移項とは?意味と符号が変わる理由をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

移項とは?意味と符号が変わる理由をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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高校受験

移項とは

等式の一方の辺にある項を、符号を変えてもう一方の辺へ移すことです。x+3=7x+3=7 の +3+3 を右辺へ移すと −3-3 になり、x=7−3x=7-3 となります。「両辺から同じ数をひく(たす)」という等式の性質を、近道で書いたものです。

読み方:いこう/英語:transposition/習う学年:中学1年(一元一次方程式)

サクラちゃん

サクラちゃん

移項すると、いつも符号を変え忘れちゃうんです…

合格先生

合格先生

移項は「両辺から同じ数をひく」の近道なんだ。x+3=7x+3=7 なら両辺から 3 をひくから、右辺は 7−37-3。理由がわかれば、符号はしぜんに変わるよ。

この用語のポイント

  • 移項=項を、符号を変えて反対の辺へ移す(x+3=7x+3=7 → x=7−3x=7-3)
  • 正体は等式の性質「両辺から同じ数をひく(たす)」
  • 移項できるのは項だけ。3x3x の 3(係数)は両辺をわって消す

やさしく言うと

移項は、等式の一方の辺にある項を、符号を変えて、もう一方の辺へ移すことです。x+3=7x+3=7 の +3+3 を右辺へ移すと −3-3 になり、x=7−3x=7-3 となります。

  • てんびん:左に「xx の箱と 3g のおもり」、右に「7g のおもり」でつりあっているとき、両方から 3g ずつ取っても、つりあいは変わりません。すると左は箱だけ、右は 7−37-3 g。左の「+3」が右の「−3」になりました。
  • おこづかい:「今持っているお金に 300 円たすと 1000 円になる」なら、今持っているお金は「1000 円 − 300 円」。たりない分を出すとき、自然に移項と同じことをしています。
  • へやの片づけ:本は本だなへ、服はたんすへ。方程式も、文字の項は左辺へ、数の項は右辺へ集めて整理すると、答えが見えてきます。

まとめると、移項は「両辺から同じ数をひく(たす)」という等式の性質を、近道で書く方法です。

x37 x4 x + 3 = 7 x = 4 両方から 3 を取る x + 3 − 3 = 7 − 3 → x = 7 − 3 左辺の +3 が、右辺で −3 になった これが「移項」の正体
両方の皿から 3 を取ると x=4。左の+3 が右で−3 になる
指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

移項は「両辺から同じ数をひく」の近道。だから符号が変わるのね!

正しい移項と、まちがった移項

○ 正しい移項

  • x+3=7x+3=7 → x=7−3x=7-3
  • x−2=5x-2=5 → x=5+2x=5+2
  • 5x=2x+95x=2x+9 → 5x−2x=95x-2x=9
  • 4x−7=2x+54x-7=2x+5 → 4x−2x=5+74x-2x=5+7
  • −x+6=1-x+6=1 → −x=1−6-x=1-6
  • 不等式 x+3>7x+3>7 → x>7−3x>7-3(不等式でも移項できる)

× まちがい

  • x+3=7x+3=7 → x=7+3x=7+3(符号を変えていない)
  • 3x=123x=12 → x=12−3x=12-3(3 は項ではなく係数)
  • 5x=2x+95x=2x+9 → 5x+2x=95x+2x=9(符号を変えていない)
  • x+3=7x+3=7 → x−3=7x-3=7(同じ辺の中で符号だけ変えた)
  • 2(x+1)=82(x+1)=8 → 2x=8−12x=8-1(かっこをはずす前に移項した)

移項できるのは、+や−でつながった「項」だけです。3x3x の 3 のように、文字にかけられている数(係数)は移項できません。係数は、両辺をその数でわって消します。

図で見る

移項は、矢印で表すとわかりやすくなります。項が「=」をこえて反対側へ行くと、符号が反対になるのがポイントです。

項を反対の辺へ移すと、符号が変わる x +3 = 7 x = 7 −3 右辺へ移す(+ → −) 5x = 2x + 9 5x −2x = 9 左辺へ移す(+ → −) 文字の項は左辺へ、数の項は右辺へ集めるのがふつう
=をこえて移ると、+は−に、−は+に変わる
うかるくん

うかるくん

どうして「=」をこえると、符号が変わるんですか? ルールとして覚えるしかないんでしょうか。

合格先生

合格先生

x+3=7x+3=7 の両辺から 3 をひくと、x+3−3=7−3x+3-3=7-3。左辺の +3−3+3-3 は 0 になって消え、右辺に −3-3 だけが残るよね。この 2 行を 1 行で書いたのが移項なんだ。理由がわかっていれば、まちがえなくなるよ。

移項できる理由(等式の性質)

移項は、等式の性質から出てくる方法です。

もとの式等式の性質移項で書くと
x+3=7x+3=7両辺から 3 をひく:x+3−3=7−3x+3-3=7-3x=7−3x=7-3
x−2=5x-2=5両辺に 2 をたす:x−2+2=5+2x-2+2=5+2x=5+2x=5+2
5x=2x+95x=2x+9両辺から 2x2x をひく:5x−2x=2x+9−2x5x-2x=2x+9-2x5x−2x=95x-2x=9

文字の項でも、数の項と同じように移項できます。どの項を移しても、符号を変えれば正しいのですが、ふつうは「文字の項は左辺、数の項は右辺」に集めます。そうすると、最後に ax=bax=b の形になり、両辺を aa でわれば答えが出ます。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

移項したら、最後に「x の係数でわる」までやって完成だ!

一次方程式を解く手順

一次方程式は、だいたい次の順で解きます。移項は、その中の大事な 1 ステップです。

3(x − 2) = x + 4 を解く ① かっこをはずす3x − 6 = x + 4② 移項する3x − x = 4 + 6③ まとめる(ax=b)2x = 10④ x の係数でわるx = 5 分数・小数があるときは、先に両辺に数をかけて整数に
かっこ → 移項 → まとめる → 係数でわる

分数や小数をふくむ方程式は、はじめに両辺に同じ数をかけて、整数だけの式に直してから移項すると、計算ミスがへります(分母をはらう、といいます)。

係数は移項できない

移項でいちばん多いまちがいは、かけ算の数まで移項してしまうことです。

3x = 12 3 は x に「かけられている数(係数)」 × 移項 x = 12 − 3 x = 9 ? ○ 両辺を 3 でわる x = 12 ÷ 3 x = 4 移項できるのは、+や−でつながった項だけ
3x=123x=12 の 3 は係数。移項ではなく、両辺を 3 でわる

3x3x は「3×x3\times x」で、3 と xx は 1 つの項です。だから「3 だけ」を移すことはできません。たし算・ひき算でつながっているものは移項、かけ算でついているものは両辺をわる、と区別しましょう。

テスト・入試ではこう出る

移項は中学 1 年の一次方程式で習います。そのあとの連立方程式・二次方程式・不等式・関数の問題など、式を変形する場面では、ほとんど毎回使います。高校入試でも、計算問題の方程式はもちろん、文章題で立てた方程式を解くときに必ず使います。ミスのほとんどは符号の変え忘れなので、解いたら答えを代入してたしかめるくせをつけましょう。

例題1(移項の基本)

方程式 4x−7=2x+54x-7=2x+5 を解きなさい。

  1. xx の項 2x2x を左辺へ、数の項 −7-7 を右辺へ移項する(符号を変える):4x−2x=5+74x-2x=5+7
  2. まとめる:2x=122x=12
  3. 両辺を 2 でわる:x=6x=6

答え x=6x=6(たしかめ:左辺 24−7=1724-7=17、右辺 12+5=1712+5=17)

例題2(かっこがある方程式)

方程式 3(x−2)=x+43(x-2)=x+4 を解きなさい。

  1. かっこをはずす:3x−6=x+43x-6=x+4
  2. 移項:3x−x=4+63x-x=4+6
  3. まとめる:2x=102x=10
  4. 両辺を 2 でわる:x=5x=5

答え x=5x=5(たしかめ:左辺 3×(5−2)=93\times(5-2)=9、右辺 5+4=95+4=9)

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

移したら符号を変える。そして係数は移項しない(両辺をわる)!

  • 符号を変えずに移す:x+3=7x+3=7 → x=7+3=10x=7+3=10 は×。反対の辺へ移したら符号を変えて、x=7−3=4x=7-3=4 です。
  • 係数を移項する:3x=123x=12 → x=12−3x=12-3 は×。3 は係数なので、両辺を 3 でわって x=4x=4 です。
  • かっこをはずす前に移項する:2(x+1)=82(x+1)=8 で、+1+1 だけを移して 2x=8−12x=8-1 とするのは×。先にかっこをはずして 2x+2=82x+2=8、移項して 2x=62x=6、x=3x=3 です。
  • 移項して終わりにする:2x=122x=12 で止めてしまうミスです。最後に両辺を xx の係数でわって x=6x=6 まで出します。
  • 分母をはらうとき、一部の項にだけかける:x2−1=x3+1\dfrac x2-1=\dfrac x3+1 に 6 をかけるとき、3x−1=2x+13x-1=2x+1 とするのは×。−1-1 と +1+1 にもかけて、3x−6=2x+63x-6=2x+6 です。

ことばの由来

移項は「項を移す」という意味です。「移」はうつす、「項」は式をつくっている 1 つ 1 つの部分のことです(4x−74x-7 なら、4x4x と −7-7 が項)。英語では transposition(トランスポジション:位置を入れかえること)といいます。

方程式を解くとき、項を反対側へ移して整理する考え方は、とても古くから使われてきました。9 世紀のアラビアの数学者フワーリズミーの本の題名にある「アル・ジャブル」という言葉は、こうした式の整理のしかたを表すもので、のちに algebra(代数学)という言葉のもとになったといわれています。

ミニ問題

問題1 方程式 x−8=−3x-8=-3 を、移項を使って解きましょう。

答えと解き方を見る

x=5x=5 です。左辺の −8-8 を右辺へ移項すると +8+8 になるので、x=−3+8=5x=-3+8=5。たしかめ:5−8=−35-8=-3 で成り立ちます。

問題2 方程式 7−2x=3x+227-2x=3x+22 を解きましょう。

答えと解き方を見る

x=−3x=-3 です。

  1. 3x3x を左辺へ、77 を右辺へ移項:−2x−3x=22−7-2x-3x=22-7
  2. まとめる:−5x=15-5x=15
  3. 両辺を −5-5 でわる:x=−3x=-3

たしかめ:左辺 7−2×(−3)=137-2\times(-3)=13、右辺 3×(−3)+22=133\times(-3)+22=13 で等しい。

問題3 方程式 x2−1=x3+1\dfrac x2-1=\dfrac x3+1 を解きましょう。

答えと解き方を見る

x=12x=12 です。

  1. 分母の 2 と 3 の最小公倍数 6 を、両辺のすべての項にかける:3x−6=2x+63x-6=2x+6
  2. 移項:3x−2x=6+63x-2x=6+6
  3. x=12x=12

たしかめ:左辺 6−1=56-1=5、右辺 4+1=54+1=5。−1-1 や +1+1 に 6 をかけ忘れると、答えがずれます。

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よくある質問

移項とは何ですか?

等式の一方の辺にある項を、符号を変えてもう一方の辺へ移すことです。x+3=7なら、x=7−3になります。

移項するとなぜ符号が変わるのですか?

移項は、両辺から同じ数をひく(または両辺に同じ数をたす)ことを短く書いたものだからです。x+3=7の両辺から3をひくと、x=7−3になります。

3x=12の3は移項できますか?

できません。3はxにかけられている係数で、項ではないからです。両辺を3でわってx=4とします。

文字の項も移項できますか?

できます。5x=2x+9なら、2xを左辺へ移項して5x−2x=9とします。ふつうは文字の項を左辺、数の項を右辺に集めます。

不等式でも移項できますか?

できます。両辺に同じ数をたしたりひいたりしても不等号の向きは変わらないので、移項してもかまいません。

移項は何年生で習いますか?

中学1年の一次方程式で習います。

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第1学年 A 数と式(一元一次方程式)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦