
この記事の結論
- 小学生の算数ドリルは、低学年のうちは「先の学年の計算」を先取りするのがいちばんです。難しい問題より先に、6年生までの計算をひと通り終わらせます。
- 計算の全範囲が終わったら、思考力を問う問題や特殊算(つるかめ算・植木算・旅人算など)へ。分数は苦手にする子が多いので、特に念入りにくり返します。
この記事は、2014年8月に「小学生にお勧めの算数ドリル。夏休みにやっておこう!」という題で書いた記事を、2026年10月に書き直したものです。対象は幼稚園の年長〜小学5年生のお子さんをもつ保護者の方です。元の記事の主張と、学年別のドリル6冊はそのまま残し、今の学習指導要領の単元、先取り学習の進め方、夏休みの計画、分数のつまずき対策、特殊算への進み方を図で加えました。
元の記事の書き出しは、次のとおりです。
子供を将来、難関私立中学校に入学させたい。小学生の我が子に何をさせればいいか。
ずばり、先んじて先の学年の問題をやらせましょう。
難関中学校を受験させるのだから、難しい問題をさせなければと思いがちですが、小学校特に低学年のうちは先取り学習するのが一番です。全範囲を終わらせてから、難しい思考力を問う問題や特殊算を勉強させましょう。灘中や開成中学校を狙う場合も同じですよ!
小学生にお勧めの算数ドリル6冊(学年別)
元の記事で紹介した、学年別の算数ドリル6冊です。どれも1冊で1つの計算(たし算・わり算・分数など)に絞ったドリルで、「1冊終わった!」という達成感を積み重ねやすいのが特長です。書名は2014年当時のもので、今は新しい版が出ていることがあります。買う前に、表紙の学年と中身を確かめてください。
| 学年 | 書名(Amazon) | 練習する内容 | 先取りで使う目安 |
|---|---|---|---|
| 1年生 | 1年生のたしざん (くもんの小学ドリル 算数 計算 1) | たし算 | 幼稚園の年長〜1年生 |
| 2年生 | 2年生の数・りょう・図形 (くもんの小学ドリル 算数 数・量・図形 2) | 数・長さやかさ・図形 | 1年生〜2年生 |
| 3年生 | 3年生のわり算 (くもんの小学ドリル 算数 計算 8) | わり算 | 2年生(九九のあと)〜3年生 |
| 4年生 | 4年生の分数・小数 (くもんの小学ドリル 算数 計算 10) | 分数・小数 | 3年生〜4年生 |
| 5年生 | 5年生の分数 (くもんの小学ドリル 算数 計算 11) | 分数(分母がちがうたし算・ひき算など) | 4年生〜5年生 |
| 6年生 | 6年生の分数 (くもんの小学ドリル 算数 計算 13) | 分数(かけ算・わり算など) | 5年生〜6年生 |
表の右の列は、この記事で足した「先取りで使うときの目安」です。たとえば「3年生のわり算」は、かけ算九九が言えるようになった2年生のうちに始められます。わり算は九九の逆なので、九九がすらすら言えることが先です。同じように「4年生の分数・小数」は3年生で、「5年生の分数」は4年生で始めると、学校の授業が復習になります。
元の記事は、6冊の紹介のあとを次の言葉でしめくくっていました。
また、分数計算は苦手にする子が多いので特に念入りに反復させましょう。
小学生の時に鍛えた計算力が、大学受験でも響いてきます。
6冊のうち3冊(4年・5年・6年)が分数を扱っているのは、このためです。小学校の算数でいちばんつまずきやすいのが分数で、そこを越えると中学・高校の数学がぐっと楽になります。この記事の後半で、分数のつまずき方と対策をくわしく説明します。
ほかの教科も含めた参考書・問題集の一覧は「参考書&問題集」にまとめています。
算数ドリルの先取り学習とは:なぜ低学年は先取りがいいのか
先取り学習とは、学校で習うより前に、先の学年の内容を家で勉強しておくことです。算数ドリルの先取りなら、たとえば1年生のうちに2年生のかけ算九九を、2年生のうちに3年生のわり算を練習しておく、という形になります。
元の記事が「低学年のうちは先取り学習が一番」と書いたのは、算数の計算が階段のように積み上がる教科だからです。
理由1:計算は「下の段」がないと上れない
わり算は九九の逆、分数の通分は九九と倍数、分数のかけ算・わり算は約分(わり算)の力が土台です。どこか1段が抜けていると、上の段で必ずつまずきます。先取りで全部の段を早めに一度通っておくと、どこが弱いかが早く分かり、低学年のうちに直せます。
理由2:低学年は時間がある
学年が上がると、宿題・習いごと・塾の課題が増えていきます。低学年のうちは比べて時間に余裕があり、1日15〜20分のドリルでも、1年間続ければ大きな差になります。計算は、毎日少しずつがいちばん身につきます。
理由3:計算が速いと、考える問題に時間を回せる
中学入試の算数は、文章題・図形・規則性など「考える問題」が中心です。でも、どんな問題も最後は計算で答えを出します。計算に時間がかかる子は、考える時間が足りなくなります。元の記事が「全範囲を終わらせてから思考力の問題・特殊算」という順番をすすめたのは、計算の土台を先に固めておけば、考える問題に集中できるからです。
理由4:「できる」が自信になる
学校の授業で「これ、もう知ってる!」と思えることは、子どもにとって大きな自信になります。算数を好きになるきっかけは、「分かる」「できる」の体験です。先取りは、その体験を増やす方法でもあります。

合格先生
先取りでいちばん大事なのは「速さ」より「正確さ」だ。まちがいだらけで先へ進むと、下の段がぐらぐらのまま上ることになる。今の学年がほぼ全問できてから次の学年、これが合言葉だよ。
小学校の算数 学年別の単元:何年生で何を習う?
先取りをするには、何年生で何を習うのかを知っておく必要があります。小学校で習う内容は、文部科学省の「小学校学習指導要領」で決まっています。今の学習指導要領は平成29年(2017年)に告示され、小学校では2020年度から全面実施されています。
図2を、計算を中心に表にすると次のようになります。
| 学年 | 計算で習うおもなこと | そのほかのおもな単元 |
|---|---|---|
| 1年 | たし算・ひき算 | 時刻の読み方、形、長さ・広さ・かさのくらべ方 |
| 2年 | かけ算九九、たし算・ひき算の筆算 | 長さ(mm・cm・m)とかさの単位、時刻と時間、かんたんな分数(1/2・1/4など) |
| 3年 | わり算、かけ算の筆算、小数・分数の意味(かんたんなたし算・ひき算) | 円と球、重さの単位、そろばん |
| 4年 | わり算の筆算(2けたでわる)、小数×整数・小数÷整数、同じ分母の分数のたし算・ひき算 | 面積、角の大きさ、折れ線グラフ、かんたんな割合 |
| 5年 | 小数×小数・小数÷小数、分母がちがう分数のたし算・ひき算、約数と倍数 | 体積、速さ、割合と百分率、平均、帯グラフ |
| 6年 | 分数のかけ算・わり算、文字を使った式 | 円の面積、角柱・円柱の体積、比、比例と反比例、並べ方・組み合わせ |
こうして並べると、計算の山場は2年の九九、3〜4年のわり算、4〜6年の分数だと分かります。元の記事のドリル6冊が、ちょうどこの山場(たし算・わり算・分数)を押さえていることも分かります。
分数は、2年生で「1/2・1/4」のようなかんたんな分数を知るところから始まり、3年生で分数の意味、4年生で同じ分母のたし算・ひき算、5年生で分母がちがうたし算・ひき算(通分)、6年生でかけ算・わり算と、5年かけて少しずつ進みます。長い単元なので、とちゅうで一度つまずくと、そのあと何年も苦手が続きやすいのです。
中学・高校の数学の公式や用語の意味は、「算数・数学公式辞典」と「数学用語辞典」で引けます。小学校の割合は「割合の公式」のページがわかりやすいです。
算数ドリルの先取り学習の進め方:5つのステップ
先取り学習は、ただ先のドリルを渡せばよいわけではありません。次の5つのステップで進めると、下の段を固めながら上へ進めます。
ステップ1:今の学年の計算ドリルを速く正確に
まず、今の学年の計算ドリルから始めます。目標は「全部できる」ではなく「速く、正確にできる」ことです。1ページにかかった時間をドリルの余白にメモしておくと、日ごとに速くなるのが目に見えて、子どものやる気にもつながります。
ステップ2:ほぼ全問できたら次の学年へ
今の学年のドリルが、まちがいが少なく、時間内に解けるようになったら、次の学年のドリルへ進みます。ここで焦って進むと、下の段がぐらぐらのままになります。「2回続けてほぼ全問正解」のように、家庭で目安を決めておくと迷いません(目安の数字はご家庭で決めてかまいません)。
ステップ3:まちがえた問題に印をつけて解き直す
まちがえた問題には印をつけて、次の日にもう一度解きます。同じまちがいを2回しないことが目標です。くり上がり・くり下がりの忘れ、九九のうろ覚え(7の段・8の段が多い)、筆算のけたのずれなど、まちがい方にはくせがあります。くせが分かれば、そこだけ練習すればよくなります。
ステップ4:6年生までの計算をひと通り終える
このくり返しで、6年生の分数のかけ算・わり算まで進みます。元の記事の言う「全範囲を終わらせる」の目標地点がここです。分数は特に念入りに、同じ型の問題を何度もくり返します。
ステップ5:思考力の問題・特殊算へ
計算の全範囲が終わったら、いよいよ思考力を問う問題や特殊算です。計算がすらすらできるので、問題の「考え方」だけに集中できます。特殊算については、この記事の後半で地図にして紹介します。
サクラちゃん
先生、先取りすると、学校の授業がつまらなくなりませんか?「もう知ってる」って聞かなくなりそうで…。
合格先生
いい質問だね。先取りで練習するのはおもに「計算のやり方」なんだ。授業では「なぜそうなるのか」をみんなで考えたり、図や言葉で説明したりする。やり方を知っていても、理由を説明できるとは限らないよね。
サクラちゃん
たしかに、分数のわり算で「なんでひっくり返してかけるの?」って聞かれたら、説明できないかも。
合格先生
そう。だから家では「先に知っておく」、授業では「理由を深める」と考えれば、どちらもむだにならない。「授業で先生がどう説明していたか、教えて」と家で聞いてみるのもおすすめだよ。
夏休みの算数ドリル計画:1学期の復習から先取りへ
元の記事の題にあるとおり、夏休みは先取りにぴったりの時期です。学校がない分、毎日決まった時間に取り組みやすく、1学期の苦手を直すこともできます。次の図は、夏休みをおよそ6週間として、算数ドリルを進める計画の一つの例です。
前半は「1学期の復習」から
いきなり先の学年に進むより、まず1学期の内容を確かめます。1学期のテストを見直して、まちがえた所と同じ種類の計算をドリルで練習します。苦手を残したまま先へ進まないことが、先取りの近道です。
後半は「次の学年の計算」と分数
復習で土台を確かめたら、次の学年のドリルに入ります。夏休みの間に1冊を終わらせる目標にすると、ゴールが見えて続けやすくなります。4年生以上なら、最後の方で分数を集中してくり返します。
1日の時間は短く、毎日
計算ドリルは、長い時間を週に1回やるより、短い時間を毎日やるほうが身につきます。朝の涼しいうちの15〜20分など、時間と場所を決めておくと習慣になります。量や時間は一つの例なので、お子さんの学年と集中力に合わせて調整してください。計画の立て方の基本は「計画の立て方」にもまとめています。
夏休みにやりがちな失敗
- 最初の週にがんばりすぎる:1日に10ページ進めて、1週間で燃えつきる。量は少なめから始めます。
- 答え合わせを後回しにする:まちがいに気づかないまま進むと、まちがったやり方が身についてしまいます。答え合わせはその日のうちに。
- まちがいを責める:「なんでできないの」より「どこまで分かった?」と聞くほうが、子どもは続けられます。声のかけ方は「勉強が好きになる子どもの育て方」でもくわしく紹介しています。
- 2学期が始まったらやめてしまう:夏休みに作った習慣を、量を減らしてでも続けるのが理想です。
分数の計算が苦手な小学生へ:つまずく所と対策
元の記事が「分数計算は苦手にする子が多いので特に念入りに反復させましょう」と書いたとおり、分数は小学校の算数でいちばんのつまずきどころです。よくあるまちがいを、図で見てみましょう。
つまずき1:分母どうし・分子どうしを足してしまう
1/2+1/3 を「分子は1+1=2、分母は2+3=5で 2/5」としてしまうまちがいです。2/5 は 1/2 より小さいので、「1/2 に何かを足したのに小さくなるのはおかしい」と気づけば防げます。ピザやケーキの絵を描いて確かめるくせをつけると、分数の大きさの感覚が育ちます。
つまずき2:通分と約分
分母がちがう分数のたし算・ひき算では、分母をそろえる通分が必要です。通分には、2つの分母の最小公倍数を見つける力が要ります。また、答えを一番かんたんな形にする約分には、最大公約数を見つける力が要ります。どちらも土台は九九です。九九があやふやな子は、まず九九に戻ると近道です。
つまずき3:帯分数と仮分数
2と1/3 のような帯分数を、7/3 のような仮分数に直す練習も大切です。分数のかけ算・わり算は、帯分数のままでは計算できないからです。「2と1/3 は、1/3 が7こ」と言葉で言えるようにすると、まちがいが減ります。
つまずき4:分数のわり算は「なぜひっくり返す?」
6年生の分数のわり算は、わる数の分子と分母を入れかえてかけます。やり方だけ覚えると、しばらくして「どっちをひっくり返すんだっけ?」と混乱します。たとえば「1/2 ÷ 1/4 は、1/2 の中に 1/4 がいくつ入るか」と考えると、答えが2になることが絵で分かり、ひっくり返してかける(1/2 × 4/1 = 2)のと同じ結果になることを確かめられます。
分数の反復のコツ
- 同じ型を続けて解く:通分なら通分だけを1ページ。型が身についてから、いろいろな型をまぜます。
- 途中の式を書く:暗算で済ませず、通分した形を1行書く。まちがいの場所を見つけやすくなります。
- 答えの大きさを見積もる:「1/2 と 1/3 を足すから、1より小さく、1/2 より大きいはず」と先に考える。
- 時間をはかる:正確にできるようになったら、1ページの時間を記録して、速さも上げていきます。
うかるくん
先生、ぼく小学生のとき、分数のわり算をただ「ひっくり返す」で覚えてて、中学の方程式でまた分数が出てきて、こんがらがったんです…。
合格先生
それはよくあることだね。分数は小学校で終わりじゃなくて、中学の方程式、高校の確率や微分・積分まで、ずっと出てくる。だから小学生のうちに、絵で意味をつかんでおくことが大事なんだ。
うかるくん
今からでも間に合いますか?
合格先生
もちろん。高校生でも、分数の計算ミスが多いなら小学校の分数に戻って練習していい。計算ミスが減れば、点数はすぐに上がるよ。
算数の全範囲が終わったら:思考力の問題と特殊算(中学受験)
元の記事は、計算の全範囲を終わらせたあとに「難しい思考力を問う問題」と「特殊算」を勉強させましょう、とすすめていました。特殊算とは、中学入試の算数でよく出る文章題を、解き方の型ごとに名前をつけて分けたものです。つるかめ算・植木算・旅人算などが有名です。
特殊算の名前はたくさんありますが、どんな図を描いて解くかでなかま分けすると、ぐっと覚えやすくなります。合格大作戦の公式辞典には、特殊算の1つずつに、図と例題つきの解き方ページがあります。
| なかま | 特殊算(解き方のページ) |
|---|---|
| 線分図で解く | 和差算・分配算・年齢算・倍数算 |
| 面積図・表で解く | つるかめ算・平均算・過不足算・消去算 |
| 速さのなかま | 旅人算・流水算・通過算・時計算 |
| 規則・くり返し | 植木算・日暦算(曜日の計算)・方陣算 |
| 仕事・割合のなかま | 仕事算・ニュートン算・相当算・還元算 |
特殊算は「計算が終わってから」がいい理由
たとえば旅人算では、速さ・時間・道のりの関係を使い、最後に小数や分数のわり算をします。つるかめ算でも、面積図の長方形の面積をかけ算・わり算で求めます。考え方が分かっても、計算でつまずくと答えにたどりつけません。元の記事の「全範囲を終わらせてから」という順番には、こうした理由があります。
思考力の問題で遊んでみよう
思考力の問題は、パズルのように楽しめるものから始めると入りやすいです。下の図は、10枚の10円玉を、4枚ずつ一直線に並ぶ列が5本できるように置いた星形の並べ方です。「10枚で、4枚の列を5本作れる?」と出してみると、大人でもなかなか思いつきません。

合格大作戦には、小学生でも取り組める思考力の問題がいくつもあります。
- 覆面算のかけ算クイズ:「【虫食い算】○△×△○=○□○」(ヒントと類題つき)
- 異なる1けたの数を当てる:「【おでん算】」
- 数の並びの法則を見つける:「地頭を鍛える算数の問題」
- 補助線で面積を求める:「正六角形と台形の面積問題」
- 円周率を使わずに面積を求める:「円周率を使わない算数の問題」
- カレンダーと曜日の問題:「日暦算(曜日の計算)の解き方」
灘中・開成中をめざす場合も同じ
元の記事は「灘中や開成中学校を狙う場合も同じ」と書いていました。難関中学校の入試では、思考力・発想力を問う算数の問題が出ますが、その前提は計算が速く正確にできることです。低学年から難問ばかりに取り組むより、まず計算の全範囲を終え、そのうえで思考力の問題に時間を使うほうが、結局は近道になります。
小学生の計算力が大学受験にも響く理由
元の記事の最後の言葉「小学生の時に鍛えた計算力が、大学受験でも響いてきます」は、大学受験の数学でも、そのとおりです。
大学受験の数学も、最後は計算
高校の数学(数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C)では、二次関数・三角関数・数列・微分・積分など新しい内容が次々に出てきますが、どの単元でも分数・比・文字式の計算を使います。大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)は時間との勝負になりやすく、国公立大学の個別試験(2次試験)では長い計算を最後までやり切る力が問われます。どちらも、計算でつまずかない人ほど有利です。
「計算の順序」は大人もまちがえる
かけ算・わり算を先に、たし算・ひき算をあとに計算する、という順序のきまりは小学校で習います。でも、「92%がこの簡単な問題を間違えるという問題。7+7÷7+7×7-7」のように、大人でもうっかりまちがえることがあります。計算ドリルで基本のきまりを体にしみこませておくことが、のちの計算ミスを減らします。
暗算の工夫で、計算をもっと楽しく
計算ドリルに慣れてきたら、暗算の工夫にもチャレンジしてみましょう。合格大作戦では、2けた×2けたのかけ算を暗算するインド式かけ算のシリーズを紹介しています。
- 11〜19どうしのかけ算を暗算する:「くれない算(紅算)のやり方」(12×16 など)
- 2けた×11の暗算:「2桁×11を暗算するやり方」
- 9つの方法の一覧と早見表:「インド式かけ算のやり方一覧」
暗算の工夫は、計算のしくみ(分配法則など)を体で理解するきっかけにもなります。ただし、まずは学校で習う筆算を確実にできるようにすることが先です。
中学・高校の数学の勉強法へ
中学生・高校生になってからの数学の勉強の進め方は、「数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問の3段階)」にまとめています。大学受験の数学の参考書の選び方は「青チャートと1対1対応の演習」、数学の分野ごとのまとめは「数学まとめ」へどうぞ。

サクラちゃん
小学生のときの計算ドリルが、大学受験までつながってるんだ!まず計算の全範囲、分数は念入りに、それから思考力・特殊算。弟にも教えてあげよう!
学年別:算数ドリルの先取りの使い方の例
元の記事が対象にした「幼稚園の年長〜小学5年生」について、学年ごとの使い方の例をまとめます。どれも一つの例なので、お子さんの様子に合わせて調整してください。
幼稚園の年長〜1年生:数に親しむ
まずは数を数える、10のまとまりを知る、たし算・ひき算に慣れることが中心です。おはじきや指を使ってかまいません。「10になる組み合わせ(1と9、2と8…)」がすぐに言えると、くり上がりのあるたし算がぐっと楽になります。ドリルは1回数分で終わる量から始め、「できた!」で終わるようにします。
2年生:九九を完璧に
2年生の山場はかけ算九九です。九九は、このあとのわり算・分数・割合のすべての土台になります。上から順に言えるだけでなく、「7×8は?」とばらばらに聞かれてもすぐに答えられることが目標です。九九が身についたら、3年生のわり算のドリルに進めます。
3年生:わり算と、小数・分数の入口
わり算は、九九を逆から使う計算です。あまりのあるわり算でつまずく子が多いので、あまりがわる数より小さくなっているかを確かめるくせをつけます。小数・分数の意味も3年生で習うので、ものさしやピザの絵で「0.1」「1/3」の大きさを体で覚えておくと、4年生以降が楽になります。
4年生:筆算のわり算と分数・小数の計算
2けたでわる筆算は、商の見当をつける(たてる)→かける→ひく→おろす、の手順が長く、まちがいやすい所です。1問ずつ手順を声に出しながら解くと、どこでまちがえたかが分かります。分数・小数のドリルもこの時期に始めると、5年生の通分に余裕をもって進めます。
5年生:通分・約分と割合
分母がちがう分数のたし算・ひき算、小数のかけ算・わり算、割合・速さと、計算も考え方も一気に難しくなる学年です。この学年までに計算の全範囲を見通しておくと、6年生で思考力の問題や特殊算に時間を使えます。割合や旅人算のページで、図を使った考え方にふれておくのもよいでしょう。
算数ドリルの選び方:保護者が見る5つのポイント
元の記事の6冊以外にも、書店には多くの算数ドリルが並んでいます。選ぶときは、次の5つを見ると失敗が少なくなります。
- 1冊のテーマがしぼられているか:たし算だけ、分数だけ、のように1冊1テーマのドリルは、苦手な所だけを集中して練習できます。
- 1回分の量が少ないか:1回が見開き2ページ程度で終わるものは、毎日続けやすいです。
- やさしい問題から少しずつ難しくなるか:いきなり難しいと、子どもはすぐにいやになります。
- 答えが見やすいか:保護者が答え合わせをしやすいことは、続けるうえでとても大切です。
- 子どもが「やってみたい」と思うか:表紙や中身のデザインを、子どもといっしょに書店で見て選ぶのもおすすめです。
計算のドリルと、文章題・図形のドリルは、分けて考えるとよいでしょう。先取りの中心は計算のドリル、文章題や図形は学年に合わせて少しずつ、というバランスがおすすめです。
保護者の関わり方:ドリルを「やらされる勉強」にしない
ドリルは、続かなければ意味がありません。子どもが自分から取り組めるように、保護者ができることをまとめます。
決まった時間・決まった場所で
「朝ごはんのあと、リビングのテーブルで」のように、時間と場所を決めると、歯みがきのように習慣になります。習慣になれば、「やりなさい」と言う回数も減ります。
ほめるのは「頭のよさ」より「続けたこと」
「頭がいいね」より、「毎日続けたから速くなったね」とほめると、子どもは続けることの大切さを学びます。続けることについては、格言の記事「「継続は力なり」の意味と由来」も参考になります。
家庭の学習についての本や記事
- 勉強が好きになる声かけ・環境づくり:「勉強が好きになる子どもの育て方」
- 家庭でできることをまとめた本:「学力は家庭で伸びる―今すぐ親ができること41」
- 「勉強しなさい」と言わずに育てる:「「勉強しなさい!」と言わずに、わが子を東大生・京大生にするには?」
- 保護者向けの本3冊:「賢い子どもを育てるお勧め書籍3冊」
- 保護者向けの学習法:「保護者向け学習法」
お子さんの勉強の進め方についての質問は、「受験の質問・相談」でも受け付けています。
よくある質問
小学生の算数ドリルは何年生から先取りするといいですか?
決まりはありませんが、今の学年の計算がほぼ全問、時間内にできるようになったら次の学年へ進むのが目安です。この記事のもとになった2014年の記事では、幼稚園の年長〜小学5年生のうちに先取りして、計算の全範囲を終わらせることをすすめています。
算数ドリルは1日何ページやればいいですか?
決まった量はありません。15〜20分ほどで終わる量(見開き2ページ程度)を毎日続けるのが一つの例です。長い時間を週1回より、短い時間を毎日のほうが計算は身につきます。
中学受験の特殊算はいつから始めればいいですか?
計算の全範囲(6年生の分数のかけ算・わり算まで)をひと通り終えてからがおすすめです。特殊算も最後は小数や分数の計算で答えを出すため、計算が速く正確なほど考え方に集中できます。
分数の計算が苦手な小学生はどうすればいいですか?
まず九九と、最小公倍数・最大公約数を見つける練習に戻ります。そのうえで、通分なら通分だけのように同じ型を続けて解き、途中の式を書き、円の絵で答えの大きさを確かめると、まちがいが減ります。
小学校の算数では何年生で何を習いますか?
学習指導要領では、おもに1年でたし算・ひき算、2年でかけ算九九、3年でわり算と小数・分数の意味、4年で同じ分母の分数のたし算・ひき算、5年で分母がちがう分数のたし算・ひき算や割合・速さ、6年で分数のかけ算・わり算や比を習います。
あわせて読みたい
- 勉強が好きになる子どもの育て方|家庭でできるやる気の引き出し方
- くれない算(紅算)のやり方|11〜19どうしのかけ算を暗算するコツ
- インド式かけ算のやり方一覧と早見表
- 【虫食い算】覆面算のかけ算クイズ
- つるかめ算の解き方(算数・数学公式辞典)
- 数学の勉強法|解法の暗記→演習→過去問の3段階
出典・参考
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章第3節 算数(学年別の単元)
- 書名:くもんの小学ドリル 算数(2014年の元の記事で紹介した6冊。今の版は書店・Amazon で確かめてください)
- 写真・図:合格大作戦(2014年の元の記事のもの)、図1〜7は合格大作戦の作成
最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦












