うかるくん
積分の答えに、いつも をつけるのはなぜですか? めんどうです…
合格先生
も も、微分すると同じ だよね。だから の積分は1つに決まらない。その「決まらない定数」が なんだ。
この用語のポイント
- 積分定数 = 不定積分の 。定数は微分すると消えるからつける
- 条件があれば の値が決まる
- 定積分には をつけない(引き算で消える)
やさしく言うと
積分は「微分する前の関数をさがす」計算です。ところが、 も も も、微分するとどれも になります。定数は微分すると消えてしまうからです。
そこで、 を積分した答えは「 に何かの定数をたしたもの」と考え、 と書きます。この が積分定数です。身近なたとえで考えてみましょう。
- 貯金:「毎日 100 円ずつ貯金している」と分かっても、それだけでは今の貯金額は分かりません。最初にいくら入っていたかで変わるからです。この「最初の金額」が積分定数にあたります。
- 車の移動:「時速 60 km で 2 時間走った」と分かれば、進んだ道のりは 120 km です。でも、今どこにいるかは、出発した場所を知らないと決まりません。
- 階段:「1 段ごとに 20 cm 上がる」と分かっても、何階から登り始めたかで、今の高さはちがいます。
まとめると、「変わり方」だけでは決まらない、出発点の分が積分定数です。
正しい書き方・まちがった書き方
○ 正しい書き方
- ( は積分定数)
- (0 を積分すると定数)
- (定積分は なし)
- ( は1つにまとめる)
× まちがった書き方
- ( を書き忘れ)
- (定積分に )
- ( を2つ書く必要はない)
- (0 ではなく )
- ( を勝手に 1 と決めている)
×のうち 3 つ目は、まちがいとまでは言えませんが、 もただの定数なので、1 つの にまとめて書くのがふつうです。
図で見る
のグラフを、 をいろいろ変えてかくと、同じ形のまま上下にずれた放物線がならびます。どれも、同じ のところでの傾き(微分係数)は同じです。
つまり、「」という情報だけでは、この中のどれなのかを決められません。ここで「グラフが点 を通る」という条件が 1 つ加わると、 より と決まり、1 本にしぼれます。
うかるくん
条件がないときは、 はずっと のままでいいんですか?
合格先生
そうだよ。条件がなければ は決められないから、「( は積分定数)」が答えなんだ。条件が1つあると が1つ決まる。決まらない数が1つあるから、条件も1つ必要、と覚えておこう。
不定積分と積分定数
のとき、 を の原始関数といいます。原始関数はどれも定数の差しかないので、まとめて次のように書きます。これを不定積分といいます。
不定積分
( は積分定数)
| 関数 | 不定積分 |
|---|---|
| () | |
「不定」は「定まらない」という意味です。答えが 1 つに定まらず、 の分だけ自由があるので、不定積分とよびます。
条件があると、 の値が決まります。たとえば「、」なら、 に を入れて 、 で、 です。

合格先生
不定積分では、最後に + C を書くのを忘れないこと!
定積分では C が消える
定積分 では、 をつけても引き算で消えます。だから定積分の答えには をつけません。
貯金のたとえでいえば、「2 日目から 5 日目までに増えた金額」は、最初の金額を知らなくても計算できます。定積分は、このような差を求める計算なので、出発点の がいらないのです。

うかるくん
不定積分は「関数」で答えるから 、定積分は「数」で答えるから なし。答えの形で見分ければいいんだ!
テスト・入試ではこう出る
積分定数は数学Ⅱの「積分の考え」で、不定積分といっしょに習います。定期テストや大学入試では、次の形でよく出ます。
- 不定積分の計算で、「( は積分定数)」まで書けているか。
- と の値などの条件から、 を決めて関数を求める問題。
- 「曲線上の各点での接線の傾きが〜で、点〜を通る」曲線を求める問題(中身は同じ)。
- 数学Ⅲでは、速度から位置を求める問題など。積分定数は「はじめの位置」になります。
例題1(条件から関数を決める)
、 をみたす関数 を求めなさい。
- 項ごとに積分する:。
- を使う: を代入すると 、。
- たしかめ: で、。
答え
例題2(速度から位置)
数直線上を動く点の、時刻 秒での速度が (m/秒)です。 のとき点は位置 3 m にあります。 のときの位置を求めなさい。
- 位置は速度を積分したもの:。
- のとき位置は 3 なので、。積分定数ははじめの位置を表しています。
- に を入れて、。
答え 9 m(の位置)
まちがえやすい点

合格先生
不定積分は を忘れない! でも定積分にはつけないよ。
- を書き忘れる:不定積分の答えには必ず「( は積分定数)」と書きます。テストでは減点されることが多いです。
- 定積分に をつける:定積分の答えはただの数です。 は引き算で消えます。
- 条件があるのに のまま答える:「」のような条件があるときは、必ず を求めて数にします。 が残ったままでは不正解です。
- 条件を代入する前に を落とす: としてから を使おうとすると、 となって行きづまります。 をつけたまま代入します。
- 定積分を「いつも面積」と思う:グラフが 軸より下にある部分では、定積分は負になります。たとえば ですが、面積は です。
ことばの由来
「定数」は、変わらない決まった数という意味です。積分したときに出てくる定数なので「積分定数」とよびます。英語では constant of integration(コンスタント・オブ・インテグレーション)で、記号の は constant(定数)の頭の文字と考えると覚えやすいでしょう。
ミニ問題
問題1 不定積分 を求めましょう。
答えと解き方を見る
( は積分定数)です。 を積分すると 、 を積分すると 。たしかめに微分すると にもどります。 と「 は積分定数」を書き忘れないようにしましょう。
問題2 、 のとき、関数 を求めましょう。
答えと解き方を見る
です。
- 積分して 。
- を代入: より 。
条件が 1 つあるので、 が 1 つに決まります。
問題3 と は、どちらも同じ関数 の原始関数です。 を答えましょう。また、 はいくつですか。
答えと解き方を見る
、 です。どちらを微分しても 。原始関数どうしの差は、いつも定数になります。この「定数の差」をまとめて表すのが積分定数 です。
関連する公式・用語
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あわせて覚えたい用語
よくある質問
積分定数とは何ですか?
不定積分の答えにつける「+C」の C のことです。定数は微分すると0になって消えるので、もとの関数の定数部分は1つに決まらないことを表します。
なぜ積分すると C がつくのですか?
x² も x²+1 も微分すると 2x になるように、微分して同じになる関数が無数にあるからです。それらは定数だけがちがうので、+C とまとめて書きます。
定積分にも C をつけますか?
つけません。定積分は F(b)−F(a) の引き算なので、C は消えます。
C の値はどうやって決めますか?
F(1)=3 のような条件があれば、代入して C を求めます。条件がなければ C のまま答えます。
C を書き忘れるとどうなりますか?
不定積分の答えとしては不十分なので、テストでは減点されることが多いです。「+C(Cは積分定数)」まで書くくせをつけましょう。
積分定数は何年生で習いますか?
高校の数学Ⅱ(積分の考え)で、不定積分といっしょに習います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(微分・積分の考え)・数学Ⅲ(積分法)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦


