この公式のポイント
- y=eλx を入れると特性方程式 λ2+aλ+b=0
- 実数解・重解・虚数解の3つで一般解の形が決まる
- 重解は xeλx、虚数解はオイラーの公式で三角関数に
- 非同次は同次の一般解+特殊解

うかるくん
特性方程式が重解のとき、C1eλx+C2eλx じゃだめなの?
![合格先生]()
合格先生
それは (C1+C2)eλx で、定数が実質1つだ。1階の方程式2つに分けて解くと、(C1+C2x)eλx が自然に出てくるぞ。
2階定数係数線形微分方程式の解の公式
y′′+ay′+by=0(a, b は定数)の形の微分方程式は、y=eλx を入れてできる2次方程式(特性方程式)の解で、一般解がすべて書けます。ばねの振動や電気回路(RLC回路)を表す、もっとも大事な微分方程式です。
同次方程式 y″+ay′+by=0 の一般解
特性方程式 λ2+aλ+b=0 の解によって
① 異なる2つの実数解 λ1, λ2:y=C1eλ1x+C2eλ2x
② 重解 λ:y=(C1+C2x)eλx
③ 虚数解 α±βi(β=0):y=eαx(C1cosβx+C2sinβx)
非同次方程式 y′′+ay′+by=f(x) の一般解は
y=(同次方程式の一般解)+(非同次方程式の特殊解1つ)
同じ初期条件でも、特性方程式の解の型で動きがちがう(③だけ振動する)
証明
① 2つの1階の方程式に分ける
特性方程式の解を λ1, λ2 とすると、解と係数の関係より a=−(λ1+λ2)、b=λ1λ2。そこで z=y′−λ2y とおくと
z′−λ1z=y′′−(λ1+λ2)y′+λ1λ2y=y′′+ay′+by=0
よって z′=λ1z で、z=Aeλ1x(1階線形微分方程式)。
② もう一度1階の方程式を解く
y′−λ2y=Aeλ1x に積分因子 e−λ2x をかけると (e−λ2xy)′=Ae(λ1−λ2)x。
- λ1=λ2 なら、積分して e−λ2xy=λ1−λ2Ae(λ1−λ2)x+C2、つまり y=C1eλ1x+C2eλ2x。
- λ1=λ2=λ なら、右辺は定数 A なので e−λxy=Ax+C1、つまり y=(C1+C2x)eλx。
この計算はすべての解を求めているので、解はこれで全部です(任意の定数は2つ)。
③ 虚数解のときは実数の形に直す
λ=α±βi のとき、①の式は複素数のまま成り立ちます。オイラーの公式 e(α+βi)x=eαx(cosβx+isinβx) を使い、C1, C2 をまとめなおすと y=eαx(C1cosβx+C2sinβx)。実際に入れて確かめることもできます。
④ 非同次方程式
yp を特殊解とすると、どんな解 y も差 y−yp は同次方程式をみたします(左辺が1次式だから)。よって一般解=同次の一般解+yp です。
特性方程式の判別式 D=a2−4b で、一般解の形が3つに分かれる
大学院入試では
院試では、特性方程式から一般解を書き、初期条件で C1, C2 を決める問題と、非同次方程式の特殊解(未定係数法)を求める問題がよく出ます。
大学院入試例題1(異なる実数解)
y′′−5y′+6y=0, y(0)=1, y′(0)=0 を解きなさい。
解き方
λ2−5λ+6=0 より λ=2, 3。y=C1e2x+C2e3x。
y(0)=C1+C2=1、y′(0)=2C1+3C2=0 より C1=3, C2=−2。
答え y=3e2x−2e3x
大学院入試例題2(虚数解:単振動)
y′′+4y=0, y(0)=0, y′(0)=2 を解きなさい。
解き方
λ2+4=0 より λ=±2i(α=0, β=2)。y=C1cos2x+C2sin2x。
y(0)=C1=0、y′(0)=2C2=2 より C2=1。
答え y=sin2x
大学院入試例題3(非同次:未定係数法)
y′′−3y′+2y=2x の一般解と、
y′′−3y′+2y=ex の特殊解を求めなさい。
解き方
同次の特性方程式 λ2−3λ+2=0 より λ=1, 2。
右辺 2x:yp=Ax+B とおくと −3A+2(Ax+B)=2x。2A=2, −3A+2B=0 より A=1, B=23。一般解は C1ex+C2e2x+x+23。
右辺 ex:λ=1 が特性方程式の解なので Aex では左辺が 0 になり失敗。yp=Axex とおくと、yp′=A(1+x)ex、yp′′=A(2+x)ex で、左辺 =A{(2+x)−3(1+x)+2x}ex=−Aex。A=−1。
答え 一般解 y=C1ex+C2e2x+x+23、特殊解 yp=−xex
学部の授業とのつながり・院試での注意
- どの授業で習うか:大学1〜2年の「微分方程式」、物理の力学(ばねの振動・減衰振動・強制振動)、電気回路で習います。図1の3つの型は、物理では過減衰・臨界減衰・減衰振動とよばれます。
- 答案で示すこと:①特性方程式とその解、②一般解の形(どの型か)、③非同次なら特殊解の求め方(おき方の理由)、④初期条件から C1, C2 を決める連立方程式。
- よく出る形:右辺が多項式・ekx・sinkx・coskx の未定係数法、k が特性方程式の解と重なる「共鳴」の場合(x をかける)、連立1階方程式を行列の固有値で解く問題、ラプラス変換で初期値問題を解く問題。
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
右辺の ekx の k が特性方程式の解なら、Aekx ではうまくいかない。Axekx とおくんだぞ。
- 重解で C1eλx+C2eλx と書く:これは (C1+C2)eλx で、任意の定数が実質1つしかありません。重解では x をかけた xeλx が必要です。
- 共鳴を見落とす:右辺の ekx の k が特性方程式の解なら、Aekx ではなく Axekx(重解なら Ax2ekx)とおきます。
- 初期条件を先に入れる:特殊解を足す前の同次の一般解に初期条件を入れるのは誤り。一般解=同次+特殊解をそろえてから C1, C2 を決めます。
練習問題
![体で丸を作る合格先生]()
合格先生
特性方程式の解の型を見きわめれば、もう迷わないぞ。
- 大学院入試 y′′+2y′+y=0, y(0)=1, y′(0)=1 を解きなさい。
答えと解説を見る
λ=−1(重解)で y=(C1+C2x)e−x。y(0)=C1=1、y′(0)=C2−C1=1 より C2=2。答え y=(1+2x)e−x - 大学院入試 y′′+2y′+5y=0 の一般解を求めなさい。
答えと解説を見る
λ2+2λ+5=0 より λ=−1±2i。答え y=e−x(C1cos2x+C2sin2x) - 大学院入試 y′′+y=x2 の一般解を求めなさい。
答えと解説を見る
同次は λ=±i で C1cosx+C2sinx。yp=Ax2+Bx+C とおくと 2A+Ax2+Bx+C=x2 より A=1, B=0, C=−2。答え y=C1cosx+C2sinx+x2−2
関連する公式
よくある質問
特性方程式とは?
y″+ay′+by=0 に y=e^(λx) を入れると e^(λx)(λ²+aλ+b)=0 となることから得られる2次方程式 λ²+aλ+b=0 のことです。
重解のとき、なぜ x をかけるのですか?
e^(λx) だけでは任意の定数が1つしかなく、解が足りないからです。1階の方程式2つに分けて解くと、自然に (C₁+C₂x)e^(λx) が出てきます。
虚数解のとき三角関数になるのはなぜ?
オイラーの公式 e^((α+βi)x)=e^(αx)(cosβx+i sinβx) を使って、実数の解に組み直すと e^(αx)(C₁cosβx+C₂sinβx) になるからです。
非同次方程式はどう解きますか?
同次方程式の一般解に、非同次方程式の特殊解を1つ足します。特殊解は右辺の形に合わせて未定係数法で求めます。
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出典・参考
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦