2直線の平行・垂直条件|傾きの積が−1になる証明(三平方の定理)・一般形 a₁a₂+b₁b₂=0 と例題【高校受験〜大学受験 数学Ⅱ】

2直線の平行・垂直条件|傾きの積が−1になる証明(三平方の定理)・一般形 a₁a₂+b₁b₂=0 と例題【高校受験〜大学受験 数学Ⅱ】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 図形

高校受験大学受験

平行  ⟺  m1=m2,垂直  ⟺  m1m2=−1\text{平行}\iff m_1=m_2,\qquad \text{垂直}\iff m_1m_2=-1

一般形なら 平行 a1b2−a2b1=0a_1b_2-a_2b_1=0、垂直 a1a2+b1b2=0a_1a_2+b_1b_2=0

この公式のポイント

  • 平行は傾きが等しい(切片も等しいと一致)
  • 垂直は傾きの積が −1-1(逆数にしてマイナス)
  • 証明は三平方の定理か法線ベクトルの内積
  • 一般形 a1a2+b1b2=0a_1a_2+b_1b_2=0 なら x=kx=k の直線にも使える
うかるくん

うかるくん

垂直な直線の傾きの積が −1-1 になるのは、なぜなの?

合格先生

合格先生

原点を通る2直線と x=1x=1 の交点 (1, m1)(1,\ m_1)、(1, m2)(1,\ m_2) をとるんだ。三平方の定理を式にすると m1m2=−1m_1m_2=-1 が出てくるぞ。

2直線の平行・垂直条件

傾きで見る平行・垂直

2直線 y=m1x+n1y=m_1x+n_1、y=m2x+n2y=m_2x+n_2 について

平行  ⟺  m1=m2垂直  ⟺  m1m2=−1\text{平行}\iff m_1=m_2\qquad\qquad \text{垂直}\iff m_1m_2=-1

(平行は「傾きが等しく、切片がちがう」。切片も等しければ同じ直線=一致。)

一般形 a1x+b1y+c1=0a_1x+b_1y+c_1=0、a2x+b2y+c2=0a_2x+b_2y+c_2=0 なら

平行(または一致)  ⟺  a1b2−a2b1=0垂直  ⟺  a1a2+b1b2=0\text{平行(または一致)}\iff a_1b_2-a_2b_1=0\qquad \text{垂直}\iff a_1a_2+b_1b_2=0
121221y=2x+3y=2x−3y=−½xO傾き 2 と 2 → 平行2×(−½)=−1 → 垂直
傾きが等しい2本(青)は平行。傾きの積が −1 になる赤い直線は、青い直線と垂直に交わる

垂直な直線の傾きは「逆数にしてマイナスをつける」と覚えます。傾き 22 なら −12-\dfrac12、傾き −34-\dfrac34 なら 43\dfrac43 です。図1の点線の三角形を見ると、「右へ1、上へ2」を90°回すと「右へ2、下へ1」になっています。

証明:なぜ傾きの積が −1 なのか

平行の条件

傾きは「右へ1進んだときに上がる量」です。傾きが等しい2直線は、どこでも同じ割合で上がるので、2本の間の上下の差 n1−n2n_1-n_2 はずっと変わりません。だから交わらず、平行です。逆に傾きがちがえば、差 (m1−m2)x+(n1−n2)(m_1-m_2)x+(n_1-n_2) が 00 になる xx があるので交わります。

垂直の条件(三平方の定理で)

平行移動しても角度は変わらないので、原点を通る y=m1xy=m_1x、y=m2xy=m_2x で考えます。直線 x=1x=1 との交点を P(1, m1)P(1,\ m_1)、Q(1, m2)Q(1,\ m_2) とします(m1>m2m_1>m_2 とする)。

O1P(1, m₁)Q(1, m₂)y=m₁xy=m₂xPQ=m₁−m₂OP²=1+m₁²OQ²=1+m₂²OP²+OQ²=PQ²⇔ m₁m₂=−1
x=1 の上に P、Q をとると、OP、OQ、PQ の長さが m₁、m₂ で表せる
OP2=1+m12,OQ2=1+m22,PQ2=(m1−m2)2OP^2=1+m_1^2,\qquad OQ^2=1+m_2^2,\qquad PQ^2=(m_1-m_2)^2

∠POQ=90∘\angle POQ=90^\circ となるのは、三平方の定理(とその逆)より OP2+OQ2=PQ2OP^2+OQ^2=PQ^2 のときです。

2+m12+m22=m12−2m1m2+m22  ⟺  m1m2=−12+m_1^2+m_2^2=m_1^2-2m_1m_2+m_2^2\iff m_1m_2=-1

一般形の条件(ベクトルで)

直線 ax+by+c=0ax+by+c=0 は、ベクトル (a, b)(a,\ b) に垂直です(法線ベクトル)。2直線の法線ベクトル (a1, b1)(a_1,\ b_1)、(a2, b2)(a_2,\ b_2) が平行なら直線どうしも平行、垂直なら直線どうしも垂直です。内積が 00 ⇔ 垂直なので a1a2+b1b2=0a_1a_2+b_1b_2=0、平行は a1b2−a2b1=0a_1b_2-a_2b_1=0 です。この形は、yy 軸に平行な直線(x=kx=k、傾きがない)でもそのまま使えるのが強みです。

高校受験(中学数学)での使い方

平行の条件「傾きが等しい」は一次関数でそのまま使います。垂直の条件 m1m2=−1m_1m_2=-1 は高校の数学Ⅱで習う内容ですが、上の証明のとおり三平方の定理で理由が分かるので、関数と図形の問題で役に立ちます。

高校受験

例題1(平行な直線)

直線 y=2x+3y=2x+3 に平行で、点 (1, −1)(1,\ -1) を通る直線の式を求めなさい。

解き方

平行なので傾きは 22。y=2x+by=2x+b に (1, −1)(1,\ -1) を入れて −1=2+b-1=2+b、b=−3b=-3。

答え y=2x−3y=2x-3

高校受験

例題2(垂直二等分線)

2点 A(0, 4)A(0,\ 4)、B(2, 0)B(2,\ 0) を結ぶ線分 AB の垂直二等分線の式を求めなさい。

解き方

AB の傾きは 0−42−0=−2\dfrac{0-4}{2-0}=-2 なので、垂直な直線の傾きは 12\dfrac12。AB の中点は (1, 2)(1,\ 2)。y=12x+by=\dfrac12x+b に入れて 2=12+b2=\dfrac12+b、b=32b=\dfrac32。

答え y=12x+32y=\dfrac12x+\dfrac32

大学受験(数学Ⅱ)での使い方

大学受験

例題3(一般形で文字を決める)

2直線 ax+2y+1=0ax+2y+1=0、x+(a+1)y−3=0x+(a+1)y-3=0 が (1) 平行になる (2) 垂直になる ような定数 aa の値を求めなさい。

解き方

(1) a(a+1)−2⋅1=0a(a+1)-2\cdot1=0 より a2+a−2=0a^2+a-2=0、(a+2)(a−1)=0(a+2)(a-1)=0。a=1a=1 のとき x+2y+1=0x+2y+1=0 と x+2y−3=0x+2y-3=0、a=−2a=-2 のとき −2x+2y+1=0-2x+2y+1=0 と x−y−3=0x-y-3=0(−2-2 倍すると −2x+2y+6=0-2x+2y+6=0)で、どちらも一致しないので平行。
(2) a⋅1+2(a+1)=0a\cdot1+2(a+1)=0 より 3a+2=03a+2=0。

答え (1) a=1, −2a=1,\ -2 (2) a=−23a=-\dfrac23

大学受験

例題4(垂線の足)

点 A(5, 0)A(5,\ 0) から直線 y=2xy=2x に下ろした垂線の足 H の座標と、AH の長さを求めなさい。

解き方

H は A を通り傾き −12-\dfrac12 の直線 y=−12(x−5)y=-\dfrac12(x-5) 上にある。2x=−12(x−5)2x=-\dfrac12(x-5) より 4x=−x+54x=-x+5、x=1x=1、y=2y=2。AH=(5−1)2+(0−2)2=20=25AH=\sqrt{(5-1)^2+(0-2)^2}=\sqrt{20}=2\sqrt5(点と直線の距離の公式 ∣2⋅5−0∣5=25\dfrac{|2\cdot5-0|}{\sqrt{5}}=2\sqrt5 と一致)。

答え H(1, 2)H(1,\ 2)、AH=25AH=2\sqrt5

OA(5, 0)H(1, 2)y=2xAH=2√5
例題4:A を通り傾き −½ の直線と y=2x の交点が垂線の足 H

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

傾き 33 に垂直な傾きは 13\dfrac13 ではない。逆数にして、符号も変えて −13-\dfrac13 だぞ。

  • マイナスを忘れる:傾き 33 に垂直な傾きは 13\dfrac13 ではなく −13-\dfrac13。逆数にして符号も変える。
  • 平行の答えに一致が混ざる:a1b2−a2b1=0a_1b_2-a_2b_1=0 は「平行または一致」。文字を求めたら、2直線が同じ直線にならないか確かめる。
  • x=kx=k の直線で m1m2=−1m_1m_2=-1 を使う:yy 軸に平行な直線には傾きがない。x=kx=k と垂直なのは y=y=(定数)の直線。一般形の a1a2+b1b2=0a_1a_2+b_1b_2=0 なら場合分けがいらない。

練習問題

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

逆数にしてマイナス、声に出して覚えよう!

  1. 高校受験 直線 y=−3x+1y=-3x+1 に垂直で、原点を通る直線の式は?
    答えと解説を見る垂直な傾きは 13\dfrac13。原点を通るので y=13xy=\dfrac13x
  2. 高校受験 2点 (1, 2)(1,\ 2)、(3, 8)(3,\ 8) を通る直線に平行で、点 (0, −1)(0,\ -1) を通る直線の式は?
    答えと解説を見る傾きは 8−23−1=3\dfrac{8-2}{3-1}=3。切片 −1-1 なので y=3x−1y=3x-1
  3. 大学受験 直線 3x−4y+5=03x-4y+5=0 に垂直で、点 (2, −1)(2,\ -1) を通る直線の式を一般形で答えなさい。
    答えと解説を見る垂直な直線は 4x+3y+c=04x+3y+c=0 とおける(3⋅4+(−4)⋅3=03\cdot4+(-4)\cdot3=0)。(2, −1)(2,\ -1) を入れて 8−3+c=08-3+c=0、c=−5c=-5。答え 4x+3y−5=04x+3y-5=0

関連する公式

よくある質問

2直線が平行になる条件は?

傾きが等しいことです。y=m₁x+n₁ と y=m₂x+n₂ なら m₁=m₂(切片も等しいと同じ直線)。一般形なら a₁b₂−a₂b₁=0 です。

2直線が垂直になる条件は?

傾きの積が −1 になることです(m₁m₂=−1)。一般形 a₁x+b₁y+c₁=0、a₂x+b₂y+c₂=0 なら a₁a₂+b₁b₂=0 です。

なぜ垂直な直線の傾きの積は −1 なのですか?

原点を通る2直線と直線 x=1 の交点 P(1,m₁)、Q(1,m₂) をとり、三平方の定理 OP²+OQ²=PQ² を計算すると m₁m₂=−1 が出てきます。

垂直な直線の傾きはどう求めますか?

もとの傾きの逆数にマイナスをつけます。傾き2なら−1/2、傾き−3/4なら4/3です。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第2学年(一次関数)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅱ(図形と方程式)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦