無理関数とは?グラフと定義域をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

無理関数とは?グラフと定義域をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

合格大作戦 数学用語辞典 › 関数

大学受験

無理関数とは

根号  \sqrt{\ } の中に xx がふくまれる式で表される関数です。基本の y=xy=\sqrt x は y=x2y=x^2(x≥0x\ge0)の逆関数で、根号の中が 0 以上になる xx だけで考えます。

読み方:むりかんすう/英語:irrational function/習う学年:数学Ⅲ

うかるくん

うかるくん

x+2=x\sqrt{x+2}=x を 2 乗して解いたら x=−1x=-1 と 22 が出ました。両方答えですよね?

合格先生

合格先生

x=−1x=-1 を入れてごらん。左辺は 1=1\sqrt1=1、右辺は −1-1 で合わないね。2 乗すると、ちがう式の解までまざるんだ。無理関数では「確かめ」が必ず必要だよ。

この用語のポイント

  • 無理関数 = 根号の中に xx がある関数(基本は y=xy=\sqrt x)
  • 最初に根号の中 ≥0\ge0 で定義域。 \sqrt{\ } の値はいつも 0 以上
  • 無理方程式は 2 乗したあと必ずもとの式で確かめる

やさしく言うと

無理関数は、 \sqrt{\ }(根号)の中に xx が入っている関数です。いちばん基本の形は y=xy=\sqrt x です。平方根を「計算」から「関数」に広げたものと考えるとわかりやすくなります。

  • 正方形の面積から 1 辺を出す:面積が xx cm² の正方形の 1 辺は y=xy=\sqrt x cm です。面積が 4 倍になっても、1 辺は 2 倍にしかなりません。
  • ものを落としたときの時間:空気の影響を考えないと、落ちたきょり hh m と時間 tt 秒には h=4.9t2h=4.9t^2 の関係があります。逆に時間は t=h4.9t=\sqrt{\dfrac{h}{4.9}} で、19.6 m なら 2 秒です。
  • 円の面積から半径を出す:面積 SS の円の半径は r=Sπr=\sqrt{\dfrac S\pi} です。

どれも「2 乗の関係を、逆から見たもの」です。だから無理関数のグラフは、放物線を横にたおしたような形になります。

xyO (1, 1) (4, 2) (2, 4) y = √x y = x²(x ≧ 0) y = x
y=√x は、y=x²(x≧0)を直線 y=x で折り返した形

まとめると、無理関数はx2x^2 の逆の働きをする関数で、根号の中が負になる xx では考えません。

無理関数の例

○ 無理関数

  • y=xy=\sqrt x(いちばん基本の形)
  • y=x−1+2y=\sqrt{x-1}+2(x\sqrt x を平行移動)
  • y=4−2xy=\sqrt{4-2x}(根号の中の xx の係数が負)
  • y=−x+1y=-\sqrt{x+1}(根号の前にマイナス)
  • y=x2+1y=\sqrt{x^2+1}(根号の中が 2 次式。無理関数の仲間)
  • 落下時間 t=h4.9t=\sqrt{\dfrac{h}{4.9}}

× 無理関数ではないもの

  • y=2 xy=\sqrt2\,x(根号の中は数だけ。一次関数)
  • y=x2y=x^2(二次関数)
  • y=1xy=\dfrac1x(分数関数)
  • y=∣x∣y=|x|(絶対値。根号はない)
  • y=x2y=\sqrt{x^2}(=∣x∣=|x| になり、ふつう無理関数としては扱わない)

根号の中に文字をふくむ式を無理式といい、xx の無理式で表される関数を無理関数といいます。高校では、とくに y=ax+by=\sqrt{ax+b} の形をくわしく学びます。

図で見る

y=x−1+2y=\sqrt{x-1}+2 のグラフは、y=xy=\sqrt x を xx 方向に 1、yy 方向に 2 だけ平行移動したものです。グラフの「始まりの点」が (0, 0)(0,\ 0) から (1, 2)(1,\ 2) に動きます。

xyO (1, 2) 12 y = √x − 1 + 2 y = √x 定義域:x ≧ 1 値域 :y ≧ 2
始まりの点 (1, 2) から右上へのびる。定義域 x≧1、値域 y≧2

根号の中や前にマイナスがあると、グラフの向きが変わります。−x\sqrt{-x} は yy 軸について、−x-\sqrt x は xx 軸について折り返した形です。

xyO y = √x y = −√x y = √−x y = −√−x
4 つの向き。原点から右上・右下・左上・左下に広がる
サクラちゃん

サクラちゃん

y=−xy=\sqrt{-x} って、根号の中がマイナスでダメじゃないんですか?

合格先生

合格先生

xx が負の数なら、−x-x は正の数になるよね。たとえば x=−4x=-4 なら 4=2\sqrt{4}=2。だからこのグラフは左側(x≤0x\le0)にだけあるんだ。根号の中が 0 以上になる xx を見るのが、いつも最初の仕事だよ。

グラフのかき方と定義域・値域

y=a(x−p)+qy=\sqrt{a(x-p)}+q の形に直すと、グラフがすぐにかけます。

  1. 根号の中 ≥0\ge0 から定義域を出す。
  2. 始まりの点 (p, q)(p,\ q) をとる。
  3. a>0a>0 なら右へ、a<0a<0 なら左へのびる。根号の前が ++ なら上へ、−- なら下へ曲がる。
  4. 通る点を 1〜2 個計算して、なめらかにかく。
形定義域値域のびる向き
y=xy=\sqrt xx≥0x\ge0y≥0y\ge0右上
y=−xy=-\sqrt xx≥0x\ge0y≤0y\le0右下
y=−xy=\sqrt{-x}x≤0x\le0y≥0y\ge0左上
y=a(x−p)+qy=\sqrt{a(x-p)}+q(a>0a>0)x≥px\ge py≥qy\ge q右上

y=xy=\sqrt x は y=x2y=x^2(x≥0x\ge0)の逆関数です。逆関数を求めるときは、もとの関数の値域が、逆関数の定義域になることに注意します。たとえば y=x−1+2y=\sqrt{x-1}+2 の逆関数は y=(x−2)2+1y=(x-2)^2+1(x≥2x\ge2)です。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

最初に「根号の中≧0」、それから始まりの点。これでグラフはすぐかける!

テスト・入試ではこう出る

無理関数は、高校の数学Ⅲで分数関数と一緒に学びます。よく出るのは、定義域・値域、グラフ、無理方程式・無理不等式、逆関数です。とくに無理方程式では、両辺を 2 乗したあとに答えを確かめることが定番の落とし穴です。

例題1(定義域・値域とグラフ)

y=4−2x+1y=\sqrt{4-2x}+1 の定義域と値域を求め、グラフの形を答えなさい。

  1. 根号の中が 0 以上:4−2x≥04-2x\ge0 より x≤2x\le2。これが定義域。
  2. 4−2x≥0\sqrt{4-2x}\ge0 なので y≥1y\ge1。これが値域。
  3. 形を見る:y=−2(x−2)+1y=\sqrt{-2(x-2)}+1 なので、y=−2xy=\sqrt{-2x}(左上へのびる形)を xx 方向に 2、yy 方向に 1 平行移動したもの。
  4. 通る点:x=2x=2 で y=1y=1、x=0x=0 で y=3y=3、x=−6x=-6 で y=5y=5。

答え 定義域 x≤2x\le2、値域 y≥1y\ge1。点 (2, 1)(2,\ 1) から左上へのびるグラフ

例題2(無理方程式)

方程式 x+2=x\sqrt{x+2}=x を解きなさい。

  1. 両辺を 2 乗する:x+2=x2x+2=x^2、x2−x−2=0x^2-x-2=0、(x+1)(x−2)=0(x+1)(x-2)=0 より x=−1, 2x=-1,\ 2。
  2. もとの式に入れて確かめる:x=2x=2 のとき 左辺 4=2\sqrt4=2、右辺 22 で成り立つ。x=−1x=-1 のとき 左辺 1=1\sqrt1=1、右辺 −1-1 で成り立たない。
  3.  \sqrt{\ } は 0 以上なので、右辺 x≥0x\ge0 が必要だった。x=−1x=-1 はこれを満たさない。

答え x=2x=2

xyO (2, 2) ○ 解 (−1, −1) × y = √x+2 y = −√x+2 y = x
2乗すると点線(−√)との交点 x=−1 もまざる。グラフで見ると解は x=2 だけ

両辺を 2 乗すると、x+2=x\sqrt{x+2}=x だけでなく −x+2=x-\sqrt{x+2}=x の解もまざってしまいます。だから、2 乗して出た答えは必ずもとの式に入れて確かめます。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

根号の中は0以上、√の値も0以上! 2乗したら確かめを忘れずに。

  • 定義域を調べない:y=x−3y=\sqrt{x-3} に x=1x=1 を入れることはできません。最初に「根号の中 ≥0\ge0」から x≥3x\ge3 を出しておきます。
  • 2 乗した答えをそのまま答える:例題2で x=−1, 2x=-1,\ 2 と答えるのは×。もとの式で確かめると x=−1x=-1 は成り立ちません。
  •  \sqrt{\ } の値が負になると思う: \sqrt{\ } はいつも 0 以上です。だから y=x+1y=\sqrt{x+1} の値域は y≥0y\ge0、y=−x+1y=-\sqrt{x+1} の値域は y≤0y\le0 です。
  • 平行移動の向き:y=x+2y=\sqrt{x+2} は y=xy=\sqrt x を左に 2 ずらしたものです(始まりは x=−2x=-2)。
  • 逆関数の定義域を書き忘れる:y=xy=\sqrt x の逆関数を「y=x2y=x^2」とだけ書くと、左半分までふくんでしまいます。正しくは y=x2y=x^2(x≥0x\ge0)です。

ことばの意味

「無理」は、無理数の「無理」と同じで、根号をふくむ式(無理式)で表される関数であることを表しています。日常の「むり(できない)」という意味ではありません。英語の irrational は「比(ratio)で表せない」という意味で、分数(整数の比)で表せない数を無理数(irrational number)とよぶことにつながっています。

ミニ問題

問題1 y=3x+6y=\sqrt{3x+6} の定義域と値域を求めましょう。

答えと解き方を見る

定義域 x≥−2x\ge-2、値域 y≥0y\ge0 です。根号の中が 0 以上なので 3x+6≥03x+6\ge0、x≥−2x\ge-2。 \sqrt{\ } の値は 0 以上なので y≥0y\ge0 です。y=3(x+2)y=\sqrt{3(x+2)} と見ると、y=3xy=\sqrt{3x} を左に 2 ずらしたグラフです。

問題2 y=−x+1+3y=-\sqrt{x+1}+3 の定義域と値域を求めましょう。

答えと解き方を見る

定義域 x≥−1x\ge-1、値域 y≤3y\le3 です。x+1≥0x+1\ge0 より x≥−1x\ge-1。−x+1≤0-\sqrt{x+1}\le0 なので、y=−x+1+3≤3y=-\sqrt{x+1}+3\le3 です。根号の前にマイナスがあるので、グラフは点 (−1, 3)(-1,\ 3) から右下に向かいます。

問題3 不等式 x+2>x\sqrt{x+2}>x を解きましょう。(図4を使ってかまいません)

答えと解き方を見る

−2≤x<2-2\le x<2 です。

  1. 定義域:x+2≥0x+2\ge0 より x≥−2x\ge-2。
  2. 図4で、青い曲線 y=x+2y=\sqrt{x+2} が赤い直線 y=xy=x より上にあるのは、曲線の始まり x=−2x=-2 から交点 x=2x=2 の手前まで。
  3. 式で確かめると:−2≤x<0-2\le x<0 では右辺が負なので必ず成り立つ。x≥0x\ge0 では両辺を 2 乗して x+2>x2x+2>x^2、−1<x<2-1<x<2 より 0≤x<20\le x<2。

あわせて −2≤x<2-2\le x<2 です。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

無理関数とは簡単にいうと何ですか?

根号(ルート)の中にxが入った式で表される関数です。いちばん基本の形は y=√x です。

無理関数の定義域はどう求めますか?

根号の中が0以上になるxの範囲を求めます。例えば y=√(x−1) なら x−1≧0 より x≧1 です。

y=√x のグラフはどんな形ですか?

原点から右上にのびる曲線で、y=x²(x≧0)を直線 y=x で折り返した形です。放物線を横にたおした形の上半分になります。

無理方程式で答えを確かめるのはなぜですか?

両辺を2乗すると、もとの式では成り立たない解がまざることがあるからです。出た答えをもとの式に入れて確かめます。

無理関数の値域で気をつけることは?

√の値はいつも0以上です。y=√(x−1)+2 なら値域は y≧2、根号の前にマイナスがあれば上限が決まります。

無理関数は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅲで、分数関数と一緒に習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅲ(極限:分数関数と無理関数)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦