分数関数とは?グラフと漸近線をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

分数関数とは

xx の分数式で表される関数です。高校ではおもに y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q の形を学び、グラフは反比例 y=kxy=\dfrac kx を平行移動した双曲線で、x=px=p、y=qy=q が漸近線になります。

読み方:ぶんすうかんすう/英語:rational function/習う学年:数学Ⅲ

うかるくん

うかるくん

y=2x+1x−1y=\dfrac{2x+1}{x-1} って、どんなグラフかまったく想像できません…

合格先生

合格先生

分子を分母でわると y=3x−1+2y=\dfrac{3}{x-1}+2。これは反比例 y=3xy=\dfrac3x をずらしただけなんだ。中学のグラフがわかれば、もうかけるよ。

この用語のポイント

  • 基本形 y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q:y=kxy=\dfrac kx を xx 方向に pp、yy 方向に qq 平行移動
  • 漸近線は x=px=p と y=qy=q。グラフは漸近線と交わらない
  • ax+bcx+d\dfrac{ax+b}{cx+d} は分子を分母でわって基本形に直す

やさしく言うと

分数関数は、分母に xx が入っている関数です。いちばん基本の形は、中学で習った反比例 y=axy=\dfrac{a}{x} です。高校では、これを上下左右にずらした y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q の形をおもに学びます。

  • 人数で割るお金:貸し切りバス代 30000 円をみんなで割り、1 人 500 円の入場料も払うとき、xx 人で行くと 1 人分は y=30000x+500y=\dfrac{30000}{x}+500 円です。人数がふえるほど安くなりますが、500 円より安くはなりません。
  • 水でうすめる食塩水:食塩 10 g をとかした 100 g の食塩水に、水を xx g 加えると、こさは y=1000x+100y=\dfrac{1000}{x+100} % です。いくら水を足しても 0% にはなりません。
  • 同じきょりを進む時間:120 km を時速 xx km で進むと、かかる時間は y=120xy=\dfrac{120}{x} 時間。速くするほど短くなりますが、0 時間にはなりません。

どれも「ある値に限りなく近づくけれど、決してとどかない」という特ちょうがあります。この「近づく先」の直線が漸近線です。

xyO (1, 1) (2, 1/2) (−1, −1) y = 1/x x 軸に近づくが、ふれない y 軸にも近づくが、ふれない
y=1/x のグラフ(双曲線)。x 軸と y 軸が漸近線

まとめると、分数関数は反比例のグラフをずらしたもので、グラフは 2 本の漸近線をもつ双曲線になります。

分数関数の例

○ 分数関数

  • y=1xy=\dfrac1x(反比例。いちばん基本の形)
  • y=3x−1+2y=\dfrac{3}{x-1}+2(y=3xy=\dfrac3x をずらした形)
  • y=2x+1x−1y=\dfrac{2x+1}{x-1}(変形すると 2+3x−12+\dfrac3{x-1})
  • y=−2xy=-\dfrac{2}{x}(kk が負)
  • y=1x2+1y=\dfrac{1}{x^2+1}(分母に xx の 2 次式。分数関数の仲間)
  • バス代の y=30000x+500y=\dfrac{30000}{x}+500

× 分数関数ではないもの

  • y=x3y=\dfrac{x}{3}(分母は数だけ。一次関数)
  • y=x2+12y=\dfrac{x^2+1}{2}(二次関数)
  • y=2x−2x−1y=\dfrac{2x-2}{x-1}(約分すると y=2y=2(x≠1x\ne1)。双曲線にならない)
  • y=xy=\sqrt{x}(根号。無理関数)
  • y=2xy=2^x(指数関数)

xx の分数式で表される関数を分数関数といいます。高校では、とくに y=ax+bcx+dy=\dfrac{ax+b}{cx+d}(c≠0c\ne0、ad−bc≠0ad-bc\ne0)の形をくわしく学びます。ad−bc=0ad-bc=0 だと約分できてしまい、グラフは直線の一部になります。

図で見る

y=3x−1+2y=\dfrac{3}{x-1}+2 のグラフは、y=3xy=\dfrac3x のグラフを xx 方向に 1、yy 方向に 2 だけ平行移動したものです。漸近線も一緒に動いて、x=1x=1 と y=2y=2 になります。

xyO (0, −1) −1/2 x = 1 y = 2 y = 3/(x−1) + 2 y = 3/x
うすい点線の y=3/x を、右に1・上に2ずらすと y=3/(x−1)+2
うかるくん

うかるくん

x−1x-1 なのに、右に 1 ずれるんですか? 左じゃなくて?

合格先生

合格先生

x=1x=1 で分母が 0 になる、と考えるとわかりやすいよ。分母が 0 になる場所が縦の漸近線だから、x=1x=1 の位置、つまり右に 1 だ。二次関数の平行移動と同じルールだね。

kk の符号によって、グラフのある場所が変わります。k>0k>0 なら漸近線の交点から見て右上と左下、k<0k<0 なら左上と右下です。

y = 2/x(k>0) y = −2/x(k<0) 右上と左下(減少) 左上と右下(増加)
k>0 なら右上と左下、k<0 なら左上と右下

グラフのかき方

y=ax+bcx+dy=\dfrac{ax+b}{cx+d} の形は、分子を分母でわって y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q の形に直してから考えます。手順は次のとおりです。

  1. 分子を「分母 × 数 + 余り」に分ける(例:2x+1=2(x−1)+32x+1=2(x-1)+3)。
  2. y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q の形にして、漸近線 x=px=p、y=qy=q を点線でかく。
  3. kk の符号で、グラフがどの 2 つの部分にあるかを決める。
  4. xx 軸・yy 軸との交点を求めて、なめらかな曲線でかく。
形縦の漸近線横の漸近線定義域・値域
y=kxy=\dfrac kxx=0x=0(yy 軸)y=0y=0(xx 軸)x≠0x\ne0、y≠0y\ne0
y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+qx=px=py=qy=qx≠px\ne p、y≠qy\ne q
y=ax+bcx+dy=\dfrac{ax+b}{cx+d}x=−dcx=-\dfrac dcy=acy=\dfrac acx≠−dcx\ne-\dfrac dc、y≠acy\ne\dfrac ac

グラフは直線 y=xy=x について折り返しても同じ形の双曲線になるので、分数関数の逆関数もまた分数関数です。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

分母が 0 になる x が縦の漸近線、わり算の「商」が横の漸近線ね!

テスト・入試ではこう出る

分数関数は、高校の数学Ⅲで無理関数と一緒に学びます。よく出るのは、漸近線・定義域・値域を答える問題、グラフと直線の交点を求める問題、そしてグラフを使って解く分数不等式です。逆関数や合成関数と組み合わせた問題も定番です。

例題1(変形と漸近線)

y=2x+1x−1y=\dfrac{2x+1}{x-1} のグラフの漸近線、定義域、値域を求めなさい。

  1. 分子を分母でわる:2x+1=2(x−1)+32x+1=2(x-1)+3 なので、y=2(x−1)+3x−1=2+3x−1y=\dfrac{2(x-1)+3}{x-1}=2+\dfrac{3}{x-1}。
  2. y=3xy=\dfrac3x を xx 方向に 1、yy 方向に 2 平行移動したグラフ。
  3. 漸近線は x=1x=1、y=2y=2。
  4. 定義域は分母 ≠0\ne0 より x≠1x\ne1。3x−1\dfrac{3}{x-1} は 0 にならないので、値域は y≠2y\ne2。

答え 漸近線 x=1x=1、y=2y=2。定義域 x≠1x\ne1、値域 y≠2y\ne2

例題2(分数不等式)

不等式 2x>x−1\dfrac{2}{x}>x-1 を解きなさい。

  1. グラフの交点:2x=x−1\dfrac2x=x-1 の両辺に xx をかけて x2−x−2=0x^2-x-2=0、(x+1)(x−2)=0(x+1)(x-2)=0 より x=−1, 2x=-1,\ 2。
  2. 図4のように、y=2xy=\dfrac2x が直線 y=x−1y=x-1 より上にある xx の範囲を読む。
  3. x=0x=0 では 2x\dfrac2x が定義されないので、そこで区切られる。

答え x<−1x<-1、0<x<20<x<2

式だけで解くときは、両辺に xx をかけるとき xx の正負で場合分けが必要です(負の数をかけると不等号の向きが変わる)。x>0x>0 なら 2>x2−x2>x^2-x より 0<x<20<x<2、x<0x<0 なら 2<x2−x2<x^2-x より x<−1x<-1 となり、同じ答えになります。

xyO (2, 1) (−1, −2) y = 2/x y = x − 1 青が赤より上:x < −1、0 < x < 2
曲線が直線より上にある範囲が答え。x=0 で切れることに注意

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

定義域から分母が 0 になる x を除く! グラフは漸近線にふれないよ。

  • 定義域から、分母が 0 になる xx を除き忘れる:y=3x−1+2y=\dfrac{3}{x-1}+2 の定義域は「すべての実数」ではなく x≠1x\ne1 です。
  • 平行移動の向き:y=3x+1y=\dfrac{3}{x+1} は y=3xy=\dfrac3x を左に 1 ずらしたものです(分母が 0 になるのは x=−1x=-1)。
  • グラフが漸近線にふれるとかく:y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q のグラフは、漸近線 x=px=p、y=qy=q と交わりません。y=qy=q になるには kx−p=0\dfrac{k}{x-p}=0 が必要ですが、k≠0k\ne0 なのでありえません。
  • 不等式の両辺に xx をそのままかける:2x>x−1\dfrac2x>x-1 で両辺に xx をかけると、x<0x<0 のとき不等号の向きが変わります。グラフで考えるか、x2x^2(正の数)をかけるなどして処理します。
  • 値域を端の値だけで決める:区間に縦の漸近線がふくまれていると、yy はどこまでも大きく(小さく)なります。区間の中に x=px=p がないか、先に確かめましょう。

ことばの意味

分数関数は、文字どおり分数の形の式で表される関数です。英語では、多項式の分数で表される関数を rational function(有理関数)といいます。グラフの名前の双曲線は、2 つに分かれた曲線であることを表しています。y=kxy=\dfrac kx のように 2 本の漸近線が直角に交わる双曲線は、直角双曲線ともよばれます。

ミニ問題

問題1 y=4x+2−3y=\dfrac{4}{x+2}-3 のグラフの漸近線を答えましょう。

答えと解き方を見る

x=−2x=-2 と y=−3y=-3 です。y=4x−(−2)+(−3)y=\dfrac{4}{x-(-2)}+(-3) と見ると、y=4xy=\dfrac4x を xx 方向に −2-2、yy 方向に −3-3 だけ平行移動したグラフです。分母が 0 になる x=−2x=-2 が縦の漸近線です。

問題2 y=3x−1x−1y=\dfrac{3x-1}{x-1} を y=kx−p+qy=\dfrac{k}{x-p}+q の形に直し、漸近線を答えましょう。

答えと解き方を見る

y=2x−1+3y=\dfrac{2}{x-1}+3、漸近線は x=1x=1 と y=3y=3 です。分子を 3x−1=3(x−1)+23x-1=3(x-1)+2 と分母の形でくくり出すと、3(x−1)+2x−1=3+2x−1\dfrac{3(x-1)+2}{x-1}=3+\dfrac2{x-1} になります。横の漸近線は、xx の係数の比 31=3\dfrac31=3 と一致します。

問題3 2≤x≤32\le x\le3 のとき、y=2x−1+1y=\dfrac{2}{x-1}+1 の値域を求めましょう。

答えと解き方を見る

2≤y≤32\le y\le3 です。x>1x>1 の部分では、xx が大きくなるほど yy は小さくなります(減少)。x=2x=2 のとき y=21+1=3y=\dfrac21+1=3、x=3x=3 のとき y=22+1=2y=\dfrac22+1=2。だから 2≤y≤32\le y\le3 です。グラフをかいて、どちら向きに動くかを確かめるのが確実です。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

分数関数とは簡単にいうと何ですか?

分母にxが入った分数の式で表される関数です。基本は反比例 y=k/x で、高校ではそれを平行移動した y=k/(x−p)+q の形を学びます。

分数関数の漸近線はどう求めますか?

y=k/(x−p)+q の形に直すと、x=p と y=q が漸近線です。x=p は分母が0になるxの値です。

分数関数のグラフは何という曲線ですか?

双曲線です。y=k/x の形は2本の漸近線が直角に交わるので、直角双曲線ともよばれます。

(ax+b)/(cx+d) の形はどう変形しますか?

分子を分母でわって、商と余りに分けます。例えば (2x+1)/(x−1) は 2+3/(x−1) になります。

分数関数のグラフは漸近線と交わりますか?

y=k/(x−p)+q の形では交わりません。y=q になるには k/(x−p)=0 が必要ですが、kは0でないからです。

分数関数は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅲで、無理関数と一緒に習います。もとになる反比例は中学1年で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(極限:分数関数と無理関数)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦