うかるくん
を 2 乗して解いたら と が出ました。両方答えですよね?
合格先生
を入れてごらん。左辺は 、右辺は で合わないね。2 乗すると、ちがう式の解までまざるんだ。無理関数では「確かめ」が必ず必要だよ。
この用語のポイント
- 無理関数 = 根号の中に がある関数(基本は )
- 最初に根号の中 で定義域。 の値はいつも 0 以上
- 無理方程式は 2 乗したあと必ずもとの式で確かめる
やさしく言うと
無理関数は、(根号)の中に が入っている関数です。いちばん基本の形は です。平方根を「計算」から「関数」に広げたものと考えるとわかりやすくなります。
- 正方形の面積から 1 辺を出す:面積が cm² の正方形の 1 辺は cm です。面積が 4 倍になっても、1 辺は 2 倍にしかなりません。
- ものを落としたときの時間:空気の影響を考えないと、落ちたきょり m と時間 秒には の関係があります。逆に時間は で、19.6 m なら 2 秒です。
- 円の面積から半径を出す:面積 の円の半径は です。
どれも「2 乗の関係を、逆から見たもの」です。だから無理関数のグラフは、放物線を横にたおしたような形になります。
まとめると、無理関数は の逆の働きをする関数で、根号の中が負になる では考えません。
無理関数の例
○ 無理関数
- (いちばん基本の形)
- ( を平行移動)
- (根号の中の の係数が負)
- (根号の前にマイナス)
- (根号の中が 2 次式。無理関数の仲間)
- 落下時間
× 無理関数ではないもの
- (根号の中は数だけ。一次関数)
- (二次関数)
- (分数関数)
- (絶対値。根号はない)
- ( になり、ふつう無理関数としては扱わない)
根号の中に文字をふくむ式を無理式といい、 の無理式で表される関数を無理関数といいます。高校では、とくに の形をくわしく学びます。
図で見る
のグラフは、 を 方向に 1、 方向に 2 だけ平行移動したものです。グラフの「始まりの点」が から に動きます。
根号の中や前にマイナスがあると、グラフの向きが変わります。 は 軸について、 は 軸について折り返した形です。
サクラちゃん
って、根号の中がマイナスでダメじゃないんですか?
合格先生
が負の数なら、 は正の数になるよね。たとえば なら 。だからこのグラフは左側()にだけあるんだ。根号の中が 0 以上になる を見るのが、いつも最初の仕事だよ。
グラフのかき方と定義域・値域
の形に直すと、グラフがすぐにかけます。
- 根号の中 から定義域を出す。
- 始まりの点 をとる。
- なら右へ、 なら左へのびる。根号の前が なら上へ、 なら下へ曲がる。
- 通る点を 1〜2 個計算して、なめらかにかく。
| 形 | 定義域 | 値域 | のびる向き |
|---|---|---|---|
| 右上 | |||
| 右下 | |||
| 左上 | |||
| () | 右上 |
は ()の逆関数です。逆関数を求めるときは、もとの関数の値域が、逆関数の定義域になることに注意します。たとえば の逆関数は ()です。

うかるくん
最初に「根号の中≧0」、それから始まりの点。これでグラフはすぐかける!
テスト・入試ではこう出る
無理関数は、高校の数学Ⅲで分数関数と一緒に学びます。よく出るのは、定義域・値域、グラフ、無理方程式・無理不等式、逆関数です。とくに無理方程式では、両辺を 2 乗したあとに答えを確かめることが定番の落とし穴です。
例題1(定義域・値域とグラフ)
の定義域と値域を求め、グラフの形を答えなさい。
- 根号の中が 0 以上: より 。これが定義域。
- なので 。これが値域。
- 形を見る: なので、(左上へのびる形)を 方向に 2、 方向に 1 平行移動したもの。
- 通る点: で 、 で 、 で 。
答え 定義域 、値域 。点 から左上へのびるグラフ
例題2(無理方程式)
方程式 を解きなさい。
- 両辺を 2 乗する:、、 より 。
- もとの式に入れて確かめる: のとき 左辺 、右辺 で成り立つ。 のとき 左辺 、右辺 で成り立たない。
- は 0 以上なので、右辺 が必要だった。 はこれを満たさない。
答え
両辺を 2 乗すると、 だけでなく の解もまざってしまいます。だから、2 乗して出た答えは必ずもとの式に入れて確かめます。
まちがえやすい点

合格先生
根号の中は0以上、√の値も0以上! 2乗したら確かめを忘れずに。
- 定義域を調べない: に を入れることはできません。最初に「根号の中 」から を出しておきます。
- 2 乗した答えをそのまま答える:例題2で と答えるのは×。もとの式で確かめると は成り立ちません。
- の値が負になると思う: はいつも 0 以上です。だから の値域は 、 の値域は です。
- 平行移動の向き: は を左に 2 ずらしたものです(始まりは )。
- 逆関数の定義域を書き忘れる: の逆関数を「」とだけ書くと、左半分までふくんでしまいます。正しくは ()です。
ことばの意味
「無理」は、無理数の「無理」と同じで、根号をふくむ式(無理式)で表される関数であることを表しています。日常の「むり(できない)」という意味ではありません。英語の irrational は「比(ratio)で表せない」という意味で、分数(整数の比)で表せない数を無理数(irrational number)とよぶことにつながっています。
ミニ問題
問題1 の定義域と値域を求めましょう。
答えと解き方を見る
定義域 、値域 です。根号の中が 0 以上なので 、。 の値は 0 以上なので です。 と見ると、 を左に 2 ずらしたグラフです。
問題2 の定義域と値域を求めましょう。
答えと解き方を見る
定義域 、値域 です。 より 。 なので、 です。根号の前にマイナスがあるので、グラフは点 から右下に向かいます。
問題3 不等式 を解きましょう。(図4を使ってかまいません)
答えと解き方を見る
です。
- 定義域: より 。
- 図4で、青い曲線 が赤い直線 より上にあるのは、曲線の始まり から交点 の手前まで。
- 式で確かめると: では右辺が負なので必ず成り立つ。 では両辺を 2 乗して 、 より 。
あわせて です。
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よくある質問
無理関数とは簡単にいうと何ですか?
根号(ルート)の中にxが入った式で表される関数です。いちばん基本の形は y=√x です。
無理関数の定義域はどう求めますか?
根号の中が0以上になるxの範囲を求めます。例えば y=√(x−1) なら x−1≧0 より x≧1 です。
y=√x のグラフはどんな形ですか?
原点から右上にのびる曲線で、y=x²(x≧0)を直線 y=x で折り返した形です。放物線を横にたおした形の上半分になります。
無理方程式で答えを確かめるのはなぜですか?
両辺を2乗すると、もとの式では成り立たない解がまざることがあるからです。出た答えをもとの式に入れて確かめます。
無理関数の値域で気をつけることは?
√の値はいつも0以上です。y=√(x−1)+2 なら値域は y≧2、根号の前にマイナスがあれば上限が決まります。
無理関数は何年生で習いますか?
高校の数学Ⅲで、分数関数と一緒に習います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(極限:分数関数と無理関数)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


