合格大作戦 数学用語辞典 › 数と式
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絶対値とは
数直線の上で、0 からその数までの距離のことです。記号 ∣ ∣ で表し、∣−3∣=3、∣3∣=3 です。距離なので、絶対値はいつも 0 以上です。
読み方:ぜったいち/英語:absolute value/習う学年:中学1年(正の数・負の数)、数学Ⅰ(数と式)

うかるくん
絶対値って、マイナスを取るだけですよね? ∣a∣=a でいいですか?
![合格先生]()
合格先生
数字ならそれでいいけど、文字は要注意。a が負なら ∣a∣=−a なんだ。たとえば a=−3 なら −a=3 で、ちゃんと正になるよ。
この用語のポイント
- 絶対値 = 0 からの距離。いつも 0 以上
- a<0 のとき ∣a∣=−a(これは正の数)
- ∣x∣<2 は −2<x<2、∣x∣>2 は x<−2, 2<x
やさしく言うと
絶対値は、数直線で 0 からどれだけはなれているか(距離)です。−3 も 3 も、0 からの距離は 3 なので、絶対値はどちらも 3 です。
- エレベーター:1 階を 0 として、3 階上も地下 3 階も、1 階から「3 階分」はなれています。上か下か(向き)は考えず、はなれ方だけを見るのが絶対値です。
- 家からの距離:東へ 3km を +3、西へ 3km を −3 と表しても、家からの距離はどちらも 3km です。
- 気温の差:0℃ から見ると、5℃ も −5℃ も 5 度はなれています。
−3 も 3 も、0 からの距離は 3距離なので、絶対値はいつも 0 か正の数になります。数字なら「マイナスの符号を取ったもの」と覚えてもかまいませんが、文字のときは注意が必要です(下の「文字のときの決まり」)。
正しい計算と、まちがった計算
○ 正しい
- ∣−5∣=5、∣0∣=0
- ∣2.5∣=2.5、−32=32
- ∣3−7∣=∣−4∣=4(先に中を計算)
- ∣2−2∣=2−2(2<2 だから)
- (−3)2=∣−3∣=3
- ∣−2∣×∣3∣=∣−6∣=6(かけ算は分けてよい)
× まちがい
- ∣−5∣=−5(絶対値は負にならない)
- ∣3−7∣=∣3∣−∣7∣=−4(ひき算は分けられない)
- ∣2−2∣=2−2(負の数になってしまう)
- ∣−a∣=a と決めつける(a が負なら×)
- ∣3+(−5)∣=∣3∣+∣−5∣=8(正しくは 2)
- (−3)2=−3(√ の答えは 0 以上)
かけ算・割り算は ∣ab∣=∣a∣∣b∣ のように分けてよいのですが、たし算・ひき算は分けられません。∣3+(−5)∣=2 ですが、∣3∣+∣−5∣=8 です。
図で見る
絶対値は「0 からの距離」ですが、∣a−b∣ の形にすると、2 つの数 a と b の間の距離を表します。
|a−b| は a と b の距離。−3 と 2 の距離は 5∣a−b∣ と ∣b−a∣ は同じ値です。「A さんから B さんまで」と「B さんから A さんまで」の距離が同じなのと同じです。この見方を使うと、∣x−1∣=3 は「1 からの距離が 3 の数」と読みかえられ、x=4, −2 とすぐにわかります。
![サクラちゃん]()
サクラちゃん
∣x+2∣ みたいに、中がたし算のときはどう読むんですか?
![合格先生]()
合格先生
x+2=x−(−2) と考えればいいんだ。だから ∣x+2∣ は「x と −2 の距離」。符号がひっくり返るところに気をつけよう。
文字のときの決まり
文字 a の絶対値は、a が正か負かで場合分けします。
∣a∣={a−a(a≧0)(a<0)a<0 のときの −a は正の数です。たとえば a=−3 なら −a=−(−3)=3 です。「マイナスがつくから負」ではありません。
中が式のときも同じです。∣x−2∣ は、x≧2 なら x−2、x<2 なら −(x−2)=2−x です。中身が 0 になる値(ここでは x=2)が、場合分けの境目になります。
y=|x| のグラフ
場合分けをグラフで見ると、y=∣x∣ は x≧0 では y=x、x<0 では y=−x です。2 本の直線がつながった V 字の形になります。
y=|x| は原点でおれまがる V 字。y 軸について対称x=3 でも x=−3 でも y=3 なので、グラフは y 軸について対称です。y=∣x−2∣ なら、この V 字を右へ 2 だけ平行移動した形で、おれまがる点は (2, 0) になります。
![指さして説明するうかるくん]()
うかるくん
中身が 0 になるところで、グラフも式もおれまがるんだね!
絶対値をふくむ方程式・不等式
「距離」で考えると解けます。∣x∣=2 は「0 からの距離が 2」なので x=±2 です。∣x−1∣=3 は「1 からの距離が 3」なので x=4, −2 です。
∣x∣<2 は1つの区間、∣x∣>2 は2つに分かれる中が x−1 のような式のときは、「x−1 をひとまとめ」にして同じ形を使うか、場合分けをして絶対値をはずします。
![ジャンプする合格先生]()
合格先生
絶対値は、中身の正・負で場合分けすれば外せるぞ!
テスト・入試ではこう出る
絶対値は中学 1 年の「正の数・負の数」で習います。定期テストや高校入試では、絶対値を求める問題や、「絶対値が○より小さい整数」を数える問題がよく出ます。高校の数学Ⅰでは、文字の場合分け、a2=∣a∣、絶対値をふくむ方程式・不等式を学び、大学入試でも基本の道具として使われます。
例題1(中学1年)
絶対値が 2.5 より小さい整数をすべて答えなさい。
- 絶対値が 2.5 より小さい数は、数直線で 0 からの距離が 2.5 より小さい数。つまり −2.5 と 2.5 の間にある数。
- その中の整数を、小さい順に数える:−2, −1, 0, 1, 2
答え −2, −1, 0, 1, 2 の 5 個(0 と負の数をわすれないこと)
例題2(数学Ⅰ)
不等式 ∣2x−1∣<5 を解きなさい。
- ∣A∣<5 は「0 からの距離が 5 より小さい」なので、−5<A<5。ここでは A=2x−1 だから、−5<2x−1<5。
- 各辺に 1 をたす:−4<2x<6
- 各辺を 2 で割る:−2<x<3
答え −2<x<3(たしかめ:x=0 なら ∣−1∣=1<5 で満たす。x=3 なら ∣5∣=5 で満たさない)
まちがえやすい点
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
∣x∣<2 を x<2 で終わらせるのは×! 0 からの距離で考えて、−2<x<2 だよ。
- ∣a∣=a と決めつける:a が負なら ∣a∣=−a です。a の正負がわからないときは場合分けします。
- ∣x∣<2 を x<2 だけにする:正しくは −2<x<2 です。x=−5 は x<2 を満たしますが、∣−5∣=5 なので ∣x∣<2 を満たしません。
- ∣x∣>2 を1つの式で書く:「−2>x>2」は書けません。x<−2, 2<x と2つに分けて書きます。
- たし算・ひき算を分ける:∣a+b∣=∣a∣+∣b∣ は、a と b の符号がちがうと成り立ちません。∣3+(−5)∣=2、∣3∣+∣−5∣=8 です。
- a2=a とする:a2 は 0 以上なので、正しくは a2=∣a∣ です。a=−3 なら (−3)2=9=3 です。
ことばの由来
英語では absolute value といいます。absolute は「絶対の、ほかと関係しない」という意味です。符号(向き)とは関係なく、大きさだけを取り出した値、という意味合いの名前です。日本語の「絶対値」は、この英語をそのまま訳したことばです。
記号 ∣ ∣ は、19 世紀のドイツの数学者ワイエルシュトラスが使い始めたとされています。
ミニ問題
問題1 ∣−7∣+∣3−5∣ を計算しましょう。
答えと解き方を見る
9 です。∣−7∣=7、∣3−5∣=∣−2∣=2 なので、7+2=9。絶対値の中に計算があるときは、先に中を計算してから絶対値をとります。
問題2 a<0 のとき、∣a∣+∣a−1∣ を絶対値の記号を使わずに表しましょう。
答えと解き方を見る
1−2a です。
- a<0 なので、∣a∣=−a。
- a<0 なら a−1 も負の数なので、∣a−1∣=−(a−1)=1−a。
- あわせて −a+(1−a)=1−2a。
たしかめ:a=−2 なら ∣−2∣+∣−3∣=5、式では 1−2×(−2)=5 で一致します。
問題3 不等式 ∣x+1∣≧2 を解きましょう。
答えと解き方を見る
x≦−3, 1≦x です。
∣x+1∣=∣x−(−1)∣ は、x と −1 の距離です。「−1 からの距離が 2 以上」なので、−1 から左へ 2 の −3 以下か、右へ 2 の 1 以上です。式で解くなら、x+1≦−2 または 2≦x+1 より、x≦−3 または 1≦x です。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
絶対値とは簡単にいうと何ですか?
数直線で、0からその数までの距離です。−3も3も0から3はなれているので、絶対値はどちらも3です。
絶対値はマイナスになりますか?
なりません。距離なので、絶対値はいつも0以上です。0の絶対値は0です。
|a|=−aになるのはどんなときですか?
aが負の数のときです。たとえばa=−3なら、|a|=3=−aです。このとき−aは正の数になっています。
|a−b|は何を表しますか?
数直線の上で、aとbの間の距離を表します。|2−(−3)|=5 は、2と−3が5はなれていることを表します。
y=|x|のグラフはどんな形ですか?
原点でおれまがるV字の形です。x≧0ではy=x、x<0ではy=−xの直線になります。
絶対値は何年生で習いますか?
中学1年の「正の数・負の数」で習います。高校の数学Ⅰでは、文字の場合分けや、絶対値をふくむ方程式・不等式を学びます。
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第1学年 A 数と式(正の数・負の数)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(数と式)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦