重心の性質|中線を2:1に分ける証明・面積を6等分・重心の座標とベクトル(a+b+c)/3【中学受験〜大学受験】

重心の性質|中線を2:1に分ける証明・面積を6等分・重心の座標とベクトル(a+b+c)/3【中学受験〜大学受験】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 図形

中学受験高校受験大学受験

AG:GD=2:1,G(x1+x2+x33, y1+y2+y33)AG:GD=2:1,\quad G\left(\frac{x_1+x_2+x_3}{3},\ \frac{y_1+y_2+y_3}{3}\right)

D は辺 BC の中点。重心は中線を頂点の側から 2:12:1 に分ける

この公式のポイント

  • 中線を頂点の側から 2:1 に分ける
  • 6つの三角形の面積はすべて等しい(全体の 16\dfrac16)
  • 座標は3頂点の平均、OG⃗=a⃗+b⃗+c⃗3\vec{OG}=\dfrac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}
  • 証明は中点連結定理+相似
ハルちゃん

ハルちゃん

重心が中線を 2:1 に分けるって、どっちが 2 なのか、いつも迷うよ。

合格先生

合格先生

頂点の側が 2 だ。中点を結ぶと、重心をはさんで相似比 2:1 の三角形ができるからだぞ。

重心の性質(3つのポイント)

三角形の頂点と、向かい合う辺のまん中(中点)を結んだ線を中線といいます。3本の中線は1点で交わり、その点を重心(G)といいます。重心は、三角形の形に切った厚紙を指1本でささえたとき、つり合う点です。

重心の性質

① 中線を 2:1 に分ける(頂点の側が 2)

AG:GD=BG:GE=CG:GF=2:1AG:GD=BG:GE=CG:GF=2:1

② 面積を 6 等分する:重心と頂点・中点を結んでできる6つの三角形の面積は、どれも全体の 16\dfrac16。また △GBC=△GCA=△GAB=13△ABC\triangle GBC=\triangle GCA=\triangle GAB=\dfrac13\triangle ABC

③ 座標とベクトル:A(x1,y1)A(x_1,y_1)、B(x2,y2)B(x_2,y_2)、C(x3,y3)C(x_3,y_3) のとき

G(x1+x2+x33, y1+y2+y33),OG⃗=a⃗+b⃗+c⃗3G\left(\frac{x_1+x_2+x_3}{3},\ \frac{y_1+y_2+y_3}{3}\right),\qquad \vec{OG}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}
GABCDEF21AG:GD=2:1D・E・F は辺のまん中
3本の中線は重心 G で交わり、どの中線も G で 2:1 に分かれる

重心をふくむ「三角形の五心」全体のまとめは三角形の五心のページにあります。このページでは、重心の性質と計算にしぼってくわしく説明します。

証明(なぜ 2:1・6等分になるのか)

① 中線が 2:1 に分かれる理由

中線 AD と BE の交点を G とします。D は BC のまん中、E は CA のまん中なので、中点連結定理から

  • DE と AB は平行
  • DE の長さは AB の半分

DE∥AB なので、△GAB\triangle GAB と △GDE\triangle GDE は角がそれぞれ等しく(錯角)、相似です(ちょうちょ形の相似)。相似比は AB:DE=2:1AB:DE=2:1 なので、AG:GD=2:1AG:GD=2:1、BG:GE=2:1BG:GE=2:1。

GABCDEDE∥AB、DE=½AB△GAB ∽ △GDE(2:1)AG:GD=2:1
DE は AB と平行で長さは半分。だから △GAB と △GDE は相似比 2:1

同じように、中線 AD と CF の交点も AD を 2:12:1 に分けます。AD を 2:12:1 に分ける点は1つしかないので、3本の中線は同じ1点で交わります。これが重心です。

② 面積が 6 等分になる理由

「底辺が等しく、高さが同じ三角形は、面積が等しい」を使います(面積比と辺の比)。

  • D は BC のまん中なので、③ △GBD\triangle GBD と ④ △GDC\triangle GDC は底辺が等しく高さが同じ → 面積が等しい。同じように ①=②、⑤=⑥。
  • △ABD\triangle ABD と △ADC\triangle ADC も面積が等しい(底辺 BD=DC)。ここから ③、④ をひくと、①+②=⑤+⑥。
  • 同じように考えると ①+②=③+④ も言えるので、①=②=③=④=⑤=⑥。
①②③④⑤⑥ABCDEF①〜⑥の面積はみな同じどれも全体の 1/6底辺が等しく高さが共通の三角形を組にして考える
重心で分けた6つの三角形は、面積がすべて等しい

①の別の見方:△GBC\triangle GBC と △ABC\triangle ABC は底辺 BC が共通で、高さの比が GD:AD=1:3GD:AD=1:3 なので、△GBC=13△ABC\triangle GBC=\dfrac13\triangle ABC です。

③ 座標・ベクトルの式

D は BC のまん中なので OD⃗=b⃗+c⃗2\vec{OD}=\dfrac{\vec{b}+\vec{c}}{2}。G は AD を 2:12:1 に内分する点なので(内分点の公式)

OG⃗=1⋅a⃗+2⋅OD⃗2+1=a⃗+b⃗+c⃗3\vec{OG}=\frac{1\cdot\vec{a}+2\cdot\vec{OD}}{2+1}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}

成分で書けば、座標は3つの頂点の座標の平均になります。

123456782468OA(2,1)B(6,3)C(4,8)Gx:(2+6+4)÷3=4y:(1+3+8)÷3=4G(4, 4)
重心の座標は、3つの頂点の座標の平均

中学受験(算数)での使い方

中学受験

例題1(面積の6等分)

三角形 ABC の面積は 48 cm² です。D は辺 BC のまん中、G は重心です。三角形 GBD の面積は何 cm² ですか。

解き方

重心で分けた6つの三角形は面積が同じなので、48÷6=848\div6=8(cm²)。

答え 88 cm²

中学受験

例題2(2:1 に分ける)

三角形 ABC の重心を G、辺 BC のまん中を D とします。AD の長さが 15 cm のとき、AG と GD の長さをそれぞれ求めなさい。

解き方

AG:GD=2:1 なので、15 cm を 2:1 に分けます。15÷3=515\div3=5 より、AG=5×2=105\times2=10 cm、GD=55 cm。

答え AG=10 cm、GD=5 cm

高校受験(中学数学)での使い方

高校受験

例題3(平行四辺形の中の重心)

平行四辺形 ABCD で、辺 BC のまん中を M とし、AM と対角線 BD の交点を P とします。BP:PD を求めなさい。

解き方

対角線 AC と BD の交点を O とすると、O は AC のまん中。△ABC で AM と BO はどちらも中線なので、P は △ABC の重心です。よって BP:PO=2:1BP:PO=2:1。BO=OD なので、BP=2、PO=1 とすると OD=3、PD=1+3=41+3=4。BP:PD=2:4=1:2BP:PD=2:4=1:2。

答え BP:PD=1:2BP:PD=1:2

大学受験(数学A・数学Ⅱ・数学C)での使い方

大学受験

例題4(座標)

3点 A(2,1)A(2,1)、B(6,3)B(6,3)、C(4,8)C(4,8) を頂点とする △ABC の重心 G の座標を求めなさい。

解き方

x=2+6+43=4x=\dfrac{2+6+4}{3}=4、y=1+3+83=4y=\dfrac{1+3+8}{3}=4。

答え G(4, 4)G(4,\ 4)

大学受験

例題5(重心から頂点を逆算)

△ABC で A(1,5)A(1,5)、B(−3,2)B(-3,2) で、重心が G(0,2)G(0,2) のとき、頂点 C の座標を求めなさい。

解き方

C(x,y)C(x,y) とすると 1−3+x3=0\dfrac{1-3+x}{3}=0、5+2+y3=2\dfrac{5+2+y}{3}=2。よって x=2x=2、y=−1y=-1。

答え C(2, −1)C(2,\ -1)

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

重心の座標は3点の平均だ。2でわるのは中点だぞ。3でわるんだ。

  • 2:1 の向きを逆にする:長いほう(2)は頂点の側。辺の側(中点の側)が 1。
  • 重心と内心・外心をまぜる:重心は中線の交点。角の二等分線の交点(内心)や、辺の垂直二等分線の交点(外心)とは別の点です。
  • 座標を2でわる:重心は3点の平均なので3でわる。2でわるのは2点の中点です。

練習問題

指さして説明するハルちゃん

ハルちゃん

6つの三角形は、みんな同じ面積だよ!

  1. 中学受験 三角形 ABC の面積が 60 cm²、G が重心のとき、三角形 GAB の面積は何 cm² ですか。
    答えと解説を見る△GAB は6つの小さな三角形の2つ分なので、60÷6×2=2060\div6\times2=20。答え 2020 cm²
  2. 高校受験 △ABC の重心を G、辺 BC の中点を D とします。GD=3 cm のとき、中線 AD の長さは?
    答えと解説を見るAG:GD=2:1 なので AG=6 cm、AD=6+3=96+3=9 cm。答え 99 cm
  3. 大学受験 3点 A(3,−1)A(3,-1)、B(−1,4)B(-1,4)、C(4,0)C(4,0) を頂点とする三角形の重心の座標は?
    答えと解説を見る(3−1+43, −1+4+03)=(2, 1)\left(\dfrac{3-1+4}{3},\ \dfrac{-1+4+0}{3}\right)=(2,\ 1)

関連する公式

よくある質問

三角形の重心とは何ですか?

三角形の3本の中線(頂点と向かい合う辺の中点を結ぶ線)が交わる点です。三角形の形の板をささえてつり合う点でもあります。

重心が中線を2:1に分けるのはなぜですか?

2辺の中点を結ぶ線が残りの辺と平行で長さが半分(中点連結定理)なので、重心をはさむ2つの三角形が相似比2:1になるからです。

重心で三角形の面積が6等分されるのはなぜですか?

底辺が等しく高さが同じ三角形どうしを組にして比べると、6つの三角形の面積がすべて等しいことが分かります。

重心の座標の求め方は?

3つの頂点の x 座標の平均、y 座標の平均が重心の座標です。ベクトルでは OG=(a+b+c)/3 です。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第3学年(相似な図形)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学A(図形の性質)
  • 同 数学Ⅱ(図形と方程式)・数学C(ベクトル)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦