積分定数とは?Cをつける理由をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

積分定数とは

不定積分 ∫f(x) dx=F(x)+C\displaystyle\int f(x)\,dx=F(x)+C の「+C+C」の CC のことです。定数は微分すると消えるので、微分して f(x)f(x) になる関数は1つに決まらず、定数の分だけ自由があることを表します。

読み方:せきぶんていすう/英語:constant of integration/習う学年:数学Ⅱ(積分の考え)。置換積分・部分積分は数学Ⅲ

うかるくん

うかるくん

積分の答えに、いつも +C+C をつけるのはなぜですか? めんどうです…

合格先生

合格先生

x2x^2 も x2+5x^2+5 も、微分すると同じ 2x2x だよね。だから 2x2x の積分は1つに決まらない。その「決まらない定数」が CC なんだ。

この用語のポイント

  • 積分定数 = 不定積分の +C+C。定数は微分すると消えるからつける
  • 条件があれば CC の値が決まる
  • 定積分には CC をつけない(引き算で消える)

やさしく言うと

積分は「微分する前の関数をさがす」計算です。ところが、x2x^2 も x2+1x^2+1 も x2−5x^2-5 も、微分するとどれも 2x2x になります。定数は微分すると消えてしまうからです。

そこで、2x2x を積分した答えは「x2x^2 に何かの定数をたしたもの」と考え、x2+Cx^2+C と書きます。この CC が積分定数です。身近なたとえで考えてみましょう。

  • 貯金:「毎日 100 円ずつ貯金している」と分かっても、それだけでは今の貯金額は分かりません。最初にいくら入っていたかで変わるからです。この「最初の金額」が積分定数にあたります。
  • 車の移動:「時速 60 km で 2 時間走った」と分かれば、進んだ道のりは 120 km です。でも、今どこにいるかは、出発した場所を知らないと決まりません。
  • 階段:「1 段ごとに 20 cm 上がる」と分かっても、何階から登り始めたかで、今の高さはちがいます。
毎日 100 円ずつ貯金(増え方は同じ) 2004006008001000012345 日円 BさんAさん 最初 500 円 最初 200 円
増え方(かたむき)が同じでも、最初の金額がちがえばグラフは上下にずれる

まとめると、「変わり方」だけでは決まらない、出発点の分が積分定数です。

正しい書き方・まちがった書き方

○ 正しい書き方

  • ∫2x dx=x2+C\displaystyle\int 2x\,dx=x^2+C(CC は積分定数)
  • ∫5 dx=5x+C\displaystyle\int 5\,dx=5x+C
  • ∫0 dx=C\displaystyle\int 0\,dx=C(0 を積分すると定数)
  • ∫022x dx=[x2]02=4\displaystyle\int_0^2 2x\,dx=\Big[x^2\Big]_0^2=4(定積分は CC なし)
  • ∫(x+1) dx=x22+x+C\displaystyle\int(x+1)\,dx=\dfrac{x^2}2+x+C(CC は1つにまとめる)

× まちがった書き方

  • ∫2x dx=x2\displaystyle\int 2x\,dx=x^2(CC を書き忘れ)
  • ∫022x dx=4+C\displaystyle\int_0^2 2x\,dx=4+C(定積分に CC)
  • ∫(x+1) dx=x22+C1+x+C2\displaystyle\int(x+1)\,dx=\dfrac{x^2}2+C_1+x+C_2(CC を2つ書く必要はない)
  • ∫0 dx=0\displaystyle\int 0\,dx=0(0 ではなく CC)
  • ∫2x dx=x2+1\displaystyle\int 2x\,dx=x^2+1(CC を勝手に 1 と決めている)

×のうち 3 つ目は、まちがいとまでは言えませんが、C1+C2C_1+C_2 もただの定数なので、1 つの CC にまとめて書くのがふつうです。

図で見る

y=x2+Cy=x^2+C のグラフを、CC をいろいろ変えてかくと、同じ形のまま上下にずれた放物線がならびます。どれも、同じ xx のところでの傾き(微分係数)は同じです。

xy y=x²+2y=x²+1y=x²y=x²−1y=x²−2 どれも微分すると 2x x=1 での傾きは どれも 2
y=x²+C は上下にずれるだけで、どれも微分すると 2x

つまり、「f′(x)=2xf'(x)=2x」という情報だけでは、この中のどれなのかを決められません。ここで「グラフが点 (1, 3)(1,\ 3) を通る」という条件が 1 つ加わると、12+C=31^2+C=3 より C=2C=2 と決まり、1 本にしぼれます。

xyO 13 条件 点 (1, 3) を通る 1² + C = 3 C = 2 y=x²+2 だけが通る
条件「点(1, 3)を通る」で、C=2 の1本に決まる
うかるくん

うかるくん

条件がないときは、CC はずっと CC のままでいいんですか?

合格先生

合格先生

そうだよ。条件がなければ CC は決められないから、「x2+Cx^2+C(CC は積分定数)」が答えなんだ。条件が1つあると CC が1つ決まる。決まらない数が1つあるから、条件も1つ必要、と覚えておこう。

不定積分と積分定数

F′(x)=f(x)F'(x)=f(x) のとき、F(x)F(x) を f(x)f(x) の原始関数といいます。原始関数はどれも定数の差しかないので、まとめて次のように書きます。これを不定積分といいます。

不定積分

∫f(x) dx=F(x)+C\int f(x)\,dx=F(x)+C

(CC は積分定数)

関数不定積分
2x2xx2+Cx^2+C
3x23x^2x3+Cx^3+C
xnx^n(n=0,1,2,…n=0,1,2,\dots)xn+1n+1+C\dfrac{x^{n+1}}{n+1}+C
11x+Cx+C
00CC

「不定」は「定まらない」という意味です。答えが 1 つに定まらず、CC の分だけ自由があるので、不定積分とよびます。

条件があると、CC の値が決まります。たとえば「F′(x)=2xF'(x)=2x、F(1)=3F(1)=3」なら、F(x)=x2+CF(x)=x^2+C に x=1x=1 を入れて 1+C=31+C=3、C=2C=2 で、F(x)=x2+2F(x)=x^2+2 です。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

不定積分では、最後に + C を書くのを忘れないこと!

定積分では C が消える

定積分 ∫abf(x) dx=F(b)−F(a)\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx=F(b)-F(a) では、CC をつけても引き算で消えます。だから定積分の答えには CC をつけません。

xyO 24 4 y=2x 0 から 2 まで積分 [ x²+C ] の差を計算 (4+C) − (0+C) = 4 C は引き算で消える → 定積分に C は  つけない
定積分は (4+C)−(0+C)=4。C は消える

貯金のたとえでいえば、「2 日目から 5 日目までに増えた金額」は、最初の金額を知らなくても計算できます。定積分は、このような差を求める計算なので、出発点の CC がいらないのです。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

不定積分は「関数」で答えるから +C+C、定積分は「数」で答えるから CC なし。答えの形で見分ければいいんだ!

テスト・入試ではこう出る

積分定数は数学Ⅱの「積分の考え」で、不定積分といっしょに習います。定期テストや大学入試では、次の形でよく出ます。

  • 不定積分の計算で、「+C+C(CC は積分定数)」まで書けているか。
  • f′(x)f'(x) と f(a)f(a) の値などの条件から、CC を決めて関数を求める問題。
  • 「曲線上の各点での接線の傾きが〜で、点〜を通る」曲線を求める問題(中身は同じ)。
  • 数学Ⅲでは、速度から位置を求める問題など。積分定数は「はじめの位置」になります。

例題1(条件から関数を決める)

F′(x)=3x2−4x+1F'(x)=3x^2-4x+1、F(0)=2F(0)=2 をみたす関数 F(x)F(x) を求めなさい。

  1. 項ごとに積分する:∫(3x2−4x+1) dx=x3−2x2+x+C\displaystyle\int(3x^2-4x+1)\,dx=x^3-2x^2+x+C。
  2. F(0)=2F(0)=2 を使う:x=0x=0 を代入すると 0−0+0+C=20-0+0+C=2、C=2C=2。
  3. たしかめ:F′(x)=3x2−4x+1F'(x)=3x^2-4x+1 で、F(0)=2F(0)=2。

答え F(x)=x3−2x2+x+2F(x)=x^3-2x^2+x+2

例題2(速度から位置)

数直線上を動く点の、時刻 tt 秒での速度が v=2t+1v=2t+1(m/秒)です。t=0t=0 のとき点は位置 3 m にあります。t=2t=2 のときの位置を求めなさい。

  1. 位置は速度を積分したもの:x(t)=∫(2t+1) dt=t2+t+Cx(t)=\displaystyle\int(2t+1)\,dt=t^2+t+C。
  2. t=0t=0 のとき位置は 3 なので、C=3C=3。積分定数ははじめの位置を表しています。
  3. x(t)=t2+t+3x(t)=t^2+t+3 に t=2t=2 を入れて、4+2+3=94+2+3=9。

答え 9 m(の位置)

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

不定積分は +C+C を忘れない! でも定積分にはつけないよ。

  • +C+C を書き忘れる:不定積分の答えには必ず「+C+C(CC は積分定数)」と書きます。テストでは減点されることが多いです。
  • 定積分に CC をつける:定積分の答えはただの数です。CC は引き算で消えます。
  • 条件があるのに CC のまま答える:「f(1)=5f(1)=5」のような条件があるときは、必ず CC を求めて数にします。CC が残ったままでは不正解です。
  • 条件を代入する前に CC を落とす:f(x)=2x3−2xf(x)=2x^3-2x としてから f(1)=5f(1)=5 を使おうとすると、0=50=5 となって行きづまります。CC をつけたまま代入します。
  • 定積分を「いつも面積」と思う:グラフが xx 軸より下にある部分では、定積分は負になります。たとえば ∫−11x dx=0\displaystyle\int_{-1}^{1}x\,dx=0 ですが、面積は 11 です。

ことばの由来

「定数」は、変わらない決まった数という意味です。積分したときに出てくる定数なので「積分定数」とよびます。英語では constant of integration(コンスタント・オブ・インテグレーション)で、記号の CC は constant(定数)の頭の文字と考えると覚えやすいでしょう。

ミニ問題

問題1 不定積分 ∫(4x+3) dx\displaystyle\int(4x+3)\,dx を求めましょう。

答えと解き方を見る

2x2+3x+C2x^2+3x+C(CC は積分定数)です。4x4x を積分すると 2x22x^2、33 を積分すると 3x3x。たしかめに微分すると 4x+34x+3 にもどります。+C+C と「CC は積分定数」を書き忘れないようにしましょう。

問題2 f′(x)=6x2−2f'(x)=6x^2-2、f(1)=5f(1)=5 のとき、関数 f(x)f(x) を求めましょう。

答えと解き方を見る

f(x)=2x3−2x+5f(x)=2x^3-2x+5 です。

  1. 積分して f(x)=2x3−2x+Cf(x)=2x^3-2x+C。
  2. x=1x=1 を代入:2−2+C=52-2+C=5 より C=5C=5。

条件が 1 つあるので、CC が 1 つに決まります。

問題3 F(x)=x2+3xF(x)=x^2+3x と G(x)=x2+3x−7G(x)=x^2+3x-7 は、どちらも同じ関数 f(x)f(x) の原始関数です。f(x)f(x) を答えましょう。また、G(x)−F(x)G(x)-F(x) はいくつですか。

答えと解き方を見る

f(x)=f(x)=2x+32x+3、G(x)−F(x)=G(x)-F(x)=−7-7 です。どちらを微分しても 2x+32x+3。原始関数どうしの差は、いつも定数になります。この「定数の差」をまとめて表すのが積分定数 CC です。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

積分定数とは何ですか?

不定積分の答えにつける「+C」の C のことです。定数は微分すると0になって消えるので、もとの関数の定数部分は1つに決まらないことを表します。

なぜ積分すると C がつくのですか?

x² も x²+1 も微分すると 2x になるように、微分して同じになる関数が無数にあるからです。それらは定数だけがちがうので、+C とまとめて書きます。

定積分にも C をつけますか?

つけません。定積分は F(b)−F(a) の引き算なので、C は消えます。

C の値はどうやって決めますか?

F(1)=3 のような条件があれば、代入して C を求めます。条件がなければ C のまま答えます。

C を書き忘れるとどうなりますか?

不定積分の答えとしては不十分なので、テストでは減点されることが多いです。「+C(Cは積分定数)」まで書くくせをつけましょう。

積分定数は何年生で習いますか?

高校の数学Ⅱ(積分の考え)で、不定積分といっしょに習います。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(微分・積分の考え)・数学Ⅲ(積分法)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦