【解答編】正六角形と台形の面積は何倍?|補助線で12等分する解き方と別解(面積比・座標・ベクトル)

この問題の答え

  • 答えは4倍。補助線を引くと、正六角形は同じ形の直角三角形12個に分かれ、赤い台形はそのうち3個分なので 12÷3=4 です
  • 別解:正六角形は正三角形6個、台形は正三角形1個と半分(1.5個)なので 6÷1.5=4。座標やベクトルで計算しても同じ4倍になります

この記事は「補助線引けば秒殺!正六角形と台形の面積問題」の解答編です。まだ自分で考えていない人は、先に問題編(正六角形と台形の面積問題)で解いてみてください。ここでは答えの出し方を図で説明したあと、別の解き方を4つ、Pの位置を動かす発展問題、正六角形でよく出る面積の比、練習問題までまとめています。

問題のおさらい:正六角形の面積は赤い台形の何倍?

正六角形問題
元の問題(2014年5月出題)
地頭を鍛える算数の問題

正六角形に図のように対角線を引きました。元の正六角形の面積は、赤色の台形の面積の何倍でしょう? ヒントは「頭の中で補助線を引いたら秒殺!」でした。

説明しやすいように、この記事では頂点に名前を付けます。上の辺の左はしを A とし、時計回りに A・B・C・D・E・F とします。中心を O とします。問題で引いてある線は、中心を通る横の対角線 FC、中心を通るななめの対角線 BE、そして右側のたての対角線 BD の3本です。BD と FC が交わる点を P とすると、赤い台形は O・P・D・E を頂点とする四角形になります。

ABCDEF OP 問い 正六角形の面積は 赤い台形の何倍? 引いた線 FC・BE(中心Oを通る) BD(たての線) 台形 OPDE は OP と ED が平行
問題の図を描き直したもの。赤い台形は OPDE(OP と ED が平行)

赤い四角形が台形といえるのは、上の辺 OP(横の対角線 FC の一部)と下の辺 ED(正六角形の下の辺)が、どちらも横向きで平行だからです。上底が OP、下底が ED、高さは中心 O から下の辺までの長さです。台形の定義は数学用語辞典の「台形・ひし形とは?」で確かめられます。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

線が3本しかないから、台形の形がつかみにくい…。でも「補助線を足せば秒殺」なんですよね?

答え:4倍(正六角形を12等分した三角形の3つ分)

六角形
元の解答の図(青い線が補助線)

図のように補助線を引くと、台形部分は正六角形を12等分した三角形3つ分であることがわかります。

12 ÷ 3 = 4

答え:元の正六角形の面積は、赤色の台形の面積の4倍

ここからは、元の解答の図を一歩ずつ説明します。

正六角形を12等分する補助線の引き方

元の解答で足した補助線は、左のたての線 AE、まん中のたての線(上の辺 AB のまん中と下の辺 DE のまん中を結ぶ線)、中心を通る対角線 AD の3本です。問題にもとからある FC・BE・BD と合わせると、線は次の6本になります。

  • 中心 O を通る対角線(いちばん長い対角線)3本:FC・BE・AD
  • たての線3本:AE・まん中の線・BD(左右にならんで、間かくはどれも同じ)

この6本で、正六角形は下の図のように同じ形・同じ大きさの直角三角形12個に分かれます。赤い台形の中に入っている三角形を数えると、5・7・8 の3個です。

123456789101112 同じ形の三角形が 12個 赤い台形は 3個分 12 ÷ 3 = 4 答え 4倍 青い線が補助線
6本の線で正六角形は同じ形の三角形12個に。赤い台形は 5・7・8 の3個分なので 12÷3=4

なぜ12個の三角形は全部同じ大きさなの?

理由は2段階で説明できます。

ステップ1:中心を通る3本の対角線(FC・BE・AD)で、正六角形は6個の正三角形に分かれます。正六角形の1つの内角は120°(内角の和 180°×(6−2)=720° を6で割る)なので、中心から頂点へ線を引くと、中心のまわりの360°が6等分されて60°ずつになり、どの三角形も3つの角が60°の正三角形になります。内角の和の公式は公式辞典の「多角形の内角の和・外角の和」に証明つきでのっています。

ステップ2:たての3本の線は、それぞれの正三角形をちょうど半分に切ります。たとえば右上の正三角形 OBC では、頂点 B からたてにおろした線 BD が、向かいの辺 OC に垂直に当たります。正三角形では、頂点から向かいの辺に垂直におろした線は、その辺のまん中を通り、三角形を左右対称に2等分します。だから P は OC のまん中で、三角形 OBP と三角形 PBC は同じ形です。ほかの5個の正三角形も同じように半分に切られます。

6個の正三角形がそれぞれ2つに分かれるので、6×2=12個。どれも「正三角形の半分」なので、形も面積も全部同じです。この三角形は、角が30°・60°・90°の直角三角形(三角定規の1枚と同じ形)です。

うかるくん

うかるくん

台形の中の三角形 7・8 と、三角形 5 は向きがちがいますよね。それでも本当に同じ大きさなんですか?

合格先生

合格先生

いい疑問です。7・8 は正三角形 ODE を半分にしたもの、5 は正三角形 OCD を半分にしたもの。どちらも同じ大きさの正三角形の半分なので、向きがちがっても面積は同じです。裏返したり回したりすればぴったり重なりますよ。

「秒殺」の理由:数えるだけで比が出る

この解き方のよいところは、長さも面積の公式もいらないことです。全体を同じ大きさの部品に分けてしまえば、あとは部品の数を数えて割るだけ。全体が12個、台形が3個なので、台形は全体の 3/12=1/4。だから正六角形は台形の4倍です。中学受験の算数では、このように「同じ大きさの部品に分けて数える」考え方がとてもよく使われます。

正六角形の面積の求め方そのもの(正三角形6つ・24等分など)は、公式辞典の「正六角形の面積の解き方と公式」でくわしく説明しています。正多角形の性質は数学用語辞典の「正多角形とは?」も見てください。

別解1:正三角形6つに分ける(面積比で解く)

12個まで細かく分けなくても、正三角形6個で考えることもできます。中心を通る3本の対角線で正六角形を6個の正三角形に分けると、赤い台形は次の2つを合わせた形です。

  • 正三角形 ODE(まるごと1個)
  • 三角形 OPD(正三角形 OCD の半分)
ABCDEFOP 1個 半分 正六角形 = 正三角形 6個 赤い台形 = 1個 + 半分 1.5個 6 ÷ 1.5 = 4 P は OC のまん中(高さが同じで 底辺が半分 → 面積も半分)
正六角形は正三角形6個。赤い台形は正三角形1個と半分で1.5個分

三角形 OPD が正三角形 OCD の半分になる理由は、「高さが同じ三角形の面積の比は、底辺の比に等しい」からです。三角形 OPD と三角形 OCD は、頂点 D を共有していて、底辺 OP と OC が同じ直線(FC)の上にあります。だから高さは同じです。P は OC のまん中なので、底辺の比は OP:OC=1:2。面積の比も1:2で、三角形 OPD は三角形 OCD の半分です。

よって、赤い台形は正三角形 1+1/2=1.5個分。正六角形は6個分なので、6÷1.5=4倍です。分数で書くと、台形は正六角形の (1+1/2)÷6=1/4 です。

「高さが同じなら面積の比=底辺の比」は、中学受験の算数でも高校入試の数学でも、面積の問題でいちばんよく使う道具です。公式辞典の「面積比と辺の比」に証明と例題があります。

別解2:長方形で考える(引き算で解く)

正六角形の中には、4つの頂点 A・B・D・E を結んだ長方形 ABDE が入っています。これを使う方法です。長方形 ABDE を横の対角線 FC で上下に半分に分け、下半分の長方形を □ とよびます。左下の角は、FC 上で A・E の真上・真下にあたる点 Q です。

ABCDEFOPQ 長方形の上半分 引く 長方形の下半分を □ とすると 正六角形 = □ × 3 (長方形 □2つ + 左右の三角形 □1つ) 赤い台形 = □ × 3/4 (□ から □の1/4 の三角形を引く) 3 ÷ 3/4 = 4
正六角形は □ の3つ分。赤い台形は □ から □の1/4の三角形を引いたもの

正六角形の面積:長方形 ABDE は □ が2つ。左右にはみ出した三角形(三角形 AEF と三角形 BCD)は、それぞれ底辺が AE(□のたての長さの2倍)、高さが □ の横の長さの半分なので、面積は □ の半分です。2つで □ 1つ分。合わせて正六角形は □×3 です。

赤い台形の面積:□(長方形 QPDE)から、左はしの三角形 QOE を引いた形です。三角形 QOE は、横が □ の半分・たてが □ と同じの直角三角形なので、面積は □ の 1/2×1/2=1/4。台形は □×(1−1/4)=□×3/4 です。

よって、3÷3/4=4倍。12等分の図とくらべると、□ は12個の三角形のうち4個分にあたるので、六角形は 4×3=12個、台形は 4−1=3個で、ぴったり合います。

このように「大きな図形から、いらない部分を引く」のも面積の問題の定番です。三角形・平行四辺形の面積の基本は公式辞典の「三角形・平行四辺形の面積の公式」にまとめています。

別解3:台形の面積の公式で計算する

赤い図形が台形なので、台形の面積の公式「(上底+下底)×高さ÷2」でそのまま計算することもできます。正三角形の高さは小学生には求めにくい(√ が出てくる)ので、高さは「□cm」のまま計算します。

正六角形の1辺を 4cm とし、6個の正三角形の高さ(中心 O から辺までの長さ)を □cm とします。

図形式面積
正三角形1個4 × □ ÷ 22 × □
正六角形(正三角形6個)2 × □ × 612 × □
赤い台形(上底 OP=2cm、下底 ED=4cm、高さ □cm)(2 + 4) × □ ÷ 23 × □

正六角形は 12×□、台形は 3×□ なので、(12×□)÷(3×□)=4倍。□ がいくつでも、割り算で消えてしまうので答えは変わりません。「12」と「3」は、12等分の図の「全部で12個・台形は3個」とちょうど同じ数です。

上底 OP が 2cm になるのは、P が OC(長さ 4cm。正三角形 OCD の1辺)のまん中だからです。下底 ED は正六角形の1辺なので 4cm です。台形の公式がなぜ「(上底+下底)×高さ÷2」になるのかは、公式辞典の「台形の面積の公式」で、図を使って説明しています。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

長さがわからないときは「□」のままでいい!比を聞かれたら、最後に割り算をすればわからない長さは消えます。

高校数学で解く:座標で正六角形の面積を求める

ここからは中学・高校の数学の解き方です。比を求めるだけなので、計算しやすいように1辺を2とし、中心 O を原点 (0, 0)、横の対角線 FC を x 軸にします。正三角形の高さは 2×√3/2=√3 なので、頂点の座標は A(−1, √3)、B(1, √3)、C(2, 0)、D(1, −√3)、E(−1, −√3)、F(−2, 0) です。P は OC のまん中なので P(1, 0) です。

x y O P(1, 0) D(1, −√3) E(−1, −√3) 台形 OPDE = 3√3/2 正六角形 = 6√3 比は 6√3 ÷ 3√3/2 = 4
1辺を2として座標に置く。台形 OPDE は 3√3/2、正六角形は 6√3

台形 OPDE の面積

上底 OP=1、下底 ED=1−(−1)=2、高さ=√3 なので、(1+2)×√3÷2=3√3/2 です。

多角形の頂点の座標がわかっているときは、靴ひも公式(シューレースの公式)でも計算できます。頂点を O→P→D→E の順にまわり、「x₁y₂−x₂y₁」を足していきます。

  • O(0,0)→P(1,0):0×0−1×0=0
  • P(1,0)→D(1,−√3):1×(−√3)−1×0=−√3
  • D(1,−√3)→E(−1,−√3):1×(−√3)−(−1)×(−√3)=−2√3
  • E(−1,−√3)→O(0,0):(−1)×0−0×(−√3)=0

合計は −3√3。その絶対値の半分が面積なので、3√3/2 で、台形の公式の答えと一致します。座標を使った三角形の面積の公式 S=½|x₁y₂−x₂y₁| は、公式辞典の「座標で三角形の面積」に証明があります。

正六角形の面積と比

1辺2の正三角形の面積は 2×√3÷2=√3。正六角形はその6個分で 6√3 です。比は 6√3÷(3√3/2)=6√3×2/(3√3)=4。√3 は割り算で消えます。

一般に、1辺 a の正六角形の面積は (3√3/2)a² です。a=2 なら (3√3/2)×4=6√3 で、上の計算と合います。座標の考え方そのものは数学用語辞典の「座標とは?」で確かめられます。

サクラちゃん

サクラちゃん

√3 が出てくると計算がこわいです…。入試でまちがえそう。

合格先生

合格先生

比の問題なら、√3 は最後に必ず消えます。だから1辺を2にするのがコツ。半分の長さが1になって、座標がきれいな数になります。それでも不安なら、先に12等分の図で「答えは4倍」と見当をつけてから計算すると、まちがいにすぐ気づけますよ。

高校数学で解く:ベクトルと外積(行列式)で面積比

数学C のベクトルを使うと、座標の数字を使わずに「比」だけを出すこともできます。中心 O を始点にして、OC=a、OB=b(a、b はベクトル)とおきます。正六角形では、ほかの点は a と b で次のように表せます。

  • OD=a−b(OD=OC+CD で、辺 CD は OB と平行で向きが逆・長さが同じなので CD=−b)
  • OE=−b(E は B の反対側)
  • OP=a/2(P は OC のまん中)
ABCDEFO a b P OC = a OB = b OD = a − b OE = −b OP = a/2 三角形OPD = 1/4 S 三角形ODE = 1/2 S 台形 3/4 S・六角形 3S S は a と b の平行四辺形
OC=a、OB=b とおくと、OD=a−b、OE=−b、OP=a/2

2つのベクトル u=(u₁, u₂)、v=(v₁, v₂) が作る三角形の面積は ½|u₁v₂−u₂v₁| です。この「u₁v₂−u₂v₁」を記号で [u, v] と書くことにすると、[u, v] は足し算や定数倍について分配法則が成り立ち、[u, u]=0、[v, u]=−[u, v] という性質があります。a と b が作る平行四辺形の面積を S=|[a, b]| とすると、

  • 三角形 OPD=½|[a/2, a−b]|=½×½×|[a, a]−[a, b]|=S/4
  • 三角形 ODE=½|[a−b, −b]|=½|−[a, b]+[b, b]|=S/2
  • 正六角形=正三角形 OBC の6個分=6×½|[a, b]|=3S

台形は S/4+S/2=3S/4 なので、3S÷(3S/4)=4倍。12等分の図で、三角形1個がちょうど S/4 にあたることもわかります。

数字で確かめると、1辺2なら a=(2, 0)、b=(1, √3) で [a, b]=2×√3−0×1=2√3。台形は 3/4×2√3=3√3/2、正六角形は 3×2√3=6√3 で、座標の計算と一致します。ベクトルの面積公式は公式辞典の「ベクトルと三角形の面積の公式」、ベクトルの基本は数学用語辞典の「ベクトルとは?」で。

三角比(½ab sinC)でも解ける

数学Ⅰの三角比を使えば、三角形の面積は「½×2辺×その間の角の sin」で求められます。1辺2のとき、三角形 OPD は OP=1、OD=2、間の角 ∠POD=60° なので ½×1×2×sin60°=√3/2。三角形 ODE は ½×2×2×sin60°=√3。合わせて 3√3/2 です。正六角形は ½×2×2×sin60°×6=6√3 で、やはり4倍になります。公式は「三角形の面積 S=½ab sinC とヘロンの公式」で確かめられます。

正六角形の面積問題で補助線を引くコツ

正六角形の面積の問題は、中学受験の算数でとてもよく出ます。補助線を引くときは、次の順に試すと見つけやすくなります。

コツ引く線分かれる形
① まず中心から中心を通る対角線3本正三角形6個
② 半分に切る頂点から向かいの辺への垂線(たての線など)30°・60°・90°の三角形12個
③ もっと細かく中心から各辺のまん中への線も足す同じ形の三角形24個
④ 長方形を見つける1つおきでない4頂点(ABDE など)長方形+左右の三角形
⑤ 点の位置を見る交点が辺の何等分か(まん中・3等分)面積比=底辺の比が使える

この問題の「秒殺」は②の段階です。問題の図にもとからある BD が「正三角形を半分に切るたての線」なので、同じ向きのたての線をあと2本、中心を通る対角線をあと1本引けば、全体がそろった12個の部品になります。補助線は「すでにある線と平行な線」「すでにある線と対称な線」を足すと、図がそろって見えやすくなります。

正六角形は線対称(対称の軸が6本)で、点対称でもあります。対称な図形では、片側でわかったことがもう片側にもそのまま使えるので、補助線を対称に引くのが近道です。線対称・点対称は数学用語辞典の「線対称・点対称とは?」で。

形が同じで大きさがちがう図形が出てきたら相似も使えます。相似な図形の面積の比は、辺の比の2乗です(たとえば辺の比が1:2なら面積の比は1:4)。くわしくは「相似とは?」を見てください。

発展:点Pの位置を動かすと面積はどう変わる?

問題では P は OC のまん中でした。では、たての線を左右に動かして、P を OC の上のいろいろな位置に置くと、四角形 OPDE の面積はどう変わるでしょうか。

P が O の位置1/6P が OC のまん中1/4(今回)P が C の位置1/3 赤い部分は正六角形の何分の1?(P を O → C へ動かす)
P を O から C へ動かすと、赤い部分は 1/6 → 1/4 → 1/3 と増える

四角形 OPDE は、いつでも「正三角形 ODE + 三角形 OPD」です。正三角形 ODE は正六角形の 1/6 で変わりません。三角形 OPD は、高さが同じで底辺 OP だけが変わるので、OC に対する OP の割合を t(0 から 1 まで)とすると、三角形 OCD(1/6)の t 倍です。

四角形 OPDE = 正六角形 × (1+t)/6

  • t=0(P が O と重なる):三角形 ODE だけで 1/6(6倍)
  • t=1/2(今回の問題):(1+1/2)/6=1/4(4倍)
  • t=1(P が C と重なる):四角形 OCDE で正三角形2個分、1/3(3倍)

t が増えると面積は一定の割合で増えます。式にすると「面積=(1+t)/6」は t の1次関数です。点が動くときの面積の変わり方は、高校入試・中学受験の「動く点と面積」の問題と同じ考え方です。たとえば「P が OC の 1/3 の所なら?」と聞かれたら、(1+1/3)/6=2/9 です。

正六角形の中の面積比 一覧(よく出る形)

正六角形の問題でくり返し出てくる形と、正六角形全体に対する面積の比をまとめます。どれも12等分(または24等分)の図や、正三角形6個の図で確かめられます。答えを覚えるより、なぜその比になるのかを部品の数で説明できるようにしておくと、初めての問題にも対応できます。

ABCDEF三角形ACE1/2ABCDEF三角形ABC1/6ABCDEF長方形ABDE2/3ABCDEF三角形ABD1/3ABCDEF台形ABCF1/2ABCDEF星の中の六角形1/3
正六角形の中のよく出る形と、全体に対する面積の比
形全体に対する比理由(部品の数え方)
三角形 ACE(1つおきの頂点)1/2外側の3つの三角形(ABC など)はどれも1/6。1−3×1/6=1/2
三角形 ABC(となりの3頂点)1/612等分の三角形2個分。正三角形 OAB と同じ面積
長方形 ABDE2/3左右の三角形 AEF・BCD が1/6ずつ。1−2×1/6
三角形 ABD1/3長方形 ABDE の半分
台形 ABCF(上半分)1/2中心を通る対角線 FC で上下に2等分
三角形 ACE と BDF が重なる六角形1/3三角形 ACE の中の正三角形9個のうち6個。1/2×6/9
四角形 OPDE(今回の台形)1/412等分の三角形3個分

三角形 ACE の中の小さい正三角形の話は少しむずかしいので補足します。三角形 ACE と三角形 BDF を重ねると、六芒星(星の形)ができます。三角形 ACE の各辺は、もう一方の三角形の辺によって3等分されるので、三角形 ACE は合同な小さい正三角形9個に分けられます。そのうち、まん中の六角形が6個分、星の角の部分が3個分です。だから中の六角形は三角形 ACE の 6/9=2/3、正六角形全体の 1/2×2/3=1/3 です。

練習問題(正六角形の面積比)

今回の考え方で解ける問題を4つ用意しました。答えは押すと開きます。どれも計算で確かめています。正六角形 ABCDEF の頂点の名前・中心 O・点 P は、上の問題と同じです。

練習1:正六角形の面積が 48cm² のとき

正六角形 ABCDEF の面積が 48cm² のとき、赤い台形 OPDE の面積と、三角形 OPD の面積はそれぞれ何cm² ですか。

答えを見る

台形 OPDE は 12cm²、三角形 OPD は 4cm²。台形は全体の 1/4 なので 48÷4=12。三角形 OPD は12等分の三角形1個分なので 48÷12=4 です。

練習2:辺 CD のまん中の点 M と三角形 AEM

辺 CD のまん中の点を M とします。三角形 AEM の面積は、正六角形の何分のいくつですか。

ヒントを見る

AE はたての線です。AE を底辺と見ると、高さは M から AE までの横のきょりです。12等分の図のたての線の間かくを1目もりとして数えてみましょう。

答えを見る

5/12。たての線の間かく(1辺の半分)を1目もりとすると、F から C までは横に4目もり。AE は左から1目もりの所、M は C と D のまん中なので左から3.5目もりの所です。三角形 AEM は底辺 AE、高さ 3.5−1=2.5目もり。長方形 ABDE(AE と BD の間、横2目もり)の面積は正六角形の 2/3 なので、三角形 AEM は 2/3×(2.5÷2)÷2=5/12 です。座標(1辺2)で計算すると、A(−1, √3)、E(−1, −√3)、M(3/2, −√3/2) で、面積は 2√3×5/2÷2=5√3/2。6√3 で割ると 5/12 になります。

練習3:BD と CE の交点 R と三角形 RDE

対角線 BD と対角線 CE が交わる点を R とします。三角形 RDE の面積は、正六角形の何分のいくつですか。

ヒントを見る

E・R・C の横の位置を、たての線の目もりで見ます。E は左から1目もり、R は BD の上なので3目もり、C は4目もりです。ER:RC がわかれば、三角形 CDE とくらべられます。

答えを見る

1/9。横の目もりで見ると ER:RC=(3−1):(4−3)=2:1 です。三角形 RDE と三角形 CDE は頂点 D を共有し、底辺 ER と EC が同じ直線上にあるので、面積の比は ER:EC=2:3。三角形 CDE は12等分の三角形2個分で正六角形の 1/6 なので、三角形 RDE は 1/6×2/3=1/9 です。

練習4:各辺のまん中を結んだ六角形

正六角形の6つの辺のまん中の点を順に結ぶと、内側に小さい正六角形ができます。小さい正六角形の面積は、元の正六角形の何分のいくつですか。

ヒントを見る

切り取られる角の三角形(たとえば AB のまん中・B・BC のまん中)は、三角形 ABC と角 B を共有しています。2辺がそれぞれ半分なら、面積は何分の1になるでしょう。

答えを見る

3/4。角の三角形は、三角形 ABC と角 B を共有し、それをはさむ2辺がどちらも半分なので、面積は 1/2×1/2=1/4。三角形 ABC は正六角形の 1/6 なので、角の三角形1個は 1/6×1/4=1/24。6個切り取ると 6/24=1/4 減るので、残りは 3/4 です。相似で考えると、小さい正六角形の1辺は元の √3/2 倍なので、面積は (√3/2)²=3/4 倍で同じ答えになります。

中学受験の算数から大学入試まで:正六角形がよく出る理由

正六角形は、同じ大きさの正三角形6個でぴったりできている図形です。だから正三角形・30°60°90°の三角形・長方形・台形など、いろいろな図形が中にかくれていて、補助線の練習にぴったりです。中学受験の算数では「等分して数える」「面積の比=底辺の比」、高校入試では「相似」「三平方の定理」、大学入試では「座標」「ベクトル」「三角比」と、学年が上がるごとに同じ図形を新しい道具で解き直せます。

正六角形は身のまわりにもたくさんあります。ハチの巣は正六角形の部屋がすき間なくならんだ形です。平面をすき間なくしきつめられる正多角形は、正三角形・正方形・正六角形の3種類だけです(1つの頂点のまわりに集まる角の合計が360°になる必要があり、内角60°・90°・120°の正多角形だけがそれを満たします)。同じ面積の部屋でまわりの長さ(壁の量)がいちばん少なくなるのが正六角形のしきつめだという「ハニカム予想」は、1999年に数学者トマス・ヘイルズが証明を発表しました。

正六角形は英語で hexagon(ヘキサゴン)、正六角形は regular hexagon です。hexa はギリシャ語の「6」から来ています。台形は英語で trapezoid(アメリカ英語)または trapezium(イギリス英語)です。多角形の英語の言い方は「多角形を英語で言うと」に一覧があり、数学で使うギリシャ文字は「数学でよく使うギリシャ文字の読み方」にまとめています。

大学入試の図形問題では、補助線のひらめきよりも「座標やベクトルに置いて計算する」力が問われることが多くなります。京都大学(京大)の数学で図形がどれくらい出ているかは「京大 理系数学の出題分析」「京大 文系数学の出題分析」で確かめられます。基本の解法を身につける問題集の選び方は「青チャートと1対1対応の演習」、数学の勉強の進め方の全体像は「数学の勉強法」へ。

小学生のうちに図形の感覚を育てたい人は「小学生の算数ドリルのおすすめと使い方」も参考にしてください。

ほかの「地頭を鍛える」算数・数学パズル

この問題のように、ひらめきと筋道の両方を使うパズルは合格大作戦にたくさんあります。

数学の記事は「数学まとめ」、公式は「算数・数学公式辞典」、言葉の意味は「数学用語辞典」から探せます。わからないところは「受験の質問・相談」から質問してください。問題をもう一度見たい人は問題編へどうぞ。

まとめ

  • 答えは4倍。補助線で正六角形を同じ形の三角形12個に分けると、赤い台形は3個分(12÷3=4)
  • 別解1:正三角形6個のうち、台形は1個と半分(1.5個)。6÷1.5=4
  • 別解2:長方形の下半分を □ とすると、六角形は □×3、台形は □×3/4
  • 別解3:1辺4cm・高さ □cm とすると、六角形 12×□、台形 3×□
  • 高校数学:座標(1辺2で 6√3 と 3√3/2)、ベクトル(3S と 3S/4)、三角比でも4倍
  • 発展:P を OC 上で動かすと、面積は正六角形の (1+t)/6

よくある質問

正六角形と台形の面積問題の答えは何倍ですか?

4倍です。補助線で正六角形を同じ形の三角形12個に分けると、赤い台形はそのうち3個分なので、12÷3=4倍になります。

正六角形を12等分するにはどう線を引きますか?

中心を通る対角線3本で正三角形6個に分け、さらに各正三角形を頂点からの垂線で半分に切ります。30°・60°・90°の同じ形の直角三角形が12個できます。

正六角形の面積の求め方は?

正六角形は合同な正三角形6個でできているので、正三角形1個の面積を6倍します。1辺aの正六角形の面積は(3√3/2)a²です。

正六角形の中の三角形ACEの面積は全体の何分の何ですか?

2分の1です。外側に残る三角形ABC・CDE・EFAはそれぞれ全体の6分の1なので、1−3×6分の1=2分の1になります。

図形の面積比の問題で補助線を引くコツは?

全体を同じ大きさの部品に分けて数えられる線を引くことです。正六角形なら中心を通る対角線、頂点から辺への垂線、すでにある線と平行・対称な線を試します。

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出典・参考

  • 問題・元の解答の図は大学受験合格大作戦の作成(2014年5月出題)
  • すべての面積比(答え・別解・発展・一覧・練習問題)は、合格大作戦が座標で計算して検算
  • ハニカム予想:トマス・ヘイルズが1999年に証明を発表したことは数学史の一般的な記述による

最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦

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