平行移動とは?意味とグラフの式をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

平行移動とは?意味とグラフの式をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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平行移動とは

図形を、形も向きも変えずに、同じ方向へ同じきょりだけずらすことです。点 (x, y)(x,\ y) を xx 軸方向に pp、yy 軸方向に qq 動かすと (x+p, y+q)(x+p,\ y+q) に、グラフ y=f(x)y=f(x) は y−q=f(x−p)y-q=f(x-p) に移ります。

読み方:へいこういどう/英語:translation/習う学年:中学1年(図形の移動)・数学Ⅰ(2次関数)

サクラちゃん

サクラちゃん

グラフを右へ 3 動かすと、式の xx が x−3x-3 になるって、どうしても逆に感じます…

合格先生

合格先生

そこがいちばんのつまずきどころだね。点の座標はたす、グラフの式は引く。このページの表を見れば、なぜ引くのかがわかるよ。

この用語のポイント

  • 形も向きも変えず、すべての点を同じ向き・同じきょりだけずらす
  • 点は (x+p, y+q)(x+p,\ y+q) へ。点はたす
  • グラフは y−q=f(x−p)y-q=f(x-p)。式は引く

やさしく言うと

平行移動は、図形を、向きも形も変えずに、同じ方向へ同じきょりだけ、まっすぐずらすことです。回したり、裏返したりはしません。

  • 引き戸:引き戸を開けると、戸は向きを変えずに横へすべります。戸のどの部分も、同じ方向へ同じだけ動いています。
  • エレベーター:エレベーターは、かごの向きを変えずに真上・真下へ動きます。これも平行移動です。
  • 机をずらす:机を回さずに、そのまま横へ 1m ずらすと、机のどの角も、同じ向きに 1m 動きます。
AA′BB′CC′ 右へ 5、上へ 2 (向きも形も同じ)
右へ 5、上へ 2 の平行移動。どの点も同じ向きに同じだけ動く

まとめると、平行移動は「図形のすべての点を、同じ向き・同じきょりだけ動かす移動」です。だから、もとの点と移った点を結ぶ線分(AA′、BB′、CC′)は、すべて平行で、長さが等しくなります。これが「平行」移動という名前のわけです。

笑顔のサクラちゃん

サクラちゃん

回さない・裏返さない。ただまっすぐずらすだけが平行移動ね!

平行移動の例と、平行移動ではない移動

○ 平行移動

  • 引き戸を開ける
  • エレベーターが上がる
  • 方眼で三角形を右へ 5、上へ 2 ずらす
  • 点 (1, 2)(1,\ 2) を (4, 3)(4,\ 3) へ動かす
  • y=x2y=x^2 のグラフを y=(x−3)2+1y=(x-3)^2+1 へ動かす
  • y=2xy=2x の直線を y=2x+3y=2x+3 へ動かす

× 平行移動ではないもの

  • 回転ドアの動き(中心のまわりを回る。回転移動)
  • 時計の針の動き(回転移動)
  • 紙を折って重ねる(対称移動)
  • 図形を 2 倍に拡大する(大きさが変わる)
  • y=x2y=x^2 を y=−x2y=-x^2 にする(xx 軸について折り返し)

平行移動では、図形の形・大きさ・向きがすべて変わりません。向きが変わるなら対称移動や回転移動、大きさが変わるなら拡大・縮小です。

図で見る(座標で表す)

座標平面では、平行移動を「xx 軸方向にいくつ、yy 軸方向にいくつ」で表します。右と上がプラス、左と下がマイナスです。

123451234 xyO P(1, 2) P′(4, 3) x 方向に+3 y 方向に+1 (x, y) → (x+3, y+1)
点 P(1, 2) を x 方向に 3、y 方向に 1 → P′(4, 3)

点 (x, y)(x,\ y) を xx 軸方向に pp、yy 軸方向に qq だけ平行移動すると、点 (x+p, y+q)(x+p,\ y+q) に移ります。点の移動は、座標にそのままたすだけです。

グラフの平行移動

高校の数学Ⅰでは、グラフ全体を平行移動します。y=x2y=x^2 のグラフを xx 軸方向に 3、yy 軸方向に 1 だけ平行移動すると、y=(x−3)2+1y=(x-3)^2+1 のグラフになります。

xyO 12345 (3, 1) y=x² y=(x−3)²+1 右へ 3、上へ 1
y=x² を右へ 3、上へ 1 ずらすと y=(x−3)²+1。形は同じ
移動式の変え方例(y=x2y=x^2 から)
xx 軸方向に ppxx を x−px-p におきかえる右へ 3:y=(x−3)2y=(x-3)^2
yy 軸方向に qqyy を y−qy-q におきかえる(右辺に +q+q)上へ 1:y=x2+1y=x^2+1
両方y−q=f(x−p)y-q=f(x-p)y=(x−3)2+1y=(x-3)^2+1

まとめると、y=f(x)y=f(x) のグラフを xx 軸方向に pp、yy 軸方向に qq 平行移動したグラフの式は y−q=f(x−p)y-q=f(x-p)、つまり y=f(x−p)+qy=f(x-p)+q です。二次関数なら頂点が (p, q)(p,\ q) だけ動き、x2x^2 の係数(形)は変わりません。

なぜ「右へ 3」が「x−3」になるの?

うかるくん

うかるくん

右へ 3 ずらすのに、どうして x+3x+3 じゃなくて x−3x-3 なんですか? 逆な気がします。

合格先生

合格先生

表で考えてみよう。右へ 3 ずらしたグラフでは、もとと同じ yy の値が、xx が 3 大きいところに出てくるよね。だから、新しい xx から 3 を引いて、もとの xx にもどしてから 2 乗するんだ。

y=x² を右へ 3 ずらすと… もとの x01234y=x²014916新しい x34567y014916+3 ↓+3 ↓+3 ↓+3 ↓+3 ↓ y の値は同じで、x だけが 3 大きい → もとの x = 新しい x − 3 → y=(x−3)²
新しい x から 3 を引くと、もとの x にもどる。だから y=(x−3)²

たとえば、新しいグラフの x=5x=5 での yy の値は、もとのグラフの x=2x=2 での値 4 と同じです。5−3=25-3=2 なので、y=(5−3)2=4y=(5-3)^2=4 となり、ちゃんと合っています。「点はたす、式は引く」とおぼえておくとまちがえません。yy 方向も同じで、yy を y−qy-q におきかえます。y−1=x2y-1=x^2 を変形すると y=x2+1y=x^2+1 になり、「上へ 1」は右辺に +1+1 と同じことです。

テスト・入試ではこう出る

中学 1 年の平面図形では、平行移動・回転移動・対称移動を学び、移動した図形をかく問題や、どの移動で重なるかを答える問題が出ます。高校の数学Ⅰでは、二次関数のグラフを平行移動した式を求める問題、どのように平行移動すれば重なるかを答える問題がよく出ます。数学Ⅱでは、三角関数・指数関数・対数関数のグラフにも同じ考え方を使います。

例題1(数学Ⅰ・移動した式)

放物線 y=x2−2x+3y=x^2-2x+3 を、xx 軸方向に −1-1、yy 軸方向に 22 だけ平行移動した放物線の式を求めなさい。

  1. xx 軸方向に −1-1、yy 軸方向に 22 の平行移動なので、xx を x−(−1)=x+1x-(-1)=x+1 に、yy を y−2y-2 におきかえる。
  2. y−2=(x+1)2−2(x+1)+3y-2=(x+1)^2-2(x+1)+3
  3. 右辺を展開:x2+2x+1−2x−2+3=x2+2x^2+2x+1-2x-2+3=x^2+2。よって y=x2+2+2=x2+4y=x^2+2+2=x^2+4。

答え y=x2+4y=x^2+4(頂点で確かめ:もとは y=(x−1)2+2y=(x-1)^2+2 で頂点 (1, 2)(1,\ 2)。動かすと (0, 4)(0,\ 4) で、y=x2+4y=x^2+4 の頂点と一致)

例題2(数学Ⅰ・どう動かすか)

放物線 y=x2+4x+1y=x^2+4x+1 をどのように平行移動すると、放物線 y=x2−2x+5y=x^2-2x+5 に重なりますか。

  1. それぞれ平方完成する:y=x2+4x+1=(x+2)2−3y=x^2+4x+1=(x+2)^2-3、頂点 (−2, −3)(-2,\ -3)。y=x2−2x+5=(x−1)2+4y=x^2-2x+5=(x-1)^2+4、頂点 (1, 4)(1,\ 4)。
  2. x2x^2 の係数はどちらも 1 なので、形は同じ。頂点の移動を調べればよい。
  3. xx 方向:1−(−2)=31-(-2)=3、yy 方向:4−(−3)=74-(-3)=7。

答え xx 軸方向に 3、yy 軸方向に 7 だけ平行移動する

○の札を持つうかるくん

うかるくん

放物線の平行移動は、頂点がどこからどこへ動いたかを見れば一発だね!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

右へ 3 は x−3x-3! x+3x+3 にすると左へ動いてしまうよ。

  • 式の xx に +p+p してしまう:y=x2y=x^2 を右へ 3 は y=(x−3)2y=(x-3)^2 です。y=(x+3)2y=(x+3)^2 は左へ 3 になります。点はたす、式は引く。
  • 一部の xx だけおきかえる:y=x2−2x+3y=x^2-2x+3 を右へ 1 なら、x2x^2 も −2x-2x も全部の xx を x−1x-1 にします。y=(x−1)2−2x+3y=(x-1)^2-2x+3 はまちがいです。
  • x2x^2 の係数まで変える:平行移動では形が変わらないので、x2x^2 の係数は同じです。y=2x2y=2x^2 を動かしたら、必ず y=2(⋯ )2+⋯y=2(\cdots)^2+\cdots の形になります。
  • 直線のずらし方は 1 通りだと思う:y=2xy=2x を上へ 3 ずらしても、左へ 1.5 ずらしても、同じ直線 y=2x+3y=2x+3 になります(下の図)。直線は、のびている向きにずらしても変わらないからです。
  • 「平行」と「平行移動」をまぜる:平行は「2 直線が交わらない関係」、平行移動は「図形をずらす動かし方」です。
xyO 上へ 3 左へ 1.5 y=2x y=2x+3 どちらにずらしても 同じ直線 y=2x+3
直線 y=2x は、上へ 3 でも左へ 1.5 でも、同じ y=2x+3 になる

ことばの由来

平行移動は、「平行に移動する」、つまり図形のすべての点が平行な向きに同じだけ動く、という意味です。英語では translation(トランスレーション)といいます。ふだんは「翻訳」の意味で使われる言葉ですが、もとは「別の場所へ運び移すこと」を表し、数学では平行移動の意味で使います。

ミニ問題

問題1 点 (2, −1)(2,\ -1) を、xx 軸方向に −3-3、yy 軸方向に 44 だけ平行移動した点の座標を求めましょう。

答えと解き方を見る

(−1, 3)(-1,\ 3) です。xx 座標は 2+(−3)=−12+(-3)=-1、yy 座標は −1+4=3-1+4=3。点の移動は、座標に移動する量をそのままたすだけです。

問題2 放物線 y=2x2y=2x^2 を、xx 軸方向に 11、yy 軸方向に −3-3 だけ平行移動した放物線の式を求めましょう。

答えと解き方を見る

y=2(x−1)2−3y=2(x-1)^2-3(展開すると y=2x2−4x−1y=2x^2-4x-1)です。頂点が (0, 0)(0,\ 0) から (1, −3)(1,\ -3) に移り、形(x2x^2 の係数 2)は変わりません。xx を x−1x-1 に、yy を y+3y+3 におきかえて y+3=2(x−1)2y+3=2(x-1)^2 としても同じです。

問題3 直線 y=3x+1y=3x+1 を、xx 軸方向に 22 だけ平行移動した直線の式を求めましょう。

答えと解き方を見る

y=3x−5y=3x-5 です。xx を x−2x-2 におきかえて、y=3(x−2)+1=3x−6+1=3x−5y=3(x-2)+1=3x-6+1=3x-5。傾き 3 は変わらず、切片だけが変わります。たしかめ:もとの直線上の点 (0, 1)(0,\ 1) を右へ 2 ずらした (2, 1)(2,\ 1) は、3×2−5=13\times2-5=1 で新しい直線の上にあります。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

平行移動とは簡単にいうと何ですか?

図形を回したり裏返したりせず、形も向きも変えないで、同じ方向へ同じきょりだけずらすことです。

点の平行移動はどう計算しますか?

点(x, y)を x 軸方向に p、y 軸方向に q だけ動かすと、点(x+p, y+q)になります。座標にそのままたします。

グラフを右へ3平行移動すると式はどうなりますか?

式の x を x−3 におきかえます。y=x² なら y=(x−3)² です。x+3 にすると左へ3になります。

なぜ x−p になるのですか?

ずらしたグラフでは、もとと同じ y の値が、x が p 大きいところに出てくるからです。新しい x から p を引くと、もとの x にもどります。

平行移動で二次関数の何が変わりますか?

頂点(と軸)の位置だけが変わります。x² の係数は変わらないので、放物線の形は同じです。

平行移動は何年生で習いますか?

中学1年の平面図形で図形の移動として習い、高校の数学Ⅰで二次関数のグラフの平行移動を習います。

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第1学年 B 図形(図形の移動)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(2次関数)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦