偶関数・奇関数とは?見分け方と積分をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

偶関数・奇関数とは?見分け方と積分をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

偶関数・奇関数とは

f(−x)=f(x)f(-x)=f(x) となる関数が偶関数、f(−x)=−f(x)f(-x)=-f(x) となる関数が奇関数です。偶関数のグラフは yy 軸について対称、奇関数のグラフは原点について対称です。x2x^2 は偶関数、x3x^3 は奇関数です。

読み方:ぐうかんすう・きかんすう/英語:even function / odd function

サクラちゃん

サクラちゃん

偶関数と奇関数、どっちが yy 軸対称だったか、いつもわからなくなります…

合格先生

合格先生

x2x^2 が偶関数、と覚えておけば大丈夫。x2x^2 のグラフ(放物線)は左右対称だから、偶関数は yy 軸対称。x3x^3 は原点対称だから、奇関数は原点対称だよ。

この用語のポイント

  • 偶関数:f(−x)=f(x)f(-x)=f(x)、yy 軸について対称(例 x2x^2、cos⁡x\cos x)
  • 奇関数:f(−x)=−f(x)f(-x)=-f(x)、原点について対称(例 x3x^3、sin⁡x\sin x)
  • ∫−aa\displaystyle\int_{-a}^{a} で奇関数は 0、偶関数は片側の2倍

やさしく言うと

偶関数と奇関数は、グラフの「対称な形」で関数を分けたよび名です。xx を −x-x にかえたとき、

  • 偶関数:f(−x)=f(x)f(-x)=f(x)。値がそのまま。グラフは yy 軸について対称(左右対称)。
  • 奇関数:f(−x)=−f(x)f(-x)=-f(x)。値の符号が逆になる。グラフは原点について対称(点対称)。

身近なものでたとえてみましょう。

  • ちょうの羽・人の顔:まん中の線で折ると左右がぴったり重なります。これが偶関数のグラフの形です。yy 軸が「折り目」になります。
  • 風車・トランプの絵札:まん中の点を中心に 180° 回すと、もとの形と重なります。これが奇関数のグラフの形です。原点が「回す中心」になります。
  • 名前の由来になった xnx^n:x2x^2、x4x^4 のように指数が偶数なら偶関数、xx、x3x^3 のように指数が奇数なら奇関数です。(−2)2=4=22(-2)^2=4=2^2、(−2)3=−8=−23(-2)^3=-8=-2^3 を見ると、その理由がわかります。
xyO (2, 4)(−2, 4) (1, 1)(−1, 1) y = x² f(−x) = f(x) y 軸について対称
偶関数 y=x²。x と −x で同じ値。y 軸で折ると重なる

まとめると、偶関数は「折ると重なる」、奇関数は「回すと重なる」関数です。

偶関数・奇関数の例

○ 偶関数・奇関数

  • x2x^2、x4x^4、x4+2x2+5x^4+2x^2+5(偶数乗と定数だけ → 偶関数)
  • ∣x∣|x|(偶関数)
  • cos⁡x\cos x(偶関数)
  • xx、x3x^3、x5−3xx^5-3x(奇数乗だけ → 奇関数)
  • sin⁡x\sin x、tan⁡x\tan x(奇関数)
  • 1x\dfrac1x(奇関数。x≠0x\ne0 で考える)

× どちらでもないもの

  • x2+xx^2+x(偶数乗と奇数乗がまざる)
  • x3+1x^3+1(奇数乗に定数がまざる)
  • (x−1)2(x-1)^2(yy 軸からずれた放物線)
  • 2x2^x(指数関数。2−x≠±2x2^{-x}\ne\pm2^x)
  • x\sqrt x(定義域が x≥0x\ge0 だけで、−x-x を考えられない)

多項式なら、偶数乗の項と定数だけなら偶関数、奇数乗の項だけなら奇関数です。まざっていればどちらでもありません。ほとんどの関数は「どちらでもない」ほうに入ります。

図で見る

奇関数 y=x3y=x^3 のグラフを見てみましょう。x=1x=1 で y=1y=1、x=−1x=-1 で y=−1y=-1。ちょうど原点をはさんで反対側にあります。

xyO (1.5, 3.375) (−1.5, −3.375) (1, 1) (−1, −1) y = x³ f(−x) = −f(x)原点について対称
奇関数 y=x³。原点を中心に 180° 回すと重なる
うかるくん

うかるくん

奇関数のグラフって、必ず原点を通るんですか?

合格先生

合格先生

x=0x=0 で定義されていれば、そうなるよ。f(−0)=−f(0)f(-0)=-f(0) だから f(0)=−f(0)f(0)=-f(0)、つまり f(0)=0f(0)=0 だ。ただし y=1xy=\dfrac1x のように x=0x=0 で定義されない奇関数もあるから、気をつけよう。

三角関数では、sin⁡x\sin x と cos⁡x\cos x がそれぞれ奇関数・偶関数の代表です。単位円で角 −θ-\theta をとると、点の xx 座標(cos)は変わらず、yy 座標(sin)は符号だけ逆になるからです。

xyO π−π 2π−2π 1−1 y = sin x:sin(−x) = −sin x(奇関数) y = cos x:cos(−x) = cos x(偶関数)
sin x は原点について対称(奇関数)、cos x は y 軸について対称(偶関数)

見分け方と性質

偶関数か奇関数かは、f(−x)f(-x) を計算して、f(x)f(x) と比べるのが確実です。

  1. xx のところを全部 (−x)(-x) にかえて、f(−x)f(-x) を計算する。
  2. f(−x)=f(x)f(-x)=f(x) なら偶関数、f(−x)=−f(x)f(-x)=-f(x) なら奇関数。
  3. どちらでもなければ、具体的な数(x=1x=1 と x=−1x=-1 など)で反例を 1 つ示す。

偶関数・奇関数をかけたり、たしたりすると、次のようになります。符号のかけ算(+×−=−+\times-=-)と同じ規則です。

組み合わせ積和
偶 と 偶偶関数(x2⋅x4=x6x^2\cdot x^4=x^6)偶関数
奇 と 奇偶関数(x⋅x3=x4x\cdot x^3=x^4)奇関数
偶 と 奇奇関数(x2⋅x=x3x^2\cdot x=x^3)ふつうはどちらでもない(x2+xx^2+x)

定数関数 f(x)=cf(x)=c(c≠0c\ne0)は偶関数です。f(x)=0f(x)=0 だけは、偶関数でも奇関数でもあります。また、定義域が 00 について対称な関数は、偶関数と奇関数の和に必ず分けられます。たとえば x2+xx^2+x は、偶関数 x2x^2 と奇関数 xx の和です。

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

まず f(−x) を計算! それが一番たしかな見分け方ね。

定積分での使い方

偶関数・奇関数がいちばん役に立つのは、−a-a から aa までの定積分です。

偶関数:∫−aaf(x) dx=2∫0af(x) dx奇関数:∫−aaf(x) dx=0\text{偶関数:}\int_{-a}^{a}f(x)\,dx=2\int_0^{a}f(x)\,dx\qquad\text{奇関数:}\int_{-a}^{a}f(x)\,dx=0
−1.51.5 奇関数 y=x³ +と−が打ち消し合う→ 積分は 0 −1.51.5 偶関数 y=x² 左右が同じ面積→ 片側の 2 倍
奇関数は左右で打ち消し合って0、偶関数は片側の2倍

奇関数では、右側の正の面積と左側の負の面積がちょうど同じ大きさなので、合計は 0 になります。偶関数では左右が同じなので、片側だけ計算して 2 倍すれば済みます。計算が短くなるだけでなく、計算ミスも減らせます。

テスト・入試ではこう出る

偶関数・奇関数の考え方は、高校の数学Ⅱ・数学Ⅲで、三角関数のグラフや定積分の計算の中で使います。よく出るのは、f(−x)f(-x) を計算して判定する問題と、対称な区間の定積分を手早く計算する問題です。大学入試では、グラフの対称性を使って面積や体積の計算を半分にする場面でもよく使われます。

例題1(判定)

次の関数は偶関数・奇関数・どちらでもない、のどれですか。f(x)=x3−3xf(x)=x^3-3x、g(x)=x4+2x2g(x)=x^4+2x^2、h(x)=x2+xh(x)=x^2+x

  1. f(−x)=(−x)3−3(−x)=−x3+3x=−(x3−3x)=−f(x)f(-x)=(-x)^3-3(-x)=-x^3+3x=-(x^3-3x)=-f(x) → 奇関数。
  2. g(−x)=(−x)4+2(−x)2=x4+2x2=g(x)g(-x)=(-x)^4+2(-x)^2=x^4+2x^2=g(x) → 偶関数。
  3. h(−x)=(−x)2+(−x)=x2−xh(-x)=(-x)^2+(-x)=x^2-x。これは h(x)=x2+xh(x)=x^2+x とも −h(x)=−x2−x-h(x)=-x^2-x とも等しくない(たとえば h(1)=2h(1)=2、h(−1)=0h(-1)=0)→ どちらでもない。

答え ff は奇関数、gg は偶関数、hh はどちらでもない

例題2(定積分)

∫−22(x3+3x2−5x+1) dx\displaystyle\int_{-2}^{2}(x^3+3x^2-5x+1)\,dx を計算しなさい。

  1. 奇関数の項 x3x^3、−5x-5x は、−2-2 から 22 までの積分が 0。
  2. 偶関数の項 3x23x^2、11 は、00 から 22 までの積分の 2 倍。
  3. 2∫02(3x2+1) dx=2[x3+x]02=2(8+2)=202\displaystyle\int_0^2(3x^2+1)\,dx=2\Big[x^3+x\Big]_0^2=2(8+2)=20。

答え 20(全部まともに計算しても同じ答えですが、計算量がずっと少なくなります)

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

偶関数は y軸対称、奇関数は原点対称! どちらでもない関数も多いよ。

  • 偶と奇の対称を取りちがえる:偶関数は yy 軸について対称、奇関数は原点について対称です。「偶関数=原点対称」は×です。
  • どちらかに必ず入ると思う:x2+xx^2+x や 2x2^x のように、どちらでもない関数のほうがふつうです。
  • 定数がまざった式を奇関数とする:x3+1x^3+1 は奇関数ではありません。f(−x)=−x3+1f(-x)=-x^3+1、−f(x)=−x3−1-f(x)=-x^3-1 で、等しくありません。
  • 1 つの xx で確かめただけで決める:f(−1)=f(1)f(-1)=f(1) が成り立っても、偶関数とは限りません。偶関数というにはすべての xx で f(−x)=f(x)f(-x)=f(x) が必要です。逆に「どちらでもない」は、反例 1 つで示せます。
  • 積分区間が対称でないのに 0 にする:∫02x3 dx\displaystyle\int_{0}^{2}x^3\,dx は 0 ではありません(4 です)。0 になるのは −a-a から aa までのときだけです。

ことばの由来

偶関数・奇関数の「偶」「奇」は、偶数・奇数の「偶」「奇」です。xnx^n は、nn が偶数なら偶関数、奇数なら奇関数になることから、この名前がついています。英語でも even function(偶関数)、odd function(奇関数)といい、even・odd は偶数・奇数を表す言葉です。

ミニ問題

問題1 f(x)=∣x∣f(x)=|x| は偶関数・奇関数・どちらでもない、のどれでしょう。

答えと解き方を見る

偶関数です。f(−x)=∣−x∣=∣x∣=f(x)f(-x)=|-x|=|x|=f(x) だからです。グラフは V 字の形で、yy 軸について対称です。

問題2 f(x)=xsin⁡xf(x)=x\sin x は偶関数・奇関数・どちらでもない、のどれでしょう。

答えと解き方を見る

偶関数です。f(−x)=(−x)sin⁡(−x)=(−x)(−sin⁡x)=xsin⁡x=f(x)f(-x)=(-x)\sin(-x)=(-x)(-\sin x)=x\sin x=f(x)。xx も sin⁡x\sin x も奇関数で、奇関数どうしの積は偶関数になります(マイナス×マイナス=プラスと同じ)。

問題3 定積分 ∫−11(x5+4x3+3x2) dx\displaystyle\int_{-1}^{1}(x^5+4x^3+3x^2)\,dx を計算しましょう。

答えと解き方を見る

2 です。x5x^5 と 4x34x^3 は奇関数なので、−1-1 から 11 までの積分は 0。残るのは偶関数 3x23x^2 だけで、2∫013x2 dx=2[x3]01=22\displaystyle\int_0^1 3x^2\,dx=2\Big[x^3\Big]_0^1=2 です。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

偶関数・奇関数とは簡単にいうと何ですか?

xを−xにかえても値が同じ関数が偶関数、値の符号だけが逆になる関数が奇関数です。偶関数のグラフはy軸について、奇関数のグラフは原点について対称です。

偶関数・奇関数の見分け方は?

f(−x) を計算して、f(x) と同じなら偶関数、−f(x) と同じなら奇関数です。どちらでもなければ、x=1 と x=−1 などの反例を示します。

偶関数・奇関数の例は?

偶関数は x²、x⁴、|x|、cos x など、奇関数は x、x³、sin x、tan x、1/x などです。

偶関数でも奇関数でもない関数はありますか?

あります。x²+x や x³+1、2のx乗などは、どちらでもありません。むしろそのほうがふつうです。

奇関数の定積分が0になるのはなぜですか?

−aからaまで積分すると、右側の正の部分と左側の負の部分が同じ大きさで打ち消し合うからです。

名前の「偶」「奇」はどこから来ていますか?

xのn乗が、nが偶数なら偶関数、奇数なら奇関数になることから来ています。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ・数学Ⅲ

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦