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リーSophus Lie
ひとことで言うと
円のように連続して動かせる対称性を調べるリー群・リー環の理論をつくった、ノルウェーの数学者。物理学や工学にも広く使われる。
| 名前 | ソフス・リー(Sophus Lie) |
|---|---|
| 生没年 | 1842年12月17日〜1899年2月18日(56歳) |
| 国 | ノルウェー(ヌールフィヨルドエイデ生まれ、クリスチャニア=現オスロで没) |
| 分野 | 代数・幾何・微分方程式 |
| 主な業績 | 連続変換群(リー群)の理論、リー環、接触変換、微分方程式の対称性による解法、『変換群の理論』全3巻(エンゲルとの共著、1888〜1893年) |
| 名前がつくもの | リー群・リー環(リー代数)・リー括弧・リー微分・リーの定理 |
| よばれ方 | 連続群の理論の創始者、クラインの親友 |
このページのポイント
- 円のように連続して動かせる対称性を、微分と結びつけて調べるリー群・リー環の理論をつくった
- 回転行列や は、リー群のいちばん身近な例。オイラーの公式はその入口
- 若いころ、パリでスパイとまちがえられて逮捕された。親友のクラインとは、のちに仲たがいした
リー(ソフス・リー)は何をした人?(業績をひとことで)
ソフス・リー(1842〜1899年)は、ノルウェーの数学者です。「連続的な対称性」を数学で扱うための理論をつくり、リー群とリー環(リー代数)という大きな分野の出発点になりました。円を、どんな角度に回しても、円は円のままです。こうした「連続して動かせる対称性」を、微分や積分と結びつけて調べるのが、リーの理論です。
リーは、もともと微分方程式を、ガロアの方程式論のようにきれいに分類したいと考えていました。そこから、「連続変換群」という理論が生まれ、のちに「リー群」とよばれるようになりました。いまでは、数学だけでなく、素粒子物理学・量子力学・ロボット工学・コンピュータグラフィックスにまで使われています。
受験生にとってのリーは、「回転行列」「微分方程式」「」の裏側にいる人です。高校数学では名前が出ませんが、大学で数学・物理を学ぶと、たいてい最初の1〜2年のうちに、リーの名前に出会います。
うかるくん
連続的な対称性、ですか? 対称性って、折りたたんだらぴったり重なる、あの対称のことですよね。
合格先生
そう。正方形は、90°ずつ回すと重なるけれど、45°回したら重ならないよね。ところが円は、何度回しても重なる。この「何度でも」を、グラフや式で扱えるようにしたのがリーなんだ。回転のような「連続した動き」を、微分で調べるんだよ。

リーの生涯と年表
ノルウェーの小さな村に生まれて
リーは1842年12月17日、ノルウェー西部の小さな村ヌールフィヨルドエイデに生まれました。父は牧師だったと伝えられます。少年時代は、モスの町の学校で学び、1857年から首都クリスチャニア(いまのオスロ)の私立ラテン語学校に通いました。1865年にクリスチャニア大学を卒業しましたが、最初から数学者になるつもりだったわけではありません。天文学や植物学など、ほかの科学にも興味を持っていたようです。
大学を出たあとも、進路に迷っていました。ところが1867年ごろ、リーは幾何学の新しい考えを思いつき、友人のモツフェルトに、「見つけたぞ、まったく簡単なことだ!」と叫んだと伝えられます(のちに書く名言のところを見てください)。ここから、リーは数学者として歩きはじめます。
ベルリン、パリ、そしてクラインとの出会い
1869年、リーは国から奨学金をもらい、ドイツとフランスに留学します。ベルリンでクンマー・クロネッカー・ヴァイエルシュトラスの業績と生涯に会い、そこでクラインの業績と生涯と出会いました。2人はたちまち仲よくなり、翌1870年にはパリでいっしょに研究します。パリでは、ダルブーやジョルダンという数学者から、「群(ぐん)という考え方が、幾何学でとても大切だ」ということを教わりました。
1870年の夏、フランスとドイツ(プロイセン)の戦争が始まります。リーはフランスを出ようとしてフォンテンブローで、ドイツのスパイと疑われて逮捕されてしまいました。数学のノートを暗号の文書だと思われたためと伝えられます。ダルブーが助け出してくれました。牢屋に入っているあいだも数学の研究を楽しんだ、という話も伝えられていますが、確かな資料では確かめられていません。
連続変換群の理論と、クリスチャニア大学の教授
1872年、リーは博士号をとり、母国のクリスチャニア大学に、リーのために新しく作られた教授の席に着きました。1873〜74年の冬、リーは微分方程式の研究から、「連続的な変換の集まり」の理論に、大きく踏みこみます。のちに、これがリー群とよばれる分野になります。リーは同じ時期に、シロー(群論の「シローの定理」の人)と協力して、アーベルの業績と生涯の全集(1873〜1881年)の編集もしました。ただし、リー自身は「シローがほとんどやった」と、いつも語っていたといいます。
ライプツィヒ時代と、病気
1884年、クラインは弟子のエンゲルを、ノルウェーのリーのもとへ送りました。エンゲルの助けで、リーは1888〜1893年に、全3巻の大著『変換群の理論』を出版します。1886年には、クラインの後任としてライプツィヒ大学の教授になりましたが、故郷が恋しく、あまり幸せではなかったと伝えられます。1889年には、精神的に調子をくずしました。1892年ごろには、クラインとの長年の友情もこわれ、1893年に『変換群の理論』第3巻の序文で、クラインを公然と批判しました。
故郷へ帰り、亡くなるまで
1898年、リーは故郷のクリスチャニアに戻ります。特別に作られた席で、研究を続けました。ところが、翌1899年2月18日、悪性貧血のため、56歳で亡くなりました。リーが残した理論は、20世紀に入ってから、カルタンやワイルらの手で、数学の中心のひとつになります。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1842年 | 12月17日、ノルウェーのヌールフィヨルドエイデで生まれる |
| 1865年 | クリスチャニア大学を卒業する |
| 1867年 | 幾何学の新しい着想を得て、「見つけたぞ」と叫ぶ |
| 1869年 | 留学。ベルリンでクラインと出会う |
| 1870年 | パリで接触変換を発見。戦争で、フォンテンブローでスパイとして逮捕され、釈放 |
| 1872年 | 博士号。クリスチャニア大学に新しい教授の席ができる |
| 1873〜74年 | 連続変換群(のちのリー群)の理論を本格的に作りはじめる |
| 1884年 | クラインの弟子エンゲルが、リーのもとで共同研究を始める |
| 1886年 | ライプツィヒ大学でクラインの後任の教授になる |
| 1888〜1893年 | エンゲルと共著で『変換群の理論』全3巻を出版する |
| 1895年 | 英国ロイヤル・ソサエティの外国人会員に選ばれる |
| 1898年 | クリスチャニアにもどる |
| 1899年 | 2月18日、クリスチャニアで亡くなる(56歳) |
リーの主な業績をやさしく解説
業績1 連続的な対称性を数学にした(連続変換群)
図形の「対称性」は、ふつう「ある動かし方をしても、もとの図形に重なる」ことをいいます。正方形なら、90°・180°・270°回すと重なりますが、その間の角度では重なりません。これは「とびとび」の対称性です。ところが円は、どんな角度に回しても円に重なります。リーは、後者のような連続して動かせる対称性を、まとめて調べる理論を作りました。
ガロアの群論が調べたのは、主に「とびとびの対称性」でした(方程式の解の入れかえ)。リーは、これを微分方程式の世界へ広げようとしたのです。「微分方程式にも、ガロアの方程式論のような、きれいな分類の理論がほしい」――それがリーの出発点でした。
業績2 リー群とリー環(曲がったものを、まっすぐなもので調べる)
円の上の回転は、曲がった世界の話です。ところが、円のそばの1点(何もしない回転)にふれる接線は、まっすぐな直線です。リーは、「まっすぐな世界(接線)を調べれば、曲がった世界(群)のことが分かる」と気づきました。曲がった方がリー群、まっすぐな方がリー環(リー代数)です。
直線の目盛り を、円の上の角度 の回転に対応させる、この「巻きつけ」の操作を指数写像(exp)とよびます。じつは、オイラーの公式は、この円のリー群の、いちばん身近な例です。2次の回転行列では、次のように書けます。
左の行列 が「ほんのちょっとだけ回す」動き(無限小の回転)で、それに角度 をかけて指数をとると、角度 の回転になります。これは、マクローリン展開と、 という性質から、証明できます(練習問題)。
業績3 リー括弧(動かす順番で結果が変わる量)
回転は、順番を変えると結果が変わることがあります。教科書を、「横に90°回してから縦に90°」と「縦に90°回してから横に90°」では、向きがちがう形になります(2次元の回転では順番は関係ありませんが、3次元ではちがいます)。リーは、この「順番による差」を、無限小のところで調べました。それがリー括弧(交換子) です。
たとえば、座標平面で、動き を「右に動かす」、動き を「x座標に比例して上へ動かす」とします。点(1,1)から、(右へ1)、(上へ)、(左へ1)、(下へ)の順に動かしても、もとの位置に戻りません(図)。上に1だけずれます。この「ずれ」が、 の正体です。
リー環は、「無限小の動き」の集まりに、この括弧 をそえたものです。行列なら と書けます。もし、すべての動きが順番を変えても同じ結果()なら、括弧は0で、リー環は「アーベル的」とよばれます。行列の対角化とA^nや行列の意味の知識が、そのまま使えます。
業績4 対称性で微分方程式を解く
リーは、微分方程式の解法を、「対称性」の考え方で整理しました。たとえば、微分方程式 の解は、(放物線の仲間)です。この方程式は、原点を中心にした拡大 をしても、形が変わりません。解の曲線を拡大すると、別の解の曲線になるのです(図)。
方程式に対称性があるとき、その対称性にあわせた新しい変数をとると、方程式が簡単になります。高校〜大学で習う「同次形」の微分方程式の解き方( とおく)や、1階線形微分方程式の解法、2階定数係数線形微分方程式の解法といった、バラバラに見えた「うまいやり方」が、リーの理論でまとめて説明できます。「うまい変数のとり方」の背後には、対称性がある、というのがリーの主張です。
ただし、リーの方法は、すべての微分方程式を解く魔法ではありません。対称性が見つからない方程式は、リーの方法ではそのままでは解けません。また、現代では「対称性の理論」として、物理・工学の方程式の分析に広く使われています。
業績5 接触変換と、リー環の分類へ
リーは1870年のパリ滞在中に、接触変換とよばれる、特別な変換を見つけました。これは、点を点へ移すだけでなく、「曲線の接線の向き」までいっしょに移す変換です。力学や光学の方程式の整理に使われ、のちのハミルトンの力学の理論にも通じます。
リー自身は、リー環の分類を完成させませんでした。リーのあとに、ドイツのキリング(独立に研究)と、フランスのエリ・カルタンが、1900年ごろまでに、「単純」なリー環のすべてを分類しました。結果は、4つの無限の系列(A・B・C・D型)と、5つの例外型(G₂・F₄・E₆・E₇・E₈)という、驚くほどきれいなものでした。
とくにE₈は次元が248もある、巨大な例外です。物理学では、E₈を素粒子の統一理論に使う試みもあります。リーが、微分方程式のために作った道具が、こうした世界へ広がったのです。
リーの名前がつく公式・定理・用語
- リー群:連続的に動かせる対称性(変換)の集まり。回転の群 SO(2)・SO(3)、ユニタリ群 SU(2) などが代表例。
- リー環(リー代数):リー群の「無限小の動き」の集まりに、括弧 をつけたもの。
- リー括弧(交換子):2つの動きを順番を変えて行ったときの「ずれ」を表す量。
- 指数写像(exp):リー環からリー群へ移す操作。行列なら 。
- リー微分:ベクトル場にそって、量の変化を調べる微分。現代の幾何学・物理で使う。
- リーの定理(可解リー環):可解リー環の表現に関する定理のひとつ。大学の代数学で習う。
- 接触変換:曲線の接線の向きまでいっしょに移す変換(1870年ごろ)。
回転や対称移動は、回転・平行移動・対称移動の問題、対称移動の意味、線対称・点対称の意味で確かめられます。

合格先生
「リー」は、入試では回転行列・一次変換・微分方程式・の裏側にいる人。回転を式で書けるようにしておけば、大学の数学もぐっと楽になるよ。
リーの逸話と名言
「見つけたぞ、とても簡単だ!」
1867年、リーは幾何学の問題を考えているうちに、突然、重要な考えがひらめいたといいます。友人のモツフェルトに、次のように言ったと記録されています。
見つけたぞ。まったく簡単なことだ!
数学の大発見は、あとから見ると「簡単なこと」に見えるものです。そこに行きつくまでが大変なのです。リーは、その後30年間、この「簡単な考え」を、大きな理論に育てていきました。
スパイと間違えられた数学者
1870年、リーがフランスにいる間に、フランスとプロイセン(ドイツ)の戦争が始まってしまいました。フランスを出ようとしたリーは、フォンテンブローでドイツのスパイではないかと疑われて逮捕されます。カバンの中の数学の書き物が、暗号に見えたためだと伝えられます。パリで知り合った数学者ダルブーが、釈放のために動いてくれました。
友情と、すれちがい
リーとクラインは、若いころの親友でした。クラインのエルランゲン・プログラム(1872年)は、リーとの語り合いから影響を受けた、とされます。しかし、1892年ごろから、2人の関係は悪くなりました。1893年、リーは自分の本の序文で、次のようなことを書いています。
私はクラインの弟子ではないし、その反対でもない。ただし、反対の方が少し真実に近いかもしれないが。
2人のうち、どちらが先に何を考えたかは、いまでも歴史家のあいだで議論されます。ただ、2人がたがいに大きな影響を与えあったことは、まちがいないでしょう。
微分方程式は、いちばん大切
リーの理論は、まさに微分方程式を整理したいという願いから生まれたものです。後年、ノルウェーの国は、リーと同じノルウェー出身の数学者アーベルの名を冠した、国際的な数学の賞を作りました(2003年から)。リーは、アーベル全集の編集者のひとりでもあり、ノルウェーの数学の誇りです。
サクラちゃん
リーさんは、とても長いあいだ、同じ理論に取り組んだんですね。飽きなかったのでしょうか。
合格先生
飽きるどころか、理論が育つたびに、新しい問題が見つかったんだと思うよ。リーが蒔いた種は、カルタンやワイルが受けついで、物理学の世界にまで広がった。大きな理論は、たいてい、1人の人が一生かけて育てて、次の世代が仕上げるものなんだ。
受験・勉強とリーのつながり
高校数学:回転と一次変換
高校の数学では、リー群という言葉は出てきませんが、回転を表す行列、つまり回転行列 は、リーの「回転の群」そのものです。三角関数の加法定理は、「30°回してから60°回すと、90°回ったのと同じ」ということを、式にしたものです。つまり、回転の群の「かけ算」のルールです。極形式とド・モアブルの定理も、この回転の群の話です。
大学入試:複素数平面と
複素数平面で、 に をかけると、原点を中心に角度 回転します。これは、「回転の群 U(1)」の作用です。複素数平面の意味や、虚数・複素数の意味と合わせて理解すると、回転の問題を、座標を使わずに解けます。虚数 i の書き方(斜体か立体か)も、複素数の記号の使い方の参考になります。
大学の数学・物理:リー群は「あちこちで出てくる」
大学では、線形代数の中で、「直交行列の群」「ユニタリ行列の群」などが出てきます。これらがリー群です。物理では、回転の群 SO(3) が、角運動量(回転の勢い)の理論になり、SU(2) が電子の「スピン」の理論になります。素粒子の標準理論は、SU(3)×SU(2)×U(1) というリー群が土台になっているとされます。固有値と固有ベクトルと行列式の計算と性質を、しっかり身につけておくと、大学での学びがとても楽になります。
勉強法として:うまい解き方の「理由」を探す
リーの考え方は、「うまく解ける問題には、理由(対称性)がある」というものです。解き方を丸暗記するだけでなく、「なぜその置き換えがうまくいくのか」と考える習慣をつけると、見たことのない問題にも対応しやすくなります。数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問)と、数学でよく使う記号の意味一覧(Σ・∫・≡)もどうぞ。
リーがその後の数学にあたえた影響
- リー群・リー環の理論:20世紀に、キリングとカルタンが分類を完成させ、ワイルが表現論を築きました。いまでは、数学のほぼすべての分野に登場します(ワイルの業績と生涯)。
- 物理学:ネーターの定理(対称性があれば保存則がある)や、素粒子論の標準理論は、リー群の言葉で書かれています。
- 幾何学:クラインのエルランゲン・プログラム(幾何学を変換の群で分類)は、リーとの交流から生まれたものでした。リー群は、その考えを大きく広げました。
- ヒルベルトの第5問題:1900年にヒルベルトが出した23の問題のひとつは、リー群に関するものです(連続な群は、自動的に微分できる形になるか)。のちに、1950年代にグリーソン、モンゴメリー、ジッピンらが肯定的に解決したとされます(ヒルベルトの23の問題)。
- 工学・コンピュータ:ロボットの腕の動き、3次元グラフィックスの回転、宇宙機の姿勢制御などに、リー群の考え方が使われています。
リー自身は、自分の理論が、100年後にこんなに広く使われると、どこまで予想していたのでしょうか。「連続な対称性」という考えは、いまも新しい分野を作り続けています。
リーに挑戦!練習問題
やさしい
- 正方形・正三角形・円のうち、重なる回転が、角度を連続して変えても(どんな角度でも)成り立つのはどれですか。また、正方形を自分に重ねる回転(0°もふくむ)は何通りですか。
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円です。正方形は 0°・90°・180°・270° の4通り、正三角形は 0°・120°・240° の3通りで、とびとびです。円はどんな角度でも重なります。 - 点(1, 0)を、原点を中心に反時計回りに30°回し、続けて60°回すと、どこに移りますか。
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30°と60°を続けると、合計90°の回転です。点(1, 0)は原点まわりに90°回って (0, 1) に移ります。回転の群では、「角度を足す」ことが「回転を続ける」ことにあたります。
ふつう
- 2つの行列 、 について、リー括弧 を計算しなさい。
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、 なので、 です。 なので、この2つは順番で結果が変わります。 - 微分方程式 ()の解 を、原点を中心に2倍に拡大すると、どんな曲線になりますか。また、それも同じ微分方程式の解になりますか。
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点 が に移ります。 より 、よって 。これも の形なので、同じ微分方程式の解です( で確かめられます)。
むずかしい
- とします。 を示し、 が回転行列 になることを説明しなさい。
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。すると 、。級数を偶数次と奇数次に分けると、 となり、回転行列に一致します。 - 平面の動き :、: を考えます。点(1, 1)から、()、()、()、()の順に動かしたとき、終点を求めなさい。
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①:(1,1)→(3,1)。②:(3,1)→(3, 1+1×3)=(3,4)。③():(3,4)→(1,4)。④():(1,4)→(1, 4−1×1)=(1, 3)。スタートの(1,1)にはもどらず、上に2だけずれます()。このずれがリー括弧 に対応します。
リーと関係する数学者
- クライン(エルランゲン・プログラム):若いころの親友。群の考え方を幾何学に持ちこんだ共同研究者です。
- アーベル(5次方程式):リーが全集の編集に協力した、同じノルウェーの大数学者。
- ガロア(群論):方程式の対称性を調べた人。リーは、その微分方程式版を目指しました。
- ワイル(表現論):リー群の表現論を築いた20世紀の数学者。
- ネーター(対称性と保存則):対称性と保存則の定理で、リーの考えを物理学に結びつけました。
- ハミルトン(四元数・力学):四元数は、リー群SU(2)の仲間。接触変換は、ハミルトン力学とつながります。
- ポアンカレ(リー環の研究):リー環の理論にも貢献し、ポアンカレ・バーコフ・ウィットの定理に名前を残しました。
数学の公式を1つずつ学ぶなら算数・数学の公式一覧(公式辞典)、用語は数学用語辞典(高校数学の言葉)もどうぞ。
19世紀の数学者
- ソフィ・ジェルマンの業績と生涯
フェルマーの最終定理の研究(ジェルマン素数)。男性の名前で論文を送った - ガウスの業績と生涯
1から100までの和を一瞬で出した少年。正十七角形の作図・『整数論』・最小二乗法。「数学の王」 - 和田寧の業績と生涯
江戸時代の和算家。積分にあたる「円理表」で曲線の面積・長さを計算 - コーシーの業績と生涯
極限を使って微分積分を厳密にした。コーシー・シュワルツの不等式 - メビウスの業績と生涯
裏と表がない「メビウスの帯」 - ロバチェフスキーの業績と生涯
平行線の公理が成り立たない「非ユークリッド幾何学」 - アーベルの業績と生涯
5次方程式には解の公式がないことを証明。アーベル賞の名前のもと - ボーヤイの業績と生涯
ロバチェフスキーと別に非ユークリッド幾何学を発見 - ヤコビの業績と生涯
楕円関数・ヤコビアン(変数変換) - ディリクレの業績と生涯
鳩の巣原理(ディリクレの部屋割り論法)・算術級数定理 - ハミルトンの業績と生涯
四元数を発見。ケーリー・ハミルトンの定理 - ガロアの業績と生涯
方程式が解けるかどうかを「群」で判定(ガロア理論)。20歳で決闘で亡くなった
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よくある質問
リー(ソフス・リー)は何をした人ですか?
ソフス・リーは、19世紀のノルウェーの数学者です。連続的な対称性を調べるリー群とリー環の理論をつくりました。もとは微分方程式を、対称性で整理するための研究でした。現在は数学・物理学・工学のさまざまな分野で使われています。
リー群とは何ですか?
回転のように、連続して動かせる変換の集まりを、なめらかな空間として調べたものです。平面の回転の群 SO(2)、空間の回転の群 SO(3) などが代表例です。物理学では、素粒子の理論の土台にもなっています。
リー環(リー代数)とは何ですか?
リー群の、単位元(何もしない動き)の近くの「無限小の動き」の集まりに、リー括弧 [X,Y]=XY−YX をつけたものです。曲がったリー群を、まっすぐなリー環で調べることができます。
リー括弧とは何ですか?
2つの動きX、Yを、順番を変えて行ったときの差を表す量で、行列なら [A,B]=AB−BA と書きます。順番を変えても結果が同じなら0です。回転では3次元のとき0になりません。
リーの名言はありますか?
1867年に友人へ「見つけたぞ。まったく簡単なことだ」と叫んだ、と伝えられます。また、クラインとの関係について書いた序文の言葉が、伝記で紹介されます。本人の言葉として確かめられているのは、多くありません。
リーは何歳で亡くなりましたか?どこの国の人ですか?
リーは1842年にノルウェーの小さな村で生まれ、1899年2月18日にクリスチャニア(現在のオスロ)で、悪性貧血のため56歳で亡くなりました。
リーとクラインの関係は?
2人は1869年にベルリンで出会い、1870年にパリで共同研究をした親友でした。クラインのエルランゲン・プログラムは、リーとの交流から影響を受けたとされます。1892年ごろから関係が悪くなり、1893年にリーは序文でクラインを批判しました。
リーは中学受験・高校受験・大学受験に関係がありますか?
直接の出題はありませんが、回転行列・一次変換・複素数平面の回転・微分方程式の解法の裏側にあります。大学の数学・物理では、リー群が最初の1〜2年で出てきます。
リーの理論は何に使われていますか?
素粒子物理学(標準理論の土台)、量子力学(角運動量やスピン)、ロボットの動作計画、3次元グラフィックスの回転、宇宙機の姿勢制御などに使われています。
リー環の分類とは何ですか?
「単純」なリー環のすべてを、A・B・C・D型の4つの無限の系列と、G₂・F₄・E₆・E₇・E₈の5つの例外型に分けた結果です。キリングとカルタンが1900年ごろまでに完成させました。
あわせて読みたい
出典・参考
- MacTutor History of Mathematics「Sophus Lie」(セント・アンドルーズ大学)
- S. Lie, F. Engel『Theorie der Transformationsgruppen』(全3巻、1888〜1893年)
- 肖像:L. Szaciński撮影「Portrett av Sophus Lie」(1896年)、Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
最終更新:2026年11月2日/作成:大学受験合格大作戦



