この記事の結論

  • 篠突く雨(しのつくあめ)は、篠竹(しのだけ)を束ねて突きおろすように、細い雨が集中して激しく降る雨のことです。「しとしと静かに降る雨」の意味で使うのは誤りです(デジタル大辞泉の補説)
  • 「篠竹」の読みは国語辞典では「しのだけ」です。2008年の元の記事では「ささたけ」と書いていましたが、辞書に合わせて直しました。雨の強さは、気象庁では1時間の雨量で「強い雨(20〜30mm)」「激しい雨(30〜50mm)」などと呼び分けます

この記事の漢字は「漢字合格大作戦」で確かめよう

「篠」「笹」は常用漢字外の字(人名用漢字)ですが、この記事に出てくる「雨」「竹」「突」「降」「車」「軸」「砂」「霧」などの書き順・音読み・訓読み・漢検の級は「漢字合格大作戦」(常用漢字2136字)で1字ずつ確かめられます。

篠突く雨とは(2008年の元の記事)

この記事は2008年6月に書いたものです。梅雨どきの朝の話から始まっていました。元の文をそのまま残します。

朝から篠突く雨が降っていました。受験生の皆さんはもちろん知っていると思いますが、知らない受験生も一部いたので【合格大作戦】で紹介しておきたいと思います。

【篠突く雨(しのつくあめ)】の意味(大辞林という辞書からの転用です)
篠竹を束ねて突きおろすように、細いものが集中して飛んでくる。多く雨の激しく降るさまにいう。しのをつく。

元の記事では、このあとに「篠竹」の読み方として「ささたけ」と書いていました。ところが今回、国語辞典で確かめ直したところ、辞書の読みは「しのだけ」でした(くわしくは下の「篠竹の読み方」)。この記事では、元の内容を残しながらまちがいを直し、「篠突く雨」の仲間の雨の言葉と、天気予報で使われる気象庁の雨の強さの言い方まで、図で一気に整理します。

「篠突く雨」は、小説や随筆の情景描写に出てくる言葉です。現代文の読解で意味が分からないと、場面の空気(激しい雨の中の緊張感など)を読み取りそこねます。言葉の意味を正確に押さえる練習は、「現代文の記述問題の対策・勉強法」で説明している「本文の言葉を正しく言いかえる力」にもつながります。

篠突く雨の意味と読み方:激しい雨のたとえ

まず、言葉の基本から確かめます。

  • 読み:篠突く(しのつく)、篠突く雨(しのつくあめ)
  • 品詞:「篠突く」はカ行五段活用の動詞。「篠突く雨」「雨は篠突くばかり」のように使います
  • 意味:篠竹を束ねたものが落ちてくるように、細いものが密に激しく飛んでくること。とくに、雨が激しく降るようす(デジタル大辞泉)
  • 注意:雨が静かに降るようすの意味で使うのは誤り(デジタル大辞泉の補説)

元の記事で引いた大辞林の説明も、デジタル大辞泉の説明も、中身は同じです。「細いもの(=雨の一本一本)が集中して(=すき間なく)激しく」の3つがそろった雨が「篠突く雨」です。

「篠突く雨」=篠竹の束で突きおろすような雨 篠竹(しのだけ)を束ねる 突きおろす 細い雨が集中して激しく降る 使う 激しく降る雨 「篠突く雨が降る」 使わない しとしと静かな雨 (辞書の補説で誤り)
図1 「篠突く雨」のイメージ。篠竹の束で上から突くように、細い雨がびっしり激しく降る

「篠突く」はなぜ激しい雨なのか

「篠」は、細くてまっすぐな竹(ササの仲間)のことです。1本1本は細い竹でも、何本も束ねて上から突きおろせば、細い棒がまとまって勢いよく落ちてきます。空から降る雨の筋を、この「束ねた篠竹」に見立てたのが「篠突く」です。雨の一本一本が細い線のように見えるほど、すき間なく強く降っているようすが目に浮かびます。

「しとしと」「静かに」とは正反対の言葉なので、「篠突く雨がしとしと降っていた」は誤りです。音の響きがやわらかいせいか、静かな雨のことだと思っている人もいるため、辞書にもわざわざ注意が書いてあります。読解問題で「篠突く雨」が出てきたら、「激しい雨」と頭の中で置きかえて読みましょう。

例文で使い方を確かめる

  • 篠突く雨の中、傘もささずに駅まで走った。
  • 午後から雨は篠突くばかりになり、試合は中止になった。
  • 篠突く雨が窓を打ち、外の景色がまったく見えなくなった。

どの例文も「激しい雨」に置きかえても意味が通ります。これが正しく使えているかの確かめ方です。逆に「篠突く雨が、しとしとと庭の苔をぬらしていた」は、「激しい雨」に置きかえると「激しい雨がしとしと」となって矛盾するので、まちがいだと分かります。

篠竹の読み方は「しのだけ」:元の記事の訂正

元の記事にはこう書いていました。

【篠竹】の意味が分からない人の為に『ささたけ』と読みます。【しのたけ】ではないので注意。

元の記事では「ささたけ」と書いていましたが、辞書では「しのだけ」です。デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典には「しのだけ【篠竹】」の見出しがあり、「ささたけ」の読みは見つかりませんでした。また、「篠竹」と書いて「すずたけ」と読む植物(山地の林の下に群がって生える、日本特産のササの仲間)もあります。まとめると次のとおりです。

書き方読み意味(辞書)
篠竹しのだけ細く群がって生える竹。ササの仲間の総称(篠笹ともいう)
篠竹すずたけ(すずだけ)山地の林の下に群がって生える日本特産のササの仲間。高さ1〜3mほど
篠しの「篠竹(しのだけ)」に同じ。ほかに「篠笛」の略など

元の記事では、大辞林の説明として「篠竹は【小さい竹類の総称。】です」とも紹介していました。この意味は今の辞書の説明(細く群がって生える竹・ササの仲間の総称)とも合っています。読みだけを直しておきます。「しのたけ」と濁らずに読む形は、辞書の見出しでは確かめられなかったので、試験やレポートでは「しのだけ」と書くのが安全です。

「篠」という字には「ささ」の訓もある

「篠」1字の読みを漢和辞典で見ると、音読みはショウ、訓読みはしの・ささ・すずの3つが載っています。つまり「篠」を「ささ」と読むこと自体はあります。ただし熟語の「篠竹」になると、辞書の読みは「しのだけ」(または植物名の「すずたけ」)です。1字の読みと熟語の読みは、いつも同じとは限りません。漢字の読みを覚えるときは、1字だけでなく熟語の形で辞書を引くくせをつけましょう。

こうした「読めそうで読めない」言葉は、合格大作戦の「読めそうで読めない漢字パート1」から始まるシリーズでたくさん練習できます。「杜撰(ずさん)の読み方・意味・由来」のように、読みのまちがいが広まりやすい言葉もあわせて確かめておくと安心です。

「篠」と「笹」はどちらも竹かんむり 篠音読みショウ訓読みしの・ささ・すず 笹訓読みささ意味ササの仲間 どちらも常用漢字外(名前に使える「人名用漢字」) 「篠竹」の読み しのだけ 辞書の読み(すずたけも) ささたけ 辞書に無い(元の記事の誤り)
図2 「篠」と「笹」の読みと、「篠竹」の正しい読み(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典などで確かめた範囲)

「篠」と「笹」は常用漢字外・人名用漢字

元の記事では「ささは【笹】という漢字の方がよく目にします」とも書いていました。たしかに、「笹の葉」「笹団子」のように、ササには「笹」の字を使うのがふつうです。デジタル大辞泉でも「ささ【笹/篠】」と、両方の字が見出しに並んでいます。

「篠」も「笹」も常用漢字表には入っていない字で、名前に使える「人名用漢字」に入っています(戸籍法施行規則の人名用漢字の表)。「篠原」「笹川」など名字ではよく見かけますが、学校で習う常用漢字2136字の外です。そのため、合格大作戦の「漢字合格大作戦」には1字ページがありません。同じ竹かんむりの常用漢字なら、「竹」「笛」「節」「箱」などのページで書き順や読みを確かめられます。

うかるくん

うかるくん

先生、「篠突く雨」って、なんだか静かできれいな雨のイメージがありました。「しの」って音がやさしいので…。

合格先生

合格先生

その思いこみは多いんだ。だから辞書にも「静かに降るさまに使うのは誤り」と注意が書いてある。篠竹の束で突きおろすような、激しい雨だよ。

サクラちゃん

サクラちゃん

「篠竹」の読みも、元の記事は「ささたけ」だったんですね。

合格先生

合格先生

辞書で確かめると「しのだけ」だった。書いた人も読む人も、気になったら必ず辞書を引く。これが国語の力を伸ばすいちばんの近道だね。

雨の強さを表す言葉 一覧(篠突く雨・車軸を流す・土砂降り)

「篠突く雨」の仲間の言葉を、国語辞典(デジタル大辞泉など)で確かめた意味で一覧にしました。強さの列で「激しい」「急に降る」「弱い」に分けています。小説や随筆によく出る言葉ばかりなので、上から順に読んで意味を押さえましょう。

言葉読み意味強さ
篠突く雨しのつくあめ篠竹を束ねて突きおろすように、激しく降る雨激しい
車軸を流す(車軸を下す)しゃじくをながす車の軸のような太い雨脚で、大雨が降るようす激しい
土砂降りどしゃぶり雨が激しく降ること。また、その雨激しい
村雨(群雨・叢雨)むらさめひとしきり激しく降り、やんではまた降る雨。にわか雨急に降る
驟雨しゅうう急に降り出してすぐやむ雨。にわか雨急に降る
夕立ゆうだち夏の午後に降る激しいにわか雨。雷を伴うことが多い急に降る
狐の嫁入りきつねのよめいり日が照っているのに、急に雨がぱらつくこと(日照り雨)急に降る
霧雨きりさめ霧のように細かい雨(気象庁:雨粒の直径0.5mm未満)弱い
小糠雨(糠雨)こぬかあめ雨粒が霧のように細かい雨弱い
小雨こさめ少し降る雨(気象庁:数時間続いても1mmに達しない程度)弱い
雨の言葉は「強さ」で3つに分けると覚えやすい 細かく弱い雨霧雨・小糠雨・小雨急に降ってやむ雨にわか雨・村雨・驟雨・夕立激しい雨篠突く雨・土砂降り・車軸を流す 意味は国語辞典(デジタル大辞泉など)で確かめた範囲
図3 雨の言葉を強さで3つに分ける。「篠突く雨」は「激しい雨」のグループ

激しい雨:篠突く雨・車軸を流す・土砂降り

車軸を流すは、車の軸(車軸)のように太い雨脚で、大雨が降るようすです。「車軸を降らす」「車軸を下す」ともいいます。「車軸を流すような雨」の形でよく使います。「篠突く雨」が細い雨がびっしりなのに対して、「車軸を流す」は太い雨の筋にたとえている点がちがいます。どちらも「とても激しい雨」の意味です。「車」「軸」はどちらも常用漢字です。

土砂降りは、雨が激しく降ること、またその雨です。「土砂」は、雨が降るようすを表す言葉で、土や砂が降るわけではありません。気象庁の雨の強さの表でも、1時間に20〜30mmの「強い雨」を受ける感じとして「どしゃ降り」と書いています(下の「気象庁の雨の強さ」)。

急に降ってやむ雨:にわか雨・村雨・驟雨・夕立

村雨(むらさめ)は、ひとしきり激しく降っては、やんでまた降る雨です。「群雨」「叢雨」とも書き、「にわか雨」「驟雨」と同じ意味です。百人一首87番、寂蓮法師の「村雨の露もまだ干ぬ槇の葉に…」の「村雨」がこれです(「百人一首87番 村雨の」)。秋の夕暮れ、にわか雨が通りすぎたあとの山の景色をよんだ歌です。

驟雨(しゅうう)は、急に降り出してすぐにやむ雨、つまりにわか雨です。「驟」は常用漢字外の字で、ふだんは「にわか雨」と書くことが多い言葉です。気象庁の予報用語では「しゅう雨」と書き、対流性の雲から降る雨のことですが、音声で伝えるときは「にわか雨」や「雨」と言いかえることになっています。

夕立は、夏の午後に降る激しいにわか雨で、雷を伴うことが多い雨です。夏の季語でもあります。狐の嫁入りは、日が照っているのに雨がぱらつくこと(日照り雨・天気雨)です。「狐の嫁入り」には、夜の山野で狐火が行列の提灯のように連なって見えるもの、という意味もあります(デジタル大辞泉)。

細かく弱い雨:霧雨・小糠雨・小雨

霧雨(きりさめ)は霧のように細かい雨です。気象庁の予報用語では「直径0.5mm未満の小さな雨粒による弱い雨」と決められています。小糠雨(こぬかあめ)は、米ぬか(糠)のように細かい雨の意味で、「糠雨(ぬかあめ)」ともいいます。辞書の説明は「雨滴が霧のように細かい雨」で、霧雨とほぼ同じです。小雨は、気象庁では「数時間続いても雨量が1mmに達しないくらいの雨」です。

「篠突く雨」と「小糠雨」は、ちょうど反対の端にある言葉です。2つをセットで覚えると、雨の強さの言葉がすっきり整理できます。

季節の雨の言葉:五月雨・時雨・春雨・梅雨の意味

日本語には、季節ごとの雨の名前がたくさんあります。俳句では季語になっていて、古文や和歌にもよく出てきます。辞書で確かめた意味と、季語としての季節をまとめました。

言葉読み意味季節(季語)
春雨はるさめ春に静かに降る雨春
菜種梅雨なたねづゆ菜の花の咲くころ(3月下旬〜4月ごろ)の長雨春
梅雨つゆ・ばいう6月ごろから続く長雨の時期。また、その雨夏
五月雨さみだれ陰暦5月ごろに降り続く長雨(梅雨のこと)夏
夕立ゆうだち夏の午後に降る激しいにわか雨夏
秋雨あきさめ秋に降る雨秋
時雨しぐれ秋の末から冬の初めに、ぱらぱらと通り雨のように降る雨冬
氷雨ひさめ冷たい雨・みぞれ(冬)。雹や霰の意味では夏冬・夏
季節で変わる雨の名前(俳句の季語) 春春雨(はるさめ)菜種梅雨(なたねづゆ)夏梅雨・五月雨(さみだれ)夕立(ゆうだち)秋秋雨(あきさめ)undefined冬時雨(しぐれ)氷雨(ひさめ)※ ※氷雨は、冬の冷たい雨(冬の季語)のほか、夏の雹・霰(夏の季語)の意味もある
図4 季節ごとの雨の言葉(季節は俳句の季語としての分類。辞書による)

五月雨(さみだれ)は「梅雨」のこと

五月雨は、陰暦(旧暦)の5月ごろに降り続く長雨、つまり梅雨のことです。旧暦の5月は今の暦の6月ごろにあたるので、「5月の雨」ではなく「梅雨の雨」です。季語は夏です。芭蕉の「五月雨を集めて早し最上川」は、梅雨の雨を集めて水かさが増し、勢いよく流れる最上川をよんだ句です。デジタル大辞泉では、語源を「さ」は「さつき(五月)」の「さ」、「みだれ」は「水垂れ」かとしています。

「五月雨式(さみだれしき)」という言い方は、ここから「だらだらと途切れながら続く」意味で使われます。旧暦の月の名前(皐月・水無月など)とのつながりは「旧暦の月の名前(睦月〜師走)一覧」でくわしく説明しています。「水無月」が梅雨のころなのに「水が無い月」と書くふしぎも、そこで確かめられます。

梅雨(つゆ・ばいう)の由来

梅雨は「つゆ」とも「ばいう」とも読みます。6月ごろから7月にかけて続く長雨の時期と、その雨のことです。「梅雨」の字は、梅の実が熟すころの雨という意味か、物に黴(かび)が生えやすいころの雨という意味か、とされています(デジタル大辞泉の補説)。「黴雨」と書くこともあります。「梅」「雨」はどちらも常用漢字なので、書き取りでも出せるようにしておきましょう。

春の終わりの菜種梅雨(なたねづゆ)は、菜の花が咲くころの長雨です。本当の梅雨より早い時期の、ぐずついた雨の天気をいいます。

時雨(しぐれ)は秋の終わりから冬の雨

時雨は、秋の末から冬の初めにかけて、ぱらぱらと通り雨のように降る雨です。季語は冬です。デジタル大辞泉には「涙ぐむこと。涙を落とすこと」という意味ものっています。雨と涙を重ねる見方は、和歌や古文を読むときのヒントになります。「時雨」は熟字訓(2字まとめて特別な読み方をする言葉)で、「時」の字に「しぐ」という読みがあるわけではありません。

古文で季節を表す言葉は、文の意味を読む大きな手がかりになります。古文の基本の読み方は「古文文法辞典」、季節と暦の関係は「二十四節気の一覧と読み方」で確かめましょう。

二十四節気の中の「雨」

二十四節気には、雨の字が入る節気が2つあります。雨水(うすい)は、雪が雨に変わり、氷がとけて水になるころです(「雨水」)。穀雨(こくう)は、穀物をうるおす春の雨が降るころです(「穀雨」)。梅雨入りが近い「芒種(ぼうしゅ)」も、田植えと雨の季節の言葉です。二十四節気の読みは「二十四節気の読み方クイズ24問」で練習できます。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

雨の言葉は強さ(篠突く雨・土砂降り/小糠雨)と季節(春雨・五月雨・時雨)の2つの軸で覚えよう。五月雨は「5月の雨」ではなく梅雨だぞ!

気象庁の雨の強さ:1時間の雨量の目安

天気予報では、「篠突く雨」や「土砂降り」のような言葉は使いません。気象庁は1時間に降った雨の量(mm)で、雨の強さを決まった言葉で呼び分けています。気象庁の「雨の強さと降り方」の表を、要点にしぼってまとめました。

1時間の雨量予報で使う言葉人が受けるイメージまわりのようす(例)
10mm以上20mm未満やや強い雨ザーザーと降る雨音で話し声が聞き取りにくい。地面に水たまりができる
20mm以上30mm未満強い雨どしゃ降り傘をさしていてもぬれる。車のワイパーを速くしても見づらい
30mm以上50mm未満激しい雨バケツをひっくり返したように降る道路が川のようになる。車はブレーキが効きにくくなる
50mm以上80mm未満非常に激しい雨滝のように降り続く傘はほとんど役に立たない。水しぶきで見通しが悪く、車の運転は危険
80mm以上猛烈な雨息苦しくなるような圧迫感。恐怖を感じる―
気象庁の「雨の強さ」は1時間の雨量で決まる 01020305080 1時間の雨量(mm)→ やや強い雨(10〜20mm)ザーザーと降る強い雨(20〜30mm)どしゃ降り激しい雨(30〜50mm)バケツをひっくり返したよう非常に激しい雨(50〜80mm)滝のように降る猛烈な雨(80mm以上)息苦しい・恐怖を感じる
図5 気象庁の雨の強さの言葉と、1時間の雨量の目安(気象庁「雨の強さと降り方」をもとに作図)

弱い雨・小雨・大雨・豪雨の決まり

気象庁の予報用語では、ほかにも次のような決まりがあります。

  • 弱い雨:1時間の雨量が3mm未満の雨(小雨をふくむ)
  • 小雨:数時間続いても雨量が1mmに達しないくらいの雨
  • 霧雨:直径0.5mm未満の小さな雨粒による弱い雨
  • 大雨:災害が発生するおそれのある雨
  • 豪雨:著しい災害が発生した顕著な大雨。予報や警報の中では単独では使わず、「〇〇豪雨」のように名前の付いた災害を言うときなどに使う
  • 局地的大雨:急に強く降り、数十分の短い時間に狭い範囲で数十mmくらいの雨。「ゲリラ豪雨」という言い方は、気象庁の予報では使わず「局地的大雨」「集中豪雨」などと言いかえる
  • にわか雨:地域的に散発する一過性の雨。「時々にわか雨」という言い方はしない

「篠突く雨」は気象庁の用語ではないので、何mmからという決まりはありません。辞書の意味(細い雨が集中して激しく降る)から考えると、気象庁の言い方の「強い雨」「激しい雨」くらいの、傘をさしてもぬれる雨を思いうかべるとイメージしやすいでしょう。このように、文学の言葉(感じ方を伝える)と気象の言葉(数字で決める)は役割がちがいます。

雨は台風とも深い関係があります。台風の番号・名前の決まりは「台風の名前と番号の付け方」でまとめています。大雨のときは、言葉の意味よりも、気象庁の警報・注意報や自治体の避難情報を確かめることが大切です。

雨の強さを英語で言うと:downpour・drizzle・shower

英作文や英語の長文でも、雨の強さを表す言葉はよく出ます。日本語の言葉と対応させて覚えておきましょう。

日本語英語の言い方メモ
篠突く雨・土砂降りa downpour/pouring rain/It is pouring.pour は「注ぐ」。雨が注ぐように降る
大雨・豪雨heavy rain/torrential raintorrential は「急流のような」
にわか雨・村雨a shower天気予報の showers は「にわか雨」
霧雨・小糠雨drizzleIt is drizzling. で「霧雨が降っている」
小雨・弱い雨light rainheavy(強い)の反対は light
土砂降り(くだけた言い方)It is raining cats and dogs.よく知られた慣用句だが、少し古い言い方とされる

雨が「強い」は strong ではなく heavy、「弱い」は weak ではなく light を使うのがふつうです。日本語の感覚でそのまま英語にするとまちがえやすい点で、「英作文で使ってはいけない和製英語」と同じく、英作文で減点されやすいポイントです。

受験で「雨の言葉」はどう出る?漢字・語彙・古文

元の記事では、最後にこう書いていました。

【笹】も【篠】もセンター試験国語の漢字で出題される可能性もありますのしっかり読み書きできるようにしておきましょう。篠突く雨(しのつくあめ)の意味もしっかり覚えて、今度使ってみましょう。

これは2008年当時(センター試験のころ)の言葉です。今の大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)でも、国語では言葉の意味や漢字の力が問われます。ただし「篠」「笹」は常用漢字外の字なので、書き取りよりも読みと意味で出会うことが多い字です。雨の言葉が受験で役立つ場面を整理すると、次の4つです。

  1. 現代文(小説・随筆):「篠突く雨」「驟雨」「時雨」などが情景描写に出てきます。雨の強さや季節は、登場人物の気持ち(不安・決意・さびしさ)と重ねて描かれることが多いので、意味が分かると心情の読み取りが速くなります。
  2. 漢字:「降」「霧」「露」「雷」など、雨かんむりや雨に関係する常用漢字は書き取りでもねらわれます。雨かんむりの字(雪・雲・電・震・霜)をまとめて覚えると効率的です。
  3. 古文・和歌:「五月雨」「時雨」「村雨」は季節を表す大事な言葉です。季節が分かると、歌の場面がぐっと読みやすくなります。百人一首の覚え方は「百人一首 全百首の一覧」へ。
  4. 小論文・作文:「激しい雨」と書くところを「篠突く雨」と書けると、表現の幅が広がります。ただし意味を取りちがえると逆効果なので、使う前に辞書で確かめましょう。
どの言葉を使う? 雨の言葉の選び方 とても激しい雨? はい 篠突く雨・土砂降り・車軸を流す いいえ 粒が霧のように細かい? はい 霧雨・小糠雨 いいえ 急に降ってすぐやむ? はい にわか雨・村雨・夕立 いいえ 季節で選ぶ 春雨・五月雨・秋雨・時雨 迷ったら国語辞典で意味を引き、季節や強さが場面に合うか確かめる
図6 雨の言葉の選び方。強さ→粒の細かさ→降り方→季節の順に考える

言葉を覚えるコツ:辞書・例文・自分で使う

元の記事の「今度使ってみましょう」は、語彙を増やすいちばんの方法です。新しい言葉は、①辞書で意味を確かめる、②例文を1つ作る、③実際に日記や作文で使う、の3段階で身につきます。読めない言葉に出会ったら「電子辞書と紙の辞書の使い分け」を参考に、その場で引くくせをつけましょう。国語全体の勉強の入口は「国語まとめ」にまとめています。

サクラちゃん

サクラちゃん

「篠突く雨」と「車軸を流す」は、どっちも激しい雨ですよね。使い分けはあるんですか?

合格先生

合格先生

たとえているものがちがうんだ。篠突く雨は細い竹の束、車軸を流すは太い車の軸。どちらも「とても激しい雨」だから、意味のうえではほとんど同じと考えていいよ。

うかるくん

うかるくん

じゃあ、こまかい雨は「小糠雨」、冬のぱらぱら雨は「時雨」!強さと季節で分ければいいんですね。

合格先生

合格先生

その通り。気象庁は1時間の雨量で呼び分ける、というのもセットで覚えておけば完ぺきだ。

雨の言葉の練習問題(答えは押すと開きます)

ここまでの内容で解ける練習問題です。答えは自分で考えてから開きましょう。

問1 次の文の使い方が正しいものを1つ選びなさい。
ア 篠突く雨が、しとしとと庭をぬらしていた。
イ 篠突く雨の中、選手たちは最後まで走りきった。
ウ 春の篠突く雨が、静かに桜の花びらを散らした。

問1の答えと解説を見る

答え:イ。「篠突く雨」は激しく降る雨です。アの「しとしと」、ウの「静かに」は意味が合いません(辞書でも、静かに降るさまの意味で使うのは誤りとされています)。

問2 「篠竹」の読みとして、国語辞典にのっている読みを1つ選びなさい。
ア ささたけ  イ しのだけ  ウ ささだけ

問2の答えと解説を見る

答え:イ。辞書の見出しは「しのだけ【篠竹】」です。植物名として「すずたけ」と読むものもあります。2008年の元の記事の「ささたけ」は誤りでした。

問3 「五月雨」はどの季節の季語でしょう。また、何の雨のことでしょう。

問3の答えと解説を見る

答え:夏の季語で、梅雨のこと。陰暦(旧暦)5月ごろに降り続く長雨です。今の暦の5月の雨ではない点に注意しましょう。

問4 気象庁の予報で、1時間に30mm以上50mm未満の雨を何と呼ぶでしょう。

問4の答えと解説を見る

答え:激しい雨。人が受けるイメージは「バケツをひっくり返したように降る」です。20mm以上30mm未満は「強い雨」、50mm以上80mm未満は「非常に激しい雨」です。

問5 「It is drizzling.」はどんな雨のようすでしょう。この記事の日本語の言葉で答えなさい。

問5の答えと解説を見る

答え:霧雨(小糠雨)が降っている。drizzle は霧のように細かい雨です。激しい雨は pour や downpour で表します。

漢字の読みの問題をもっと解きたい人は、「いびつ(歪)の意味と語源」や「「長閑」読めますか?」など、読めそうで読めない言葉のクイズにも挑戦してみてください。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

篠突く雨は激しい雨、篠竹はしのだけ。気になった言葉はその場で辞書を引いて、「今度使ってみる」まで、やってみます!

国語の勉強や言葉の疑問は「受験の質問・相談」で受け付けています。ほかの受験生の勉強の進め方は、受験掲示板「100点BBS」の共通テスト掲示板でも話題になっています。

雨・竹・突・降などの漢字を1字ずつ確かめよう

「篠」「笹」は常用漢字外の字(人名用漢字)ですが、この記事に出てくる「雨」「竹」「突」「降」「車」「軸」「砂」「霧」などの書き順・音読み・訓読み・漢検の級は「漢字合格大作戦」(常用漢字2136字)で1字ずつ確かめられます。

よくある質問

篠突く雨とはどういう意味ですか?

篠竹を束ねて突きおろすように、細い雨が集中して激しく降る雨のことです。「しのつくあめ」と読みます。静かに降る雨の意味で使うのは誤りです。

篠竹の読み方は何ですか?

国語辞典の読みは「しのだけ」です。細く群がって生える竹(ササの仲間の総称)のことです。植物名として「すずたけ」と読むものもあります。

篠突く雨と土砂降りの違いは何ですか?

どちらも激しい雨を表します。篠突く雨は細い雨がびっしり降るようすを篠竹の束にたとえた言葉で、文章語です。土砂降りは日常会話でも使う言い方です。

五月雨はいつの季節の雨ですか?

陰暦(旧暦)5月ごろに降り続く長雨、つまり梅雨のことで、俳句では夏の季語です。今の暦の5月の雨という意味ではありません。

気象庁の「激しい雨」は1時間に何ミリですか?

1時間に30mm以上50mm未満の雨です。20mm以上30mm未満は「強い雨」、50mm以上80mm未満は「非常に激しい雨」、80mm以上は「猛烈な雨」と呼びます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 小学館『デジタル大辞泉』(Weblio・コトバンク掲載)「篠突く」「篠」「篠竹」「笹」「車軸を流す」「土砂降り」「村雨」「驟雨」「夕立」「狐の嫁入り」「霧雨」「小糠雨」「春雨」「菜種梅雨」「梅雨」「五月雨」「秋雨」「時雨」「氷雨」(2026年10月に確認)
  • 小学館『精選版 日本国語大辞典』(コトバンク掲載)「しのだけ【篠竹】」「すずたけ【篠竹】」
  • 三省堂『大辞林』「篠突く」(2008年の元の記事での引用)
  • 気象庁「雨の強さと降り方」「予報用語 降水」(2026年10月に確認)
  • 法務省「子の名に使える漢字」(人名用漢字表)、ウィキペディア「人名用漢字」の一覧(「篠」「笹」が人名用漢字にあることを確認)
  • 書き出しの文・大辞林の引用・「笹」「篠」の話は、2008年6月の元の記事のまま(「篠竹」の読みは辞書に合わせて訂正)

最終更新:2026年10月23日/作成:大学受験合格大作戦

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