この公式のポイント
- ∣a∣ は0からの距離。a<0 なら ∣a∣=−a
- ∣x−a∣ は x と a の距離。不等式は数直線で読む
- 「<」は内側、「>」は外側
- a2=∣a∣、三角不等式 ∣a+b∣≤∣a∣+∣b∣

うかるくん
∣x−3∣<2 って、どう読めばいいの?
![合格先生]()
合格先生
「3からの距離が2未満」と読むんだ。数直線を見れば、1<x<5 だとすぐ分かるぞ。
絶対値とは:0からの距離
数 a の絶対値 ∣a∣ は、数直線上で0からの距離です。距離なので、いつも0以上です。
絶対値の定義と基本の公式
∣a∣={a−a(a≥0)(a<0)- ∣x−a∣ は、数直線上のx と a の距離
- ∣x∣<r⟺−r<x<r ∣x∣>r⟺x<−r または x>r(r>0)
- a2=∣a∣
- 三角不等式:∣a+b∣≤∣a∣+∣b∣
a<0 のとき ∣a∣=−a となるのは、−a が正の数になるからです(例:∣−5∣=−(−5)=5)。
絶対値の不等式は「距離」で読む
∣x−3∣<2 は「x と 3 の距離が 2 より小さい」。3 から左右に 2 ずつ広げた範囲
∣x−3∣<2 を場合分けで解くこともできますが、「3からの距離が2未満」と読めば、数直線を見るだけで 1<x<5 と分かります。∣x−3∣≥2 なら、その外側の x≤1 または x≥5 です。
証明:三角不等式 |a+b| ≦ |a|+|b|
両辺とも0以上なので、2乗して大小をくらべます。
(∣a∣+∣b∣)2−∣a+b∣2=(a2+2∣a∣∣b∣+b2)−(a2+2ab+b2)=2(∣ab∣−ab)≥0
ab≤∣ab∣ はいつも成り立つ(ab が負なら ∣ab∣ のほうが大きく、0以上なら等しい)ので、∣a+b∣≤∣a∣+∣b∣。等号は ab≥0(同じ符号か、どちらかが0)のとき。
意味:数直線で「0 から a 進み、さらに b 進む」とき、到着点の0からの距離 ∣a+b∣ は、進んだ道のりの合計 ∣a∣+∣b∣ をこえない、ということです。
高校受験(中学数学)での使い方
絶対値は中学1年で学びます(正の数・負の数)。
高校受験例題1(絶対値の大小)
絶対値が 2.5 以下の整数をすべて求めなさい。
解き方
0からの距離が2.5以下の整数なので、−2, −1, 0, 1, 2。
答え −2, −1, 0, 1, 2(5個)
高校受験例題2(距離)
数直線上で、
−3 と
5 の間の距離を求めなさい。
解き方
∣5−(−3)∣=8。
答え 8
大学受験(数学Ⅰ)での使い方
大学受験例題3(不等式)
不等式
∣2x−1∣≥3 を解きなさい。
解き方
2x−1≤−3 または 2x−1≥3。
x≤−1 または x≥2。
答え x≤−1, x≥2
大学受験例題4(絶対値が2つ)
方程式
∣x−1∣+∣x+2∣=5 を解きなさい。
解き方
絶対値の中が0になる x=1, −2 で場合分けします。
x≥1:(x−1)+(x+2)=5、x=2(適)。−2≤x<1:(1−x)+(x+2)=3=5(解なし)。x<−2:(1−x)+(−x−2)=5、x=−3(適)。
距離で読むと「1 と −2 からの距離の和が5」。2点の間(長さ3)の外に1ずつ出た点です。
答え x=−3, 2
例題4:y=∣x−1∣+∣x+2∣ のグラフ。−2≤x≤1 では2点の間の距離 3 で平ら。直線 y=5 と交わる x=−3, 2 が解
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
a2=a としてはだめだ。a が負なら −a になる。正しくは ∣a∣ だぞ。
- ∣x∣>r を −r<x<r にする:「より大きい」は外側、「より小さい」は内側。
- a2=a とする:a が負のときは −a。正しくは ∣a∣。
- 場合分けの範囲を確かめない:出た答えがその場合の範囲に入っているか確認する。
練習問題
- 高校受験 絶対値が 3.5 より小さい整数は何個ありますか。
答えと解説を見る
−3 から 3 まで。答え 7 個 - 大学受験 不等式 ∣x+1∣le4 を解きなさい。
答えと解説を見る
−4lex+1le4。答え −5lexle3 - 大学受験 ∣x−1∣+∣x−5∣ の最小値を求めなさい。
答えと解説を見る
1と5からの距離の和。1lexle5 のとき最小で 4。答え 4
関連する公式
よくある質問
絶対値とは何ですか?
数直線上で、その数と0との距離です。|−5|=5、|5|=5 のように、いつも0以上になります。
絶対値の外し方は?
中身が0以上ならそのまま、負なら−をつけて外します。中身の符号が分からないときは、中身が0になる値で場合分けします。
|x−3|<2 の解き方は?
「xと3の距離が2より小さい」と読み、1<x<5 です。
三角不等式とは?
|a+b|≦|a|+|b| のことです。両辺を2乗してくらべると証明できます。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第1学年(正の数・負の数)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学Ⅰ(数と式)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦