不等式とは?意味と解き方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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不等式とは

2つの数や式の大小の関係を、不等号(<<、>>、≦\leqq、≧\geqq)で表した式です。3x≦5003x\leqq500 のように書きます。両辺に負の数をかけたり割ったりすると、不等号の向きが反対になります。

読み方:ふとうしき/英語:inequality/習う学年:中学1年(不等式で表す)。一次不等式を解くのは数学Ⅰ

サクラちゃん

サクラちゃん

不等式って、方程式と同じように解けばいいんですよね?

合格先生

合格先生

ほとんど同じだよ。ただ1つ、負の数をかけたり割ったりしたら、不等号の向きを反対にすること。−x>2-x>2 なら x<−2x<-2 だね。

この用語のポイント

  • 不等式 = 大小の関係を不等号で表した式
  • 「以上・以下」はその数をふくむ(≧・≦)、「未満」はふくまない(<)
  • 負の数をかける・割ると、不等号の向きが反対になる

やさしく言うと

不等式は、2つの数や式の大きい・小さいの関係を、不等号(<<、>>、≦\leqq、≧\geqq)で表した式です。「=」でちょうどの関係を表すのが等式、大小の関係を表すのが不等式です。

身のまわりは、不等式であふれています。

  • 買い物:「1 個 xx 円のパンを 3 個買ったら、代金は 500 円以下だった」は、3x≦5003x\leqq500 と表せます。
  • 乗り物の身長制限:「身長 120 cm 以上の人が乗れます」は、身長を hh cm として h≧120h\geqq120 です。120 cm ちょうどの人も乗れます。
  • 年れいの制限:「18 才未満は入れません」の「入れない人」は、年れいを aa 才として a<18a<18 です。18 才の人はふくみません。
不等式読み方意味
x>3x>3x は 3 より大きい3 はふくまない
x≧3x\geqq3x は 3 以上3 をふくむ
x<3x<3x は 3 より小さい(3 未満)3 はふくまない
x≦3x\leqq3x は 3 以下3 をふくむ
x ≧ 3(3 以上:3 をふくむ) 0123456 x < 3(3 未満:3 をふくまない) 0123456 ● はその数をふくむ(≧・≦)、○ はふくまない(>・<)
不等式の解は、数直線の上で「範囲」として表せる

不等式を成り立たせる数の範囲を、不等式の解といいます。方程式の解は「1つの数」のことが多いですが、不等式の解は範囲になります。まとめると、不等式は「どちらが大きいか」と「どこまでならよいか」を表す式です。

不等式の例と、不等式ではないもの

○ 不等式

  • x+2>5x+2>5(解は x>3x>3)
  • 3x≦123x\leqq12(解は x≦4x\leqq4)
  • 100x+50<1000100x+50<1000(お金の関係)
  • 3<53<5(文字がなくても、大小を表していれば不等式)
  • x2−4>0x^2-4>0(2次の不等式。高校で解く)
  • a+b≧2aba+b\geqq2\sqrt{ab}(証明する不等式。高校で習う)

× 不等式ではないもの

  • x+2=5x+2=5(=で結んだ等式)
  • 2x+12x+1(不等号がない。ただの式)
  • x≠3x\ne3(「等しくない」だけで、大小は表していない)
  • 「xx は 3 に近い」(ことばだけで、範囲が決まらない)
  • 3x≦3x\leqq(右辺がない。式として完成していない)

不等式かどうかは、左辺と右辺が不等号でむすばれているかで決まります。≠\ne(等しくない)は不等号のなかまのように見えますが、どちらが大きいかを表さないので、ふつう不等式とはよびません。

図で見る

不等式は、かたむいたてんびんだと考えると分かりやすくなります。左に 5 kg、右に 3 kg をのせると、左がさがります。これが 5>35>3 です。

両方に同じ重さを足しても、かたむきは同じ 5kg3kg5 > 3 7kg5kg7 > 5 +2→ 移項しても、正の数で割っても、向きはそのまま
5>3 の両方に 2 を足しても、7>5 で左がさがったまま

両方に同じ重さを足したり引いたりしても、かたむきは変わりません。だから不等式でも、方程式と同じように移項ができます。両方を 2 倍・3 倍にしたり、半分にしたりしても(正の数をかける・割る)、かたむきはそのままです。

ところが、負の数をかけるときだけは話がちがいます。数直線で見てみましょう。

−1 をかけると、0 をはさんで左右が入れかわる −6−5−4−3−2−10123456 2 < 5 →(−1 をかける)→ −2 > −5 負の数をかける・割ると、不等号の向きが変わる
2<5 に −1 をかけると、−2>−5 で向きが変わる
サクラちゃん

サクラちゃん

どうしてマイナスをかけると、向きが反対になるんですか?

合格先生

合格先生

−1-1 をかけると、数直線の上で0 をはさんで左右が入れかわるからだよ。右にあった 5 は、左の −5-5 に移る。もとは 5 のほうが右(大きい)だったのに、今度は −5-5 のほうが左(小さい)になるんだ。

解き方と、向きが変わるとき

不等式も方程式と同じように、移項したり、両辺を同じ数で割ったりして解きます。3x−2>73x-2>7 なら、3x>93x>9、x>3x>3 です。

ただし、両辺に負の数をかけたり、負の数で割ったりすると、不等号の向きが反対になります。2<52<5 に −1-1 をかけると、−2>−5-2>-5 です。

たとえば −2x+1≦7-2x+1\leqq7 は、−2x≦6-2x\leqq6 の両辺を −2-2 で割って x≧−3x\geqq-3 です(向きが変わる)。x=−3x=-3 を入れると 6+1=76+1=7 で、ちゃんと成り立ちます。

すること不等号の向き
両辺に同じ数を足す・引く(移項)そのまま
両辺に正の数をかける・正の数で割るそのまま
両辺に負の数をかける・負の数で割る反対になる
左辺と右辺を入れかえる反対になる(3<x3<x は x>3x>3 と同じ)
あせるサクラちゃん

サクラちゃん

マイナスで割ったのに、不等号の向きをそのままにしちゃった…! ここはよく出るから気をつけよう。

連立不等式

2つ以上の不等式を同時にみたす xx の範囲を求めるのが、連立不等式です。1つずつ解いてから、数直線で重なる部分をさがします。

x > 1 と x ≦ 4 の重なり −10123456 重なる部分 答え:1 < x ≦ 4
x>1 と x≦4 が重なる部分が答え(1<x≦4)

重なる部分がないこともあります。たとえば x>5x>5 と x<2x<2 を同時にみたす数はないので、「解なし」と答えます。また、1<x≦41<x\leqq4 のように、1つの式で両側の範囲をまとめて書く形もよく使います。

テスト・入試ではこう出る

中学1年で「数量の関係を不等式で表す」ことを習います。不等式を解くのは高校の数学Ⅰ(一次不等式)です。数学Ⅰでは、一次不等式・連立不等式を解く問題、文章題(代金・人数など)、整数の解の個数を問う問題がよく出ます。そのあと2次不等式・絶対値をふくむ不等式・不等式の証明へと続きます。高校入試では、「数量の関係を不等式で表しなさい」という形で出ることがあります。

例題1(一次不等式)

不等式 4x−3<2x+54x-3<2x+5 を解きなさい。

  1. xx の項を左、数を右に移項:4x−2x<5+34x-2x<5+3。
  2. まとめて 2x<82x<8。
  3. 両辺を正の数 2 で割る(向きはそのまま):x<4x<4。

答え x<4x<4

例題2(文章題)

1 個 150 円のケーキを何個かと、200 円の箱を 1 つ買います。代金の合計を 1500 円以下にするとき、ケーキは最大で何個買えますか。

  1. ケーキを xx 個買うとすると、代金は 150x+200150x+200 円。これが 1500 円以下なので 150x+200≦1500150x+200\leqq1500。
  2. 移項して 150x≦1300150x\leqq1300、x≦1300150=8.66⋯x\leqq\dfrac{1300}{150}=8.66\cdots。
  3. xx は個数なので整数。いちばん大きいのは 8。
  4. たしかめ:8 個で 1200+200=14001200+200=1400 円(OK)、9 個で 1350+200=15501350+200=1550 円(オーバー)。

答え 8 個

机で勉強するうかるくん

うかるくん

文章題は「以下」「未満」を見落とさないこと。最後に、答えを入れてたしかめよう!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

負の数で割ったら不等号の向きを反対に! −2x<6-2x<6 は x>−3x>-3 だよ。

  • 負の数で割ったのに向きを変え忘れる:−2x<6-2x<6 の解は x>−3x>-3 です。x<−3x<-3 はまちがいです。
  • 「以上・以下」と「未満」を取りちがえる:「以上」「以下」はその数をふくむ(≧\geqq、≦\leqq)、「未満」「より大きい」はふくまない(<<、>>)です。
  • 連立不等式で範囲を取りちがえる:x>1x>1 と x≦4x\leqq4 を両方みたすのは 1<x≦41<x\leqq4 です。数直線にかいて、重なる部分を答えます。
  • 文字の式で割るときに符号を考えない:ax>3ax>3 を x>3ax>\dfrac3a とするのは、aa が正のときだけです。aa が負なら x<3ax<\dfrac3a、a=0a=0 なら割れません。文字で割るときは、正・負・0 で場合分けします。
  • 文章題の答えを小数のままにする:例題2の x≦8.66⋯x\leqq8.66\cdots のように、個数や人数は整数で答えます。「8.66 個」とは答えません。

ことばの由来・歴史

「不等式」は、等しくない(不等)関係を表す式という意味です。英語では inequality(イニクオリティ)といい、equality(等しいこと)に「否定」の in がついた言葉です。

記号の << と >> は、イギリスのトマス・ハリオットの本(1631 年出版)で使われたのが広まったとされています。日本の教科書では「以上・以下」を ≧\geqq、≦\leqq と下に2本線をつけて書きますが、海外では1本線の ≥、≤ もよく使われます。意味は同じです。

ミニ問題

問題1 不等式 −3x+2>11-3x+2>11 を解きましょう。

答えと解き方を見る

x<−3x<-3 です。22 を移項して −3x>9-3x>9。両辺を −3-3 で割るので、向きが反対になり x<−3x<-3。たしかめ:x=−4x=-4 なら 12+2=14>1112+2=14>11 で成り立ちます。

問題2 連立不等式 2x−1>32x-1>3、x+4≦10x+4\leqq10 を解きましょう。

答えと解き方を見る

2<x≦62<x\leqq6 です。1つ目から 2x>42x>4、x>2x>2。2つ目から x≦6x\leqq6。数直線にかいて重なる部分を答えます。2 はふくまず、6 はふくみます。

問題3 不等式 2x+3>5x−92x+3>5x-9 をみたす自然数 xx をすべて答えましょう。

答えと解き方を見る

1、2、3 です。

  1. 5x5x を左へ、33 を右へ移項:2x−5x>−9−32x-5x>-9-3、−3x>−12-3x>-12。
  2. −3-3 で割るので向きが変わり、x<4x<4。
  3. 4 より小さい自然数は 1、2、3(4 はふくまない)。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

不等式とは何ですか?

2つの数や式の大小の関係を、不等号(<、>、≦、≧)で表した式です。

以上・以下・未満のちがいは何ですか?

以上と以下はその数をふくみ、≧と≦で表します。未満はその数をふくまず、<で表します。3以上は3をふくみ、3未満は3をふくみません。

不等号の向きが変わるのはどんなときですか?

両辺に負の数をかけたときと、両辺を負の数で割ったときです。2<5に-1をかけると、-2>-5になります。

不等式でも移項はできますか?

できます。両辺に同じ数を足したり引いたりしても不等号の向きは変わらないので、方程式と同じように移項できます。

連立不等式はどう解きますか?

1つずつ不等式を解き、数直線にかいて、すべての不等式をみたす重なった部分を答えます。重なりがなければ解なしです。

不等式は何年生で習いますか?

中学1年で、数量の関係を不等式で表すことを学びます。一次不等式を解くのは高校の数学Ⅰです。

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第1学年 A 数と式(不等式を用いた表現)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(数と式:一次不等式)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦