
この記事の結論
- 「キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ。じゃが逆もまた然り!」は、漫画『はじめの一歩』(森川ジョージ)の鴨川会長(鴨川源二)の言葉。この記事の格言は、その「ボクサー」を「受験生」に置きかえたもの
- 意味は「毎日のよい習慣は人を強くし、毎日のなまけ癖は人を弱くする。だから自分に足りないもの・必要なものを考えて毎日行動せよ」
- 受験では「勉強を習慣にする」ことと「まちがいから足りないものを見つけて埋める」ことの2つが、この言葉の実践になる
受験の格言・名言(迷言)

『キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ。じゃが逆もまた然り!毎日の積み重ねがキサマらを弱くする!漫然と日々を過ごすなっ。四六時中、受験生であるコトを自覚しろ。自分に足りないモノ必要なモノを常に考えて行動せよ!!』
~はじめの一歩の鴨川会長の名言(受験生版)
ボクシング漫画、「はじめの一歩」に登場する鴨川会長の言葉をアレンジしたもの。
もともとの鴨川会長の言葉は
『キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ。じゃが逆もまた然り!毎日の積み重ねがキサマらを弱くする!漫然と日々を過ごすなっ。四六時中ボクサーであるコトを自覚しろ。自分に足りないモノ必要なモノを常に考えて行動せよ!!』
――鴨川会長(森川ジョージ『はじめの一歩』)
「ボクサー」を「受験生」に置き換えただけです。
この記事では、この言葉を「毎日の積み重ね(習慣)」と「自分に足りないもの・必要なものを考える勉強」の2つの面から読み、受験勉強でどう実行するかを図で説明します。同じ鴨川会長の「努力した者が全て報われるとは限らん」の意味と「すべからく」の正しい意味は、「鴨川会長の名言「努力した者が全て報われるとは限らん」」の記事でくわしく書いています。格言をまとめて読みたい人は「受験の格言・名言まとめ」へどうぞ。
「キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ」の意味
出典は『はじめの一歩』の鴨川会長
『はじめの一歩』は、森川ジョージさんのボクシング漫画です。講談社の『週刊少年マガジン』で1989年から連載が続く長寿作品で、いじめられっ子だった高校生・幕之内一歩が、ボクシングに出会ってプロボクサーとして成長していく物語です。言葉の主の鴨川源二会長は、一歩が通う鴨川ボクシングジムの会長で、厳しい練習で選手をきたえる名トレーナーとして描かれています。
この格言は、会長がボクサーたちに向けた言葉の「ボクサー」を「受験生」に置きかえたものです。ボクシングも受験も、本番の一日のために、何か月も前から毎日の練習を積み重ねるという点でよく似ています。だからこそ、言葉を1つ入れかえるだけで、そのまま受験生への言葉として通じるのです。
5つの部分に分けて読む
| 部分 | 言っていること | 受験に置きかえると |
|---|---|---|
| キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ | 強さは一日では作れない。毎日の練習の合計が強さになる | 学力は、毎日の勉強の合計で決まる |
| じゃが逆もまた然り! | 反対のことも同じように成り立つ | なまけることも、同じように積み重なる |
| 毎日の積み重ねがキサマらを弱くする! | だらけた毎日が続くと、確実に弱くなる | 勉強しない日が続くと、学力は落ちていく |
| 漫然と日々を過ごすなっ。四六時中、受験生であるコトを自覚しろ | ぼんやり過ごさず、いつも自分の立場を意識せよ | 一日中、「自分は受験生だ」と意識して時間を使う |
| 自分に足りないモノ必要なモノを常に考えて行動せよ!! | 何が足りないかを考え、それを埋める行動をせよ | 弱点を見つけ、合格に必要なことから手をつける |
前半の3つは「積み重ね」の話、後半の2つは「考えて行動する」話です。ただ長い時間勉強すればよいのではなく、毎日続けることと、向きを考えることの両方がそろって、はじめて「強くなる積み重ね」になる、というのがこの言葉の中心です。
国語の勉強:「然り」「漫然」「四六時中」
この言葉には、国語で役に立つ言葉がいくつも入っています。
- 逆もまた然り(しかり):「然り」は古語の「しかり」で、「そうである」という意味です。「逆もまた然り」は「反対の場合も同じことが言える」という決まった言い方で、評論文や小論文でもよく使われます。古文では「しかり」は「然り」と書くラ行変格活用の動詞として出てくるので、古文文法辞典で活用を確かめておくとよいでしょう。
- 漫然(まんぜん):「これといった目的もなく、ぼんやりしている様子」です。「漫然と日々を過ごす」「漫然とテレビを見る」のように使います。
- 四六時中(しろくじちゅう):「一日中・いつも」という意味です。4×6=24で、一日24時間のことを表します。昔は一日を12の「刻」に分けていたため、もとは2×6=12の「二六時中(にろくじちゅう)」と言っていたといわれます。
こうした言葉の読み・意味・書き順は「漢字合格大作戦」で1字ずつ確かめられます(「積」「重」「習」「慣」など)。国語の勉強全体の入口は「国語まとめ」です。
毎日の積み重ね:1.01の法則と0.99の法則
「毎日の積み重ね」がどれほど大きな差になるかを、数字で表したのが「1.01の法則と0.99の法則」です。合格大作戦では「1.01の法則と0.99の法則」の記事で紹介しています。
- 1.01の法則:毎日、昨日より1%だけ多くがんばると、1年(365日)後には 1.01の365乗 ≒ 37.8。今の約37.8倍になります。
- 0.99の法則:毎日、昨日より1%だけなまけると、1年後には 0.99の365乗 ≒ 0.03(約0.026)。今の約40分の1になってしまいます。
日数ごとの数字(計算して確かめた値)
| 日数 | 毎日1%多く(1.01のn乗) | 毎日1%少なく(0.99のn乗) | 2つの差(何倍ちがうか) |
|---|---|---|---|
| 7日(1週間) | 約1.07 | 約0.93 | 約1.2倍 |
| 30日(約1か月) | 約1.35 | 約0.74 | 約1.8倍 |
| 100日 | 約2.70 | 約0.37 | 約7.4倍 |
| 180日(約半年) | 約6.00 | 約0.16 | 約37倍 |
| 365日(1年) | 約37.8 | 約0.026 | 約1,480倍 |
表を見ると、おもしろいことに気づきます。最初の1週間や1か月では、差はほとんど目に見えません。1週間で1.07倍と0.93倍、1か月でも1.35倍と0.74倍です。ところが100日をこえたあたりから差が急に広がり、1年後にはけた違いの差になります。
これは、鴨川会長の「毎日の積み重ねがキサマらを強くする/弱くする」を、数字で表したものだといえます。今日1日サボっても、明日の成績はほとんど変わりません。だからこそ「1日くらいいいか」と思ってしまう。けれど、その「1日くらい」が積み重なると、数か月後には取り返すのが大変な差になります。
数学で見る:かけ算の積み重ね
1.01の365乗は、1.01を365回かけ合わせた数です。足し算で考えると「1%×365日=365%増えて4.65倍」になりそうですが、実際は37.8倍です。これは、増えた分にさらに1%が上乗せされる(前の日の結果に対して1%ずつ増える)からです。お金の「複利」と同じ考え方で、高校数学では「等比数列」や「指数関数」として習います。
ちなみに、毎日1%ずつ増えると約70日で2倍、毎日1%ずつ減ると約69日で半分になります。何日で2倍・半分になるかは「1.01のn乗=2」の n を求める問題で、常用対数を使うと計算できます。対数の考え方は「常用対数の整数部分と桁数」の記事や、公式辞典の「指数法則と対数の公式」で確かめてみてください。
たとえ話として読むときの注意
もちろん、実際の学力がきれいに「毎日1.01倍」になるわけではありません。1.01の法則は、小さな差でも毎日続くと大きな差になることを分かりやすく伝えるたとえ話です。学力の伸びは、しばらく伸びない時期が続いたあと、ある日まとめて伸びることもよくあります。
大切なのは、「目に見える変化がない最初の時期にやめないこと」です。グラフのように、伸びが目に見えるのは後半です。最初の1か月で「やっても変わらない」とあきらめてしまうのが、いちばんもったいないパターンです。同じ考え方は二宮尊徳の「積小為大(小さな積み重ねが大きな成果になる)」や、「継続は力なり」にも通じます。
「逆もまた然り」:弱くなる積み重ねに気づく
鴨川会長の言葉でいちばん鋭いのは、「逆もまた然り!毎日の積み重ねがキサマらを弱くする!」の部分です。積み重ねというと、よいことを積むイメージがあります。けれど、なまけ癖・後回し・だらだらも、毎日少しずつ積み重なっていきます。
受験生がやりがちな「弱くなる積み重ね」
| 弱くなる積み重ね | 1日だけなら | 毎日続くと |
|---|---|---|
| スマホを「ちょっとだけ」見る | 数分から十数分 | 1か月で何時間もの勉強時間が消える |
| まちがえた問題をそのままにする | 1問だけ | 同じ型の問題を本番でもまちがえる |
| 英単語を「明日まとめて」覚える | 1日分 | 覚えるはずの単語がどんどんたまる |
| 机に座るだけで何をするか決めない | 少しぼんやりするだけ | 「勉強した気分」だけが残り、学力は伸びない |
| 夜ふかしして朝に眠い | 少し眠いだけ | 授業中に集中できない日が続く |
どれも、1日だけなら大したことはありません。だから気づきにくいのです。0.99の法則のとおり、1日の小さなマイナスが、毎日続くと大きなマイナスになる。「なんとなく成績が下がってきた」と感じたら、まずこの表のような「弱くなる積み重ね」が自分の毎日に入っていないかを確かめてみましょう。
弱くなる積み重ねを止める3つの方法
- 見える化する:1日に何をしたかを、時間ごとにざっと書き出してみます。スマホの時間など、思っていたより長いことに気づくはずです。勉強の記録のつけ方は「勉強記録(勉強ログ)のつけ方」でくわしく説明しています。
- 置きかえる:やめるだけでは続きません。「スマホを見る」を「単語帳を開く」に置きかえるように、悪い習慣の時間に、よい習慣を入れます。
- 手の届かない所に置く:勉強中はスマホを別の部屋に置くなど、誘惑そのものを遠ざけます。意志の力だけに頼らないのがコツです。自分の弱さとの向き合い方は「最大の敵は自分自身だ」の記事も参考にしてください。
勉強を習慣にするコツ(習慣化の方法)
毎日の積み重ねを続けるいちばんの方法は、勉強を習慣にしてしまうことです。習慣になると、「やるかどうか」を毎日迷わなくなり、歯みがきのように自然に手が動くようになります。
習慣になるまで、どれくらいかかる?
ロンドン大学(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、UCL)のフィリッパ・ラリー(Phillippa Lally)さんたちは、2010年に習慣ができるまでの日数を調べた研究を発表しました(European Journal of Social Psychology)。96人の参加者が「昼食のときに水を1本飲む」のような行動を毎日同じ場面で続け、どれくらいで自動的にできるようになるかを記録したものです。
- 行動が自動的になるまでの日数は、分析がよく当てはまった人の中央値で66日(真ん中の人が66日)でした。
- 日数は人や行動によって大きくちがいました。簡単な行動ほど早く、運動のように負担の大きい行動ほど時間がかかる傾向がありました。
- 1回やりそびれても、習慣ができる流れに大きな影響はなかったと報告されています。
つまり、「3日で習慣になる」「21日で習慣になる」とは言い切れず、2か月ほどは意識して続けるつもりでいるのがよさそうです。そして、1日休んでしまっても、そこでやめなければ大丈夫。大切なのは「2日続けて休まない」ことです。
習慣化の4つのコツ
- きっかけを決める:「夕食を食べたら、すぐ机で英単語」「電車に乗ったら一問一答」のように、毎日必ずする行動のあとに勉強をつなげます。「時間があったらやる」では、時間はいつまでも見つかりません。
- 小さく始める:最初から「毎日3時間」を目標にすると、続きません。まずは「5分」「1ページ」「単語10個」から。小さすぎるくらいがちょうどよいのです。始めてしまえば、自然と5分以上続くことも多いものです。
- 記録する:カレンダーに○をつけるだけでもかまいません。○が並ぶと「この連続を切りたくない」という気持ちが生まれ、続ける力になります。
- 同じ時間・同じ場所でくり返す:場面が同じほど、体が覚えやすくなります。勉強する机には、勉強の道具以外を置かないようにするのも効果的です。
うかるくん
先生、毎日勉強しようと決めても、3日くらいで止まっちゃうんです……。
合格先生
よくあることだよ。最初の目標が大きすぎないかな? まずは「夕食のあと5分だけ英単語」みたいに、小さく決めてごらん。
うかるくん
5分だけでいいんですか? それで力がつくのかなあ。
合格先生
最初の目的は「力をつけること」より「毎日机に向かう流れを作ること」なんだ。研究でも習慣になるまで中央値で2か月ほどかかっている。1日休んでもいいから、2日続けて休まないことを守ろう。
うかるくん
1.01の法則ですね! 今日から5分、カレンダーに○をつけます。
習慣にしやすい勉強・しにくい勉強
| 習慣にしやすい(毎日少しずつ) | 習慣にしにくい(まとまった時間が要る) |
|---|---|
| 英単語・英熟語・古文単語の暗記 | 長文読解・論述の答案作り |
| 計算練習・一問一答 | 数学の難しい問題・過去問の通し演習 |
| 昨日やった問題の解き直し | 新しい単元の理解 |
| 音読・リスニング | 模試の見直し(全科目) |
左の「毎日少しずつ」の勉強を習慣にして、右の「まとまった時間が要る」勉強は週末や放課後にまとめて取る、という分け方がおすすめです。英単語の毎日の覚え方は「英単語の覚え方:単語帳と長文」、計算力を毎日きたえる意味は「受験の裏技11(計算力・勉強日記)」で説明しています。
「自分に足りないモノ必要なモノ」を見つける勉強法
鴨川会長の言葉の最後は「自分に足りないモノ必要なモノを常に考えて行動せよ!!」です。毎日勉強を積み重ねていても、その向きがずれていると、強くなる積み重ねにはなりません。得意な科目ばかり勉強したり、もう解ける問題を何度も解いたりするのは、気持ちはよくても、点数はあまり伸びません。
ここでは、「足りないもの」と「必要なもの」を分けて考えます。
- 足りないもの:今の自分ができていないこと(弱点)。まちがえた問題から見つける。
- 必要なもの:合格するために要るもの(目標)。志望校の配点や合格点から逆算して見つける。
足りないもの診断:まちがえた問題を4つに分ける
模試や過去問、問題集でまちがえた問題は、「足りないもの」を教えてくれる宝の山です。ただ答えを写して終わりにせず、なぜまちがえたのかを次の図の順に考えてみましょう。
| 原因 | よくある様子 | 足りないものを埋める行動 |
|---|---|---|
| ① 知識不足 | 公式・単語・用語を知らなかった | 教科書・参考書で確かめ、暗記カードや単語帳に入れて毎日くり返す |
| ② 演習不足 | 知識はあるのに、解き方が浮かばなかった | 解説を読んだあと、何も見ずに解き直し、似た問題を3問解く |
| ③ スピード不足 | 解き方は分かるが、時間内に終わらなかった | 時間を計って解く。1問にかける時間の目安を決める |
| ④ ケアレスミス | 計算ミス・読みまちがい・マークずれ | ミスの型を書き出し、見直しの手順(単位・符号・条件)を決める |
原因が分かると、次にやることがはっきりします。たとえば、同じ「数学で0点の問題」でも、公式を知らなかったのか(①)、公式は知っていたのに使い方が浮かばなかったのか(②)で、やるべき勉強はまったくちがいます。①なのに難しい問題集を解いても、②なのに公式を覚え直しても、足りないものは埋まりません。
数学の公式を確かめたいときは算数・数学公式辞典、言葉の意味は数学用語辞典が使えます。解き方の段階(解法の暗記→演習→過去問)は「数学の勉強法」でくわしく説明しています。
必要なもの:志望校の目標点から逆算する
「必要なもの」は、志望校の入試から考えます。大学によって、科目ごとの配点はちがいます。同じ10点でも、配点の大きい科目の10点のほうが、合格への影響は大きくなります。
- 志望校の科目と配点を、大学の公式の募集要項で確かめる。
- 合格者最低点などを参考に、合計の目標点を決める。
- 得意・不得意を考えて、科目ごとの目標点に分ける。
- 模試や過去問で今の点を出し、目標点との差を見る。
- 差の大きい科目(伸ばしやすい分野)に、毎日の時間を多く配る。
図は仮の数字の例です。この例では、数学の差(46点)がいちばん大きいので、毎日の積み重ねの中で数学の時間をいちばん多く取ります。国語は差が10点なので、今の力を保つ程度の時間で十分です。このように「必要なもの」を数字で見ると、毎日の勉強の配分を自分で決められるようになります。
京都大学(京大)の学部ごとの配点は「京大の学部別の配点」、東京大学(東大)の合格最低点の見方は「偏差値50から東大合格最低点への挑戦」、配点から目標点を決める戦略の立て方は「東大合格の戦略(ストラテジー)の立て方」で説明しています。ほかの大学でも、考え方は同じです。

合格先生
毎日の積み重ねは「量」だけでなく「向き」が大事。まちがえた問題から足りないものを、配点から必要なものを見つけよう!
「常に考えて」:週に1回の見直しを習慣にする
会長は「常に考えて行動せよ」と言っています。一度弱点を見つけて終わりではなく、弱点は勉強が進むと変わっていきます。そこで、週に1回、15分だけ、1週間の勉強をふり返る時間を作るのがおすすめです。
- 今週、予定どおりにできたこと・できなかったこと
- 今週まちがえた問題の原因(①〜④のどれが多かったか)
- 来週、時間を多く配る科目・分野
この「ふり返り→直す」をくり返すことで、自分だけの勉強法ができていきます。くわしくは「オリジナル勉強法の作り方」を読んでみてください。完ぺきな計画を立てようとして手が止まる人は「完璧を目指すよりまず終わらせろ」もどうぞ。
「漫然と日々を過ごすな」:四六時中、受験生である自覚
「四六時中、受験生であるコトを自覚しろ」は、一日中ずっと机に向かえ、という意味ではありません。睡眠や食事、休けいも、受験を乗り切るための大切な時間です。ここでいう「自覚」とは、どの時間も「受験生としてどう使うか」を意識することだと読むとよいでしょう。
すきま時間を積み重ねる
受験生の1日には、朝の準備のあと、通学の電車やバス、学校の休み時間、寝る前など、5分〜15分の「すきま時間」がたくさんあります。この時間を漫然と過ごすか、短い勉強にあてるかで、1か月後には大きな差がつきます。
| すきま時間 | 向いている勉強 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝の10分 | 英単語・古文単語 | 前の晩に覚えた語の確認をすると定着しやすい |
| 通学の15分 | 一問一答・リスニング | 持ち運べる教材を1つに決めておく |
| 休み時間の5分 | その日の授業の見直し | ノートを見返して大事な所に印をつける |
| 寝る前の10分 | 暗記の確認 | 新しいことより、その日に覚えたことの確認 |
図の例では、すきま時間だけで1日約40分、1か月(30日)で約20時間になります。まとまった時間の勉強に、この「すきま時間の積み重ね」が上乗せされるのです。復習のタイミングは「エビングハウスの忘却曲線」、すきま時間を含めたやる気の続け方は「東大生の勉強法:やる気の保ち方」で説明しています。
休むことも「積み重ね」の一部
四六時中を勉強だけにすると、体も心ももちません。睡眠を削ると、日中に集中しにくくなるといわれます。長い受験期間を走り切るには、休む時間も決めておくことが大切です。休けいの時間を決めておけば、その時間は安心して休めますし、勉強の時間にメリハリがつきます。体調の整え方は「受験生の体調管理方法まとめ」を参考にしてください。
学年別:毎日の積み重ねの計画
毎日の積み重ねの中身は、学年や時期によって変わります。目安として、次のように考えるとよいでしょう。
| 時期 | 毎日の積み重ね | 「足りないもの・必要なもの」の考え方 |
|---|---|---|
| 高1 | 授業の復習と英単語・計算を毎日の習慣にする | 定期テストのまちがいを①〜④に分ける習慣をつける |
| 高2 | 英語・数学の基礎を固める。苦手科目を毎日少しずつ | 志望校の科目と配点を一度調べておく |
| 高3の春〜夏 | 基礎の総仕上げ。夏休みに苦手分野をまとめて埋める | 模試の結果から目標点との差を科目ごとに出す |
| 高3の秋 | 過去問・実戦問題を始める。暗記は毎日続ける | 過去問の失点の原因から、残りの期間の配分を決める |
| 直前期 | 新しい教材より、今までの教材の復習と解き直し | 本番でまちがえやすい型(ケアレスミス)を最後に確認 |
どの時期も共通するのは、「毎日の小さな勉強を切らさない」ことと、「定期的に足りないものを見直す」ことです。直前期の勉強の仕方は「入試直前期の勉強法」、勉強の基本の流れ(知識→思考力→得点力)は「大学受験の勉強法の基本」で説明しています。今日やるための1日の計画の立て方は「今日という一日は、明日という日の二日分の値打ちがある」が参考になります。
サクラちゃん
先生、毎日勉強はしているんですけど、模試の点が全然上がらなくて……。
合格先生
積み重ねはできているね。じゃあ、まちがえた問題の原因を4つに分けてみた? 知識不足、演習不足、スピード不足、ケアレスミスのどれが多いかな。
サクラちゃん
数学は……解説を読むと分かるのに、自分では解き方が浮かばない問題が多いです。
合格先生
それは「演習不足」だね。解説を読んで終わりにせず、何も見ずに解き直して、似た問題を3問解こう。足りないものに向けた積み重ねにすれば、点数もついてくるよ。
サクラちゃん
「自分に足りないモノ必要なモノを常に考えて行動せよ」ですね。やってみます!
似た格言・名言(受験の格言シリーズ)
毎日の積み重ねや、足りないものを考える大切さを伝える格言は、ほかにもたくさんあります。どれも合格大作戦の「受験の格言」シリーズで、意味と受験への生かし方を説明しています。
| 格言・名言 | 言葉の主 | 共通するポイント |
|---|---|---|
| 努力した者が全て報われるとは限らん。しかし!成功した者は皆すべからく努力しておる | 鴨川会長(『はじめの一歩』) | 成功した人はみんな努力している |
| 積小為大 | 二宮尊徳(二宮金次郎) | 小さな積み重ねが大きな成果に |
| 継続は力なり | 住岡夜晃の詩とする説が有力 | 続けることが力になる |
| 今日という一日は、明日という日の二日分の値打ちがある | フランクリンの言葉とされる | 今日やることが大事 |
| たとえ「1センチ」であっても、前に進むこと | 三浦知良(キング・カズ) | 少しでも毎日前に進む |
| 俺が10時間勉強しても、どっかの誰かは11時間勉強してる | 受験の格言 | 毎日の差が積み重なる |
| 勉強したことはたまに裏切るが、勉強しなかったことは絶対裏切らない | 受験の格言 | 勉強しない積み重ねは必ず結果に出る |
このほか、毎日の練習を重ねる大切さは英語のことわざ「Practice makes perfect.」、あきらめずに続けることは升田幸三の「踏まれても叩かれても努力さえ続けていれば必ずいつかは実を結ぶ」、先延ばしをやめることは「人生は一度しかない。やりたいと思った時がやる時」で紹介しています。
まとめ:今日の積み重ねが、合格する自分を作る
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 出典 | 漫画『はじめの一歩』(森川ジョージ)の鴨川会長(鴨川源二)の言葉。「ボクサー」を「受験生」に置きかえた受験生版 |
| 意味 | 毎日の積み重ねは人を強くも弱くもする。自分に足りないもの・必要なものを考えて行動せよ |
| 1.01の法則 | 毎日1%多くがんばると1年で約37.8倍(1.01の365乗)。毎日1%なまけると約0.03倍(0.99の365乗) |
| 習慣化 | 研究では習慣になるまで中央値66日ほど(個人差大)。きっかけを決め、小さく始め、記録し、くり返す。1日休んでも2日続けて休まない |
| 足りないもの | まちがえた問題を「知識不足・演習不足・スピード不足・ケアレスミス」に分けて埋める |
| 必要なもの | 志望校の配点から目標点を決め、今の点との差が大きい科目に時間を配る |
強さも学力も、一日では作れません。けれど、毎日の小さな積み重ねは、必ずあなたの力になっていきます。そして「逆もまた然り」。漫然と過ごした毎日も、同じように積み重なります。今日の5分を、強くなる積み重ねにしましょう。漫画『はじめの一歩』には、ほかにも練習や勝負についての言葉がたくさん出てきます。勉強の息抜きに読んでみるのもよいでしょう。勉強のことで悩んだら、受験の質問・相談ページから気軽に相談してください。
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うかるくん
1日1%でも、毎日積み重ねれば1年で37.8倍! 足りないものを考えて、今日の分から始めます!
よくある質問
「キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ」は誰の言葉ですか?
森川ジョージさんの漫画『はじめの一歩』に登場する、鴨川ボクシングジムの鴨川源二会長(鴨川会長)の言葉です。この記事の格言は、その「ボクサー」を「受験生」に置きかえたものです。
「逆もまた然り」とはどういう意味ですか?
「反対の場合も同じことが言える」という意味です。鴨川会長の言葉では、毎日の積み重ねが人を強くするのと同じように、だらけた毎日の積み重ねは人を弱くする、ということを表しています。
1.01の法則と0.99の法則とは何ですか?
毎日1%多くがんばると1年後に1.01の365乗で約37.8倍、毎日1%なまけると0.99の365乗で約0.03倍になる、という計算で、小さな差の積み重ねの大きさを表すたとえ話です。
勉強が習慣になるまで何日かかりますか?
決まった日数はありません。2010年に発表されたロンドン大学(UCL)の研究では、行動が自動的になるまで中央値66日ほどでしたが、人や行動によって大きくちがいました。1回休んでも大きな影響はなかったと報告されています。
自分に足りないものはどうやって見つければいいですか?
まちがえた問題を「知識不足・演習不足・スピード不足・ケアレスミス」の4つに分けると見つけやすくなります。合格に必要なものは、志望校の配点から目標点を決め、今の点との差で考えます。
あわせて読みたい
- 「努力した者が全て報われるとは限らん」の意味(鴨川会長の名言)
- 「積小為大」の意味と読み方|二宮尊徳の言葉と受験への生かし方
- 1.01の法則と0.99の法則
- 「今日という一日は、明日という日の二日分の値打ちがある」の意味
- 「継続は力なり」の意味と由来
- 受験の格言・名言まとめ
出典・参考
- セリフ:森川ジョージ『はじめの一歩』(講談社)
- 習慣化の研究:Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40(6), 998-1009.
- 1.01の365乗・0.99の365乗などの数字:合格大作戦で計算
- 写真:合格大作戦
最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦











