位置ベクトルとは?内分点・外分点・重心をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

位置ベクトルとは?内分点・外分点・重心をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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大学受験

位置ベクトルとは

基準の点 O を決めたとき、点 A の位置を表すベクトル a⃗=OA→\vec a=\overrightarrow{\mathrm{OA}} のことです。AB→=b⃗−a⃗\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec b-\vec a や、内分点 na⃗+mb⃗m+n\dfrac{n\vec a+m\vec b}{m+n} のように、点の関係を式で表せます。

読み方:いちべくとる/英語:position vector/習う学年:数学C(ベクトル)

うかるくん

うかるくん

「位置ベクトル」って、ふつうのベクトルと何がちがうんですか?

合格先生

合格先生

中身は同じベクトルだよ。始点をいつも基準の点 O にそろえて、点の場所を表すのに使うところがちがうんだ。そうすると、点の計算が式でできるようになる。

この用語のポイント

  • 基準 O からの矢印 OA→=a⃗\overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec a で点Aの場所を表す
  • AB→=b⃗−a⃗\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec b-\vec a(終点 − 始点)
  • m:nm:n に内分する点は na⃗+mb⃗m+n\dfrac{n\vec a+m\vec b}{m+n}、重心は a⃗+b⃗+c⃗3\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}{3}

やさしく言うと

位置ベクトルは、基準の点 O から見た矢印で、点の場所を表す方法です。身近なところでも、場所は「基準からの向きと距離」で伝えています。

  • 道案内:「駅から東へ300m、北へ200m」と言えば、家の場所が1つに決まります。基準は駅、矢印は「東へ300m・北へ200m」です。
  • グラウンドの配置:「本部テントから右へ20歩、前へ10歩」で、旗を立てる場所を全員に伝えられます。
  • 地図アプリ:現在地を基準に「この方向に 1.2km」と示すのも、基準からの矢印で場所を言っています。

どれも「どこを基準にするか」を決めてから、矢印1本で場所を言うという点が同じです。これが位置ベクトルの考え方です。

点 A に対して a⃗=OA→\vec a=\overrightarrow{\mathrm{OA}} を点 A の位置ベクトルといい、A(a⃗)\mathrm A(\vec a) と書きます。

O A B ab AB = b − a O が基準 (家なら 「駅から」) a:点Aの位置ベクトル b:点Bの位置ベクトル
O を基準にすると、点Aは a⃗\vec a、点Bは b⃗\vec b で表せる

2点の位置ベクトルがわかれば、その間の矢印は「終点 − 始点」で求まります。

AB→=OB→−OA→=b⃗−a⃗\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\overrightarrow{\mathrm{OB}}-\overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec b-\vec a

これは「A から B へ行く」のを「A から O へもどって、O から B へ行く」と言いかえたものです。AO→=−a⃗\overrightarrow{\mathrm{AO}}=-\vec a なので、AB→=−a⃗+b⃗\overrightarrow{\mathrm{AB}}=-\vec a+\vec b になります。

例と、まちがいの例

○ 正しい

  • AB→=b⃗−a⃗\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec b-\vec a(終点 − 始点)
  • 中点 a⃗+b⃗2\dfrac{\vec a+\vec b}{2}(2点のちょうど真ん中)
  • 2:1 に内分 a⃗+2b⃗3\dfrac{\vec a+2\vec b}{3}(比をたすきにかける)
  • 重心 a⃗+b⃗+c⃗3\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}{3}(3点の平均)
  • 原点が基準なら、位置ベクトルの成分=点の座標
  • 2:1 に外分 −a⃗+2b⃗-\vec a+2\vec b(外分は分母が m−nm-n)

× まちがい

  • AB→=a⃗−b⃗\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec a-\vec b(始点と終点が逆)
  • 2:1 に内分を 2a⃗+b⃗3\dfrac{2\vec a+\vec b}{3} とする(比をそのままかけている)
  • 中点を a⃗+b⃗\vec a+\vec b とする(2で割り忘れ)
  • 重心を a⃗+b⃗+c⃗2\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}{2} とする
  • 基準の点を決めずに位置ベクトルを書く
  • 外分の分母を m+nm+n にする

「正しい」の列は、どれも「係数の和で割る」形になっています。中点は 1⋅a⃗+1⋅b⃗1+1\dfrac{1\cdot\vec a+1\cdot\vec b}{1+1}、重心は 1⋅a⃗+1⋅b⃗+1⋅c⃗1+1+1\dfrac{1\cdot\vec a+1\cdot\vec b+1\cdot\vec c}{1+1+1} です。係数の和が 1 になる形にそろえるのが、位置ベクトルの式の決まりです。

内分点・中点・重心

位置ベクトルを使うと、図形の中の点を式1本で表せます。

点位置ベクトル
線分ABを m:nm:n に内分する点na⃗+mb⃗m+n\dfrac{n\vec a+m\vec b}{m+n}
線分ABを m:nm:n に外分する点−na⃗+mb⃗m−n\dfrac{-n\vec a+m\vec b}{m-n}
線分ABの中点a⃗+b⃗2\dfrac{\vec a+\vec b}{2}
三角形ABCの重心a⃗+b⃗+c⃗3\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}{3}
O A(7, 1) B(1, 4) P(3, 3) 2 1 p = (a + 2b) ÷ 3 = ((7, 1) + (2, 8)) ÷ 3 = (3, 3) 比 2:1 を「たすき」に: a に 1、b に 2 をかける
線分ABを 2:1 に内分する点Pは a⃗+2b⃗3\dfrac{\vec a+2\vec b}{3}

なぜ「たすき」になるのでしょう。P は A から B へ向かって、全体の 23\dfrac{2}{3} だけ進んだ点です。だから p⃗=a⃗+23(b⃗−a⃗)=13a⃗+23b⃗\vec p=\vec a+\dfrac23(\vec b-\vec a)=\dfrac13\vec a+\dfrac23\vec b です。B に近い点ほど b⃗\vec b の割合が大きくなる、と考えると覚えやすくなります。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

比は「たすき」にかけるのがコツ! 2:1 に内分なら、a に1、b に2 をかけるんだね。

図で見る:外分と重心

外分は、線分の外側(延長上)にある点で、2点からの距離の比が m:nm:n になる点です。式は内分の nn を −n-n に変えたものです。

O A(1, 4) B(4, 3) Q(7, 2) AQ:2 QB:1 q = −a + 2b = (−1, −4) + (8, 6) = (7, 2) 外分は、線分の外(延長上)に出た点。AB の外側に Q がある
AB を 2:1 に外分する点Qは −a⃗+2b⃗-\vec a+2\vec b。Q は B の先にある

図では、AQ の長さが QB の長さの2倍になっています。m>nm>n なら B の先に、m<nm<n なら A の手前に外分点ができます。

うかるくん

うかるくん

外分の式に −a⃗-\vec a が出てくるのはなぜですか? ベクトルがマイナスなんて変な感じです。

合格先生

合格先生

Q は A から B の向きに、AB の 2 倍だけ進んだ点だよ。q⃗=a⃗+2(b⃗−a⃗)=−a⃗+2b⃗\vec q=\vec a+2(\vec b-\vec a)=-\vec a+2\vec b。計算すると自然にマイナスが出てくるんだ。

三角形の重心は、3つの頂点の位置ベクトルの平均です。重心は中線(頂点と向かいの辺の中点を結ぶ線)を 2:12:1 に分ける点で、中点 M の式と内分の式を組み合わせると a⃗+b⃗+c⃗3\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}{3} が出てきます。

O A(1, 1) B(8, 1) C(3, 7) M G(4, 3) g = (a+b+c)÷3 x:(1+8+3)÷3 = 4 y:(1+1+7)÷3 = 3 AG:GM = 2:1
重心Gは a⃗+b⃗+c⃗3\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}{3}。中線AMを 2:1 に分ける

原点 O を基準にすると、位置ベクトルの成分はそのまま点の座標です。だから重心の座標は、xx 座標どうし・yy 座標どうしを足して 3 で割れば求まります。

基準の点を変えるとどうなるか

位置ベクトルは基準の点しだいです。同じ点 A でも、基準を O にするか、別の点 S にするかで矢印が変わります。ただし、AB→\overrightarrow{\mathrm{AB}} のような2点の間の矢印は、基準をどこにしても同じです。SB→−SA→\overrightarrow{\mathrm{SB}}-\overrightarrow{\mathrm{SA}} でも OB→−OA→\overrightarrow{\mathrm{OB}}-\overrightarrow{\mathrm{OA}} でも、答えは同じ AB→\overrightarrow{\mathrm{AB}} になります。

入試では、計算が楽になるように図形の頂点を基準に選ぶことがよくあります。三角形 OAB の問題なら O を基準にして a⃗=OA→\vec a=\overrightarrow{\mathrm{OA}}、b⃗=OB→\vec b=\overrightarrow{\mathrm{OB}} とおき、すべての点を a⃗\vec a と b⃗\vec b で表します。

テスト・入試ではこう出る

位置ベクトルは高校の数学C(ベクトル)で習います。よく出るのは、内分点・外分点・重心を表す問題、3点が一直線上にある条件(AC→=kAB→\overrightarrow{\mathrm{AC}}=k\overrightarrow{\mathrm{AB}})を使う問題、2本の線分の交点の位置ベクトルを求める問題です。交点の問題では、同じ点を2通りに表して係数を比べます。

例題1(重心の座標)

A(2, −1)\mathrm A(2,\ -1)、B(6, 3)\mathrm B(6,\ 3)、C(−2, 7)\mathrm C(-2,\ 7) のとき、三角形 ABC の重心 G の座標を求めなさい。

  1. 重心の位置ベクトルは g⃗=a⃗+b⃗+c⃗3\vec g=\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}{3}。原点を基準にすると、成分は座標そのもの。
  2. xx 成分:2+6+(−2)3=63=2\dfrac{2+6+(-2)}{3}=\dfrac63=2
  3. yy 成分:−1+3+73=93=3\dfrac{-1+3+7}{3}=\dfrac93=3

答え G(2, 3)\mathrm G(2,\ 3)

例題2(3点が一直線上)

3点 A(1, 2)\mathrm A(1,\ 2)、B(5, 4)\mathrm B(5,\ 4)、C(x, 6)\mathrm C(x,\ 6) が一直線上にあるとき、xx の値を求めなさい。

  1. 3点が一直線上にある ⇔ AC→=kAB→\overrightarrow{\mathrm{AC}}=k\overrightarrow{\mathrm{AB}} となる実数 kk がある。
  2. 終点 − 始点で、AB→=(5−1, 4−2)=(4, 2)\overrightarrow{\mathrm{AB}}=(5-1,\ 4-2)=(4,\ 2)、AC→=(x−1, 6−2)=(x−1, 4)\overrightarrow{\mathrm{AC}}=(x-1,\ 6-2)=(x-1,\ 4)。
  3. yy 成分を比べると 4=2k4=2k より k=2k=2。
  4. xx 成分は x−1=4k=8x-1=4k=8 より x=9x=9。

答え x=9x=9(たしかめ:AC→=(8, 4)=2AB→\overrightarrow{\mathrm{AC}}=(8,\ 4)=2\overrightarrow{\mathrm{AB}})

指さして説明するうかるくん

うかるくん

一直線上なら「AC は AB の k 倍」。この1行を書けば、あとは成分を比べるだけだ!

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

AB→\overrightarrow{\mathrm{AB}} は「終点 − 始点」で b⃗−a⃗\vec b-\vec a。逆にしないように!

  • 「終点 − 始点」を逆にする:AB→\overrightarrow{\mathrm{AB}} は B から A を引いて b⃗−a⃗\vec b-\vec a です。「行き先から出発点を引く」と覚えましょう。
  • 内分点の比を逆にかける:m:nm:n に内分する点は na⃗+mb⃗m+n\dfrac{n\vec a+m\vec b}{m+n}。a⃗\vec a には nn(B側の数)がかかります。答えが出たら「近いほうの点の係数が大きいか」でたしかめます。
  • 外分の分母を m+nm+n にする:外分は −na⃗+mb⃗m−n\dfrac{-n\vec a+m\vec b}{m-n} で、分母は m−nm-n です。係数の和 −n+m-n+m と分母が同じになっているか見ればまちがいに気づけます。
  • 基準点を忘れる:位置ベクトルは基準 O を決めて初めて決まります。基準を変えると、同じ点でも位置ベクトルは変わります。座標平面では原点 O を基準にすると、位置ベクトルの成分=点の座標になります。
  • 位置ベクトルどうしを足して点の場所と考える:a⃗+b⃗\vec a+\vec b は、O・A・B で作る平行四辺形の4つ目の頂点です。中点ではありません。中点はその半分の a⃗+b⃗2\dfrac{\vec a+\vec b}{2} です。

ことばの由来

英語では position vector(ポジション ベクトル)といい、position は「位置」という意味です。vector はラテン語の「運ぶもの」から来たことばで、点を基準から目的の場所へ「運ぶ」矢印、というイメージです。

ミニ問題

問題1 原点 O を基準とし、A(2, 5)\mathrm A(2,\ 5)、B(6, 1)\mathrm B(6,\ 1) とします。AB→\overrightarrow{\mathrm{AB}} の成分と、線分 AB の中点の座標を求めましょう。

答えと解き方を見る

AB→=b⃗−a⃗=(6−2, 1−5)=\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec b-\vec a=(6-2,\ 1-5)=(4, −4)(4,\ -4)。中点は a⃗+b⃗2=(2+62, 5+12)=\dfrac{\vec a+\vec b}{2}=\left(\dfrac{2+6}{2},\ \dfrac{5+1}{2}\right)=(4, 3)(4,\ 3) です。「終点 − 始点」の順番に注意しましょう。

問題2 線分 AB を 1:31:3 に内分する点 P の位置ベクトル p⃗\vec p を、a⃗\vec a、b⃗\vec b で表しましょう。

答えと解き方を見る

p⃗=3a⃗+b⃗4\vec p=\dfrac{3\vec a+\vec b}{4} です。m:n=1:3m:n=1:3 なので、na⃗+mb⃗m+n=3a⃗+1b⃗1+3\dfrac{n\vec a+m\vec b}{m+n}=\dfrac{3\vec a+1\vec b}{1+3}。比は「たすき」にかけるので、a⃗\vec a には 3、b⃗\vec b には 1 がかかります。P は A に近い点なので、a⃗\vec a の割合が大きくなっていれば正解です。

問題3 A(1, 0)\mathrm A(1,\ 0)、B(3, 2)\mathrm B(3,\ 2) のとき、線分 AB を 3:13:1 に外分する点 Q の座標を求めましょう。

答えと解き方を見る

Q(4, 3)\mathrm Q(4,\ 3) です。m:nm:n に外分する点は −na⃗+mb⃗m−n\dfrac{-n\vec a+m\vec b}{m-n} なので、q⃗=−a⃗+3b⃗3−1=(−1, 0)+(9, 6)2=(4, 3)\vec q=\dfrac{-\vec a+3\vec b}{3-1}=\dfrac{(-1,\ 0)+(9,\ 6)}{2}=(4,\ 3)。

たしかめ:AQ→=(3, 3)\overrightarrow{\mathrm{AQ}}=(3,\ 3)、BQ→=(1, 1)\overrightarrow{\mathrm{BQ}}=(1,\ 1) で、長さの比は 3:13:1。Q は B の先(AB の延長上)にあります。

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よくある質問

位置ベクトルとは簡単にいうと何ですか?

基準の点Oから見た矢印で、点の場所を表したものです。点Aの位置ベクトルはベクトルOAです。

ABを位置ベクトルで表すとどうなりますか?

Aの位置ベクトルをa、Bをbとすると、ABはb−aです。終点から始点を引きます。

内分点の位置ベクトルの公式は?

線分ABをm:nに内分する点は、(na+mb)÷(m+n) です。比はたすきにかけ、aにはn、bにはmがかかります。

外分点の位置ベクトルの公式は?

線分ABをm:nに外分する点は、(−na+mb)÷(m−n) です。内分の式の n を −n に変えたものです。

重心の位置ベクトルは?

三角形ABCの重心は、(a+b+c)÷3 です。3つの頂点の位置ベクトルの平均になります。

位置ベクトルと座標の関係は?

座標平面で原点を基準にすると、点の位置ベクトルの成分は、その点の座標と同じになります。

出典・参考

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学C(ベクトル)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦