうづ(詣づ) | 下二段 | 行く・来 | 参上する・参詣する |
| まかる(罷る) | 四段 | 行く・去る | 退出する・参ります |
| まかづ(罷づ) | 下二段 | 出づ | 退出する |
| 承る(うけたまはる) | 四段 | 聞く・受く | お聞きする・お受けする |
| 賜る・給はる(たまはる) | 四段 | 受く・もらふ | いただく |
| 給ふ(下二段・補助動詞) | 下二段 | 思ふ・見る・聞く・知る | 〜ております・〜させていただく |
| 仕うまつる(つかうまつる) | 四段 | 仕ふ・す | お仕えする・して差し上げる |
| 侍り(はべり) | ラ変 | あり・をり・仕ふ | お仕えする・おそばに控える |
| 候ふ(さぶらふ) | 四段 | あり・をり・仕ふ | お仕えする・おそばに控える |
敬語動詞の一覧③ 丁寧語(聞き手・読み手を高める)
| 敬語動詞(読み) | 活用 | もとの動詞 | 訳し方 |
|---|---|---|---|
| 侍り(はべり) | ラ変 | あり・をり | あります・おります・ございます |
| 候ふ(さぶらふ・さうらふ) | 四段 | あり・をり | あります・おります・ございます |
表は横にスクロールできます。「侍り」「候ふ」は、本動詞の「お仕えする」が謙譲、「あります・ございます」と補助動詞の「〜です・〜ます」が丁寧です(くわしくは 「侍り」「候ふ」)。「給ふ」の四段と下二段は 「給ふ」(四段と下二段) で見分け方を練習できます。
もとの動詞から引ける敬語の一覧
現代語訳を作るときや、空欄に敬語を入れる問題では、逆に「もとの動詞」から敬語を引ける表が役に立ちます。
| もとの動詞 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
|---|---|---|---|
| 行く・来 | おはす・おはします・います | 参る・まうづ(参上する)/まかる・まかづ(退出する) | ― |
| あり・をり | おはす・おはします・います・いますかり | 侍り・候ふ(お仕えする・控える) | 侍り・候ふ |
| 言ふ | のたまふ・のたまはす・仰す | 申す・聞こゆ・聞こえさす・奏す・啓す | ― |
| 思ふ | 思す・思し召す | (思ひ給ふ:下二段の給ふ) | ― |
| 見る | 御覧ず | (見給ふ:下二段の給ふ) | ― |
| 聞く | 聞こす・聞こし召す | 承る | ― |
| 与ふ | 給ふ(四段)・賜ふ・賜はす | 奉る・参らす・参る | ― |
| 受く・もらふ | ― | 賜る・給はる・承る | ― |
| 食ふ・飲む | 召す・聞こし召す・奉る・参る | ― | ― |
| 着る・乗る | 召す・奉る | ― | ― |
| 寝・寝ぬ | 大殿ごもる | ― | ― |
| 知る・治む | 知ろし召す・聞こし召す | ― | ― |
| 呼ぶ | 召す | ― | ― |
| す | 遊ばす | 仕うまつる・つかまつる | ― |
| 仕ふ | ― | 侍り・候ふ・仕うまつる | ― |
二つの顔をもつ「参る」「奉る」
入試でいちばんねらわれるのが、ふだんは謙譲語の「参る」「奉る」が尊敬語になる場合です。身分の高い人が、食べる・飲む・着る・乗るときに使われ、「召し上がる・お召しになる・お乗りになる」と訳します。
例文で確かめる
謙譲(参る)と丁寧(侍り)と尊敬(おはす)
年ごろ思ひつること、果たし侍りぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん。
(徒然草・第五十二段「仁和寺にある法師」)
現代語訳長年思っていたことを、果たしました。(うわさに)聞いていた以上に、尊くていらっしゃった。それにしても、お参りした人がみな山へ登っていったのは、何があったのだろうか。
謙譲(参る)と尊敬(仰す)
例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火おこして、物語などして集まりさぶらふに、「少納言よ、香炉峰の雪いかならむ」と仰せらるれば、
(枕草子「雪のいと高う降りたるを」の段)
現代語訳いつもとちがって御格子をお下ろし申し上げて、炭びつに火をおこして、(女房たちが)話などをして集まってお仕えしていると、(中宮様が)「少納言よ、香炉峰の雪はどうでしょう」とおっしゃるので、
謙譲(奉る)
中納言参りたまひて、御扇たてまつらせたまふに、
(枕草子「中納言参りたまひて」の段)
現代語訳中納言(隆家)が参上なさって、(中宮様に)御扇を差し上げなさるときに、
謙譲(まうづ)
昔、男、親王たちの逍遥したまふ所にまうでて、竜田川のほとりにて、
(伊勢物語・第百六段(百人一首17番「ちはやぶる」の場面))
現代語訳昔、男が、親王たちがそぞろ歩きをなさる所に参上して、竜田川のほとりで、
「給ふ」と「賜る」は、物が上から下へ移る点は同じですが、主語がちがいます。「帝、禄を給ふ」は帝が主語で「お与えになる」(尊敬)、「人々、禄を賜る」は受け取る人々が主語で「いただく」(謙譲)。主語をまちがえると訳が逆になります。

尊敬(奉る)と尊敬(聞こし召す)
壺なる御薬たてまつれ。穢き所の物きこしめしたれば、御心地悪しからむものぞ。
(竹取物語・かぐや姫の昇天)
現代語訳壺にあるお薬を召し上がれ。けがれた所(人間の世界)の物を召し上がったので、ご気分が悪いことでしょう。
百人一首の詞書に出てくる敬語動詞
和歌そのものに敬語は多くありませんが、和歌の前の説明文(詞書)には敬語動詞がたくさん出てきます。作者の身分や、だれのための歌かを知る手がかりになります。
- 15番 光孝天皇「君がため春の野に出でて若菜つむ」:古今和歌集の詞書は、親王のころ人に若菜を賜ひ(お与えになっ)たときの歌、という内容。「賜ふ」は「与ふ」の尊敬語です。
- 24番 菅家(菅原道真)「このたびは幣も取りあへず」:詞書は、朱雀院(宇多上皇)が奈良におはしましける時の歌、という内容。上皇への尊敬語です。
- 61番 伊勢大輔「いにしへの奈良の都の八重桜」:詞花和歌集の詞書は、八重桜を人が奉り(献上し)、作者が御前に侍り(お仕えし)ていたので(詞書には「奉りて侍りける」と丁寧の補助動詞の「侍り」もあり、2つの「侍り」は種類が違います)、歌をよめと仰せ言があった、という内容。「奉る」「侍り」は謙譲です。


合格先生
敬語動詞はもとの動詞と種類をセットで。「参る」「奉る」は、主語が高貴な人で食べ物・衣服・乗り物が出てきたら尊敬を疑おう!
もっと深く(難関大・上級者)
1. 敬意の強さのちがい(「〜す」「〜召す」は一段上)
「おはす→おはします」「のたまふ→のたまはす」「思す→思し召す」「聞こゆ→聞こえさす」のように、同じ意味でも敬意の強い語があります。地の文では、帝・中宮・上皇など最高位の人に強いほうが使われやすく、主語を決める手がかりになります。訳はふつう同じでかまいません。尊敬を重ねる「せ給ふ」「させ給ふ」(助動詞「す・さす」)とあわせて、最高敬語・絶対敬語のページで整理しています。
2. 「参る」「奉る」の尊敬用法を見分ける手順
- 目的語が食べ物・飲み物(御粥・御酒・御薬・御湯 など)、衣服(御衣・御直衣 など)、乗り物(御車・御輿 など)か。
- その動作をするのが身分の高い人(物を受け取る側ではなく、使う側)か。
- 両方そろえば尊敬(召し上がる・お召しになる・お乗りになる)。そろわなければ謙譲(差し上げる・参上する)。
「御格子まゐる」「御殿油(おほとなぶら)まゐる」などお世話の動作の「参る」は「お上げ(お下ろし)申し上げる」「おともし申し上げる」と訳し、上げるか下ろすかは文脈で決めます。
3. 「聞こゆ」は敬語とはかぎらない
百人一首55番 大納言公任(藤原公任)「滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ」の「聞こえ」は、主語が「名(評判)」なので敬語ではありません。「評判は世に流れて、今もなお聞こえている(知られている)」と訳します。同じように「思ゆ(おぼゆ)」「見ゆ」も、敬語に似た形ですが一般動詞です。
4. 「まかる」「侍り」の丁重語的な用法(諸説)
「まかる」は本来「退出する」ですが、会話文の「まかり出づ」「まかりなる」のように、聞き手に対して自分の動作をへりくだることがあります。下二段の「給ふ」も同じ性質です。これを現代語の「参ります」「存じます」と同じ丁重語(謙譲語Ⅱ)とする文法書もあれば、従来どおり謙譲語とする説明もあります。答案では「謙譲語」と書き、敬意の向きは聞き手とするのが一般的です(敬意の方向)。
5. 敬語でない「ものす」と、敬語の名詞
「ものす」は「あり・行く・言ふ・書く」などいろいろな動詞の代わりになる語(代動詞)で、敬語ではありません。また「仰せ言」「御消息(おせうそこ)」「行幸(みゆき)」のように、敬語の名詞にも敬意がふくまれます。百人一首26番 貞信公(藤原忠平)「小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ」の「みゆき」は、天皇(や上皇)のお出かけをいう語で、和歌の中に敬意が入っている珍しい例です。
うかるくん
「聞こえけれ」が敬語じゃないなんて、ひっかけだね!
合格先生
敬語動詞は、だれが・何をするのかを確かめてから決めるのが鉄則。主語が人でなく「名」や「音」なら、ふつうの動詞なんだ。
サクラちゃん
「参る」「奉る」も、主語と目的語を見れば迷わないわね。
入試でねらわれる所
- 「参る」「奉る」の尊敬用法(召し上がる・お召しになる・お乗りになる)
- 「給ふ」と「賜る」の主語のちがい(与える人/受け取る人)
- 「参る・まうづ」と「まかる・まかづ」の向き
- 敬語動詞から主語・相手を補う(主語の補い方)
- 「聞こゆ」「おぼゆ」など敬語でない語との区別
よくあるまちがい
まちがい1:「奉る」「参る」はいつも謙譲語
高貴な人が飲食する・着る・乗るときの「奉る」「参る」は尊敬語です。竹取物語の「御薬たてまつれ」は「召し上がれ」。主語と目的語を確かめましょう。
まちがい2:「賜る」を「お与えになる」と訳す
「賜る(給はる)」は受け取る人が主語の謙譲語で「いただく」。「お与えになる」は四段の「給ふ」「賜ふ」です。
まちがい3:「まかる」を「参上する」と訳す
「まかる・まかづ」は貴人の所から出る(退出する)向き。「参る・まうづ」とは反対です。会話文では「参ります」程度に軽く訳すこともあります。
練習問題
やさしい
- 次の敬語動詞について、敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧)と、もとの動詞を答えなさい。
① のたまふ ② 申す ③ 御覧ず ④ 大殿ごもる答えと解説を見る
① 尊敬・言ふ(おっしゃる) ② 謙譲・言ふ(申し上げる) ③ 尊敬・見る(ご覧になる) ④ 尊敬・寝(寝ぬ)(おやすみになる)。
- 「参上する」「退出する」の意味をもつ謙譲語を、それぞれ2つずつ答えなさい。
答えと解説を見る
参上する:参る・まうづ。退出する:まかる・まかづ。貴人の所へ入るのが「参る・まうづ」、出るのが「まかる・まかづ」です。
ふつう
- 「人々、帝より禄を賜りて、まかでぬ。」(自作)を現代語訳しなさい。
答えと解説を見る
「人々は、帝からほうびをいただいて、退出した。」「賜る」は受け取る人々が主語の謙譲語(いただく)、「まかづ」は退出する。どちらも帝への敬意です。
- 「大臣、御粥まゐりて、御車にたてまつる。」(自作)の「まゐり」「たてまつる」の敬語の種類と意味を答えなさい。
答えと解説を見る
どちらも尊敬語。「御粥まゐり」は大臣が粥を「召し上がって」、「御車にたてまつる」は車に「お乗りになる」。主語が身分の高い大臣で、目的語が食べ物・乗り物だからです。
むずかしい
- 竹取物語の天人のことば「壺なる御薬たてまつれ」の「たてまつれ」について、敬語の種類・活用形・意味を答え、だれへの敬意か説明しなさい。
答えと解説を見る
尊敬語「奉る」(四段)の命令形で「召し上がれ」。薬を飲むのはかぐや姫なので、話し手の天人から、動作をするかぐや姫への敬意です。「差し上げよ」と謙譲に訳すと、だれに差し上げるのかが合わなくなります。
- 次の「聞こえ」を文法的に説明しなさい。
① (帝が)宮に御文のことを聞こえさせ給ふ。(自作)
② 名こそ流れてなほ聞こえけれ(百人一首55番)答えと解説を見る
① 「御文のことを」を受ける謙譲の本動詞「聞こゆ」の未然形(「させ給ふ」は二重尊敬。「聞こえさす」の一語と見る説明もある)。宮への敬意で「申し上げなさる」。② 主語が「名(評判)」なので敬語でないふつうの動詞「聞こゆ」の連用形で「聞こえている・知られている」。
関連ページ
- 敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧):敬語の地図と本動詞・補助動詞
- 敬意の方向(だれから・だれへ):敬語動詞から敬意の向きを決める
- 「給ふ」(四段と下二段):尊敬と謙譲の見分け方
- 「侍り」「候ふ」:謙譲と丁寧の見分け方
- 二方面への敬語:「聞こえ給ふ」「奉り給ふ」
- 補助動詞:給ふ・奉る・侍り・候ふの補助用法
- 主語の補い方:敬語動詞から主語を決める
- 古文文法辞典の目次
敬語の全体像は、読みものの「古文の敬語」でも一気に確かめられます。活用の種類は 四段活用・下二段活用・変格活用 のページへ。
読みもの(合格大作戦の記事)
- 古文の敬語
尊敬・謙譲・丁寧と、敬意の方向 - 古文単語の覚え方
入試に出る古文単語を、意味のつながりで覚える - 枕草子「春はあけぼの」
冒頭の段を品詞から読む - 百人一首 全百首
全首の現代語訳・品詞・修辞 - 古文の助動詞一覧
接続・意味・活用をまとめて見る地図
受験掲示板「100点BBS」で質問・相談しよう
- 古典文法のお勉強(スレ)(文法のわからない所を質問・答え合わせ)
- 古典の勉強方法(スレ)(古典の勉強の進め方)
- 共通テスト掲示板(共通テストの国語(古文)の対策)
- 国語の勉強掲示板(古文・漢文・現代文の勉強の相談)
よくある質問
古文の敬語動詞は何語くらい覚えればよいですか?
入試でよく出るのは30語ほどです。「言ふ」「行く・来」「あり」「与ふ」の敬語が中心なので、もとの動詞ごとにまとめて覚えると効率的です。
「参る」「奉る」が尊敬語になるのはどんなときですか?
身分の高い人が、食べる・飲む・着る・乗るときです。「召し上がる」「お召しになる」「お乗りになる」と訳します。それ以外はふつう謙譲語です。
「参る」と「まかる」の違いは何ですか?
どちらも謙譲語ですが、「参る」は貴人の所へ入る(参上する)、「まかる」は貴人の所から出る(退出する)で、向きが反対です。
「給ふ」と「賜る」の違いは何ですか?
「給ふ」(四段)は与える人が主語の尊敬語で「お与えになる」、「賜る」は受け取る人が主語の謙譲語で「いただく」です。
「侍り」「候ふ」は謙譲語ですか、丁寧語ですか?
本動詞で「お仕えする・おそばに控える」の意味なら謙譲語、「あります・ございます」や補助動詞の「〜です・〜ます」なら丁寧語です。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
- 例文の本文:徒然草(第五十二段)、枕草子(「雪のいと高う降りたるを」の段・「中納言参りたまひて」の段)、伊勢物語(第百六段)、竹取物語(かぐや姫の昇天)、百人一首(15・17・24・26・55・61番)と古今和歌集・詞花和歌集の詞書。表記は読みやすいように一部改めています
- 高校の古典文法の標準的な説明(敬語動詞の種類・もとの動詞・「参る」「奉る」の尊敬用法)にもとづいて作成。丁重語(謙譲語Ⅱ)の扱いは「〜とする説明もある」として記しました
- 画像:「Taketori Monogatari 2.jpg」(土佐広通・土佐広澄、1650年ごろ、パブリックドメイン〈PD-Art/PD-old-100-expired〉、Wikimedia Commons)、百人一首の絵札「Hyakuninisshu 061」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦



