
枕草子の教科書に出る段を、原文の全文・現代語訳・文法の解説で1段ずつ読める「ミスターT先生の古文教室」です。「うつくしきもの」「香炉峰の雪」「中納言参りたまひて」など、よく出る定番の段には赤い印を付けています。
解説:ミスターT先生(京都大学文学部出身の古文の先生。合格先生に古典を叩き込んだ師匠)



教科書によく出る定番の段(17段)
枕草子「春はあけぼの」の原文・現代語訳・文法 定番随想
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは…
四季それぞれのいちばん美しい時間帯を挙げる、枕草子の第一段。
枕草子「うつくしきもの」の原文・現代語訳・文法 定番類聚
うつくしきもの。瓜にかきたるちごの顔…
小さくてかわいいものを集めた段。「うつくし」=かわいらしい。
枕草子「にくきもの」の原文・現代語訳・文法 定番類聚
にくきもの。急ぐことあるをりに来て長言する客人…
いらいらする・気にさわるものを集めた段。
枕草子「すさまじきもの」の原文・現代語訳・文法 定番類聚
すさまじきもの。昼ほゆる犬…
期待はずれで興ざめなものを集めた段。
枕草子「ありがたきもの」の原文・現代語訳・文法 定番類聚
ありがたきもの。舅にほめらるる婿…
「めったにないもの」を集めた段。「ありがたし」=めったにない。
枕草子「木の花は」の原文・現代語訳・文法 定番類聚
木の花は、濃きも薄きも紅梅…
梅・桜・藤・橘・梨の花などを作者の好みで語る段。
枕草子「虫は」の原文・現代語訳・文法 定番類聚
虫は、鈴虫。ひぐらし。蝶。松虫…
みのむしの「ちちよ、ちちよ」など、虫を語る段。
枕草子「上にさぶらふ御猫は(翁丸)」の原文・現代語訳・文法 定番回想
上にさぶらふ御猫は、かうぶりにて…
帝の猫をおどした犬の翁丸が打たれ、のちに戻ってくる話。
枕草子「中納言参りたまひて(くらげの骨)」の原文・現代語訳・文法 定番回想
中納言参りたまひて、御扇奉らせたまふに…
「くらげの骨」の機転で、作者が中宮定子の前で笑いをとる話。
枕草子「雪のいと高う降りたるを(香炉峰の雪)」の原文・現代語訳・文法 定番回想
雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて…
中宮定子の「香炉峰の雪いかならむ」に、作者が簾を上げて応える話。
枕草子「宮に初めて参りたるころ」の原文・現代語訳・文法 定番回想
宮に初めて参りたるころ、もののはづかしきことの数知らず…
宮仕えを始めたころの作者の恥ずかしさと、定子のやさしさ。
枕草子「九月ばかり」の原文・現代語訳・文法 定番随想
九月ばかり、夜一夜降り明かしつる雨の…
雨上がりの朝の露と蜘蛛の巣の美しさを語る段。
枕草子「五月ばかりなどに山里にありく」の原文・現代語訳・文法 定番随想
五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし…
初夏の山里を牛車で行く楽しさ、よもぎの香り。
枕草子「二月つごもりごろに」の原文・現代語訳・文法 定番回想
二月つごもりごろに、風いたう吹きて…
藤原公任の「少し春ある心地こそすれ」に、作者が上の句を付ける話。
枕草子「頭の弁の、職に参りたまひて(夜をこめて)」の原文・現代語訳・文法 定番回想
頭の弁の、職に参りたまひて、物語などしたまひしに…
藤原行成とのやりとりで「夜をこめて鳥のそらねははかるとも」の歌が生まれる話。
枕草子「大進生昌が家に」の原文・現代語訳・文法 定番回想
大進生昌が家に、宮の出でさせたまふに…
中宮定子が移った平生昌の家で、門が小さいことなどを作者がからかう話。
枕草子「この草子、目に見え心に思ふことを(跋文)」の原文・現代語訳・文法 定番随想
この草子、目に見え心に思ふことを…
枕草子を書いたいきさつを語るあとがき。「枕」の名の由来とされる。
そのほかの有名な段(14段)
枕草子「ころは」の原文・現代語訳・文法 類聚
ころは、正月、三月、四月、五月…
よい季節・月を挙げる段(第二段)。
枕草子「鳥は」の原文・現代語訳・文法 類聚
鳥は、異所のものなれど、鸚鵡いとあはれなり…
うぐいす・ほととぎすなど鳥について語る段。
枕草子「草の花は」の原文・現代語訳・文法 類聚
草の花は、なでしこ…
なでしこ・おみなえし・ききょう・すすきなど草の花の段。
枕草子「心ときめきするもの」の原文・現代語訳・文法 類聚
心ときめきするもの。雀の子飼ひ…
胸がどきどきするものを集めた段。
枕草子「過ぎにしかた恋しきもの」の原文・現代語訳・文法 類聚
過ぎにしかた恋しきもの。枯れたる葵…
過ぎた昔がなつかしくなるものを集めた段。
枕草子「うれしきもの」の原文・現代語訳・文法 類聚
うれしきもの。まだ見ぬ物語の一を見て…
うれしいものを集めた段。物語の続きが読める喜びなど。
枕草子「はしたなきもの」の原文・現代語訳・文法 類聚
はしたなきもの。異人を呼ぶに、我ぞとさし出でたる…
きまりが悪いものを集めた段。
枕草子「かたはらいたきもの」の原文・現代語訳・文法 類聚
かたはらいたきもの。客人などに会ひてもの言ふに…
はらはらする・見ていられないものを集めた段。
枕草子「清涼殿の丑寅の隅の」の原文・現代語訳・文法 回想
清涼殿の丑寅の隅の、北のへだてなる御障子は…
一条天皇と中宮定子の前で、古今和歌集を覚えているか試される話。
枕草子「野分のまたの日こそ」の原文・現代語訳・文法 随想
野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ…
台風の次の日の庭や人のようすの趣を語る段。
枕草子「月のいと明かきに」の原文・現代語訳・文法 随想
月のいと明かきに、川を渡れば…
月の明るい夜、牛車で川を渡るときの水晶のような水しぶき。
枕草子「正月一日は」の原文・現代語訳・文法 類聚
正月一日、三月三日は、いとうららかなる…
行事の日にふさわしい天気を挙げる段。
枕草子「職の御曹司におはしますころ(雪山)」の原文・現代語訳・文法 回想
職の御曹司におはしますころ、西の廂にて…
雪の山がいつまで残るかを中宮たちと賭ける話。
枕草子「遠くて近きもの・近うて遠きもの」の原文・現代語訳・文法 類聚
遠くて近きもの。極楽。舟の道。人の仲…
遠いようで近いもの、近いようで遠いものを挙げる段。
枕草子とは?(作者・成立・ジャンル)
| 作者 | 清少納言(一条天皇の中宮定子に仕えた女房。父は歌人の清原元輔) |
|---|---|
| 成立 | 平安時代の中ごろ、1000年(長保2年)前後 |
| ジャンル | 随筆(日本最古の随筆とされる)。『方丈記』『徒然草』と並ぶ三大随筆 |
| 特色 | 「をかし」の文学。するどい観察と、知的で明るい書きぶり(『源氏物語』の「もののあはれ」と比べられる) |
| 段の数 | 約300段(本によって段の分け方と番号がちがう。教科書は三巻本が多い) |
枕草子の3種類の章段
| 類聚章段 | 「〜もの」「〜は」と、テーマに合うものを集めて並べる段(ものづくし)。 |
|---|---|
| 随想章段 | 自然や人のようすを見て、感じたことを自由に書く段。 |
| 回想章段 | 中宮定子に仕えた宮仕えの思い出を書く段(日記的章段)。 |
よくある質問(枕草子の基本)
枕草子の作者は誰?
清少納言です。一条天皇の中宮定子に仕えた女房で、歌人の清原元輔の娘です。
枕草子はいつの作品?
平安時代の中ごろ、1000年(長保2年)前後に書かれたとされます。
枕草子の冒頭(書き出し)は?
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」です。
日本三大随筆とは?
清少納言『枕草子』、鴨長明『方丈記』、兼好法師(吉田兼好)『徒然草』の3つです。
枕草子の章段の種類は?
類聚章段(ものづくし)・随想章段・回想章段(日記的章段)の3種類に分けられます。
教科書によく出る段は?
「春はあけぼの」「うつくしきもの」「中納言参りたまひて」「雪のいと高う降りたるを(香炉峰の雪)」「宮に初めて参りたるころ」「九月ばかり」などです。このページの「定番」の印の段です。


