古文の「給ふ」四段と下二段の見分け方|尊敬と謙譲・活用表・訳し方・「給へ」の識別・練習問題【大学受験】

古文の「給ふ」四段と下二段の見分け方|尊敬と謙譲・活用表・訳し方・「給へ」の識別・練習問題【大学受験】

古文文法辞典 › 敬語

大学受験難関大

ひとことで言うと

「給ふ」には、四段活用の尊敬語(お与えになる・〜なさる)と、下二段活用の謙譲語(〜ております。会話文・手紙で「思ふ・見る・聞く・知る」につく)があります。給は・給ひは四段、給ふる・給ふれは下二段、両方にある「給へ」は下の語で見分けます。

このページのポイント

  • 四段の「給ふ」=尊敬(お与えになる・〜なさる)。主語は敬われる人
  • 下二段の「給ふ」=謙譲(〜ております・存じます)。会話文・手紙で、私が思ふ・見る・聞く・知るときだけ
  • 形で見分ける:給は・給ひは四段、給ふる・給ふれは下二段
  • 「給へ」は下の語で:ず・む・て・けりなら下二段、ど・ども・り・命令なら四段
  • 下二段の敬意は聞き手へ(丁重語・謙譲語Ⅱとする説明も)。「給へり」は四段

はじめて(やさしく)

「給ふ」(たまふ)は、古文でいちばんよく出てくる敬語です。ところが、この語には2種類あります。

  • 四段活用の「給ふ」:尊敬語。えらい人が「お与えになる」、または動詞の下について「〜なさる・お〜になる」。
  • 下二段活用の「給ふ」:謙譲語。話し手が自分のことを「〜ております・〜させていただく」とへりくだる。

同じ「たまふ」なのに、うやまう相手も、主語も、まるで反対です。だから入試でよくねらわれます。

「給ふ」には二つの顔がある四段の「給ふ」=尊敬下二段の「給ふ」=謙譲帝物を人々主語=えらい人お与えになる・〜なさる「思ひ給ふる」私あなた主語=私(話し手)〜ております・存じます
四段は「えらい人がなさる」、下二段は「私がしております」
うかるくん

うかるくん

同じ「給ふ」なのに、尊敬と謙譲の正反対があるの!? どうやって見分けるの?

合格先生

合格先生

カギは活用だよ。四段は「は・ひ・ふ・ふ・へ・へ」、下二段は「へ・へ・(ふ)・ふる・ふれ・○」。形がちがう所を見れば、ほとんど決まるんだ。

サクラちゃん

サクラちゃん

でも「給へ」はどっちにもあるわよね?

合格先生

合格先生

そう、「給へ」だけが両方にある。そのときは下に何が来るかを見る。もう一つのヒントは、下二段は会話文や手紙で「私」が「思ふ・見る・聞く・知る」ときにしか使わないことだよ。

形を見れば、ほとんど決まる給は給ひ給ふ四段尊敬給ふる給ふれ下二段謙譲給へ下を見る両方ある「給ふ」は終止形・連体形とも四段と考えてよい
「給は・給ひ・給ふ」は四段、「給ふる・給ふれ」は下二段、「給へ」は下を見る

四段・下二段という活用の種類そのものは、四段活用と下二段活用のページでくわしく説明しています。敬語の3種類(尊敬・謙譲・丁寧)は 敬語の種類 へ。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

「給は・給ひ」は四段で尊敬、「給ふる・給ふれ」は下二段で謙譲。「給へ」が出たら、下の語を見ればいいんだね!

ここまでのまとめ

  • 四段の「給ふ」=尊敬(お与えになる・〜なさる)。主語はえらい人
  • 下二段の「給ふ」=謙譲(〜ております)。主語は私(話し手)
  • 形で見分ける。「給へ」だけは下の語で決める

しっかり(大学受験の基礎〜標準)

「給ふ」の活用表(四段と下二段)

種類例語幹未然形連用形終止形連体形已然形命令形
ハ行四段給ふ(尊敬)たまはひふふへへ
ハ行下二段給ふ(謙譲)たまへへ(ふ)ふるふれ○

下二段の終止形「給ふ」はほとんど使われず、命令形は使われないので「○」とします(命令形を「へよ」と示す文法書もあります)。

四段の「給ふ」と下二段の「給ふ」の違い(一覧)

くらべる点四段の「給ふ」下二段の「給ふ」
敬語の種類尊敬語謙譲語(丁重語・謙譲語Ⅱとする説も)
本動詞の用法あり(お与えになる・くださる)ほぼない(補助動詞だけ)
補助動詞の訳〜なさる・お〜になる〜ております・〜させていただく・存じます
主語敬われる人(帝・貴人など)話し手・書き手自身(私)
使う場所地の文・会話文・手紙のどこでも会話文・手紙だけ
上につく動詞どんな動詞にもつく思ふ・見る・聞く・知る・覚ゆなど
敬意の向き動作をする人(主語)へ聞き手・読み手へ
よく出る形給は・給ひ・給ふ・給へ給へ・給ふる・給ふれ

「給ふ」の見分け方の手順

  1. 形を見る。「給ふる」「給ふれ」なら下二段、「給は」「給ひ」「給ふ」なら四段。
  2. 「給へ」なら、下の語を見る。未然形・連用形につく語(ず・じ・む・まし・て・けり・き・つ)なら下二段。已然形につく「ど・ども」、「り」、または命令で言い切るなら四段(「給へば」もほとんどが四段の已然形+ば)。
  3. 迷ったら、会話文・手紙か、上の動詞が思ふ・見る・聞く・知るか、主語が私かを確かめる。3つそろえば下二段。
① 給ふる・給ふれ の形?下二段謙譲② 給は・給ひ・給ふ の形?四段尊敬③ 「給へ」なら、下の語は?ず・じ・む・て・けり(未然形・連用形につく)ど・ども・ば・り・命令下二段四段迷ったら:会話文・手紙で、主語が「私」思ふ・見る・聞く・知る+給へ なら下二段
「給ふ」の見分け方:形 → 下の語 → 会話文の「私」
下二段(未然形・連用形)給へ+ずじむてけりき思ひ給へず思いません(謙譲)四段(已然形・命令形)給へ+どどもばり命令喜び給へどお喜びになるが(尊敬)下の語の接続から、「給へ」の活用形を決める
「給へ」は下の語で活用形を決め、四段か下二段かを決める

例文で確かめる(四段=尊敬)

四段・補助動詞

いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

(源氏物語・桐壺(冒頭))

現代語訳それほど高貴な身分ではない方で、とりわけ(帝の)ご寵愛を受けていらっしゃる方がいた。

ここがポイント「時めき」(連用形)の下の「たまふ」は四段の尊敬の補助動詞の連体形(下に「人」などを補う準体法)。地の文で、作者から桐壺の更衣への敬意です。

四段・補助動詞(連用形・命令形)

京にとく上げ給ひて、物語の多くさぶらふなる、ある限り見せ給へ。

(更級日記・冒頭(あづま路の道の果て))

現代語訳(私を)京に早く上らせなさって、物語がたくさんあるという、そのあるだけ全部を見せてください。

ここがポイント作者の少女が薬師仏に祈ることば。「給ひ」は連用形なので四段。「給へ」は言い切りの命令形なので四段(〜てください)。どちらも薬師仏への尊敬です。「さぶらふ」は丁寧語(あります)。

四段・本動詞

仁和の帝、親王におましましける時に、人に若菜賜ひける御歌

(古今和歌集・春上の詞書(百人一首15番 光孝天皇「君がため」))

現代語訳仁和の帝(光孝天皇)が、まだ親王でいらっしゃった時に、人に若菜をお与えになった(ときの)お歌

ここがポイント「賜ふ」は「給ふ」と同じ語の書き分けで、「若菜(を)」を受ける四段の本動詞「お与えになる」。連用形「賜ひ」+過去「けり」。
百人一首15番 光孝天皇の絵札(詞書に 若菜賜ひける 給ふ たまふ)
百人一首15番・光孝天皇の絵札。「君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ」。詞書の「若菜賜ひける」は、四段の本動詞「給ふ(賜ふ)」です。画像:絵札「Hyakuninisshu 015」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

例文で確かめる(下二段=謙譲)

下二段の「給ふ」は会話文や手紙にしか出ないので、ここでは形がはっきりわかる自作の例文で確かめます。

下二段・連体形

(女房が中宮に)「いと心苦しくなむ思ひ給ふる。」

(自作)

現代語訳「とても気の毒に思っております。」

ここがポイント「給ふる」は連体形で、この形は下二段だけ。係助詞「なむ」の結びです。主語は話し手の女房自身で、聞き手の中宮への敬意を表します。

下二段・未然形と連用形

「その御文は、まだ見給へず。人の語るをば聞き給へき。」

(自作)

現代語訳「そのお手紙は、まだ拝見しておりません。人が話すのは聞いております(聞きました)。」

ここがポイント「給へ+ず」は未然形、「給へ+き」は連用形なので、どちらも下二段。上の動詞が「見る」「聞く」で、会話文の私の動作です。
「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

「給へ」を見たら、すぐ下の1語に目を向けよう。「ず・む・て・けり」なら下二段の謙譲、「ど・ども・り」や命令なら四段の尊敬だ。

敬語の種類や敬意の方向の全体は、読みもの「古文の敬語」でもまとめています。

もっと深く(難関大・上級者)

1. 下二段の「給ふ」の5つの特徴

  • 会話文・手紙だけに使う(地の文には原則出ない)。
  • 主語は話し手(書き手)自身か、話し手側の身内。
  • 上につく動詞は「思ふ・見る・聞く・知る・覚ゆ」など、知覚・思考の語にほぼ限られる。
  • 補助動詞としてだけ使われ、本動詞の用法はほぼない。
  • 終止形・命令形はほとんど使われず、「給へ(未然・連用)」「給ふる」「給ふれ」の形で出る。

「思ひ給ふる」はウ音便で「思う給ふる」と書かれることも多く、源氏物語の会話文によく見られます。「思う給へらる」(自然と思われます)のように、自発の「らる」を下につける形もあります。

2. 敬意の向きと、謙譲か丁重語か(諸説)

「給ふ」の敬意は、だれへ向かう?話し手書き手動作をする人四段=〜なさる聞き手・読み手下二段=〜ております下二段は丁重語(謙譲語Ⅱ)とする説明もある
四段の給ふは主語へ、下二段の給ふは聞き手へ敬意が向かう

ふつうの謙譲語(申す・奉る など)は、動作を受ける人への敬意です。ところが下二段の「給ふ」が付く「思ふ・見る・聞く」には、高めるべき「受け手」がいないことが多く、敬意は聞き手・読み手に向かいます。そこで、学校文法では「謙譲語」としつつ、現代語の「存じます」「拝見します」に近い丁重語(謙譲語Ⅱ)、あるいは丁寧語に近いはたらきと説明する文法書もあります。答案では「謙譲の補助動詞」とし、敬意の対象は「聞き手(会話の相手)」と書くのが一般的です(敬意の方向)。

3. 「給へり」「給へる」は四段

完了・存続の助動詞「り」は、サ変の未然形と四段の已然形(命令形とする説明もある)につきます(助動詞「たり・り」)。そのため「給へり」「給へる」の「給へ」は、必ず四段の尊敬です。「御前に集まり給へる人々」は「お集まりになっている人々」。下二段の連用形「給へ」に「り」はつきません。

同じく、「給へど」「給へども」「給へば」の「給へ」は已然形で四段。「給へ。」と命令で言い切る形も四段(〜てください・お〜なさい)です。

4. 「給ふ」の仲間と、上代の下二段

「たまふ」の仲間たち尊敬給ふ(四段)お与えになる・〜なさる尊敬賜はすお与えになる(より高い)尊敬給ぶ・賜ぶ(たぶ)くださる謙譲給はる・賜るいただく(受け手が主語)謙譲給ふ(下二段)〜ております・存じます「給はる」は「給ふ」とちがい、受け取る側の謙譲語
「たまふ」の仲間:尊敬の給ふ・賜はす・たぶと、謙譲の給はる・下二段の給ふ
  • 「賜はす」は「給ふ」より敬意の高い尊敬語(お与えになる)。四段の「たぶ(給ぶ・賜ぶ)」も「お与えになる・くださる」の尊敬語です(主な敬語動詞の一覧)。
  • 「給はる(賜る)」は受け取る人が主語の謙譲語で「いただく」。四段の「給ふ」と主語が逆です。
  • 上代(奈良時代)には、下二段の「たまふ」を本動詞として「いただく」の意味で使った例がある、とする説明もあります。平安時代の下二段「給ふ」は補助動詞として扱えば十分です。

5. 「せ給ふ」と「聞こえ給ふ」──ほかの敬語と組むとき

四段の「給ふ」は、尊敬の助動詞「す・さす」と組んだ「せ給ふ・させ給ふ」で最高敬語(二重尊敬)になります(助動詞「す・さす・しむ」・最高敬語・絶対敬語)。また謙譲語の下について「聞こえ給ふ」「奉り給ふ」となると、謙譲語が受け手を、「給ふ」が主語を同時に高める二方面への敬語です(二方面への敬語)。こうした組み合わせで並ぶのは四段(尊敬)の「給ふ」です。

百人一首26番 貞信公(藤原忠平)「小倉山峰のもみぢ葉心あらば」の拾遺和歌集の詞書には、宇多上皇が大井川で、帝の行幸にもふさわしい所だと「仰せ給ふ」とあります。「仰せ」(おっしゃる)+四段の尊敬の補助動詞「給ふ」で、上皇への敬意です。清少納言の百人一首62番「夜をこめて」の場面を書いた枕草子の段も「頭の弁の、職に参りたまひて」と始まり、この「たまひ」も四段の尊敬(藤原行成への敬意)です。

百人一首26番 貞信公の絵札(詞書に 仰せ給ふ 給ふ たまふ)
百人一首26番・貞信公の絵札。詞書の「仰せ給ふ」の「給ふ」は四段の尊敬で、宇多上皇への敬意を表します。画像:絵札「Hyakuninisshu 026」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)
サクラちゃん

サクラちゃん

下二段の「給ふ」って、地の文には出てこないのね。

合格先生

合格先生

そう。だから地の文の「給ふ」はまず四段の尊敬と考えていい。会話文で「思ひ給へ」「見給へ」と出てきたら、下二段を疑うんだ。

うかるくん

うかるくん

「場所」と「形」と「上の動詞」の3つで見分ければ完ぺきだね!

入試でねらわれる所

  • 「給へ」の活用形(未然・連用なら下二段、已然・命令なら四段)と敬語の種類
  • 下二段の「給ふ」の訳し方(〜ております・存じます)と敬意の対象(聞き手)
  • 「給へり」「給へる」は四段(「り」の接続)
  • 「給ふ」と「賜る」の主語のちがい

よくあるまちがい

まちがい1:「給へ」を見たら、全部尊敬にする

「思ひ給へず」「見給へて」のように、未然形・連用形につく語が下にあれば下二段の謙譲です。「お思いにならない」と訳すと、主語を取りちがえます。

まちがい2:下二段の「給ふ」を「動作を受ける人への敬意」と答える

下二段の「給ふ」の敬意は、ふつう聞き手・読み手に向かいます。会話文なら話し手から聞き手への敬意です。

まちがい3:「給へる」を下二段の連体形と考える

下二段の連体形は「給ふる」です。「給へる」は四段の已然形(命令形)+完了・存続「り」の連体形「る」で、尊敬です。

「給ふ」の見分けで迷ったら、受験掲示板「100点BBS」の古典文法のお勉強で質問できます。

練習問題

やさしい

  1. 次の「給ふ」は四段か下二段か答えなさい。
    ① 給は(ず) ② 給ふる ③ 給ひ(て) ④ 給ふれ(ど)
    答えと解説を見る

    ① 四段(未然形「給は」は四段だけ) ② 下二段(連体形) ③ 四段(連用形「給ひ」) ④ 下二段(已然形)。

  2. 次の文を現代語訳しなさい。
    ① 帝、人々に禄を給ふ。(自作) ② 姫君、いみじう泣き給ふ。(自作)
    答えと解説を見る

    ① 「帝は、人々にほうびをお与えになる。」(四段の本動詞) ② 「姫君は、ひどくお泣きになる。」(四段の尊敬の補助動詞)。

ふつう

  1. 次の「給へ」の活用の種類・活用形・敬語の種類を答えなさい。
    ① 「さることは知り給へず。」(自作・会話文) ② 人々、いみじう喜び給へど、(自作)
    答えと解説を見る

    ① 打消「ず」は未然形につくので下二段・未然形・謙譲。「そのようなことは存じません」。② 「ど」は已然形につくので四段・已然形・尊敬。「人々はたいそうお喜びになるが」。

  2. 「御前に集まり給へる人々」(自作)の「給へ」は四段か下二段か。理由とともに答えなさい。
    答えと解説を見る

    四段。下の「る」は完了・存続の助動詞「り」の連体形で、「り」は四段の已然形(命令形とする説もある)につくからです。「お集まりになっている人々」。

むずかしい

  1. 女房が中宮に申し上げた次のことば(自作)について、傍線部「給ふる」の敬語の種類を答え、だれからだれへの敬意か説明しなさい。
    「この御文を見て、いとあはれになむ思ひ給ふる。」
    答えと解説を見る

    下二段の「給ふ」(謙譲の補助動詞)の連体形(「なむ」の結び)。主語は話し手の女房自身で、敬意は話し手の女房から、聞き手の中宮へ。「たいそうしみじみと思っております」。下二段の「給ふ」は丁重語(謙譲語Ⅱ)とする説明もあります。

  2. 「京にとく上げ給ひて、物語の多くさぶらふなる、ある限り見せ給へ。」(更級日記)の「給ひ」「給へ」について、活用の種類・活用形を答え、敬意の対象を説明しなさい。
    答えと解説を見る

    「給ひ」は四段・連用形、「給へ」は言い切りの命令形なので四段。どちらも尊敬の補助動詞で、祈りの相手である薬師仏(上げる・見せる動作をする主語)への、作者(話し手)からの敬意です。

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よくある質問

「給ふ」の四段と下二段の違いは何ですか?

四段の給ふは尊敬語で「お与えになる・〜なさる」、下二段の給ふは謙譲語で「〜ております・存じます」です。下二段は会話文・手紙で、話し手が自分の「思ふ・見る・聞く・知る」動作に使います。

「給へ」はどうやって見分けますか?

下の語を見ます。ず・じ・む・て・けり・きなど未然形・連用形につく語なら下二段(謙譲)、ど・ども・りが続くか命令で言い切るなら四段(尊敬)です。「給へば」は、ほとんどが四段の已然形+ば(〜なさるので)です。

下二段の「給ふ」はどう訳しますか?

「〜ております」「〜させていただく」「存じます」と訳します。「思ひ給ふる」は「思っております」、「見給へず」は「拝見しておりません」です。

下二段の「給ふ」はだれへの敬意ですか?

ふつう聞き手・読み手への敬意です。会話文なら話し手から聞き手へ向かいます。そのため丁重語(謙譲語Ⅱ)と説明する文法書もあります。

「給へり」の「給へ」は四段ですか?

はい。完了・存続の「り」は四段の已然形(命令形とする説もある)につくので、「給へり」「給へる」の「給へ」は四段の尊敬です。

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出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」国語(言語文化・古典探究)
  • 例文の本文:源氏物語(桐壺)、更級日記(冒頭)、古今和歌集(春上・百人一首15番の詞書)、拾遺和歌集(百人一首26番の詞書)、枕草子(「頭の弁の、職に参りたまひて」の段)。下二段の「給ふ」の例文は形が確かめやすい自作。表記は読みやすいように一部改めています
  • 高校の古典文法の標準的な説明(「給ふ」の四段と下二段・活用・接続による見分け方・敬意の方向)にもとづいて作成。下二段の「給ふ」を丁重語(謙譲語Ⅱ)とする説、上代の下二段「たまふ」の本動詞用法は「〜とする説明もある」として記しました
  • 画像:百人一首の絵札「Hyakuninisshu 015」「Hyakuninisshu 026」(パブリックドメイン、Wikimedia Commons)

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦