この公式のポイント
- 外心・重心・垂心は一直線上(オイラー線)
- OG:GH=1:2
- 外心を原点にするとOH=a+b+c
- 九点円の中心はOH の中点、半径は2R

うかるくん
外心と重心と垂心が一直線に並ぶって、本当なの?
![合格先生]()
合格先生
外心を原点にすると、垂心は a+b+c になる。重心はその 31 だから一直線だ。
オイラー線と九点円
三角形の五心のうち、外心 O・重心 G・垂心 H の3つは、いつも1本の直線の上に並びます。この直線をオイラー線といいます。さらに、三角形に関係する9つの点が1つの円の上にあり、これを九点円といいます。
オイラー線
外心 O を原点とし、頂点の位置ベクトルを a, b, c とすると
OH=a+b+c=3OGよって O・G・H は一直線上にあり、OG:GH=1:2(正三角形では3点が一致)。
九点円
次の9点は1つの円の上にある。
- 3辺の中点
- 3つの頂点から対辺(またはその延長)におろした垂線の足
- 線分 AH、BH、CH の中点
中心 N は OH の中点、半径は外接円の半径 R の半分 2R。
A(0, 0)、B(6, 0)、C(2, 4) の三角形。外心 O(3, 1)、重心 G(38, 34)、垂心 H(2, 2) は直線 x+y=4 上にある
証明(ベクトルで示す)
① 垂心の位置:外心 O を原点にとると ∣a∣=∣b∣=∣c∣=R(外接円の半径)。点 h=a+b+c を考えると、内積で
(h−a)⋅(b−c)=(b+c)⋅(b−c)=∣b∣2−∣c∣2=0
なので、A と h を結ぶ直線は BC に垂直です(h=a のときは点 A そのもの)。同じように B と h を結ぶ直線は CA に垂直。2本の垂線の交点なので、h は垂心 H です。
② オイラー線:重心は OG=3a+b+c=31OH。よって O・G・H は一直線上にあり、G は OH を 1:2 に内分します。
③ 九点円:n=2a+b+c(OH の中点 N)とします。
- BC の中点 M:m=2b+c なので n−m=2a、NM=2R。
- AH の中点 K:k=2a+h=a+2b+c なので k−n=2a、NK=2R。しかも n−m=k−n なので、MK は N を中心とする円の直径です。
- A からの垂線の足 D:D は直線 BC(M を通る)と直線 AH(K を通る)の交点で、この2直線は垂直なので ∠MDK=90∘。直径 MK を見こむ角が直角なので、D もこの円の上にあります(D が M と重なるときはそのまま円上)。
B、C についても同じなので、9点はすべて中心 N、半径 2R の円の上にあります。
九点円:辺の中点(青)・垂線の足(緑)・AH, BH, CH の中点(橙)。中心 N は OH の中点
大学受験での使い方
大学受験例題1(オイラー線を求める)
3点 A(0, 0)、B(6, 0)、C(2, 4) を頂点とする △ABC の外心 O、重心 G、垂心 H を求め、3点を通る直線の方程式を答えなさい。
解き方
重心 G(30+6+2, 30+0+4)=(38, 34)。
外心:AB の垂直二等分線は x=3。O(3, y) として OA2=OC2 より 9+y2=1+(y−4)2、y=1。O(3, 1)。
垂心:C からの垂線は x=2。A からの垂線は BC(向き (−4, 4))に垂直で y=x。交点 H(2, 2)。
O と H を通る直線は x+y=4。G も 38+34=4 で、この直線上にあります。
答え O(3, 1)、G(38, 34)、H(2, 2)、直線 x+y=4
大学受験例題2(九点円の方程式)
例題1の △ABC の九点円の中心と半径を求め、円の方程式を答えなさい。
解き方
中心は OH の中点 N(25, 23)。外接円の半径は R=OA=32+12=10 なので、九点円の半径は 210。
検算:AB の中点 (3, 0) と N の距離は (21)2+(23)2=210。C からの垂線の足 (2, 0) も同じ距離です。
答え 中心 (25, 23)、半径 210、(x−25)2+(y−23)2=25
大学受験例題3(OH の長さ)
△ABC の外接円の半径を
R、3辺の長さを
a, b, c とするとき、
OH2=9R2−(a2+b2+c2) を示しなさい。また例題1の三角形で確かめなさい。
解き方
O を原点とすると OH=a+b+c。∣b−c∣2=a2 より 2b⋅c=2R2−a2。同様に 2c⋅a=2R2−b2、2a⋅b=2R2−c2。
OH2=∣a∣2+∣b∣2+∣c∣2+2(a⋅b+b⋅c+c⋅a)=3R2+6R2−(a2+b2+c2)。
例題1では R2=10、BC2=32、CA2=20、AB2=36 なので 90−88=2。実際 OH2=(3−2)2+(1−2)2=2 で一致します。
答え OH2=9R2−(a2+b2+c2)(例題1では OH2=2)
高校の範囲をこえる内容と入試での使い方
教科書での位置:外心・重心・垂心は数学Aの「図形の性質」で習いますが、オイラー線と九点円は高校の教科書の範囲外(発展)です。ただし証明は、上のように数学Cのベクトル(内積)だけでできます。
入試での使い方:
- 答案で「オイラー線より」といきなり書くのは避け、OH=a+b+c を内積で確かめるところから書くのが安全です。
- 座標の問題で外心・重心・垂心を求めたら、「3点が一直線上で OG:GH=1:2」になっているかで検算できます。
- 難関大の入試では、「外心を原点にとると垂心が a+b+c で表せる」ことが背景になっている問題があります。
もっと先の話:九点円は、三角形の内接円と3つの傍接円にも接することが知られています(フォイエルバッハの定理)。証明は高校の範囲をこえるので、ここでは紹介だけにします。
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
OH=a+b+c は、原点が外心のときだけの式だ。どこでも使ってはだめだぞ。
- 内心もオイラー線上にあると思う:一直線に並ぶのは外心・重心・垂心の3つ。内心は、ふつうはこの直線上にありません(二等辺三角形などの特別な場合は別)。
- 比を逆にする:重心 G は OH を OG:GH=1:2 に分けます。外心 O に近いのが G です。
- OH=a+b+c をどこでも使う:この式は原点が外心のときだけ成り立ちます。
練習問題
- 大学受験 3点 A(0, 0)、B(4, 0)、C(0, 2) を頂点とする直角三角形で、オイラー線の方程式を求めなさい。
答えと解説を見る
直角の頂点 A が垂心 H(0, 0)、外心は斜辺 BC の中点 O(2, 1)、重心 G(34, 32)。3点を通る直線は y=21x - 大学受験 正三角形では、外心・重心・垂心はどうなりますか。
答えと解説を見る
3点は1点に重なります(正三角形の中心)。そのため、オイラー線は1本に決まりません。 - 大学受験 3点 A(0, 0)、B(4, 0)、C(1, 3) を頂点とする △ABC の九点円の中心と半径を求めなさい。
答えと解説を見る
外心は x=2 上で 4+y2=1+(y−3)2 より O(2, 1)、R=5。垂心 H=A+B+C−2O=(1, 1)(C からの垂線 x=1 と A からの垂線 y=x の交点)。中心は OH の中点 (23, 1)、半径 25
関連する公式
よくある質問
オイラー線とは?
三角形の外心・重心・垂心の3点が乗る直線のことです。重心は外心と垂心を結ぶ線分を1:2に内分します。
九点円とは?
3辺の中点、3つの頂点からおろした垂線の足、各頂点と垂心を結ぶ線分の中点の、合わせて9点を通る円です。中心は外心と垂心の中点、半径は外接円の半径の半分です。
オイラー線はどうやって証明しますか?
外心を原点にとり、点 a+b+c が垂心になることを内積で確かめます。重心は (a+b+c)/3 なので、外心・重心・垂心が一直線上に並びます。
オイラー線や九点円は高校で習いますか?
高校の教科書の範囲外(発展)です。入試の答案で使うなら、ベクトルによる証明を添えるのが安全です。
あわせて読みたい
出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学A(図形の性質)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学C(ベクトル)
- 高校の範囲外の発展内容(初等幾何)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦