有名な数学者一覧 › 古代 › 古代ギリシャ(アレクサンドリア)
中学受験高校受験大学受験
パップスPappus
ひとことで言うと
中線定理と、回転体の体積を「面積×重心の道のり」で求めるパップス・ギュルダンの定理で知られる、古代ギリシャ最後の大数学者。全8巻の『数学集成』を書いた。
| 名前 | パップス(Pappus of Alexandria、パッポス) |
|---|---|
| 生没年 | 290年ごろ〜350年ごろ(正確な年は不明) |
| 国 | 古代ギリシャ(エジプトのアレクサンドリア) |
| 分野 | 幾何学・天文学・力学 |
| 主な業績 | 『数学集成』全8巻、中線定理、重心を使った回転体の体積の定理、六角形定理、パップスの問題、算術・幾何・調和平均の図 |
| 名前がつくもの | パップスの中線定理・パップス・ギュルダンの定理・パップスの六角形定理・パップスの問題・パップスの鎖 |
| よばれ方 | ギリシャ数学の最後の大数学者、古代数学の語り部 |
このページのポイント
- 三角形の中線の長さを求める中線定理(パップスの中線定理)は、中学・高校の図形の定番
- 回転体の体積は「面積×重心が動く道のり」(パップス・ギュルダンの定理)。球の体積の公式もこれで出せる
- 全8巻の『数学集成』で古代ギリシャ数学を後の世に伝え、デカルトの座標幾何学のきっかけも作った
パップスは何をした人?(業績をひとことで)
パップス(290年ごろ〜350年ごろ)は、古代ギリシャの数学者で、エジプトのアレクサンドリアで活躍しました。ギリシャ数学の最後の大きな輝きといわれる人です。いちばん有名な仕事は、全8巻の大著『数学集成(シュナゴーゲー)』です。ユークリッドやアポロニウスなど、先人の仕事をまとめ、わかりやすく説明し、そのうえで自分の新しい発見も書き加えました。
名前のついた定理は3つあります。1つめは、三角形の中線の長さを求める中線定理(パップスの中線定理)。2つめは、回転体の体積を「面積×重心が動く道のり」で求めるパップス・ギュルダンの定理。3つめは、2本の直線の上の6点から3つの交点が一直線にならぶパップスの六角形定理です。どれも、中学受験から大学入試までに出てくる考え方の、もとになっています。
パップスのいちばん大きな功績は、古代ギリシャ数学を後の世に伝えたことだともいわれます。『数学集成』には、いまでは失われた多くの本の内容が引用されており、パップスがいなければ、私たちはギリシャ数学の半分を知らなかったかもしれません。
うかるくん
パップスさんの名前がついた定理って、3つもあるんですか! 同じ人なのに、ぜんぜんちがう話みたいです。
合格先生
そうなんだ。中線定理は「長さ」、ギュルダンの定理は「体積」、六角形定理は「一直線にならぶ点」の話だね。でも、どれも「図形の中の大切な点や線を、うまく見つける」という点が共通しているんだよ。しかも約1700年前の人が見つけたことが、いまの入試問題でそのまま使えるんだ。

パップスの生涯と年表
アレクサンドリアに生きた数学者
パップスは、エジプトのアレクサンドリアで生まれ、そこで一生を過ごしたとみられています。生まれた年・亡くなった年は、はっきりした記録がなく、290年ごろ〜350年ごろとされます。かつては「3世紀の終わりごろ」や「4世紀の終わりごろ」とする説もありました。いまは、パップス自身が書いた『アルマゲスト注釈』に、日食の観測が出てくることから、320年ごろに活動していたことが確かめられています。
当時のアレクサンドリアは、ユークリッドの業績と生涯やアルキメデスの業績と生涯がかつて学び、働いた、学問の都でした。ただし、パップスが生きた4世紀は、ギリシャ数学の最盛期(紀元前3世紀ごろ)から、すでに500年ほどあとです。新しい発見は少なくなり、古い名著を読み解き、守り伝える時代でした。
『数学集成』ができるまで
パップスは、プトレマイオスの『アルマゲスト』の注釈や、ユークリッド『原論』の注釈などを書いたと伝えられます。いちばんの大作が、全8巻の『数学集成』です。第1巻は算数、第2巻は大きな数の表し方、第3巻は平均と正多面体、第4巻は曲線と角の三等分、第5巻は図形の面積・体積くらべ、第6巻は天文学の小さな名著の解説、第7巻は「解析の宝庫」、第8巻は力学です(第1巻は失われ、第2巻は一部が失われています)。
パップスは、先人の本を、ただ写したのではありません。「どうしてそうなるのか」を丁寧に補い、いくつもの新しい命題を加えました。そのため、『数学集成』は、後の時代の数学者にとって「ギリシャ数学の百科事典」になりました。ヒュパティアの業績と生涯も、同じアレクサンドリアで、少し後の時代に数学と天文学を教えた人です。
ルネサンスでよみがえる
『数学集成』は、長いあいだ、ごく一部の人にしか知られていませんでした。1588年、イタリアの数学者コマンディーノが、これをラテン語に訳して出版します(上の扉の絵は、1589年のヴェネツィア版です)。すると、デカルトの業績と生涯やフェルマーの業績と生涯など、17世紀の数学者たちが、競って読むようになりました。デカルトの『幾何学』(1637年)は、パップスが書き残した「ある問題」を解くところから生まれた、といわれます(くわしくは後で説明します)。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 紀元前3世紀 | アレクサンドリアでユークリッドらが活躍(パップスより500年ほど前) |
| 290年ごろ | パップスが生まれたとされる(アレクサンドリア) |
| 320年ごろ | 『アルマゲスト注釈』に日食の観測。この年ごろに活動していたことが分かる |
| 4世紀前半 | 全8巻の『数学集成』を書く(中線定理・六角形定理・重心の定理を含む) |
| 350年ごろ | パップスが亡くなったとされる |
| 1588年 | コマンディーノが『数学集成』をラテン語に訳して出版する |
| 1637年 | デカルト『幾何学』。パップスの問題が出発点のひとつになったとされる |
| 1639年 | パスカルが16歳で「神秘の六角形」の定理を発見(パップスの六角形定理の一般化) |
| 1640年ごろ | ギュルダンが「重心が動く道のり」の定理を発表(のち「パップス・ギュルダンの定理」) |
| 1822年 | ポンスレらにより射影幾何学が整い、パップスの定理が土台のひとつと見直される |
パップスの主な業績をやさしく解説
業績1 中線定理(パップスの中線定理)
三角形ABCで、辺BCの中点をMとします。頂点AとMを結んだ線分AMを中線といいます。このとき、次の式が成り立ちます。
図の三角形は、AB=5、AC=7、BC=6です。左の辺は 。右は、BM=3 なので、AM² が 28 とわかります。 で、ぴったり合います。つまり、3辺の長さがわかれば、中線の長さが求められます。
日本では「中線定理」や「パップスの中線定理」とよばれます。この結果は『数学集成』第7巻の命題122にのっています。一方、西洋ではアポロニウスの定理とよぶのがふつうです。アポロニウスの失われた本『平面軌跡』にあったかもしれない、と考えられているからです(はっきりしません)。証明は、点Aから辺BCへ垂線をおろし、三平方の定理を2回使うだけです。この定理を一歩広げたものが、スチュワートの定理です。
業績2 パップス・ギュルダンの定理(回転体の体積の魔法)
平面の図形を、同じ平面の中の直線(回転の軸)のまわりに1回転させます。軸をまたがない図形なら、できる立体の体積は、次のように求められます。
体積 = 図形の面積 × 図形の重心が動く道のり
これがパップス・ギュルダンの定理です。「重心」は、図形のつりあいの中心です。たとえば、半径 の半円を直径のまわりに回すと、球ができます。半円の重心は、軸から はなれた点にあります。重心が1周で動く道のりは 、半円の面積は ですから、体積は次のとおりです。
これは、球の体積の公式そのものです(球の体積と表面積の公式)。積分を使わずに、球の体積の公式が出てくるところが、この定理のおもしろさです。
円を軸の外側で回すと、ドーナツ形(トーラス)ができます。円の半径を 、円の中心から軸までの距離を とすると、円の面積 に、中心の道のり をかけて、体積は です。回転体の意味の体積を、積分で求める方法と、ギュルダンの定理で求める方法の2つを覚えておくと、検算に使えます。
この定理は、面積と重心の位置がすぐ分かる図形(長方形・三角形・円など)の回転体にとても強い方法です。曲線の長さ×曲線の重心の道のりで表面積も求められます。「パップス・ギュルダン」という名前のとおり、実際に発表したのは、1640年ごろのスイスの数学者ポール・ギュルダンです。パップスはすでに『数学集成』でこの結果を述べていたとされますが、ギュルダンが知っていたのかは、はっきりしません。
業績3 パップスの六角形定理(交点が一直線に)
平面に、2本の直線をかきます。1本の上に3点A、B、C、もう1本の上に3点a、b、cをとります。次に、AとbとaとB、AとcとaとC、BとcとbとCを、それぞれ結びます。すると、できる3つの交点は、かならず1本の直線の上にならびます。
点をどこにとっても成り立つ、というところが不思議です。この定理は、「どこかの長さを測る」話ではなく、点と直線の位置関係だけの話です。こうした、長さや角度を使わない幾何学を射影幾何学といい、パップスの定理は、その土台の1つとされています。のちにパスカルの業績と生涯は、2本の直線のかわりに円や楕円を使った一般の場合(パスカルの定理)を、16歳のときに発見しました。パップスの定理は、その特別な場合にあたります。
業績4 3つの平均と、ハチの巣の六角形
『数学集成』第3巻には、算術平均・幾何平均・調和平均の関係を、半円で示す図が出てきます。図のように、直径ABの上に点Cをとり、AC=、CB= とします。半径ODは (算術平均)、Cからの垂線CDは (幾何平均)、CからODへ垂線をおろしてできるDFは (調和平均)です。図を見れば、大きさの順は一目でわかります。
算術平均と幾何平均の大小関係は、受験でおなじみの相加平均と相乗平均の関係です(相加平均と相乗平均の意味)。第5巻には、「ハチはなぜ六角形の巣を作るのか」という話もあります。パップスは、まわりの長さが同じなら、辺の数が多い図形ほど面積が大きくなることを、説明しました。
正三角形は辺の数が3、正方形は4、正六角形は6ですから、六角形は同じ材料(まわりの長さ)で、広い部屋を作れます。しかも六角形は、すきまなくならべられます。正三角形・正方形・正六角形の3つだけが、すきまなく平面をうめられる正多角形です。パップスは、ハチは、この事実を「知っている」と、感心して書いています。
業績5 パップスの問題と、解析の方法
『数学集成』第7巻には、「解析の宝庫(Treasury of Analysis)」とよばれる部分があります。ここでパップスは、「解析」と「総合」という2つの考え方の使い分けを説明しました。解析は、「求めるものがもうできた」と仮定して、そこから逆にさかのぼって考える方法です。総合は、すでに分かっていることから出発して、順に答えへ進む方法です。いまの入試問題でいう「逆から考える」「結論を仮定して手がかりをさがす」は、この「解析」に近い考え方です。
また、同じ巻には、3本または4本の直線に対して「ある条件を満たす点の集まりは、どんな曲線になるか」という問題があります。これがパップスの問題です。ユークリッドやアポロニウスが、部分的に解いていたと伝えられますが、一般には誰も解けませんでした。1630年代にこの問題に挑んだのがデカルトの座標幾何学です。デカルトは、点の位置を数で表す座標と、曲線を式で表す方法を発明して、この問題をすべて解きました。パップスの問題が、座標幾何学の誕生を後押ししたのです。
パップスの名前がつく公式・定理・用語
- 中線定理(パップスの中線定理):。三角形の中線の長さを求める公式(中線定理の公式と証明、中線定理の意味)。
- パップス・ギュルダンの定理:回転体の体積=図形の面積×重心が動く道のり(パップス・ギュルダンの定理の証明と例題)。
- パップスの六角形定理:2直線上の3点ずつから作る3つの交点は一直線上にある。
- パップスの問題:3本・4本の直線に対する点の軌跡の問題。デカルトの座標幾何学のきっかけ。
- パップスの鎖:アルベロス(半円の中をさらに2つの半円で分けた形)に、円を次々に接するようにならべた図形。アルキメデスの仕事に始まる題材で、パップスがくわしく調べたとされます。
- 算術平均・幾何平均・調和平均の図:半円で3つの平均を比べる図(『数学集成』第3巻)。
三角形の重心は、3本の中線が2:1に分かれる点です。重心の性質(中線を2:1に分ける)と外心・内心・重心の意味も確かめておくと、ギュルダンの定理がぐっと使いやすくなります。

合格先生
「パップス」は、入試では中線定理と回転体の体積で出てくる人。中線を見たら中線定理、回転体は「面積×重心の道のり」で検算しよう。
パップスの逸話と名言
ハチは幾何学者?
パップスは『数学集成』第5巻のはじめに、ハチの巣について、次のように書いたとされます。
ハチは、自分たちにとって役に立つこと、つまり六角形が、正方形や正三角形より大きく、同じ量の材料でより多くの蜜をためられることを知っている。
神さまが、生き物に「幾何学の知恵」をさずけた、というパップスの考え方は、当時の人らしい見方です。現代の数学では、「ハニカム予想」として、六角形が最もむだの少ない分け方だとする証明が、1999年にトーマス・ヘイルズによって発表されています。
失われた本の「語り部」
パップスの本には、いまは失われた多くの本の内容が書き残されています。たとえば、ユークリッドの『ポリズム』(くわしい中身は伝わっていません)は、パップスの解説でわずかに内容が分かります。このため、ギリシャ数学の歴史を調べる人にとって、パップスは「もっとも大切な語り部」のひとりです。
「古い数学の最後の人」
パップスは、「ギリシャ数学の最後の大数学者」とよばれることがあります。ところが、本人は、自分の仕事を「新しい発見」とは考えていなかったのかもしれません。パップス自身、先人の仕事をきちんと紹介することに、大きな意味を見ていたと思われます。この点で、パップスは、現代の「教科書を書く人」や「まとめ上手な先生」にも近い存在です。
サクラちゃん
パップスさんは、自分で新しい定理を見つけた人というより、昔の人の話をまとめた人なんですか?
合格先生
まとめただけじゃないんだ。説明が足りないところは自分で証明を補ったし、新しい命題も加えている。それに、パップスがまとめてくれたから、後の時代にデカルトが「パップスの問題」を知ることができたんだ。「教える人」の仕事が、新しい発見の火種になることもあるんだよ。
受験・勉強とパップスのつながり
中学受験:回転体と体積
中学受験では、長方形や直角三角形を回転させてできる立体の体積が、定番の問題です。ふつうは、円柱や円すいに分けて計算します。ギュルダンの定理は、その検算として使えます。回転体の体積の求め方と、回転体の意味、円すい・角すいの体積と表面積をいっしょに確かめると、理解が深まります。
高校受験:中線定理と図形の性質
三角形の辺の長さが分かっていて、中線の長さを求めさせる問題は、高校入試の図形でよく出ます。中線定理を知っていれば、三平方の定理を2回使う計算を、1回の式でおえられます。中線は、中点連結定理や、重心の性質ともつながります。
大学受験:回転体・重心・軌跡
大学入試では、曲線をまわした回転体の体積は、積分で求めるのが基本です。ギュルダンの定理は、答えの検算として、あるいは記述のあとに書く「別解」として役に立ちます。ただし、答案の本文では、定理の名前だけでなく、面積・重心の座標・道のりを、きちんと示す必要があります。また、「3本の直線から等しい距離にある点の軌跡」といった問題は、パップスの問題の簡単な形です(軌跡と領域の考え方)。
勉強法として:同じ道具を、別の道で確かめる
パップスの定理には、同じ答えに、別々の道から着くという楽しさがあります。体積を、積分でも、ギュルダンの定理でも求める。三平方の定理でも、中線定理でも長さを求める。そうして「答えが合う」経験を重ねると、計算ミスに気づけるようになります。数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問)や、京大理系数学の出題分析(回転体の体積は頻出)もどうぞ。ギリシャ文字の読み方は、ギリシャ文字の読み方一覧(24文字)で確かめられます。
パップスがその後の数学にあたえた影響
- ギリシャ数学の保存:『数学集成』が、失われた多くの本の内容を伝えました。ルネサンスの数学者は、これを読んで、古代の数学を学びなおしました。
- 座標幾何学の誕生:パップスの問題は、デカルトの業績と生涯が座標幾何学を作るきっかけになりました。
- 射影幾何学:六角形定理は、パスカルの定理や、のちの射影幾何学(パスカルの六角形定理)につながります。現代の数学でも、パップスの定理は「体の公理」と結びついた性質として、教科書に載っています。
- 積分の先ぶれ:回転体の体積を調べる考え方は、17世紀のケプラーの業績と生涯らの研究を経て、のちの積分法へつながっていきます。重心を使った方法も、その道すじにあるものの1つです。
- 数学の「方法」への関心:解析と総合の説明は、「問題をどう考えるか」を意識した、最初期の文章のひとつです。
「パップスの定理」は、いまも、コンピュータで図形を扱う分野(ソフトでの作図や、図形の証明)にまで、顔を出します。2000年近く前の発見が、現代にも生きているのです。
パップスに挑戦!練習問題
やさしい
- 三角形ABCで、AB=5、AC=7、BC=6です。辺BCの中点をMとするとき、中線AMの長さを求めなさい。
答えと解説を見る
中線定理より 。 より 。したがって です。 - 半径3cmの半円を、直径のまわりに1回転させます。重心が軸から cm の位置にあるとして、ギュルダンの定理で体積を求めなさい。
答えと解説を見る
半円の面積は 。重心が動く道のりは 。体積は cm³。これは半径3の球の体積 と一致します。
ふつう
- 横4cm、縦6cmの長方形があります。縦の辺に平行で、長方形の左の辺から3cmはなれた直線ℓ(長方形の外)のまわりに、この長方形を1回転させます。できる立体の体積を、ギュルダンの定理で求めなさい。
答えと解説を見る
長方形の面積は 24。重心は長方形の中心で、ℓ から cm。道のりは 。体積は cm³。検算:外の半径7、内の半径3、高さ6の筒なので で一致します。 - 半径2cmの円を、中心が軸から5cmはなれるように置いて、軸のまわりに1回転させます。できるドーナツ形の体積を求めなさい。
答えと解説を見る
円の面積は 。中心の道のりは 。体積は cm³(公式 に 、 を入れても )です。
むずかしい
- 直角をはさむ2辺が3cmと4cmの直角三角形を、斜辺のまわりに1回転させます。できる立体の体積を、ギュルダンの定理で求めなさい。
答えと解説を見る
斜辺は5cm。斜辺を底辺とみたときの高さは 。三角形の重心は、底辺から高さの の位置なので、軸から 。道のりは 。面積は6なので、体積は cm³。検算:2つの円すいの合体で、半径 、高さの合計5だから です。 - 三角形ABCの3辺の長さを 、、 とし、3本の中線の長さを 、、 とします。 を、中線定理を使って示しなさい。
答えと解説を見る
中線定理から ( を について解いた形)。同じように 、。3つを足すと、分子は となり、 になります。
パップスと関係する数学者
- ユークリッド(原論):パップスが注釈を書いた、幾何学の基礎を作った人。
- アルキメデス(球の体積):重心や球の体積を研究した先輩。パップスの鎖の題材も、アルキメデスに始まるとされます。
- アポロニウス(円錐曲線):中線定理を、西洋で「アポロニウスの定理」とよぶことがあります。
- プトレマイオス(天文学):パップスが『アルマゲスト』の注釈を書いた相手。
- ヒュパティア:同じアレクサンドリアで少し後に活躍した数学者・天文学者。
- デカルト(座標幾何学):パップスの問題を座標で解いた人。
- パスカル(射影幾何学):パップスの六角形定理を、円や楕円へ広げた人。
数学の公式を1つずつ学ぶなら算数・数学の公式一覧(公式辞典)、用語は数学用語辞典(高校数学の言葉)、記号の意味は数学でよく使う記号の意味一覧(Σ・∫・≡)もどうぞ。
古代の数学者
- タレスの業績と生涯
「半円に対する円周角は直角」(タレスの定理)。証明を数学に持ちこんだ最初の人とされる - ピタゴラスの業績と生涯
三平方の定理(ピタゴラスの定理)。「万物は数である」の教団を開いた - ユークリッドの業績と生涯
『原論』で幾何学を体系にまとめた。ユークリッドの互除法・素数が無限にあることの証明 - アルキメデスの業績と生涯
円周率を3.14まで求め、球の体積と表面積を発見。てこ・浮力の原理 - エラトステネスの業績と生涯
素数を見つける「エラトステネスのふるい」。地球の大きさを測った - アポロニウスの業績と生涯
『円錐曲線論』。楕円・放物線・双曲線の名前をつけた - ヘロンの業績と生涯
3辺の長さから三角形の面積を出す「ヘロンの公式」 - プトレマイオスの業績と生涯
『アルマゲスト』。円に内接する四角形の「トレミーの定理」 - ディオファントスの業績と生涯
『算術』。整数の解を求める方程式(ディオファントス方程式)。「代数の父」 - 劉徽の業績と生涯
『九章算術』の注釈。正多角形で円周率を3.14まで求めた - ヒュパティアの業績と生涯
記録に残る最初期の女性数学者。円錐曲線論などを注釈して教えた - 祖沖之の業績と生涯
円周率を3.1415926〜3.1415927の間と求め、355/113(密率)を示した
← 前の時代:劉徽の業績と生涯 | 次の時代:ヒュパティアの業績と生涯 →
有名な数学者一覧(年代順・国別・分野別)で、ほかの数学者も見られます。数学者たちが挑んだ問題は数学の難問・未解決問題の一覧にまとめています。
読みもの(合格大作戦の数学の記事)
- 算数・数学の公式一覧(公式辞典)
公式・証明・例題を1つずつ - 数学用語辞典(用語の意味を1語1ページ)
素数・漸近線など200語 - 数学の勉強法(解法の暗記→演習→過去問)
青・黄・赤チャートの使い分け - 京大理系数学の出題分析(1999〜2026年度)
大問別一覧と頻出分野ランキング - ギリシャ文字の読み方一覧(24文字)
θ・Σ・π・λ は数学で何に使う? - 東大・京大の過去問研究と予想問題の演習法
新高3・浪人生の1年の計画 - 算数・数学 公式と用語の一覧(学年別・分野別)
公式辞典と用語辞典の入口
よくある質問
パップスは何をした人ですか?
パップスは、古代ギリシャ(アレクサンドリア)で活躍した数学者です。全8巻の『数学集成』を書き、先人の数学をまとめるとともに、中線定理、パップス・ギュルダンの定理、六角形定理などの名前の残る定理を伝えました。
パップスはなぜ有名なのですか?
『数学集成』が、ユークリッドやアポロニウスなど、失われた本の内容を後の世に伝えたからです。中学・高校の中線定理や、回転体の体積に使えるギュルダンの定理にも名前が残っています。
パップスの中線定理とは何ですか?
三角形ABCで辺BCの中点をMとするとき、AB²+AC²=2(AM²+BM²) が成り立つ、という定理です。3辺の長さから中線AMの長さを求められます。西洋ではアポロニウスの定理ともよばれます。
パップス・ギュルダンの定理とは何ですか?
回転体の体積は、回転させる図形の面積に、その図形の重心が動く道のりをかけたものに等しい、という定理です。半円を回して球の体積4πr³/3を出すことなどに使えます。曲線の長さと重心の道のりで、表面積も求められます。
パップスの六角形定理とは何ですか?
2本の直線の上に3点ずつをとり、A-b・a-B、A-c・a-C、B-c・b-C の3組の線を引くと、3つの交点が一直線にならぶ、という定理です。パスカルの定理の特別な場合にあたります。
パップスの名言はありますか?
『数学集成』第5巻で、ハチは六角形が正方形や正三角形より大きく、同じ材料でより多くの蜜をためられることを知っている、という趣旨のことを書いたと伝えられます。決まった「名言」といえるものは多くありません。
パップスはいつの時代の人ですか?どこの人ですか?
パップスは、290年ごろに生まれ350年ごろに亡くなったとされる、エジプトのアレクサンドリアの人です。正確な生没年は分かっていませんが、320年ごろに活動していたことは、日食の観測の記述から確かめられています。
パップスとデカルトの関係は?
パップスの本に出てくる「3本・4本の直線についての点の軌跡の問題」を、デカルトが座標を使ってすべて解いたとされます。この仕事が、『幾何学』(1637年)と座標幾何学の誕生につながりました。
パップスは中学受験・高校受験・大学受験に関係がありますか?
中学受験では回転体の体積の検算(ギュルダンの定理)、高校受験・大学受験では中線定理が役に立ちます。大学入試では、回転体の体積の別解や検算として使えます。
パップスの鎖とは何ですか?
アルベロス(半円の直径の上に、さらに2つの半円を作ってできる形)の中に、次々と円を接するようにならべたものです。アルキメデスの仕事に始まる題材で、パップスがくわしく調べたと伝えられます。
あわせて読みたい
出典・参考
- MacTutor History of Mathematics「Pappus of Alexandria」(セント・アンドルーズ大学)
- T. L. Heath『A History of Greek Mathematics』第2巻(パップスの章)
- 肖像・絵:パップス『数学集成』コマンディーノ訳(ヴェネツィア、1589年)の扉、Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
最終更新:2026年11月2日/作成:大学受験合格大作戦



