無理数とは?意味と例・有理数とのちがいをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

無理数とは?意味と例・有理数とのちがいをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

合格大作戦 数学用語辞典 › 数と式

高校受験大学受験

無理数とは

分数で表せない実数のことです。小数で書くと、くり返さずにどこまでも続きます。2=1.41421356⋯\sqrt2=1.41421356\cdots や円周率 π=3.14159⋯\pi=3.14159\cdots が代表例です。

読み方:むりすう/英語:irrational number/習う学年:中学3年(平方根)、数学Ⅰ(数と式)

うかるくん

うかるくん

円周率って 3.14 ですよね? じゃあ有理数じゃないんですか?

合格先生

合格先生

3.14 は近い値にすぎないんだ。本当の π\pi は 3.14159265… とくり返さずに続く無理数。だから分数では表せないよ。

この用語のポイント

  • 無理数 = 分数で表せない実数(2\sqrt2、π\pi など)
  • 小数にするとくり返さずに無限に続く
  • 4=2\sqrt4=2 のように、 \sqrt{\ } がついても無理数とは限らない

やさしく言うと

無理数は、分数で表せない数です。小数で書くと、くり返さずに、どこまでも続きます。代表は 2=1.41421356⋯\sqrt2=1.41421356\cdots と、円周率 π=3.14159265⋯\pi=3.14159265\cdots です。

無理数は、ふだんの生活の中にもかくれています。

  • 正方形の対角線:1 辺 1 m の正方形の対角線の長さは 2\sqrt2 m(約 1.414 m)です。たしかに長さはあるのに、分数ではぴったり表せません。
  • コピー用紙:A4 や B5 などの紙は、短い辺と長い辺の比が 1:21:\sqrt2 になるように決められています。半分に切っても、同じ形(相似)になるからです。
  • タイヤが1回転して進む長さ:直径 50 cm のタイヤなら 50π50\pi cm(約 157 cm)です。π\pi が無理数なので、この長さも無理数です。
面積2 √2 1 1 1マスの面積は 1 赤い正方形は 4マスの半分 → 面積は 2 1辺は「2乗して2になる数」 =√2 = 1.41421356… 分数では表せない(無理数)
面積2の正方形の1辺が 2\sqrt2。長さとしてはっきりあるのに、分数では表せない

つまり無理数は、数直線の上にちゃんとあるのに、整数の比では表せない数です。

無理数の例と、無理数ではない数

○ 無理数

  • 2\sqrt2、3\sqrt3、5\sqrt5、−7-\sqrt7(中が平方数でない)
  • π\pi(円周率)
  • 1+21+\sqrt2(有理数+無理数)
  • 32\dfrac{\sqrt3}{2}、252\sqrt5(0 でない有理数×無理数)
  • 0.1010010001⋯0.1010010001\cdots(1 の間の 0 が 1 個ずつふえ、くり返さない)
  • e=2.718⋯e=2.718\cdots(自然対数の底。高校で習う)

× 無理数ではない数(有理数)

  • 4\sqrt4(=2)、0.09\sqrt{0.09}(=0.3)
  • 0.333⋯0.333\cdots(=13\dfrac13。くり返す)
  • 227\dfrac{22}{7}、3.143.14(π\pi に近い有理数)
  • 2×2\sqrt2\times\sqrt2(=2)
  • 94\sqrt{\dfrac{9}{4}}(=32\dfrac32)
  • −5-5、00(整数は有理数)

n\sqrt{n}(nn は自然数)は、nn が 1,4,9,16,…1, 4, 9, 16, \dots のような平方数でなければ無理数です。見た目に  \sqrt{\ } がついているかではなく、計算したあとに分数で表せるかで決まります。

図で見る

数は大きく有理数と無理数に分かれ、2 つを合わせて実数といいます。

実数 有理数 分数で表せる 整数 −2, 0, 5 有限小数 0.25(=1/4) 循環小数 0.33…(=1/3) 分数 2/7, −3/5 無理数 分数で表せない √2, √3, √5 π(円周率) 1+√2, 2√3 くり返さない小数
実数は、分数で表せる有理数と、表せない無理数に分かれる

無理数も、数直線の上にきちんと場所があります。2\sqrt2 は 1 と 2 の間、π\pi は 3 と 4 の間です。

01234√2√3π 無理数も数直線の上にある √2 = 1.41421356… √3 = 1.7320508… π = 3.14159265…(どれもくり返さずに続く)
無理数も、数直線の上にきちんと場所がある

2\sqrt2 の場所は、「2 乗して 2 より小さいか大きいか」で、どんどんしぼりこめます。

√2(赤い点)をはさみうち 121²=1、2²=41.41.51.4²=1.96、1.5²=2.251.411.421.41²=1.9881、1.42²=2.0164 …と、どこまでしぼっても終わらない √2 = 1.41421356…
√2 は 1.41 と 1.42 の間。しぼりこんでも終わりがない
うかるくん

うかるくん

しぼりこみを続けたら、いつかぴったり終わるんじゃないですか?

合格先生

合格先生

もし有限小数で終わったら、分数で書けてしまうよね。2\sqrt2 は分数で書けないことが証明されているから、どこまで続けても終わらないし、くり返しにもならないんだ。

√2 が無理数であることの証明

「分数で表せない」ことは、背理法で証明します。高校の数学Ⅰで学ぶ、有名な証明です。

  1. 2\sqrt2 が有理数だと仮定し、2=mn\sqrt2=\dfrac{m}{n}(mm, nn は自然数で、これ以上約分できない分数)とおきます。
  2. 2乗すると m2=2n2m^2=2n^2 です。右辺が偶数なので m2m^2 は偶数、だから mm も偶数です。m=2km=2k とおきます。
  3. 4k2=2n24k^2=2n^2 より n2=2k2n^2=2k^2 です。同じ理由で nn も偶数です。
  4. mm も nn も偶数なら 2 で約分できます。「これ以上約分できない」ことと矛盾します。よって 2\sqrt2 は無理数です。
ひらめいたうかるくん

うかるくん

「分数にできる」と仮定して矛盾を出す。だから背理法を使うんだ!

無理数の計算の性質

計算答え例
有理数 + 無理数いつも無理数1+21+\sqrt2
0 でない有理数 × 無理数いつも無理数323\sqrt2
無理数 + 無理数有理数のこともある2+(−2)=0\sqrt2+(-\sqrt2)=0
無理数 × 無理数有理数のこともある2×8=4\sqrt2\times\sqrt8=4

無理数の大小は、2 乗してくらべるのが基本です。たとえば 3 と 10\sqrt{10} では、32=93^2=9、(10)2=10(\sqrt{10})^2=10 なので 3<103<\sqrt{10} です(どちらも正の数のときに使える方法です)。

無理数は、計算では近い値(近似値)を使うことがあります。2≒1.414\sqrt2\fallingdotseq1.414、3≒1.732\sqrt3\fallingdotseq1.732、π≒3.14\pi\fallingdotseq3.14 は覚えておくと便利です。ただし、答えは  \sqrt{\ } や π\pi のまま書くのが基本です。

悩むうかるくん

うかるくん

無理数どうしをたしても、無理数になるとは限らないんだ…。

テスト・入試ではこう出る

無理数は中学 3 年の「平方根」で習います。高校入試では、無理数を選ぶ問題、大小をくらべる問題、整数部分・小数部分の問題がよく出ます。高校の数学Ⅰでは、2\sqrt2 が無理数であることの証明や、それを使って「1+21+\sqrt2 は無理数」などを示す問題が出ます。

例題1(整数部分と小数部分)

7\sqrt7 の整数部分と小数部分を求めなさい。

  1. 7\sqrt7 をはさむ平方数をさがす:4<7<94<7<9 なので 4<7<9\sqrt4<\sqrt7<\sqrt9、つまり 2<7<32<\sqrt7<3。
  2. 整数部分は 2。
  3. 小数部分は 7−2\sqrt7-2。

答え 整数部分 2、小数部分 7−2\sqrt7-2

小数部分を「0.6」などと近い値で書くのはまちがいです。7=2.6457⋯\sqrt7=2.6457\cdots は終わらないので、式のまま書きます。

例題2(無理数であることの証明)

2\sqrt2 が無理数であることを使って、1+21+\sqrt2 が無理数であることを証明しなさい。

  1. 1+21+\sqrt2 が有理数だと仮定して、1+2=r1+\sqrt2=r(rr は有理数)とおく。
  2. 2=r−1\sqrt2=r-1 となる。有理数から有理数を引いた r−1r-1 は有理数。
  3. すると 2\sqrt2 が有理数になり、「2\sqrt2 は無理数」であることと矛盾する。
  4. よって 1+21+\sqrt2 は無理数である。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

「π=3.14\pi=3.14」「 \sqrt{\ } がつけば無理数」はどちらも×! 分数で表せるかどうかで判断しよう。

  • π=3.14\pi=3.14 だと思う:3.14 や 227\dfrac{22}{7} は π\pi に近い値(近似値)で、どちらも有理数です。π\pi そのものは無理数です。
  • 終わらない小数はみんな無理数だと思う:0.333… のようにくり返す小数は 13\dfrac13 で有理数です。無理数は「くり返さずに」続く小数です。
  • 規則があれば有理数だと思う:0.1010010001… は「0 が 1 個ずつふえる」という規則がありますが、同じ並びのくり返しではないので無理数です。
  • 無理数どうしの計算の答えも無理数だと思う:2×2=2\sqrt2\times\sqrt2=2、2+(−2)=0\sqrt2+(-\sqrt2)=0 のように、有理数になることがあります。
  •  \sqrt{\ } がつけば無理数だと思う:9=3\sqrt9=3、0.25=0.5\sqrt{0.25}=0.5 は有理数です。中が平方数かどうかを確かめましょう。

ことばの由来

「無理」は「むちゃくちゃ」という意味ではありません。英語では irrational number といい、ratio(比)が入っています。「整数の比(分数)で表せない数」という意味です。反対に、整数の比で表せる有理数は rational number といいます。

日本語の「有理数」「無理数」は、この英語の言葉に合わせた訳語です。「理」を「比」と読みかえると、意味がつかみやすくなります。

ミニ問題

問題1 次の数の中から、無理数をすべて選びましょう。
16\sqrt{16}、12\sqrt{12}、0.250.25、π2\dfrac{\pi}{2}、14\sqrt{\dfrac14}、0.1˙2˙0.\dot{1}\dot{2}(0.1212…)

答えと解き方を見る

12\sqrt{12} と π2\dfrac{\pi}{2} です。

  • 16=4\sqrt{16}=4、14=12\sqrt{\dfrac14}=\dfrac12 は有理数(中が平方数)。
  • 0.25=140.25=\dfrac14、0.1212⋯=1299=4330.1212\cdots=\dfrac{12}{99}=\dfrac{4}{33} も有理数。
  • 12=23\sqrt{12}=2\sqrt3 は無理数。π2\dfrac{\pi}{2} も「有理数 × 無理数」なので無理数です。

問題2 20\sqrt{20} の整数部分と小数部分を答えましょう。

答えと解き方を見る

整数部分は 4、小数部分は 20−4\sqrt{20}-4 です。16<20<2516<20<25 なので 4<20<54<\sqrt{20}<5。整数部分は 4 で、小数部分は「もとの数 − 整数部分」です。20=4.472⋯\sqrt{20}=4.472\cdots なので、小数部分は 0.472… ですが、答えは 20−4\sqrt{20}-4 と書きます。

問題3 3<n<43<\sqrt{n}<4 をみたす自然数 nn は何個ありますか。

答えと解き方を見る

6 個です。どれも正の数なので、2 乗しても大小は変わりません。9<n<169<n<16 なので、n=10,11,12,13,14,15n=10, 11, 12, 13, 14, 15 の 6 個です。9 と 16 は「<」なので入りません。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

無理数かどうかは「分数で表せるか」。見た目のルートにまどわされないように!

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

無理数とは簡単にいうと何ですか?

分数で表せない数です。小数で書くと、くり返さずにどこまでも続きます。√2や円周率πが代表例です。

円周率πは無理数ですか?

無理数です。3.14や22/7はπに近い値(近似値)で、π そのものではありません。

ルートがついた数はすべて無理数ですか?

いいえ。√4=2、√9=3のように、中の数が平方数なら整数(有理数)になります。√2、√3のように平方数でないときが無理数です。

√2が無理数であることはどうやって証明しますか?

背理法を使います。√2=m/n(これ以上約分できない分数)と仮定すると、mもnも偶数になり、約分できないことと矛盾します。

0.333…のように終わらない小数は無理数ですか?

いいえ。0.333…は1/3で、くり返す小数(循環小数)は有理数です。無理数はくり返さずに続く小数です。

無理数は何年生で習いますか?

中学3年の平方根で習います。高校の数学Ⅰでは、√2が無理数であることの証明などを学びます。

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第3学年 A 数と式(平方根・有理数と無理数)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(数と式・集合と命題)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦