「無花果」読めますか?読めたらすごい漢字クイズ|名前の由来・熟字訓と果物・野菜の難読漢字12問

この記事の結論

  • 「無花果」は3字まとめて1つの読みを当てる熟字訓なので、1字ずつ読んでも正解になりません。答えは下の「答えを見る」を押すと開きます
  • 「無花果」と書くのは、花が実の内側にかくれていて外から見えないからとされています(辞典の説明)
読めたらすごい漢字「無花果」読めますか?

読めたらすごい漢字「無花果」

前回の記事を読んでくださった方は、みなさん解るはず。

「無花果」の読み方

⇒夏至(げし)とは?2027年はいつ・意味・七十二候・南中高度と夏越の祓【二十四節気】(2014年の元の記事の「前回の記事」です。題は今の題にしています)

「無」「花」「果」は3字とも小学校で習う常用漢字です。1字ずつなら誰でも読めるのに、3字並ぶと読めなくなる。それが「読めたらすごい漢字」です。この記事では、クイズのあとに、なぜ「花が無い」と書くのか、熟字訓(じゅくじくん)とは何か、果物・野菜の難読漢字12問、熟字訓の覚え方を順に紹介します。

この記事の漢字は「漢字合格大作戦」で1字ずつ調べられます

「無」「花」「果」「実」「熟」「字」「訓」のような1字の書き順・音読み・訓読み・漢検の級は「漢字合格大作戦」(常用漢字2136字)で確かめられます。級別の一覧は漢検2級など、高校で習う読みは高校で習う読みへ。なお「瓜」「茄」「蒜」「胡」「葡」「萄」「茸」「椒」「苺」は常用漢字外の字です。

読めたらすごい漢字「無花果」読めますか?

まずは何も見ずに、声に出して読んでみてください。

  • ヒント1:前回の記事(夏至の記事)を読んだ人には解るはずです。
「無花果」の3字を分けてみると 無 ない + 花 はな + 果 木の実 花が見えないのに実がなる果物
図1 「無花果」の3字を分けてみると(大学受験合格大作戦 作成)

3字の意味をつなげると「花が無い果物」。この言葉は、もともと中国で使われてきた名前で、それに日本語の名前を読みとして当てています。だから「むかか」と1字ずつ音読みしても、ふだん使う名前にはなりません(辞書には「むかか」という読みも載っています)。答えはひらがなで4文字の、身近な果物の名前です。

もっとヒントがほしい人へ(押すと開きます)

ヒント2・ヒント3を見る
  • ヒント2(2026年の追加):夏の終わりから秋にかけて、果物売り場に並びます。皮は赤紫色で、切ると中は赤っぽい色です。
  • ヒント3(2026年の追加):「1、2、3…」と数を数えるときの、最初の数の読みで始まります。

答え(押すと開きます)

「無花果」の答えを見る

正解は「いちじく」です。

いちじくの実
いちじく。花は実の中にあり、外からは見えない(写真:schleichpost0、Wikimedia Commons、CC0)

いちじくは、クワ科の落葉樹とその実です。英語では fig、学名は Ficus carica といいます。国語辞典では「いちじく【無花果・映日果】」のように、「映日果」という書き方も見出しに並んでいます。古い言い方に「いちじゅく」もあり、「むかか」という読みも辞書に載っています。

「無花果」の読みの由来(2つの説)

名前の由来は2つの説(諸説あり) 説1 外国の名前から ペルシア語 anjir 中国で「映日果」 いちじく 説2 熟し方から 1日に1つずつ熟す 一熟(いちじゅく) いちじく 漢字「無花果」は中国での名前。読みは日本語の名前 → 3字まとめて1つの読み=熟字訓
図2 読みの由来の2つの説(大学受験合格大作戦 作成)

「いちじく」という名前の由来には、主に2つの説があります。

  • 説1:中国では「映日果」とも書きました。この「映日果」は、ペルシア語でこの果物を表す anjir の音を写した字だという説明があり、その中国語の読みが日本で「いちじく」になった、という説です。
  • 説2:1日に1つずつ熟す、または1か月で熟すことから「一熟(いちじゅく)」と呼ばれ、それがなまって「いちじく」になった、という説です。

どちらが正しいかは決まっていません。諸説ありとして、両方覚えておきましょう。どちらの説でも、「無花果」という漢字は中国での名前、「いちじく」は日本での呼び名で、3字まとめて1つの読みを当てているという点は同じです。これが熟字訓です。

英語の fig と、fig を使った言い方

英語の fig は、いちじくの木と実の両方を表します。旧約聖書でアダムとイブがいちじくの葉で体をかくした話から、fig leaf(いちじくの葉)は、英和辞典で「不体裁なものを(下手に)かくすもの」という意味ものっています。また、not care a fig は「少しもかまわない・平気だ」という意味の言い方です。fig 自体はつづりが短く、中学・高校の教科書ではあまり出てこない単語ですが、英文の物語や聖書にかかわる話ではよく出てきます。英単語は、こうした背景といっしょに覚えると忘れにくくなります。

よくある読み間違い

読み間違いどこでつまずく?
むかか1字ずつ音読みしてしまう(辞書には読みの一つとして載っている)
むはなか音読みと訓読みがまざる
いちぢく読みは合っているが、今の仮名遣いでは「いちじく」と書く

「いちぢく」と書く人も多いのですが、国語辞典の見出しは「いちじく」です。読みの問題でひらがなで答えるときは「いちじく」と書きましょう。

うかるくん

うかるくん

「無」「花」「果」は全部読めるのに、つなげたら「むかか」しか出てきませんでした…。

合格先生

合格先生

「無花果」は3字まとめて「いちじく」と読む熟字訓なんだ。1字ずつ読んでも答えにはならないよ。

サクラちゃん

サクラちゃん

「花が無い果物」って、いちじくには花がないんですか?

合格先生

合格先生

いいところに気づいたね。花は実の内側にあって、外から見えないだけなんだ。次の節で断面の図を見てみよう。

夏至の記事(夏至(げし)とは?2027年はいつ・意味・七十二候・南中高度と夏越の祓【二十四節気】)では、尾張地方(愛知県西部)に夏至のころ「いちじく田楽」を食べる風習があるといわれる話や、「いちぢく」とまちがえやすい話も紹介しています。

さて、読めましたか? 読めた人は、果物の漢字にかなり強い人です。読めなかった人も、ここから先の解説とクイズで「熟字訓」のしくみをつかめば大丈夫です。

人差し指を立てて説明する合格先生

合格先生

1字ずつは読めるのに、3字並ぶと読めない。それが熟字訓だよ。字の意味から、どんなものか想像してみよう。

「無花果」と書くのはなぜ?花は実の内側にある

花は実の内側にかくれている 外側の皮 花をつける台がふくらむ 内側の小さな花 外からは見えない 先の小さな穴 外とつながる口
図3 「無花果」の実の断面(大学受験合格大作戦 作成)

「花が無い果物」と書きますが、本当に花が無いわけではありません。国語辞典や百科事典では、次のように説明されています。

  • 花をつける台(花托)が壺のようにふくらみ、その内側にたくさんの小さな花がつく。
  • 花は内側にあるので、外からは花が見えない。花が見あたらないまま実ができるように見えるので、「無花果」の字が当てられた。
  • わたしたちが食べている部分は、このふくらんだ台と、内側の小さな花(実)が一つになったもの。

このような花のつき方を、植物学では隠頭花序(いんとうかじょ)とよびます。「隠」は「かくれる」、「頭」は「あたま」の字で、花のかたまりがかくれているという意味の名前です。実を半分に切ると、中に細い糸のようなものがびっしり並んでいるのが見えます。あれが一つひとつの小さな花です。

日本の「無花果」は受粉しなくても実る

百科事典によると、「無花果」にはいくつかの品種のグループがあり、原産地の小アジアで古くから干して食べるために育てられてきた品種には、別の品種の花粉で受粉しないと実らないものもあります。いっぽう、日本で育てられているものの多くは受精しないまま熟す品種で、百科事典には、繁殖は挿し木で容易にできると書かれています。たねから育てるのではなく、枝を切って土にさして増やすのです。

花のつくりは、中学理科の「植物のつくり」で出てくる、めしべ・おしべ・花びら・がくの話につながります。花のつくりと、たねのでき方を図で整理した記事には「読めたらすごい漢字「蒲公英」」(花びら1枚が1つの花になっている花の話)があります。花の見えない「無花果」と、たくさんの花が集まった「蒲公英」を比べると、花のつくりのちがいがよくわかります。

「無花果」はいつ日本に来た?原産地と伝来

「無花果」は、栽培の歴史がとても古い果樹です。百科事典や国語辞典で確かめた範囲をまとめます。

項目辞典・事典の説明
原産地西アジア(小アジア・アラビア南部など。辞典によって書き方がちがう)
栽培の歴史紀元前2000年ごろから地中海沿岸で栽培されたとされる。栽培果樹として世界で最も古いものの一つ
日本への伝来江戸時代のはじめ。寛永年間(1624〜1644年)に渡来、17世紀前半に長崎に入った、と説明される
なかまクワ科の落葉樹(高さ3〜4メートルほど)。枝や葉を切ると白い乳のような汁が出る
別の呼び名トウガキ(唐柿)・ナンバンガキ(南蛮柿)など

「唐柿」「南蛮柿」という別名には、唐(中国)や南蛮(ポルトガル・スペインなど)から来た柿のような果物という感じがよく出ています。江戸時代のはじめ、長崎はヨーロッパや中国との窓口でした。鎖国の時代にも長崎の出島で貿易が続いたことは、日本史でよく出てきます。外国から伝わった食べ物の名前には、こうした歴史の手がかりが残っていることが多いのです。

旧約聖書の「創世記」には、アダムとイブが知恵の木の実を食べたあと、この木の葉で体をかくした場面があります。西洋の絵画にもよく描かれる場面で、世界史や美術の資料集で見たことがある人もいるかもしれません。

旬は年に2回:夏果と秋果

実がなる時期は年に2回 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月 夏果 秋果 夏果=前の年の実が冬を越す 秋果=その年の枝の実 俳句の季語では「秋」
図4 実がなる時期は年に2回(大学受験合格大作戦 作成)

百科事典によると、「無花果」の実は年に2回熟す時期があります。前の年にできた小さな実が冬を越して7月ごろ熟すものを夏果(なつか)、その年に伸びた新しい枝にできて8月から10月に熟すものを秋果(あきか)とよびます。俳句の季語では秋です。

夏至のころ(6月下旬)は、まだ夏果が熟す少し前です。夏至の記事では、夏至と「無花果」の話から二十四節気の覚え方へつなげています。二十四節気の読み方は「二十四節気の読み方クイズ24問」で、啓蟄・芒種・処暑など読めそうで読めない漢字としてまとめています。

「無」「花」「果」の読み方と、この字がつく言葉

「無花果」の3字は、1字ずつなら入試の読み・書き取りでよく出る常用漢字です。熟字訓を覚えるついでに、1字ずつの読みと言葉も確かめておきましょう。

字音読み訓読みこの字がつく言葉
無ム・ブな(い)無事(ぶじ)・無理(むり)・無料(むりょう)・無礼(ぶれい)
花カはな開花(かいか)・花壇(かだん)・花火(はなび)
果カは(たす)・は(てる)・は(て)結果(けっか)・成果(せいか)・果敢(かかん)・果物(くだもの)

「無」はムとブの2つの音読みがあり、「無事」「無礼」「無難」ではブと読みます。読み分けは言葉ごとに覚えるしかないので、書き取りでも読みでもねらわれます。「果」は「果たす(はたす)」「果てる(はてる)」の訓読みがあり、「果敢(かかん)」は「思い切りよく行うこと」、「因果(いんが)」は「原因と結果」という意味です。現代文の評論では「結果」「成果」「効果」のように、何かをしたあとに生まれるものという意味でよく使われます。

「花」と「果」はどちらも音読みが「カ」です。「開花」「結果」のように、植物の育ち方を表す熟語も多く、理科の文章でも出てきます。「無花果」は、3字のうち2字が「カ」と読める字なので、1字ずつ音読みすると「む・か・か」になってしまうのです。

熟字訓とは?意味と例をわかりやすく

漢字の読み方は3つの型 音読み 果実 カ+ジツ 1字ずつ中国の音 訓読み 実 み 1字に日本語 熟字訓 果物 くだもの まとめて1つの日本語
図5 漢字の読み方は3つの型(大学受験合格大作戦 作成)

熟字訓(じゅくじくん)とは、2字以上の漢字のまとまりに、日本語の言葉をまるごと1つの読みとして当てたものです。1字ずつに読みを分けることができません。

漢字の読み方には、大きく次の3つの型があります。

  1. 音読み:中国から伝わった漢字の音をもとにした読み。「果実(かじつ)」の「カ」「ジツ」。
  2. 訓読み:1字の漢字に、同じ意味の日本語を当てた読み。「実(み)」「花(はな)」。
  3. 熟字訓:2字以上のまとまりに、日本語を1つ当てた読み。「果物(くだもの)」「今日(きょう)」。

国の「常用漢字表」(2010年)には、本表とは別に「付表」があり、「いわゆる当て字や熟字訓など、主として1字1字の音訓としては挙げにくいもの」が、言葉の形でまとめて載っています。たとえば「明日(あす)」「昨日(きのう)」「今朝(けさ)」「果物(くだもの)」「八百屋(やおや)」「紅葉(もみじ)」「田舎(いなか)」「時雨(しぐれ)」などです。付表の言葉は中学・高校で習う読みなので、入試の読み問題・書き取り問題によく出ます。

熟字訓と当て字のちがい

熟字訓とよく似た言葉に「当て字」があります。当て字は、漢字の意味とは関係なく音だけを借りて書いたもの(「目出度い」など)や、意味を考えて字を当てたものなど、広い意味で使われます。常用漢字表の付表でも、当て字と熟字訓はまとめて「当て字や熟字訓など」と扱われています。受験では、1字ずつに読みを分けられない言葉=熟字訓、と押さえておけば十分です。

「無花果」は常用漢字表の付表には無い

「無花果」は、3字とも常用漢字ですが、言葉としては常用漢字表の付表に載っていません。つまり学校で必ず習う読みではないので、「読めたらすごい漢字」なのです。同じように、植物や生き物の名前には、付表に無い熟字訓がたくさんあります。花の名前なら「「紫陽花」の読み方」、海の生き物なら「「寄居虫」の読み方」、季節や天気の言葉なら「「長閑」読めますか?」で、熟字訓の読み方クイズを出しています。

サクラちゃん

サクラちゃん

「果物」の「くだもの」も熟字訓なんですね。ふつうに読めるから気づきませんでした。

合格先生

合格先生

「今日」「明日」「果物」のように、毎日使う言葉にも熟字訓はたくさんあるんだ。常用漢字表の付表にまとめて載っているよ。

うかるくん

うかるくん

付表に無い言葉は、学校で習わないってことですか?

合格先生

合格先生

そう。だから植物や食べ物の名前は自分で言葉ごと覚えるのが近道。次のクイズで練習しよう。

果物・野菜の難読漢字クイズ12問

「無花果」のように、果物や野菜の名前には読めそうで読めない漢字がたくさんあります。次の12問を読んでみてください。熟字訓のものと、1字ずつ読めるものがまざっています。答えは下の「答えを見る」を押すと開きます。

番号漢字ヒント
1南瓜秋から冬が旬。煮物にする。皮は緑、中は黄色
2胡瓜細長い緑の野菜。サラダや漬物に
3茄子紫色の夏野菜。焼いても煮ても
4大蒜においの強い香味野菜
5胡桃かたい殻の木の実
6西瓜緑の皮に黒いしま。夏の定番
7葡萄房になる紫や緑の実
8椎茸秋の味覚のきのこ
9胡麻小さなつぶ。すって和え物に
10胡椒ぴりっと辛い調味料
11苺春に赤い実。ショートケーキに
12八百屋野菜や果物を売る店

果物・野菜12問の答え(押すと開きます)

果物・野菜12問の答えを見る
番号漢字読み読みの型ひとこと
1南瓜かぼちゃ熟字訓名前はポルトガル語の Cambodia(カンボジア)からといわれる。音読みで「なんか」とも
2胡瓜きゅうり熟字訓「胡」は外国産の意味
3茄子なす熟字訓「なすび」ともいう
4大蒜にんにく熟字訓「蒜」は常用漢字外
5胡桃くるみ熟字訓「桃」は常用漢字
6西瓜すいか1字ずつの音「西」をスイと読むのは唐音
7葡萄ぶどう1字ずつの音葡(ブ)+萄(ドウ)
8椎茸しいたけ1字ずつの訓椎(しい)の木などに生える茸(たけ)
9胡麻ごま1字ずつの音胡(ゴ)+麻(マ)
10胡椒こしょう1字ずつの音胡(コ)+椒(ショウ)
11苺いちご1字の訓1字で読む果物の名前
12八百屋やおや熟字訓常用漢字表の付表にある言葉

熟字訓は「南瓜」「胡瓜」「茄子」「大蒜」「胡桃」「八百屋」の6つでした。「西瓜」「葡萄」「胡麻」「胡椒」は1字ずつの音読みで読めるので、字の音を知っていれば読めます。「椎茸」は「椎(しい)」の木と「茸(たけ=きのこ)」の訓読みを並べた言葉です。

「南瓜(かぼちゃ)」の名前は、国語辞典によると、ポルトガル語の Cambodia(カンボジア)から来たとされます。外国から伝わった野菜や果物には、「無花果」と同じように、漢字は中国での名前、読みは日本語の呼び名という組み合わせが多いのです。

「胡」=外国から来たもの 胡 胡桃 胡瓜 胡麻 胡椒 それぞれ何と読む?
図6 「胡」がつく食べ物(大学受験合格大作戦 作成)

「胡」は、昔の中国で北や西に住む人々(外国)を表した字で、国語辞典には「外国産の」という意味の例として「胡椒(こしょう)」「胡麻(ごま)」があげられています。「胡桃(くるみ)」「胡瓜(きゅうり)」と並べると、「胡」の字がつく食べ物は外国から伝わったものが多い、と覚えられます。

1問ずつ「熟字訓かどうか」を考えながら答え合わせをすると、読み方の型が自然に身につきます。食べ物の難読漢字は「「心太」読めますか?」(海の生き物・練り物・お菓子など15問)や「「蒲焼」読めますか?」(川の魚の漢字)にもあります。野菜の色素と食事の話は「βカロテンとリコピンとは?(受験の食育)」へどうぞ。

熟字訓・難読漢字を入試で落とさない覚え方

熟字訓の覚え方3ステップ 1 字の意味を見る 花が無い果物 2 言葉ごと声に 1字ずつ切らない 3 仲間で集める 果物・野菜など
図7 熟字訓の覚え方3ステップ(大学受験合格大作戦 作成)

熟字訓は、1字ずつの読みからは答えが出ません。そのかわり、字の意味と言葉のまとまりを手がかりにすると、ぐっと覚えやすくなります。

1. 字の意味を見る

熟字訓の多くは、漢字の意味がものの様子を表しています。「無花果」なら「花が見えない果物」、「土筆」なら「土から筆が出たような形」、「紫陽花」なら「紫の花」です。読めなくても、意味から「どんなものか」を想像できれば、ヒントがあれば答えにたどり着けます。「無」「花」「果」のような常用漢字は、1字ページで音読み・訓読み・意味を確かめておきましょう。

2. 言葉ごと声に出して覚える

熟字訓は1字ずつに切らないのがコツです。「む・か・か」と分けずに、言葉全体を1つの絵のように見て、声に出して読みます。漢字カードやノートには、言葉・読み・意味の3つを1行に書くと、見返したときにすぐ思い出せます。

3. 仲間で集める

「果物・野菜」「花」「魚」「季節」のように、仲間ごとに集めると、1つ覚えるたびにほかの言葉も思い出しやすくなります。「胡」がつく食べ物のように、同じ字が入る言葉を並べるのも効果的です。古文で出てくる難読語は「「口遊む」読めますか?」、気持ちを表す難読語は「「面映ゆい」読めますか?」、正月の言葉は「「双六」読めますか?」で仲間ごとにまとめています。仲間で覚えた言葉は、テストの直前に「果物の仲間」「花の仲間」とグループごとに見直すと、短い時間でたくさん確かめられます。

4. 読めなかった言葉は「読めないノート」へ

クイズで読めなかった言葉は、そのままにせず、ノートやメモに言葉・読み・意味・出会った場所の4つを書いて集めておきましょう。1週間に1回まとめて読み直すだけでも、読めない言葉はどんどん減っていきます。体の部分の熟字訓・当て字は「読めそうで読めない漢字パート8(体の漢字20問)」、雨の降り方の言葉は「篠突く雨の意味と読み方」でも練習できます。

入試での問われ方

問われ方対策
漢字の読み(ひらがなで書く)常用漢字表の付表の言葉を中心に、言葉ごと覚える
現代文の文章の中の難読語前後の文脈と字の意味から推測する
古文・漢文の中の植物や生き物の名前注がつくことが多い。字の意味からイメージする

大学入試の国語では、現代文の漢字の書き取り・読み取り、古文の単語、漢文の句法などで漢字の力が問われます。国語全体の勉強の流れは「国語まとめ」、古文の文法は「古文文法辞典」から確かめられます。10問ずつの読み方クイズは「読めそうで読めない漢字10問【パート12】」などのシリーズでどうぞ。

指さして説明するサクラちゃん

サクラちゃん

熟字訓は1字ずつに切らない! 字の意味を見て、言葉ごと声に出して、仲間で集めて覚えよう!

まとめ:「無花果」と熟字訓のポイント

  • 「無花果」は3字まとめて1つの読みを当てる熟字訓(答えは上の「答えを見る」で)。
  • 「花が無い」と書くのは、花が実の内側にかくれていて外から見えないから。
  • 江戸時代のはじめ(寛永年間)に日本に伝わったとされ、実がなる時期は夏果と秋果の年2回。俳句の季語は秋。
  • 熟字訓=2字以上のまとまりに日本語を1つ当てた読み。常用漢字表の付表に「果物」「八百屋」「今日」などが載っている。
  • 果物・野菜の名前は、漢字は中国での名前、読みは日本語の呼び名という組み合わせが多い。

わからない漢字や勉強の悩みがあれば「受験の質問・相談」でどうぞ。受験生どうしで話したいときは、受験掲示板「100点BBS」も使ってみてください。

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書き順・読み・漢検の級は「漢字合格大作戦」で

「無」「花」「果」「実」「熟」「字」「訓」のような1字の書き順・音読み・訓読み・漢検の級は「漢字合格大作戦」(常用漢字2136字)で確かめられます。級別の一覧は漢検2級など、高校で習う読みは高校で習う読みへ。なお「瓜」「茄」「蒜」「胡」「葡」「萄」「茸」「椒」「苺」は常用漢字外の字です。

読めそうで読めない漢字シリーズ

  1. 読めそうで読めない漢字(パート1)
  2. 読めそうで読めない漢字~パート2
  3. 読めそうで読めない漢字~パート3
  4. 読めそうで読めない漢字~パート4
  5. 読めそうで読めない漢字~パート5【二十四節気編】
  6. 読めそうで読めない漢字~パート6
  7. 読めそうで読めない漢字~パート7【国の名前編】
  8. 読めそうで読めない漢字~パート8
  9. 読めそうで読めない漢字~パート9
  10. 読めそうで読めない漢字~パート10
  11. 読めそうで読めない漢字~パート11【日本の伝統色】
  12. 読めそうで読めない漢字~パート12

読めたらすごい漢字:「蒲公英」・「寄居虫」・「無花果」(この記事)。1語だけの読めそうで読めない漢字:「蒲焼」・「長閑」・「心太」・「面映ゆい」・「双六」・「口遊む」

よくある質問

「無花果」は何と読みますか?

「いちじく」と読みます。3字まとめて1つの読みを当てる熟字訓です。

なぜ「無花果」と書くのですか?

花が実の内側にあって外から見えず、花が無いまま実がなるように見えるからとされています。本当は内側に小さな花がたくさんあります。

熟字訓とは何ですか?

2字以上の漢字のまとまりに、日本語の言葉をまるごと1つの読みとして当てたものです。今日(きょう)・果物(くだもの)などがあり、常用漢字表の付表に載っています。

「無花果」はいつ日本に伝わりましたか?

江戸時代のはじめ、寛永年間(1624〜1644年)に渡来したと辞典で説明されています。17世紀前半に長崎に入ったとする事典もあります。

「無花果」の旬と季語は?

前の年の実が冬を越して7月ごろ熟す夏果と、その年の枝に8〜10月に熟す秋果があります。俳句の季語は秋です。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 問題・元の画像・「前回の記事」(夏至の記事)へのリンク:2014年6月の元の記事(大学受験合格大作戦)
  • 「無花果」の読み・別の書き方と古い読み・「むかか」の読み・花嚢のつくり・寛永年間の渡来・季語:デジタル大辞泉(小学館)、精選版 日本国語大辞典(小学館)〔コトバンク〕
  • 漢字を当てた理由・原産地・栽培の歴史・17世紀前半に長崎へ・受精せずに熟す品種・別名(トウガキ・ナンバンガキ):改訂新版 世界大百科事典(平凡社)〔コトバンク〕
  • 隠頭花序・夏果と秋果・挿し木・学名 Ficus carica:日本大百科全書(ニッポニカ)(小学館)〔コトバンク〕
  • 読みの由来の2つの説:植物図鑑・食の医学館の解説〔Weblio・コトバンク〕、Wiktionary(英語版)の解説。いずれも諸説の一つ
  • 熟字訓・付表の説明と付表の語(明日・昨日・今朝・果物・八百屋・紅葉・田舎・時雨):常用漢字表(2010年 内閣告示、文化庁)
  • 果物・野菜12問の読みと名前の由来、「胡」の意味:デジタル大辞泉〔コトバンク〕
  • 答えの中の写真:schleichpost0、Wikimedia Commons、CC0(合格大作戦の夏至の記事で使用している写真)
  • 答えの中の英語の言い方の意味:英和辞典〔Weblio〕

最終更新:2026年10月23日/作成:大学受験合格大作戦

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