共通テスト漢文の対策|配点・時間配分・出る句法の順番と解き方の手順・練習問題【大学受験】

共通テスト漢文の対策|配点・時間配分・出る句法の順番と解き方の手順・練習問題【大学受験】

漢文文法・句法辞典 › 入試別

大学受験

ひとことで言うと

共通テストの漢文は、国語90分・200点のうち45点の大問(令和7・8年度は第5問)で、すべて選択式です。再読文字・否定・反語・使役・受身などの句法と重要語の読みを出る順に固め、選択肢を「読みと訳の両方」で消していくのが得点の近道です。

このページのポイント

  • 国語は90分・200点。古典2問90点のうち漢文は45点(令和9年度の実施要項)
  • 令和7・8年度の本試験では第5問が漢文。答えはすべて選択肢
  • 出る順は返り点・置き字・再読→否定・反語→使役・受身・比較・抑揚→重要語→漢詩・思想
  • 解き方は設問→リード文・注→本文(句法に印)→句法で消去→最後に比べる
  • 時間は配点の割合なら約20分。自分の配分は過去問で決める

はじめて(やさしく):共通テストの漢文はどんな試験?

大学入学共通テストの「国語」は、90分・200点の試験です。大学入試センターの「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」(令和8年6月2日通知)では、国語は「現代の国語」と「言語文化」を出題範囲とし、配点は近代以降の文章が3問110点、古典が2問90点(古文・漢文が各45点)と定められています。試験時間割では、国語は第1日の13:00〜14:30です。

令和7年度・令和8年度の本試験の正解・配点表を見ると、大問は5つで、漢文は第5問(45点)でした。つまり漢文は、国語200点のうち2割あまりをしめます。答えはすべて選択肢の番号で答える形で、記述はありません。

共通テスト「国語」90分・200点第1問近代以降の文章45点第2問近代以降の文章45点第3問近代以降の文章20点第4問古典(古文)45点第5問古典(漢文)45点令和7・8年度 本試験の配点(大学入試センター公表)漢文は第5問・45点=国語の2割あまり
共通テスト「国語」の大問と配点。漢文は第5問・45点(令和7・8年度の本試験)

また実施要項では、大学が特定の分野の利用を指定した場合、近代以降の文章・古文・漢文の分野別の得点が大学に提供されると定められています。志望校が国語をどう使うかは、各大学の募集要項で確かめましょう。

うかるくん

うかるくん

漢文って45点もあるんですね。でも、句法のページだけで20近くもある……。全部同じように覚えないとだめですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

いや、出る順がある。共通テストの漢文は文章が短く、句法と重要語の知識で選択肢をしぼれる問いが多い。だから「何から・どこまで」を決めて進めれば、短い期間で得点源にできる。

サクラちゃん

サクラちゃん

このページは、その「出る順」の地図なんですね!

ミスターT先生

ミスターT先生

そう。辞典のすべてのページを、共通テストで大事な順に並べておいた。上から順に読んでいけばいい。

漢文の大問でよく見られる問いの型

共通テスト(とその前のセンター試験)の漢文では、次のような問いがよく見られます。年度によって形は変わりますが、どの型も句法・重要語の知識で選択肢をしぼれるのが特徴です。

漢文の大問でよく見られる問いの型語の意味・読み「蓋」「嘗」の読み・語の意味返り点と書き下し正しい組合せを選ぶ(句法がカギ)解釈(現代語訳)傍線部の意味。反語・使役などの訳理由・内容の説明本文の根拠をさがして選ぶ漢詩・複数の文章押韻・対句、文章どうしの比べすべて選択肢から選ぶ(記述はない)
漢文の大問でよく見られる5つの問いの型。すべて選択肢から選ぶ
  • 語の意味・読み:「蓋(けだし)」「嘗(かつて)」「遂(つひに)」などの読み、本文の語と同じ意味の語を選ぶ(重要漢字の読み(蓋・嘗・遂・頗・具)・漢文の重要単語)。
  • 返り点と書き下し文の組合せ:白文の傍線部に正しい返り点と書き下し文の組合せを選ぶ。句法を知っていれば消去できる代表の問いです。
  • 解釈:傍線部の意味。反語・使役・受身・二重否定などの訳し方が決め手になります。
  • 理由・内容の説明:「なぜ〜したのか」「筆者の考え」などを、本文の根拠から選びます。
  • 漢詩・複数の文章:漢詩の押韻・対句・心情や、2つ以上の文章(漢文どうし、漢文と現代文の解説など)を比べる問い。

ここまでのまとめ

  • 国語は90分・200点。古典は2問90点で、漢文は1問45点(令和9年度の実施要項)
  • 令和7・8年度の本試験では第5問が漢文。答えはすべて選択肢
  • 問いは語の意味・読み/返り点と書き下し/解釈/理由・内容/漢詩・複数の文章
  • どの型も句法と重要語で選択肢をしぼれる

しっかり:出る順の勉強リストと解き方

この辞典の全ページを「出る順」に並べた一覧

共通テストで役に立つ順に、この辞典の全ページを並べました。★の数はこの辞典の目安で、公式の出題割合ではありません。上の段から順に進めると、むだがありません。

共通テストの「出る順」(この辞典の目安)最優先返り点・置き字・再読文字・否定・反語次に使役・受身・比較・抑揚・仮定・重要語仕上げ限定・累加・願望・詠嘆・漢詩余裕があれば部分否定・選択・比況・思想・文学史上から順に。公式の出題割合ではない
共通テストの漢文で優先したい項目の目安。上の段が土台で、下の段は仕上げ
段大事さページ(共通テストでの使い道)
1 土台★★★返り点・書き下し文のきまり・置き字・送り仮名・漢文の語順(返り点と書き下しの組合せの問い)
2 特別な字★★★再読文字(未・将・当・応・宜・須・猶・盍)・返読文字(有・無・不・非・難・易)(読み・書き下しの決め手)
3 否定・疑問・反語★★★否定・二重否定・疑問・反語(解釈の選択肢を分ける)
4 使役・受身・仮定など★★★使役・受身・比較・抑揚・仮定・逆接・条件
5 重要語の識別★★★「之」・「以」・「為」・「与」・「於・于・乎」・「而・則・乃・即」・「者・所・所以」
6 読み・単語★★☆重要漢字の読み・漢文の重要単語(意味が現代とちがう語)(語の意味・読みの問い)
7 残りの句法★★☆限定・累加・願望・詠嘆・禁止・可能・部分否定・選択・比況
8 漢詩・思想★★☆漢詩のきまり(押韻・対句)・諸子百家・漢文の文学史(漢詩・複数の文章の問い)
9 まとめ★☆☆句法の一覧(印刷用)で総復習、漢文とは(訓読のしくみ)で確認

何を何日で:期間と時間の目安

やること1日の時間(目安)期間(目安)
1〜2 返り点・置き字・再読文字・返読文字20〜30分1〜2週間
3〜4 句法(否定〜逆接まで)20〜30分(1日1〜2個)3〜4週間
5〜6 重要語の識別・読み・単語20分2週間
7〜8 残りの句法・漢詩・思想20分2週間
過去問・予想問題(時間を計って)1回20分+見直し20分本番まで週2〜3回

合計すると、句法と重要語をひととおり終えるまでに2〜3か月が目安です(あくまで目安で、人によってちがいます)。高3の夏までに1〜6を終え、秋から過去問に入れると安心です。1日のメニューや音読のしかたは漢文の勉強法(句法の覚え方・1日の時間)にまとめています。

解き方の手順

共通テストの漢文:解き方の手順1設問を先に見る傍線部と、何を問うかに印2リード文と注を読む人物・場面・語の意味をつかむ3本文を読む句法・重要語に印をつけながら4設問を解く組合せは句法で消去、内容は根拠で5最後の問いで比べる漢詩・別の文章と本文を照らす
共通テストの漢文の解き方の手順の例。4の「句法で消去」がいちばん点に直結する
  1. 設問を先に見る:傍線部の位置と、「読み」「組合せ」「解釈」「理由」のどれを問うかに印をつけます。
  2. リード文と注を読む:だれの話か、どんな場面かをつかみます。注にある語の意味は、本文を読む前に頭に入れておきます。
  3. 本文を読む:再読文字・否定・反語・使役・受身などの句法と、之・以・為・与などの重要語に印をつけながら読みます。
  4. 設問を解く:返り点と書き下し、解釈の問いは句法で選択肢を消す。理由・内容の問いは本文の根拠(どの文か)を確かめてから選びます。
  5. 最後の問いで比べる:漢詩や別の文章があるときは、本文と「何が同じで何がちがうか」を照らします。

時間配分の考え方

時間配分の考え方(目安)国語 90分 ÷ 200点 × 漢文45点 ≒ 20分近代以降の文章 3問古文漢文配点どおりなら漢文は約20分。でも漢文は文章が短く、句法で解ける問いが多いので15〜20分で解いて、時間を現代文に回す人も多い自分の配分は、過去問を時間を計って決める大問ごとの時間は決められていない
国語90分を配点の割合で分けると漢文は約20分。実際の配分は過去問で決める

国語は90分で5つの大問を解きます。大問ごとの時間は決められていないので、自分で配分します。配点の割合で計算すると漢文は約20分ですが、漢文は文章が短く、句法で解ける問いが多いので、15〜20分で解いて現代文に時間を回す作戦をとる人も多いようです。どちらにしても、過去問を時間を計って何度か解き、自分の配分を決めておきましょう。

出る句法を例文で確かめる

選択肢を分けやすい句法を、有名な本文で確かめます。どれも「読み」と「訳」の両方を言えるようにしておくと、組合せの問いにそのまま使えます。

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再読文字+反語

書き下し文未いまだ生を知らず、焉いづくんぞ死を知らん。

(『論語』先進)

現代語訳まだ生きることもわからないのに、どうして死のことがわかろうか(わかりはしない)。

ここがポイント「未」は再読文字で「未だ〜ず」(再読文字の一覧)。「焉くんぞ〜ん」は反語(反語の句法)。組合せの問いでは、「未」を1回しか読んでいない選択肢、反語を疑問で訳した選択肢を先に消せます。
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反語「安〜哉」

白文燕雀安知鴻鵠之志哉。

書き下し文燕雀安いづくんぞ鴻鵠の志を知らんや。

(『史記』陳渉世家)

現代語訳つばめやすずめのような小さな鳥に、どうしておおとりやくぐいのような大きな鳥の志がわかろうか(わかりはしない)。

ここがポイント文末の「哉」と結びついて「安くんぞ〜んや」と読む反語。下の「消去法」の図で、この一文を使った選択肢の消し方を見てください。小人物には大人物の考えがわからない、というたとえです。
組合せの問題は「句法で消す」白文「燕雀安知鴻鵠之志哉」の「安〜哉」ア安くんぞ知らんや知っているか×反語なのに疑問の訳イ安くんぞ知るやどうして知ろうか×書き下しが反語の形でないウ安くんぞ知らんやどうして知ろうか、知らない○読みも訳も反語読みと訳の「両方」が句法に合うものだけ残す(選択肢は自作の例)
書き下しと解釈の組合せは、読みと訳の両方が句法に合うかで消していく(選択肢は自作)
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使役「使」+可能・当然「可」

書き下し文民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず。

(『論語』泰伯)

現代語訳人民は(為政者の示す道に)従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい。

ここがポイント「使」は使役(〜しむ)で、書き下しではひらがな(使役の句法)。「可」は「べし」。この一節の解釈には「知らせてはならない」と読む説と「知らせることはできない」と読む説があり、解釈の問題ではリード文や注にしたがいます。
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受身「為A所B」

書き下し文先さきんずれば即すなはち人を制し、後おくるれば則すなはち人の制する所ところと為なる。

(『史記』項羽本紀)

現代語訳先に行動すれば人をおさえることができ、おくれると人におさえられる。

ここがポイント「為A所B」で「AのBする所と為る(AにBされる)」という受身(受身の句法)。一レ点がつく形で、返り点の問いにもよく使われます。故事成語「先んずれば人を制す」のもとです。
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比較「A不如B」

書き下し文百聞は一見に如しかず。

(『漢書』趙充国伝)

現代語訳百回聞くことは、一回見ることに及ばない。

ここがポイント「A不如B」で「AはBに如かず(AはBに及ばない=Bのほうがよい)」(比較の句法)。解釈の問いでは「どちらがよいと言っているか」が逆になった選択肢がまぎれます。
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抑揚「A且B、安C」

書き下し文臣死すら且かつ避けず、卮酒安いづくんぞ辞するに足らんや。

(『史記』項羽本紀)

現代語訳わたしは死でさえ避けません。まして大杯の酒など、どうして辞退するほどのことがありましょうか。

ここがポイント鴻門の会で樊噲(はんかい)が言う言葉。「Aすら且つB、安くんぞCせんや」で「AでさえBだ、ましてCはなおさらだ」という抑揚(抑揚の句法)。「すら」「且つ」を見たら、後半の反語とセットで読みます。
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二重否定「莫不〜」

書き下し文天下其の名を知らざるは莫なし。

(自作)

現代語訳世の中にその名を知らない者はいない(だれもが知っている)。

ここがポイント「莫不〜」は「〜ざるは莫し(〜しないものはない=みな〜する)」という二重否定で、強い肯定になります(二重否定の句法)。解釈の問いでは「知らない者もいる」のような逆の訳が混ざりやすい所です。

もっと深く:漢詩・複数の文章・選択肢の細部

1. 漢詩は「形式・押韻・対句」をまず確かめる

漢詩が出たら、まず形式(五言・七言、絶句・律詩)、押韻の字、対句を確かめます。押韻は「空欄に入る字を選ぶ」問いの手がかりになり、対句は「同じ位置の語どうしが対応する」ことから意味を推し量る手がかりになります(漢詩のきまり(絶句・律詩・押韻・対句))。

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漢詩の中の再読文字

書き下し文君故郷より来たる、応まさに故郷の事を知るべし。

(王維「雑詩」)

現代語訳あなたは故郷から来た。きっと故郷のことを知っているだろう。

ここがポイント五言絶句の前半2句。「応」は再読文字で「応に〜べし(きっと〜だろう)」と読みます。漢詩の中にも句法はふつうに出るので、詩だからといって句法の知識を手放さないことが大切です。

2. 複数の文章は「同じ所」と「ちがう所」を短く書き出す

2つ以上の文章を読ませる問いでは、文章どうしの共通点(同じ話題・同じ人物・同じ故事)と相違点(立場・評価・結論)をつかむことが中心になります。読みながら、余白に「Ⅰ:〜をほめる」「Ⅱ:〜を批判」のように、それぞれの主張を10字ほどでメモしておくと、最後の問いで迷いません。

複数の文章は「同じ所」と「ちがう所」文章Ⅰ文章Ⅱ立場・主張のちがい同じ話題・人物評価・結論のちがい①何が共通か→②どこがちがうか→③設問へ漢詩と文章なら:詩の情景と文章の説明を対応
複数の文章は、重なる所(共通点)と重ならない所(相違点)を先につかむ
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対話の中の立場のちがい

書き下し文子は魚に非あらず、安いづくんぞ魚の楽しみを知らんや。

(『荘子』秋水)

現代語訳きみは魚ではない。どうして魚の楽しみがわかろうか(わかりはしない)。

ここがポイント荘子が「魚が楽しそうに泳いでいる」と言ったのに対し、友人の恵子(けいし)が返した言葉。同じ景色を見ても、二人の立場(考え方)がちがうことが話の中心です。複数の文章や対話の問いでは、このような立場のちがいがそのまま設問になります。思想家の考え方の地図は諸子百家(儒家・道家・法家)で。

3. 選択肢の細部:差がつく3つの所

  • 反語と疑問:「どうして〜か」で終わる選択肢と、「どうして〜か、いや〜ない」まで言う選択肢。文末が「ん(や)」なら反語の可能性が高い(疑問の句法・反語の句法)。
  • 部分否定と全部否定:「常には〜ず(いつも〜とはかぎらない)」と「常に〜ず(いつも〜ない)」(部分否定と全部否定)。
  • 重要語の読みの取りちがえ:「為」の「ため・なる・なす・たり・る(受身)」、「与」の「と・ともに・あたふ・くみす・か(疑問)」など(「為」の読みと用法・「与」の読みと用法)。
昔の中国の科挙の試験場(貢院)にあった、受験生が一人ずつ入る小部屋「号舎」の入り口の並び。入り口の上に「夜字號」「果字號」「李字號」「柰字號」の札がかかっている
科挙(昔の中国の官吏登用試験)の試験場にあった号舎(受験生が一人ずつ入る小部屋)の入り口(1894年の図)。札の「夜・果・李・柰」は、『千字文』の字の順で部屋の列に名前をつけたものです。大勢が同じ日に同じ問題を解く試験は、昔の中国にもありました。画像:「Corridors to examination cells」(1894年、作者不明、Wikimedia Commons・パブリックドメイン)

4. 国公立二次・難関私大への橋渡し

共通テストでは句法を「選択肢をしぼる道具」として使いますが、国公立二次や難関私大では、同じ句法を自分の言葉で書き下し、現代語訳に出すことが求められます。共通テストの対策で「読みと訳をセットで言える」ようにしておけば、そのまま記述の土台になります。記述の書き方は国公立二次・難関私大の漢文(記述の書き方)へ。高校受験までの返り点から確かめ直したい人は高校受験の漢文のページが入口です。共通テスト全体の計画は「共通テストの勉強法(高1・高2・高3の計画)」、古文は古文文法辞典の共通テストの古文文法もどうぞ。

サクラちゃん

サクラちゃん

組合せの問題、いつも2つまでしぼって迷うんです。

ミスターT先生

ミスターT先生

迷ったら、読みと訳の「両方」を句法に照らしてごらん。読みは反語なのに訳が疑問、再読文字を1回しか読んでいない、というように、どちらか一方がずれている選択肢が必ずある。

うかるくん

うかるくん

「読みも訳も合っているもの」だけ残す、ですね!

本を開いて説明するミスターT先生

ミスターT先生

共通テストの漢文は句法と重要語で選択肢を消す試験。出る順に覚えて、過去問で「消し方」を練習すれば、45点は安定した得点源になるよ。

よくあるまちがい

まちがい1:句法を覚えずに「なんとなくの意味」で選ぶ

選択肢はどれも「だいたいの意味」は合っていることが多く、句法の訳だけがちがいます。まず再読文字・反語・使役・受身など、出る順の上の段を固めましょう。

まちがい2:リード文と注を読まずに本文へ入る

リード文には人物の関係や場面、注には語の意味が書かれています。読み飛ばすと、理由・内容の問いをまとめて落としやすくなります。

まちがい3:組合せの問いで、書き下しか訳の片方しか見ない

読みは正しくても訳がずれている、訳は正しくても読みがずれている選択肢がまぎれています。両方を句法に照らしましょう。

まちがい4:漢文に時間をかけすぎて現代文が終わらない

大問ごとの時間は決められていません。過去問を時間を計って解き、自分の配分を決めておきます。迷った問いは印をつけて先へ進みましょう。

練習問題(共通テストの問いの形・自作)

共通テストの問いの形をまねた自作の問題です(本文は有名な一節から短く引いています)。

やさしい

  1. 「未知生」の書き下し文として正しいものを選びなさい。
    ア 未だ生を知る  イ 未だ生を知らず  ウ 未だ生を知らざらんや
    答えと解説を見る

    イ。「未」は再読文字で、1回目は「未だ」、2回目は打消の「ず」と読みます。アは2回目の「ず」が抜けています(再読文字の一覧)。

  2. 「百聞不如一見」の解釈として正しいものを選びなさい。
    ア 百回聞くほうが、一回見るよりよい
    イ 百回聞くことは、一回見ることに及ばない
    ウ 百回聞いても、一回も見ないことがある
    答えと解説を見る

    イ。「A不如B」は「AはBに如かず(AはBに及ばない)」。よいのはBの「一見」です(比較の句法)。

ふつう

  1. 白文「燕雀安知鴻鵠之志哉」の書き下し文と解釈の組合せとして正しいものを選びなさい。
    ア 燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや/小さな鳥に大きな鳥の志がわかるだろうか、いやわからない
    イ 燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知るや/小さな鳥は大きな鳥の志を知っているのか
    ウ 燕雀安くに鴻鵠の志を知らんや/小さな鳥はどこで大きな鳥の志を知ったのか
    答えと解説を見る

    ア。「安〜哉」は「安くんぞ〜んや」と読む反語。イは書き下しも訳も疑問になっており、ウは「安」を場所(どこで)の意味にしていて、文末の反語と合いません(反語の句法)。

  2. 「先即制人、後則為人所制」(『史記』項羽本紀)の傍線部「為人所制」の読み方として正しいものを選びなさい。
    ア 人の為に制する所なり  イ 人の制する所と為る  ウ 人を為して制せしむ
    答えと解説を見る

    イ。「為A所B」は「AのBする所と為る(AにBされる)」という受身の形です。アは「為」を「ため」と読んでいて、受身の形になりません(受身の句法・「為」の読みと用法)。

むずかしい

  1. 次の【文章Ⅰ】【文章Ⅱ】(どちらも自作の書き下し文)について、両者の考えのちがいの説明として最も適当なものを選びなさい。
    【文章Ⅰ】学びて思はざれば則ち罔し。故に書を読む者は、必ず自ら其の理を考ふべし。
    【文章Ⅱ】思ひて学ばざれば則ち殆ふし。故に先づ多く書を読みて、而る後に考ふべし。
    ア Ⅰは読書を否定し、Ⅱは読書を勧めている
    イ Ⅰは自分で考えることを、Ⅱは先に多く学ぶことを重んじている
    ウ ⅠもⅡも、考えることより読書を重んじている
    答えと解説を見る

    イ。どちらも『論語』為政の「学びて思はざれば則ち罔し、思ひて学ばざれば則ち殆ふし」をふまえていますが、Ⅰは「必ず自ら其の理を考ふべし」と考えることを、Ⅱは「先づ多く書を読みて」と先に学ぶことを重んじています。アはⅠが読書を否定していないので誤り。複数の文章は「共通点(同じ論語をふまえる)」と「相違点(重んじる順番)」を分けて読みます。

  2. 「臣死且不避、卮酒安足辞」(『史記』項羽本紀)の解釈として最も適当なものを選びなさい。
    ア わたしは死を避けないつもりだが、大杯の酒は辞退したい
    イ わたしは死でさえ避けない。まして大杯の酒など辞退するまでもない
    ウ わたしは死を避けるべきではないので、大杯の酒も飲まねばならない
    答えと解説を見る

    イ。「A且B、安C」は「Aすら且つB、安くんぞCせんや」という抑揚の形で、「AでさえBだ、ましてCはなおさらだ」。後半の「安くんぞ〜足らんや」は反語なので、「辞退するまでもない(辞退などしない)」となります。アは後半を反語として訳していません(抑揚の句法)。

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よくある質問

共通テストの漢文は何点で、試験時間は何分ですか?

国語は全体で90分・200点です。大学入試センターの令和9年度の実施要項では、古典が2問90点で、古文と漢文が各45点とされています。漢文だけの試験時間は決められていません。

共通テストの漢文は第何問ですか?

令和7年度と令和8年度の本試験では、第4問が古文、第5問が漢文でした。

共通テストの漢文は何から勉強すればよいですか?

返り点・置き字・再読文字・返読文字の土台を固め、次に否定・疑問・反語、使役・受身・比較・抑揚・仮定などの句法、そのあと之・以・為・与などの重要語の読み分けへ進むのが効率的です。

共通テストの漢文は何分で解けばいいですか?

国語90分を配点の割合で分けると約20分ですが、文章が短く句法で解ける問いが多いので、15〜20分で解いて現代文に時間を回す人も多いようです。過去問を時間を計って解き、自分の配分を決めるのがいちばんです。

共通テストの漢文に記述問題はありますか?

ありません。令和7・8年度の本試験の正解表を見ると、国語の答えはすべて選択肢の番号で答える形でした。

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出典・参考

  • 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」(令和8年6月2日 入試セ事一第17号)別紙「出題教科・科目の出題方法等」(国語90分・200点、注1:近代以降の文章3問110点・古典2問90点〈古文・漢文各45点〉、分野別得点の提供)、試験時間割(国語は第1日13:00〜14:30)。https://www.dnc.ac.jp/ (2026年10月28日確認)
  • 大学入試センター「令和7年度 本試験の正解」「令和8年度 本試験の正解」国語(第1問45点・第2問45点・第3問20点・第4問45点・第5問45点)(2026年10月28日確認)
  • 例文の本文:『論語』先進・泰伯、『史記』陳渉世家・項羽本紀、『漢書』趙充国伝、『荘子』秋水、王維「雑詩」。訓読は高校の教科書で一般的な読み方による。「自作」とした例文・問題は合格大作戦の作例
  • 問いの型は共通テスト(とその前のセンター試験)の漢文で一般的に見られる傾向。大事さの★、勉強の期間、時間配分はこの辞典の目安(公式の数字ではありません)
  • 画像:「Corridors to examination cells」(1894年、作者不明、Wikimedia Commons・パブリックドメイン)

最終更新:2026年10月28日/作成:大学受験合格大作戦