「蒲焼(かばやき)」の語源は「蒲の穂」?樺色説・香疾説もある由来と、昔のうなぎの蒲焼の形
蒲の穂

この記事の結論

  • いちばん有名なのは「蒲の穂(がまのほ)説」。うなぎを丸ごと串に刺した形が、ガマの穂に似ていたから
  • ほかに、焼いた色が樺の皮に似ている「樺色説」、においが早く広がる「香疾(かばや)説」もある(諸説あり)
  • 昔の蒲焼は、うなぎを裂かずに丸ごと串に刺して焼いていた。いまの開いた形になったのは江戸時代の初めごろ

前回の読めそうで読めない漢字「蒲焼」は読めましたか? 「簡単すぎる」「読めるけど書けない」という声が多かったので、今回は一歩進んで「蒲焼」の語源です。

蒲焼の語源は「蒲の穂」?

蒲の穂(がまのほ)
蒲の穂(Photo by (c)Tomo.Yun yunphoto.net)

蒲焼は、うなぎなどを開いて串に刺し、たれをつけて焼く料理です。その語源としていちばんよく知られているのが、串に刺した形が「蒲の穂」に似ていたからという説です。辞書(デジタル大辞泉)も「串に刺した形が蒲の穂に似ているところからの名」と説明しています。

「蒲の穂」は、水辺に生える植物ガマの、茶色いソーセージのような形の穂です。「がま焼き」がなまって「かばやき」になった、といわれています。

ほかにもある語源の説

「かばやき」の語源 3つの説 ① 蒲の穂説 丸ごと串に刺した形がガマの穂に似ているいちばん有名な説 ② 樺色説 焼いた皮の赤黒い色が樺(カバ)の皮の色に似ている ③ 香疾説 焼くにおいがすばやく(疾く)広がる「香疾(かばや)」
蒲焼の語源の3つの説(諸説あり)
説中身唱えた人
蒲の穂説丸ごと串に刺した形がガマの穂に似ているもっとも一般的な説
樺色説焼くと皮が赤黒くなり、樺(カバノキ)の皮の色に似ている江戸時代の黒川道祐など
香疾説焼くにおいがすばやく広がるので「香疾(かばや)」江戸時代の山東京伝など

どの説も決め手はなく、語源ははっきりしていません。いちばん広く知られているのが「蒲の穂説」、ということです。

昔の蒲焼は「丸ごと串刺し」だった

百科事典によると、蒲焼という言葉が初めて出てくるのは室町時代の料理書『大草家料理書』とされます。このころは、うなぎを裂かずに丸ごと竹の串に通して焼いていました。これならガマの穂に似ているのもうなずけます。

江戸時代の初めごろに、うなぎを裂いて開くやり方が生まれ、いまの形に近づきました。江戸時代の随筆『傍廂(かたびさし)』には、開いた蒲焼はもう「蒲の穂には似もつかず」と書かれています。形が変わっても、名前だけが残ったわけですね。

関東風と関西風のちがい

関東風関西風
開き方背開き腹開き
焼き方白焼きにしてから蒸し、たれをつけて焼く蒸さずに、たれをつけて焼く

「蒲」の読み方

読み例
がま(訓読み)蒲の穂、蒲団(ふとん)の「蒲」もガマ
ホ・フ・ブ(音読み)蒲柳(ほりゅう)
かば(特別な読み)蒲焼
たんぽぽ(熟字訓の一部)蒲公英

「蒲焼」や「蒲公英(たんぽぽ)」は、ふつうの音読み・訓読みとはちがう読み方です。漢字の読みの問題で出たら、セットで思い出しましょう。

よくある質問

蒲焼の語源は何ですか?

うなぎを丸ごと串に刺した形が蒲(がま)の穂に似ていたからという説が有名です。ほかに樺色説や香疾説もあり、はっきりとは決まっていません。

蒲焼の「蒲」は何の植物ですか?

水辺に生えるガマ(蒲)です。茶色い穂がソーセージのような形をしています。

昔の蒲焼はどんな形でしたか?

室町時代ごろは、うなぎを裂かずに丸ごと串に刺して焼いていました。開いて焼くようになったのは江戸時代の初めごろです。

関東風と関西風の蒲焼のちがいは?

関東風は背開きで、白焼きを蒸してから焼きます。関西風は腹開きで、蒸さずに焼きます。

あわせて読みたい

出典・参考

  • コトバンク「蒲焼」(デジタル大辞泉・日本大百科全書ほか)
  • 写真:蒲の穂(Photo by (c)Tomo.Yun / yunphoto.net)

最終更新:2026年10月8日/作成:大学受験合格大作戦

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Xでフォローしよう

おすすめの記事