図形の移動(平行移動・回転移動・対称移動)|2回の折り返しが回転になる証明・座標での回転の公式と例題【中学受験〜大学受験】

図形の移動(平行移動・回転移動・対称移動)|2回の折り返しが回転になる証明・座標での回転の公式と例題【中学受験〜大学受験】

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中学受験高校受験大学受験

(x, y) → θ 回転  (xcos⁡θ−ysin⁡θ, xsin⁡θ+ycos⁡θ)(x,\ y)\ \xrightarrow{\ \theta\text{ 回転}\ }\ (x\cos\theta-y\sin\theta,\ x\sin\theta+y\cos\theta)

平行移動・回転移動・対称移動では、形と大きさは変わらない

この公式のポイント

  • 平行移動:対応する点を結ぶ線はみな平行で同じ長さ
  • 回転移動:中心からの距離が同じ、回る角も同じ
  • 対称移動:軸は対応する点を結ぶ線分の垂直二等分線
  • 2回の折り返し=2倍の平行移動か2倍の回転
ハルちゃん

ハルちゃん

2回折り返しただけなのに、回転したことになるの?

合格先生

合格先生

交わる2本の線で折り返すと、交点を中心に、なす角の2倍だけ回るんだ。線が平行なら、間の長さの2倍ずれるぞ。

図形の移動の3つの種類

平行移動・回転移動・対称移動

  • 平行移動:図形を一定の向きに一定の長さだけずらす。対応する点を結ぶ線分はすべて平行で長さが等しい。
  • 回転移動:1点 O(回転の中心)のまわりに一定の角だけ回す。OA=OA′OA=OA'、∠AOA′\angle AOA'=回転角(どの点も同じ)。180° 回転を点対称移動という。
  • 対称移動:1本の直線(対称の軸)で折り返す。軸は、対応する点を結ぶ線分の垂直二等分線。

どの移動でも、形と大きさは変わらない(移す前とあとの図形は合同)。

座標で:平行移動 (x, y)→(x+p, y+q)(x,\ y)\to(x+p,\ y+q)、xx 軸対称 (x, −y)(x,\ -y)、yy 軸対称 (−x, y)(-x,\ y)、原点対称 (−x, −y)(-x,\ -y)、原点のまわりに θ\theta 回転 (xcos⁡θ−ysin⁡θ, xsin⁡θ+ycos⁡θ)(x\cos\theta-y\sin\theta,\ x\sin\theta+y\cos\theta)

平行移動回転移動対称移動O90°軸同じ向き・同じ長さ中心からの距離が同じ軸=垂直二等分線
青が移す前、オレンジが移したあと。3つの移動それぞれの「決まり」

2回の対称移動は、ほかの移動に置きかえられます。

2本の軸2回折り返すと移る量
平行(間の長さ dd)平行移動軸に垂直な向きに 2d2d
点 O で交わる(なす角 θ\theta)O を中心とする回転移動回転角 2θ2\theta

証明:なぜ2回の折り返しが平行移動・回転移動になるのか

平行な2本の軸

軸 ℓ\ell を x=0x=0、軸 mm を x=dx=d とします。点の xx 座標が xx のとき、ℓ\ell で折り返すと −x-x、つぎに mm で折り返すと mm からの距離が同じ反対側なので d+(d−(−x))=x+2dd+(d-(-x))=x+2d になります。yy 座標は変わりません。どの点も同じ向きに 2d2d ずつ動くので、平行移動です(点がどこにあっても成り立つ)。

交わる2本の軸

O を中心に考え、ℓ\ell の向きを 0∘0^\circ、mm の向きを θ\theta とします。点 P が O から距離 rr、向き α\alpha にあるとき、ℓ\ell で折り返すと向きは −α-\alpha(距離 rr のまま)。つぎに mm で折り返すと、mm から反対側の同じ角へ移るので、向きは θ+(θ−(−α))=α+2θ\theta+(\theta-(-\alpha))=\alpha+2\theta。距離はずっと rr です。つまりどの点も O のまわりに 2θ2\theta 回るので、回転移動です。

30°OℓmFF′F″60°ℓ で折り返し → m で折り返し= O を中心に 60° 回転
ℓ と m のなす角が 30° なら、F → F′ → F″ は O を中心に 60° の回転

回転の座標の式(数学Ⅱ)

P(x, y)P(x,\ y) を x=rcos⁡αx=r\cos\alpha、y=rsin⁡αy=r\sin\alpha と表すと、θ\theta 回転した点は (rcos⁡(α+θ), rsin⁡(α+θ))(r\cos(\alpha+\theta),\ r\sin(\alpha+\theta))。加法定理で開くと

rcos⁡(α+θ)=rcos⁡αcos⁡θ−rsin⁡αsin⁡θ=xcos⁡θ−ysin⁡θrsin⁡(α+θ)=rsin⁡αcos⁡θ+rcos⁡αsin⁡θ=xsin⁡θ+ycos⁡θ\begin{aligned}r\cos(\alpha+\theta)&=r\cos\alpha\cos\theta-r\sin\alpha\sin\theta=x\cos\theta-y\sin\theta\\ r\sin(\alpha+\theta)&=r\sin\alpha\cos\theta+r\cos\alpha\sin\theta=x\sin\theta+y\cos\theta\end{aligned}

θ=90∘\theta=90^\circ なら (−y, x)(-y,\ x)、θ=180∘\theta=180^\circ なら (−x, −y)(-x,\ -y)(原点対称)になります。

中学受験(算数)での使い方

算数では、線対称(折り返して重なる)・点対称(180° 回して重なる)な図形として習います。「対応する点を結ぶ線は、対称の軸と垂直に交わり、軸で2等分される」「点対称な図形では、対応する点を結ぶ線はすべて対称の中心を通る」を使うと、長さや角が分かります。

中学受験

例題1(平行な2本の線で2回折り返す)

平行な2本の直線 ℓ\ell と mm があり、間の長さは 3cm です。三角形を ℓ\ell で折り返し、さらに mm で折り返しました。もとの三角形から見て、何 cm 平行移動したことになりますか。

解き方

上の証明のとおり、2回折り返すと、2本の線の間の長さの2倍だけ(ℓ\ell から mm に向かう向きに)ずれる。3×2=63\times2=6(cm)。

答え 6cm

高校受験(中学1年)での使い方

高校受験

例題2(交わる2本の線で2回折り返す)

直線 ℓ\ell と mm が点 O で 40∘40^\circ の角をつくって交わっています。△ABC を ℓ\ell について対称移動し、さらに mm について対称移動すると、△ABC を O を中心に何度回転移動したことになりますか。

解き方

2回の対称移動は、交わった点を中心に、2本の直線がつくる角の2倍の回転移動になる。40×2=8040\times2=80。

答え 80∘80^\circ

高校受験

例題3(座標で90°回転)

点 A(1, 3)A(1,\ 3) を原点 O を中心に反時計回りに 90∘90^\circ 回転移動した点 A′A^\prime の座標を求めなさい。

解き方

O、(1, 0)(1,\ 0)、A でできる「横1・たて3」の直角三角形を 90∘90^\circ 回すと、「たて1・横3」の直角三角形になる(合同)。左へ3、上へ1 の点なので A′(−3, 1)A^\prime(-3,\ 1)。

答え A′(−3, 1)A^\prime(-3,\ 1)

A(1, 3)A′(−3, 1)O313190°OA=OA′∠AOA′=90°(x, y)→(−y, x)
例題3:直角三角形ごと 90° 回すと、横とたてが入れかわる

大学受験(数学Ⅰ・Ⅱ)での使い方

大学受験

例題4(点の回転)

点 (2, 1)(2,\ 1) を原点を中心に 60∘60^\circ 回転した点の座標を求めなさい。

解き方

x′=2cos⁡60∘−1⋅sin⁡60∘=1−32x^\prime=2\cos60^\circ-1\cdot\sin60^\circ=1-\dfrac{\sqrt3}{2}、y′=2sin⁡60∘+1⋅cos⁡60∘=3+12y^\prime=2\sin60^\circ+1\cdot\cos60^\circ=\sqrt3+\dfrac12。

答え (2−32, 23+12)\left(\dfrac{2-\sqrt3}{2},\ \dfrac{2\sqrt3+1}{2}\right)

大学受験

例題5(グラフの平行移動)

放物線 y=x2−2x+3y=x^2-2x+3 を xx 軸方向に 11、yy 軸方向に −2-2 だけ平行移動した放物線の式を求めなさい。

解き方

グラフを (p, q)(p,\ q) 平行移動するには、xx を x−px-p、yy を y−qy-q に置きかえる。y+2=(x−1)2−2(x−1)+3y+2=(x-1)^2-2(x-1)+3 より y=x2−4x+4y=x^2-4x+4。(頂点 (1, 2)(1,\ 2) が (2, 0)(2,\ 0) に移ったことでも確かめられる。)

答え y=x2−4x+4y=x^2-4x+4(=(x−2)2=(x-2)^2)

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

2回折り返したときの回転の角は、2本の線のなす角の2倍だ。2倍にし忘れるなよ。

  • 2回の折り返しで角を2倍し忘れる:交わる2本の軸で折り返すと、回転角は2本の線のなす角の2倍。平行な軸なら、ずれは間の長さの2倍。
  • 回転の向きをまちがえる:数学では反時計回りが正の向き。(x, y)(x,\ y) を反時計回りに 90∘90^\circ 回すと (−y, x)(-y,\ x)、時計回りなら (y, −x)(y,\ -x)。
  • グラフの平行移動で符号が逆:xx 軸方向に +p+p 動かすときは xx を x−px-p に置きかえる(x+px+p ではない)。

練習問題

ひらめいたハルちゃん

ハルちゃん

ずらす・回す・折り返す、3つの決まりを使いこなそう!

  1. 中学受験 正方形を、対角線の交わる点を中心に回転させます。もとの正方形とぴったり重なる、いちばん小さい回転の角は何度ですか。
    答えと解説を見る正方形は4つの頂点が同じ形にならんでいるので 360÷4=90360\div4=90。答え 90∘90^\circ
  2. 高校受験 点 (2, 5)(2,\ 5) を原点を中心に反時計回りに 90∘90^\circ 回転移動した点の座標は?
    答えと解説を見る(x, y)→(−y, x)(x,\ y)\to(-y,\ x) より (−5, 2)(-5,\ 2)
  3. 大学受験 点 (3, −1)(3,\ -1) を xx 軸について対称移動し、さらに原点を中心に 90∘90^\circ 回転(反時計回り)した点の座標は?
    答えと解説を見るxx 軸対称で (3, 1)(3,\ 1)。90∘90^\circ 回転で (−1, 3)(-1,\ 3)

関連する公式

よくある質問

図形の移動にはどんな種類がありますか?

平行移動(一定の向きにずらす)、回転移動(1点のまわりに回す)、対称移動(直線で折り返す)の3種類です。どれも形と大きさは変わりません。

2回対称移動するとどうなりますか?

2本の軸が平行なら、間の長さの2倍の平行移動になります。2本の軸が交わるなら、交わる点を中心に、なす角の2倍の回転移動になります。

点を原点のまわりに90°回転すると座標はどうなりますか?

反時計回りなら (x, y) が (−y, x) になります。時計回りなら (y, −x) です。

点を原点のまわりに θ 回転する公式は?

(x, y) は (x cosθ − y sinθ, x sinθ + y cosθ) に移ります。加法定理から導けます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」算数 第6学年(対称な図形)
  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第1学年(平面図形)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅰ(2次関数)・数学Ⅱ(三角関数)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦