定積分とは?意味と計算・面積とのちがいをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

定積分とは?意味と計算・面積とのちがいをわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験大学院入試

定積分とは

区間 aa から bb までと範囲を決めて行う積分で、原始関数 F(x)F(x) を使って ∫abf(x) dx=F(b)−F(a)\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx=F(b)-F(a) と計算します。f(x)≧0f(x)\geqq0 なら、曲線と xx 軸の間の面積を表します。

読み方:ていせきぶん/英語:definite integral/習う学年:数学Ⅱ(微分・積分の考え)、数学Ⅲ(積分法)

うかるくん

うかるくん

定積分って、不定積分とどうちがうんですか?

合格先生

合格先生

不定積分の答えは関数、定積分の答えは数だよ。原始関数に上の端と下の端を入れて、引き算するんだ。

この用語のポイント

  • 定積分は F(b)−F(a)F(b)-F(a)。答えは1つの数で CC は書かない
  • f(x)≧0f(x)\geqq0 なら曲線の下の面積
  • xx 軸より下の部分はマイナス。面積とはちがうことがある

やさしく言うと

定積分は、「区間 aa から bb まで」と範囲を決めて行う積分です。f(x)≧0f(x)\geqq0 なら、その値は曲線と xx 軸、2本の直線 x=ax=a、x=bx=b で囲まれた部分の面積になります。

計算は、原始関数 F(x)F(x)(微分すると f(x)f(x) になる関数)を使って、F(b)−F(a)F(b)-F(a) とするだけです。「あとの値 − 前の値」で、その間にふえた分が分かる、という考え方です。

  • 車の走行距離メーター:到着したときの数字 − 出発したときの数字 で、その間に走った距離が分かります。途中の速さが変わっても、引き算1回ですみます。
  • 水そうの水:毎分の水の入る量(流量)が時間とともに変わっても、「10 時の水の量 − 9 時の水の量」で、その1時間にたまった量が分かります。
  • 貯金箱:毎日入れる金額がばらばらでも、「月末の残高 − 月はじめの残高」で、1か月にふえた金額が分かります。
xyO a=1 b=2 7/3 y=x² F(x)=x³/3 として F(2) − F(1) = 8/3 − 1/3 = 7/3
∫12x2 dx=73\displaystyle\int_1^2x^2\,dx=\dfrac73 は、色の部分の面積

つまり定積分は、「少しずつの変化」を範囲の中で全部たし合わせた量で、それを F(b)−F(a)F(b)-F(a) で一度に計算できるのです。

求め方

∫abf(x) dx=[F(x)]ab=F(b)−F(a)\int_a^b f(x)\,dx=\Bigl[F(x)\Bigr]_a^b=F(b)-F(a)

aa を下端、bb を上端といいます。例:∫12x2 dx=[x33]12=83−13=73\displaystyle\int_1^2x^2\,dx=\left[\frac{x^3}{3}\right]_1^2=\frac83-\frac13=\frac73

F(x)+CF(x)+C を使っても、{F(b)+C}−{F(a)+C}\{F(b)+C\}-\{F(a)+C\} で CC は消えます。だから定積分では CC を書きません。答えは関数ではなく、1つの数です。

性質式
上と下を入れかえると符号が変わる∫baf(x) dx=−∫abf(x) dx\displaystyle\int_b^a f(x)\,dx=-\int_a^b f(x)\,dx
同じ所から同じ所までは0∫aaf(x) dx=0\displaystyle\int_a^a f(x)\,dx=0
区間はつなげられる∫acf(x) dx+∫cbf(x) dx=∫abf(x) dx\displaystyle\int_a^c f(x)\,dx+\int_c^b f(x)\,dx=\int_a^b f(x)\,dx
定数倍・和は分けられる∫ab{kf(x)+lg(x)} dx=k∫abf(x) dx+l∫abg(x) dx\displaystyle\int_a^b \{kf(x)+lg(x)\}\,dx=k\int_a^b f(x)\,dx+l\int_a^b g(x)\,dx

計算の例

○ 正しい計算

  • ∫01(2x+1) dx=[x2+x]01=2\displaystyle\int_0^1(2x+1)\,dx=\Bigl[x^2+x\Bigr]_0^1=2
  • ∫12x2 dx=83−13=73\displaystyle\int_1^2x^2\,dx=\dfrac83-\dfrac13=\dfrac73
  • ∫03(x−1) dx=[x22−x]03=32\displaystyle\int_0^3(x-1)\,dx=\Bigl[\dfrac{x^2}{2}-x\Bigr]_0^3=\dfrac32
  • ∫22x3 dx=0\displaystyle\int_2^2 x^3\,dx=0(同じ所から同じ所まで)
  • ∫21x dx=12−2=−32\displaystyle\int_2^1 x\,dx=\dfrac12-2=-\dfrac32(上端が小さいと負にもなる)

× よくあるまちがい

  • ∫12x2 dx=13−83\displaystyle\int_1^2x^2\,dx=\dfrac13-\dfrac83(逆に引いた)
  • 答えに +C+C をつける
  • ∫03(x−1) dx\displaystyle\int_0^3(x-1)\,dx を面積と同じと考える(次の節)
  • ∫02x2 dx=233−1\displaystyle\int_0^2 x^2\,dx=\dfrac{2^3}{3}-1(下端 0 を入れて 1 にしてしまう)
  • ∫12x dx=2−1\displaystyle\int_1^2 x\,dx=2-1(原始関数を求めずに xx に代入した)

図で見る:面積・道のり・長方形の和

定積分が面積になるのは、数学だけの話ではありません。速さのグラフの下の面積は、進んだ道のりになります。

t(秒)v(m/秒)O 123 6 9 v=2t 面積 = 3 × 6 ÷ 2 = 9 = 進んだ道のり 9m
速さ v=2t のグラフの下の面積 9 は、3 秒間に進んだ 9m

実際、∫032t dt=[t2]03=9\displaystyle\int_0^3 2t\,dt=\Bigl[t^2\Bigr]_0^3=9 で、三角形の面積と一致します。速さ vv の原始関数は「位置」なので、F(3)−F(0)F(3)-F(0) は「3 秒後の位置 − はじめの位置」、つまり進んだ道のりです。

曲線の下の面積は、細い長方形をたくさん並べて近づけることもできます。

xyO 0.20.40.60.81 1 長方形 5 本の和 = 0.44 本当の面積 = 1/3 ≒ 0.333 本数をふやすほど 1/3 に近づく
長方形をふやすほど、和は本当の面積 1/3 に近づく
うかるくん

うかるくん

長方形の和は 0.44 なのに、どうして答えは 13\dfrac13 なんですか?

合格先生

合格先生

5 本だと、長方形が曲線からはみ出す分があるからだよ。幅を細くして本数をふやすと、はみ出しがどんどん小さくなって、和は 13\dfrac13 に近づく。この考え方を数学Ⅲで区分求積法として学ぶんだ。

この長方形の和の考え方と「F(b)−F(a)F(b)-F(a)」が同じ答えになることが、微分積分学の基本定理の中身です。数学Ⅱでは、そのあらわれとして ddx∫axf(t) dt=f(x)\dfrac{d}{dx}\displaystyle\int_a^x f(t)\,dt=f(x)(上端を xx にした定積分を微分すると、もとの関数にもどる)を学びます。

定積分と面積のちがい

定積分は、xx 軸より上の部分をプラス、下の部分をマイナスとして数えます。そのため、面積と一致しないことがあります。

xyO 13 −1/2 +2 y=x−1 定積分(0から3)= 2 − 1/2 = 3/2 面積(色の部分の合計)= 2 + 1/2 = 5/2
定積分は 3/2、面積は 5/2。下の部分がマイナスとして数えられる
指し棒で説明する合格先生

合格先生

xx 軸より下の部分はマイナス! 面積を求めるときは、区間を分けて符号を変えよう。

面積を求めるときは、まずグラフが xx 軸と交わる点を求めて区間を分け、xx 軸より下の区間にはマイナスをつけてたします。2つの曲線ではさまれた面積なら、∫ab{(上の式)−(下の式)} dx\displaystyle\int_a^b\{(\text{上の式})-(\text{下の式})\}\,dx です。

テスト・入試ではこう出る

定積分は数学Ⅱ(微分・積分の考え)で、多項式の関数について習います。数学Ⅲでは、三角関数・指数関数・分数関数などの定積分、置換積分・部分積分、体積や曲線の長さへと広がります。定期テストや大学入試では、定積分の計算、放物線と直線・xx 軸で囲まれた面積、上端が xx の定積分で表された関数(微分して求める)がよく出ます。

例題1(計算)

∫02(3x2−2x+1) dx\displaystyle\int_0^2(3x^2-2x+1)\,dx を計算しなさい。

  1. 原始関数を求める:3x2−2x+13x^2-2x+1 の原始関数は x3−x2+xx^3-x^2+x。
  2. 上の端 2 を代入:8−4+2=68-4+2=6。
  3. 下の端 0 を代入:00。
  4. 引き算:6−0=66-0=6。

答え 6 (∫02(3x2−2x+1) dx=[x3−x2+x]02=6\displaystyle\int_0^2(3x^2-2x+1)\,dx=\Bigl[x^3-x^2+x\Bigr]_0^2=6)

例題2(面積)

放物線 y=x2−2xy=x^2-2x と xx 軸で囲まれた部分の面積 SS を求めなさい。

  1. xx 軸との交点:x2−2x=x(x−2)=0x^2-2x=x(x-2)=0 より x=0, 2x=0,\ 2。
  2. 0≤x≤20\le x\le2 では x2−2x≤0x^2-2x\le0(グラフが xx 軸より下)。
  3. 面積は、マイナスをつけて正にする:S=−∫02(x2−2x) dx=−[x33−x2]02=−(83−4)=43S=-\displaystyle\int_0^2(x^2-2x)\,dx=-\left[\dfrac{x^3}{3}-x^2\right]_0^2=-\left(\dfrac83-4\right)=\dfrac43。

答え 43\dfrac43

なお、放物線と xx 軸で囲まれた面積は、公式 ∫αβ(x−α)(x−β) dx=−(β−α)36\displaystyle\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx=-\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6} を使うと、236=43\dfrac{2^3}{6}=\dfrac43 とすぐに出せます。

机で勉強するうかるくん

うかるくん

面積の問題は、まずグラフをかいて「どこが上か」を確かめる。これで符号ミスが防げる!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

引く順番は F(b)−F(a)F(b)-F(a)(上の端 − 下の端)!

  • F(a)−F(b)F(a)-F(b) と逆に引く:上の端 bb の値から、下の端 aa の値を引きます。
  • 定積分=面積と思いこむ:∫03(x−1) dx=32\displaystyle\int_0^3(x-1)\,dx=\frac32 ですが、面積は 52\dfrac52 です。xx 軸より下の部分があるときは、区間を分けて考えます。ミニ問題3のように、定積分が 0 になっても面積は 0 ではありません。
  • 定積分に CC をつける:CC は引き算で消えるので、定積分の答えには書きません。
  • 下端が 0 のときの代入をはぶいて失敗する:多項式なら F(0)=0F(0)=0 になることが多いですが、∫01(x+1)2 dx\displaystyle\int_0^1(x+1)^2\,dx を [(x+1)33]01\left[\dfrac{(x+1)^3}{3}\right]_0^1 とした場合は F(0)=13F(0)=\dfrac13 で、0 ではありません。83−13=73\dfrac83-\dfrac13=\dfrac73 です。
  • 符号つきの代入でミスをする:下端が負の数のときは、F(−1)F(-1) をかっこをつけて計算します。−(−43)-\left(-\dfrac43\right) のように、マイナスが2つ重なる所でまちがえやすいです。

ことばと記号の由来

「定積分」の「定」は、積分する範囲が定まっていることを表します。範囲を決めない積分(答えが関数になるもの)は「不定積分」です。記号 ∫\displaystyle\int は、ラテン語で「和」を表す summa の頭文字 S を縦にのばした形で、ライプニッツが使い始めました。「細かく分けてたし合わせる」という意味が、記号にこめられています。

ミニ問題

問題1 ∫132x dx\displaystyle\int_1^3 2x\,dx を計算しましょう。

答えと解き方を見る

8 です。[x2]13=9−1=8\Bigl[x^2\Bigr]_1^3=9-1=8。グラフで見ると、y=2xy=2x の下の台形(上底 2、下底 6、高さ 2)の面積 (2+6)×2÷2=8(2+6)\times2\div2=8 と一致します。

問題2 ∫02(x2+1) dx\displaystyle\int_0^2(x^2+1)\,dx を計算しましょう。

答えと解き方を見る

143\dfrac{14}{3} です。[x33+x]02=83+2=143\left[\dfrac{x^3}{3}+x\right]_0^2=\dfrac83+2=\dfrac{14}3。

問題3 ∫−12(x2−2x) dx\displaystyle\int_{-1}^{2}(x^2-2x)\,dx を計算しましょう。また、この値は y=x2−2xy=x^2-2x と xx 軸、x=−1x=-1、x=2x=2 で囲まれた部分の面積と同じですか。

答えと解き方を見る

値は 0 です。F(x)=x33−x2F(x)=\dfrac{x^3}3-x^2 とすると、F(2)=83−4=−43F(2)=\dfrac83-4=-\dfrac43、F(−1)=−13−1=−43F(-1)=-\dfrac13-1=-\dfrac43 なので、F(2)−F(−1)=0F(2)-F(-1)=0。

面積とはちがいます。−1≤x≤0-1\le x\le0 ではグラフが xx 軸より上(43\dfrac43)、0≤x≤20\le x\le2 では下(−43-\dfrac43)で、ちょうど打ち消し合って 0 になっただけです。面積は 43+43=83\dfrac43+\dfrac43=\dfrac83 です。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

定積分とは何ですか?

区間aからbまでと範囲を決めて行う積分です。原始関数F(x)を使って、F(b)−F(a)と計算します。

定積分で積分定数Cを書かないのはなぜですか?

F(b)+C から F(a)+C を引くと、Cが消えるからです。定積分の答えは1つの数になります。

定積分と面積は同じですか?

いつも同じではありません。定積分はx軸より下の部分をマイナスとして数えるので、下の部分があると面積より小さくなります。

上端と下端を入れかえるとどうなりますか?

値の符号が変わります。aからbまでの定積分と、bからaまでの定積分は、絶対値が同じで符号が逆です。

不定積分と定積分のちがいは?

不定積分は範囲を決めない積分で、答えはCのついた関数です。定積分は範囲を決めた積分で、答えは1つの数です。

定積分は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅱで多項式の定積分を習い、数学Ⅲでいろいろな関数の定積分に広げます。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(微分・積分の考え)・数学Ⅲ(積分法)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦