合格大作戦 数学用語辞典 › 数と式
大学受験
複素数平面とは
複素数 a+bi を、座標平面の点 (a,b) で表した平面です。横の軸を実軸、たての軸を虚軸といいます。3+4i は点 (3,4) で、原点からの距離 ∣3+4i∣=5 が絶対値です。
読み方:ふくそすうへいめん/英語:complex plane/習う学年:数学C(複素数平面)

サクラちゃん
虚数って目に見えない数だと思っていました。平面にかけるんですか?
![合格先生]()
合格先生
かけるよ。a+bi を点 (a,b) だと思えばいいんだ。すると、計算が「移動」や「回転」として目に見えるようになる。
この用語のポイント
- a+bi ↔ 点 (a,b)。横が実軸、たてが虚軸
- ∣z∣ は原点からの距離、∣z2−z1∣ は 2 点の距離
- i をかけると 90∘ 回転、共役は実軸について対称
やさしく言うと
複素数平面は、複素数 a+bi を、座標平面の点 (a,b) として目で見えるようにしたものです。数直線では実数しか表せませんが、平面を使うと、虚数もふくめた複素数を 1 つ 1 つの点として表せます。
- 数直線を広げる:実数は数直線の上の点でした。複素数は「実数の部分」と「i の部分」の 2 つの数でできているので、たて方向にもう 1 本の軸を足して平面にします。
- 地図の住所:「東へ 3、北へ 4」の場所を 1 つの複素数 3+4i で表せます。2 つの数を 1 つの数にまとめて扱えるのが、複素数の便利なところです。
- 回転のスイッチ:複素数平面では、i をかけると点が原点のまわりに 90∘ 回ります。かけ算が「回転」という図形の動きになるのが、いちばんおもしろい点です。
3+4i は点 (3, 4)。共役 3−4i は実軸について対称な点まとめると、複素数 z=a+bi を点 (a,b) に対応させた平面が複素数平面です。横の軸を実軸、たての軸を虚軸といいます。「複素平面」「ガウス平面」とよばれることもあります。
複素数平面上の点の例
○ 正しい対応
- 3+4i → 点 (3,4)
- −2+i → 点 (−2,1)
- 5(実数)→ 実軸上の点 (5,0)
- 2i(純虚数)→ 虚軸上の点 (0,2)
- 0 → 原点 O
- 3+4i=3−4i → 実軸について対称な点 (3,−4)
× まちがい
- 3+4i を点 (3,4i) とする(座標は実数。i はつけない)
- 3+4i を点 (4,3) とする(実部が横、虚部がたて)
- 2i を実軸上の点 (2,0) とする
- ∣3+4i∣ を 3+4=7 とする(距離は 32+42=5)
- −z を実軸について対称な点とする(−z は原点について対称)
点の座標は、(実部, 虚部)の順です。虚部とは i の係数のことで、3+4i の虚部は 4i ではなく 4 です。
図で見る
複素数平面では、複素数の計算が図形の動きになります。まず、たし算はベクトルのたし算と同じです。
(3+i)+(1+2i)=4+3i。原点・z・z+w・w は平行四辺形次に、i をかけると、原点のまわりに 90∘ 回転します。i(3+i)=3i+i2=−1+3i で、点 (3,1) が点 (−1,3) に移ります。
i をかけるたびに、原点のまわりに 90° 回る。i²z=−z は 180° 回転![うかるくん]()
うかるくん
かけ算が回転になるなんて、ふしぎです! どうしてですか?
![合格先生]()
合格先生
i2=−1 を思い出そう。i を 2 回かけると −1 倍、つまり反対向き(180∘)になる。2 回で 180∘ なら、1 回で 90∘ と考えると、うまく合うよね。一般の複素数をかけたときの回転は、極形式で学ぶよ。
絶対値と距離
z=a+bi の絶対値 ∣z∣ は、原点から点 z までの距離です。三平方の定理から、次のようになります。
∣z∣=a2+b2,∣z∣2=zz
2 点 z1、z2 の距離は ∣z2−z1∣ です。この考えを使うと、図形を複素数の式で表せます。
|z−(1+i)|=2 は円、|z−1|=|z−i| は 2 点の垂直二等分線 y=x![ひらめいたサクラちゃん]()
サクラちゃん
∣z−α∣ は「z と α の距離」と読めば、図がすぐうかぶのね!
テスト・入試ではこう出る
複素数平面は、高校の数学C「複素数平面」で習います。絶対値と距離の計算、∣z−α∣=r などの式が表す図形、回転を使って正三角形や正方形の頂点を求める問題がよく出ます。大学入試では、図形の問題を複素数の計算で解く問題が大きな得点源です。
例題1(2 点間の距離)
複素数平面上の 2 点 z1=1+2i、z2=4−2i の距離を求めなさい。
- 2 点間の距離は ∣z2−z1∣。z2−z1=(4−2i)−(1+2i)=3−4i。
- ∣3−4i∣=32+(−4)2=25=5。
答え 5。座標で考えると、点 (1,2) と点 (4,−2) の距離と同じです。
例題2(式が表す図形)
∣z−1∣=∣z−i∣ を満たす点 z 全体は、どんな図形になりますか。
- z=x+yi(x、y は実数)とおく。
- ∣z−1∣2=(x−1)2+y2、∣z−i∣2=x2+(y−1)2。
- 両辺の 2 乗が等しいので (x−1)2+y2=x2+(y−1)2。展開して −2x+1=−2y+1、つまり y=x。
答え 直線 y=x(2 点 1、i を結ぶ線分の垂直二等分線)。図形の意味から「1 と i から等しい距離にある点の集まり」と読みとると、計算しなくても見当がつきます。
まちがえやすい点
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
3+4i の点は (3,4)。(3,4i) とは書かないよ!
- 虚部に i をつけたまま座標にする:3+4i の点は (3,4) です。(3,4i) とは書きません。虚軸の目もりは、i の係数を表します。
- ∣z∣2 と z2 を混同する:z=3+4i のとき、∣z∣2=25 ですが、z2=9+24i+16i2=−7+24i です。∣z∣2 に等しいのは zz です。
- 共役と −z を取りちがえる:共役 z は実軸について対称、−z は原点について対称です。3+4i なら、z=3−4i、−z=−3−4i です。
- 回転の向きをまちがえる:i をかけると反時計回りに 90∘ です。時計回りにしたいときは −i をかけます。
ことばの由来
「複素数」は、実数の部分と虚数の部分という複数の要素をもつ数、という意味の言葉です。英語では complex number(複合した数)といい、複素数平面は complex plane といいます。横の軸を「実軸」(real axis)、たての軸を「虚軸」(imaginary axis)とよぶのは、実部と虚部を表す軸だからです。
ミニ問題
問題1 複素数 −3+2i を表す点の座標と、その共役複素数を答えましょう。
答えと解き方を見る
点は (−3,2)、共役複素数は −3−2i です。共役複素数は、虚部の符号だけを変えたもので、点は実軸について対称な (−3,−2) になります。
問題2 ∣−5+12i∣ を求めましょう。
答えと解き方を見る
13 です。(−5)2+122=25+144=169=13。原点から点 (−5,12) までの距離です。
問題3 点 z=4+2i を、原点のまわりに時計回りに 90∘ 回転した点を表す複素数を求めましょう。
答えと解き方を見る
2−4i です。反時計回りの 90∘ 回転は i をかけること。時計回りなら −i をかけます。−i(4+2i)=−4i−2i2=2−4i。点 (4,2) が点 (2,−4) に移り、長さはどちらも 20 で変わりません。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
複素数平面とは何ですか?
複素数 a+bi を座標平面の点 (a, b) で表した平面です。横の軸を実軸、たての軸を虚軸といいます。
複素数の絶対値とは何ですか?
複素数平面で、原点からその点までの距離です。a+bi の絶対値は √(a²+b²) で、3+4i なら5です。
共役複素数は複素数平面でどこにありますか?
もとの点と実軸について対称な点です。3+4i の共役 3−4i は、点 (3, −4) です。
i をかけるとどうなりますか?
原点のまわりに反時計回りに90°回転した点になります。3+i に i をかけると −1+3i です。
|z−α|=r はどんな図形ですか?
点αを中心とする半径rの円です。|z−α| は点zと点αの距離を表すからです。
複素数平面は何年生で習いますか?
高校の数学C「複素数平面」で習います。
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学C(平面上の曲線と複素数平面)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦