この公式のポイント
- 条件は①垂直と②中点が直線上の2つ
- 直線は線分 PP′ の垂直二等分線
- y=x について対称なら座標を入れかえる
- 最短は折り返してまっすぐ結ぶ

うかるくん
ななめの直線で折り返した点は、どうやって座標を出すの?
![合格先生]()
合格先生
条件は2つだ。結んだ線が直線に垂直なこと、中点が直線の上にあること。この2式を連立すれば決まるぞ。
直線について対称な点の求め方
対称な点の2つの条件
点 P と直線 ℓ について対称な点 P′ は、次の2つで決まる。
① PP′⊥ℓ(傾きの積が −1) ② PP′ の中点が ℓ 上
まとめた式:P(p, q)、ℓ: ax+by+c=0 のとき
P′=(p−a2+b22a(ap+bq+c), q−a2+b22b(ap+bq+c))よく使う特別な場合:x 軸 → (p, −q)、y 軸 → (−p, q)、原点 → (−p, −q)、直線 y=x → (q, p)、直線 y=−x → (−q, −p)
直線 ℓ について P と P′ が対称:PP′ は ℓ に垂直、中点 M は ℓ の上
証明:なぜ2つの条件で決まるのか
直線 ℓ で紙を折ると P が P′ に重なる、というのが「対称」の意味です。このとき ℓ は線分 PP′ の垂直二等分線になります(作図の垂直二等分線と同じ形)。だから「垂直」と「中点が ℓ 上」の2つを式にすれば、P′ の2つの座標が決まります。
まとめた式の導き方(法線ベクトル)
直線 ax+by+c=0 に垂直な向きは (a, b) です。PP′ はこの向きなので、P′=(p+ta, q+tb) とおけます。中点 (p+2ta, q+2tb) が ℓ 上にあるので
a(p+2ta)+b(q+2tb)+c=0⟺t=−a2+b22(ap+bq+c)
これを P′=(p+ta, q+tb) に入れると、上の式になります。ap+bq+c は「直線の式に点を入れた値」で、点と直線の距離の分子と同じものです。
特別な場合
y=x について折り返すと x 座標と y 座標が入れかわります。P(p, q)、P′(q, p) の中点 (2p+q, 2p+q) は y=x 上にあり、PP′ の傾き q−pp−q=−1 は y=x の傾き 1 と積が −1 だからです。
P(3, 2) と対称な点:x 軸・y 軸・原点・直線 y=x について
高校受験(中学数学)での使い方
「直線上の点 P で AP+PB を最小にする」問題は、片方の点を直線について対称な点に移して、まっすぐ結ぶと解けます。折り返しても長さは変わらないので PB=PB′、そして2点を結ぶ線のうち最も短いのは線分だからです。
高校受験例題1(折れ線の最短)
A(1, 3)、
B(5, 1) があります。
x 軸上の点 P について
AP+PB が最小になるときの P の座標と、その最小値を求めなさい。
解き方
B と x 軸について対称な点は B′(5, −1)。直線 AB′ は傾き 5−1−1−3=−1 で y=−x+4。x 軸との交点は P(4, 0)。最小値は AB′=42+42=42。
答え P(4, 0)、最小値 42
例題1:B を x 軸で折り返した B′ と A を結ぶと、x 軸との交点 P で最短になる
大学受験(数学Ⅱ)での使い方
大学受験例題2(ななめの直線について対称な点)
直線
ℓ: y=2x+1 について、点
P(3, 2) と対称な点
P′ の座標を求めなさい。
解き方
P′(s, t) とおく。① 垂直:PP′ の傾き s−3t−2 と 2 の積が −1 より s−3=−2(t−2)、s+2t=7。② 中点 (2s+3, 2t+2) が ℓ 上:2t+2=(s+3)+1、t=2s+6。連立して s+2(2s+6)=7、s=−1、t=4。
(まとめた式でも 2x−y+1=0、ap+bq+c=6−2+1=5、a2+b2=5 より P′=(3−2⋅2, 2−2⋅(−1))=(−1, 4)。)
答え P′(−1, 4)
大学受験例題3(直線 y=x 上での最短)
A(3, 1)、
B(5, 2) があります。直線
y=x 上の点 P について
AP+PB の最小値と、そのときの P を求めなさい。
解き方
A、B は y=x の同じ側(下側)にあるので、A を折り返して A′(1, 3)。直線 A′B は傾き 5−12−3=−41 で y−3=−41(x−1)。y=x と連立して 4x−12=−x+1、x=513。最小値は A′B=42+12=17。
答え 最小値 17、P(513, 513)
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
「垂直」だけ、「中点が直線上」だけでは点は決まらない。必ず2つの式を連立するんだぞ。
- 条件を1つしか使わない:「垂直」だけ、「中点が直線上」だけでは点が決まらない。必ず2つの式を連立する。
- y=x と y=−x を混同する:y=x なら (q, p)、y=−x なら (−q, −p)。点を1つ入れて確かめる。
- 最短の問題で、2点が反対側なのに折り返す:A、B が直線の反対側にあれば、そのまま結べばよい。折り返すのは同じ側にあるときだけ。
練習問題
![指さして説明するサクラちゃん]()
サクラちゃん
最短の問題は、折り返してまっすぐ結ぶ!
- 高校受験 点 (2, −3) と直線 y=x について対称な点の座標は?
答えと解説を見る
x と y を入れかえて (−3, 2) - 大学受験 直線 x+y−3=0 について、点 (1, 0) と対称な点の座標は?
答えと解説を見る
ap+bq+c=1+0−3=−2、a2+b2=2。(1−22⋅1⋅(−2), 0−22⋅1⋅(−2))=(3, 2)。中点 (2, 1) が直線上にあることも確かめられる - 大学受験 A(0, 2)、B(4, 4) と x 軸上の点 P について、AP+PB の最小値とそのときの P は?
答えと解説を見る
A を折り返して A′(0, −2)。直線 A′B は y=23x−2 で、P(34, 0)。最小値 A′B=16+36=213
関連する公式
よくある質問
直線について対称な点はどう求めますか?
対称な点を (s, t) とおき、「2点を結ぶ線分が直線に垂直(傾きの積が−1)」と「2点の中点が直線上にある」の2つの式を連立して求めます。
直線 y=x について対称な点は?
x 座標と y 座標を入れかえた点です。(p, q) なら (q, p) になります。y=−x なら (−q, −p) です。
AP+PB を最小にする点 P はどう求めますか?
A と B が直線の同じ側にあるとき、片方を直線について折り返した点をとり、もう一方とまっすぐ結んだ線と直線の交点が P です。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第1学年(平面図形)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅱ(図形と方程式)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦