この記事の結論
- 入試直前期の勉強法の基本は「新しい参考書・問題集に手を出さず、今まで使い込んだ教材を見直す」ことです。新しい教材は終わらないうえ、手をつけただけで勉強した気になりやすいからです。
- どうしても新しい教材を使うなら、①まとめ用の簡単な参考書、②傾向にそった予想問題・過去問題集、③問題量の少ない厳選された問題集の3種類だけにしましょう。
この記事は、2010年12月に「入試直前期の勉強法」として書いたものです。当時は大学入試センター試験(センター試験)と私立大学の入試が近づいた時期でした。センター試験は2020年1月が最後で、2021年1月からは大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)になっています。それでも「直前期は新しい教材に手を出さない」という考え方は、今もまったく変わりません。
2026年10月に、元の文章は残したまま、教材の絞り方と復習の回し方を図にして足しました。共通テストの直前期だけでなく、私立大学の入試の前、国公立大学の2次試験(個別学力検査)の前にも同じように使えます。
入試直前期の勉強法|2010年の元の記事
いよいよセンター試験及び私立大学の入試が近づいてきました。
試験日が近づいてくると皆あせって来ます。
この時期はあせりのあまり、新しい参考書や問題集に走りがちです。
新しい教材に手を付けることで、勉強した気になって満足してしまうと大変なことになります。
今まで使い込んだ参考書や問題集を再度見直すほうが効率的です。
どうしても新しい教材に手を出したい人は
- まとめ用の簡単な参考書
- 予想問題や過去問題集などの傾向にそった教材
- 問題量の少ない厳選された問題集
にしておきましょう。
新しい教材に手を付けるより、今までやってきたことを再度確認することのほうが重要です。
2026年の注:2010年当時の「センター試験」は、今の「大学入学共通テスト」に読みかえてください。2027年(令和9年度)の共通テストは1月16日(土)・17日(日)です。日付と時刻は「2027年 共通テストの時間割・日程」、残りの日数は「2027年 共通テストカウントダウンタイマー」で確かめられます。
入試直前期に新しい参考書はダメ?|手を出さない4つの理由
元の記事の言葉をもう少しくわしく説明します。直前期に新しい教材をおすすめしない理由は、図1の4つです。
理由1:最後まで終わらない
1冊の問題集を最後まで解き、まちがえた問題を解き直すには、ふつう数週間から数か月かかります。直前期に始めると、途中で入試の日が来てしまいます。「やりかけの本」が増えるほど、不安も大きくなります。
理由2:勉強した気になって満足してしまう
元の記事が強く注意しているのがここです。新しい本を買って、最初の数ページを解くと、それだけで「今日はがんばった」という気持ちになります。でも、点につながるのは、まちがえた問題をできるようにすることです。新しい本の最初の数ページは、たいてい自分がもうできる基本の問題です。
理由3:解き方の書き方がちがって混乱する
同じ問題でも、本によって解き方の説明や記号の使い方がちがいます。数学なら、今まで覚えた解き方と別の解き方が出てきて、「どちらで解けばいいの?」と迷うことがあります。直前期に頭の中の「型」がゆれるのは、いちばん避けたいことです。
理由4:まちがいの印が1つもない
今まで使ってきた問題集には、まちがえた問題の×印や、迷った問題の△印が残っているはずです。その印こそが、あなただけの弱点リストです。新しい本にはその印がないので、どこを重点的にやればいいかが分かりません。
「1冊の本を何度もくり返す」ことの強さは、「基本書を1冊に絞って反復する勉強法」でも紹介しています。数学なら「青チャートと1対1対応の演習」のように、すでに使ってきた1冊を仕上げる方が力になります。
うかるくん
友だちが新しい問題集を始めたって聞いて、ぼくも買わないとまずい気がしてきました……。
合格先生
その「あせり」こそ、元の記事が言っていることなんだ。友だちの本は、友だちの弱点に合わせた本。きみの弱点は、きみが今まで使った本の×印の中にあるよ。
うかるくん
でも、今までの本はもう1回やったから、やることがない気がして。
合格先生
1回やっただけなら、まだ半分だね。×の問題を、何も見ずに解けるようになるまでが1冊の仕上げ。それができたら、新しい本より何倍も点になる。
入試直前期 教材の絞り方|1教科「3つだけ」に
新しい教材に手を出さないと決めたら、次は今ある教材を絞る番です。机の上に本がたくさんあると、「どれもやらなきゃ」という気持ちになり、結局どれも中途半端になります。図2の3つの手順で絞りましょう。
手順1:今ある教材を全部並べる
教科ごとに、参考書・問題集・模試の問題と解答・学校のプリントを全部並べます。見えるところに出すと、「こんなに持っていたのか」と気づくことも多いです。
手順2:「残す本」を選ぶ
選ぶ目安は、×印・△印が多い本、そして何度も使って中身をよく知っている本です。反対に、途中で止まったままの本や、一度も開いていない本は残しません。もったいなく感じても、直前期には「やらない」と決めるのが大事です。
手順3:残すのは3つだけ
1教科ごとに、メインの問題集1冊・まとめの本1冊・過去問か予想問題の3つにします。残りは本棚にしまい、入試が終わるまで机には出しません。机の上が片づくと、「これだけやればいい」とはっきりして、気持ちも落ち着きます。
まとめの本は、市販の薄い参考書でも、自分で作ったノートでもかまいません。自分で作るまとめは「入試直前に総復習できるバイブルを作れ!」、ノートの書き方は「東大合格生のノートはかならず美しい」が参考になります。
どうしても新しい教材なら|直前期に使ってよい3種類
元の記事では、「どうしても新しい教材に手を出したい人は」として3種類を挙げていました。これは今もそのまま使えます。図3で、よい新しい教材と、避けたい新しい教材を見比べてください。
1.まとめ用の簡単な参考書
1日か2日で読み終わる薄い本なら、直前期でも最後まで使えます。知識の抜けを見つけるのに向いています。ただし、読んで終わりにせず、知らなかったことはまとめの本やノートに書き足して、1か所に集めましょう。
2.予想問題や過去問題集などの傾向にそった教材
本番と同じ形・同じ時間で解ける教材は、直前期にこそ使う価値があります。共通テストなら過去問と予想問題パック、私立大学や2次試験なら志望校の過去問(赤本など)です。過去問の使い方は「センター試験の過去問は共通テスト対策に使える?」、直前の1週間に予想問題パックをどう使うかは「共通テストまであと7日でやるべきこと」、直前期の問題集の選び方は「共通テスト直前の問題集の選び方」にくわしく書いています。
3.問題量の少ない厳選された問題集
数日で1周できる、問題数をしぼった問題集なら、最後まで終わらせることができます。「最後までやりきった」という経験は、本番の自信になります。選ぶときは、問題数と、1日に何題やれば入試までに終わるかを先に計算しましょう。
避けたい新しい教材
反対に、何百問もある分厚い網羅系の問題集、難しい問題ばかりの問題集、一から学び直す講義の本は、直前期には向きません。どれも「終わらない」「勉強した気になる」の2つにつながりやすいからです。
入試直前期 復習の回し方|○△×の印で周回する
教材を絞ったら、あとは復習を回すだけです。おすすめは、問題に印をつけて、回すたびに解く問題を減らしていくやり方です(図4)。
印のつけ方:○・△・×の3つ
- ○:何も見ずに、自分の力で正解できた問題。
- △:正解したけれど、迷った問題・時間がかかった問題。
- ×:まちがえた問題・解けなかった問題。
△を作るのがコツです。正解しても迷った問題は、本番では落とすことがあります。△も復習の対象にしましょう。
周回のしかた:回すほど問題がへる
1周目は、今までの教材の×と△を全部解き直します。解けたら印を○に、まだ解けなければ×のまま残します。2周目はまだ×のものだけ、3周目はそれでも×のものだけを解きます。回すたびに問題の数がへるので、1周にかかる時間もどんどん短くなります。最後に残った問題は「最後の×リスト」として、試験の前の日や当日の休み時間に見直します。
解き直すときは「何も見ずに」
解答を読んで「分かった」と思うだけでは、本番で解けるようにはなりません。解き直しは、解答を閉じて、白い紙に最初から書くのが基本です。数学なら式を全部、英語なら和訳を全部書きます。手が止まった所が、本当の弱点です。数学の公式で手が止まったら「算数・数学公式辞典」や「数学用語辞典」、古文の文法なら「古文文法辞典」で確かめて、まとめの本に書き足しましょう。

合格先生
直前期の合言葉は「新しい本より、古い本の×」。×が○に変わるたびに、本番の点が1点ずつ増えていくんだ。
共通テスト・私大・2次|時期別の直前期の教材
「入試直前期」は1回ではありません。国公立大学をめざす人なら、共通テストの前・私立大学の入試の前・2次試験の前と、3回の直前期があります。それぞれの時期で使う教材は図5のように変わります。
共通テストの直前期(12月〜1月中旬)
2027年の共通テストは1月16日(土)・17日(日)で、追試験は1月23日(土)・24日(日)です。この時期は、共通テストの過去問・予想問題・まとめの本の3つで十分です。最後の1か月の進め方は「共通テストまで1か月でやること10」、直前期の心構えと生活は「共通テスト直前期の心構え10」、教科ごとに見直す所は「共通テスト直前の教科別チェック」にまとめています。前の日の過ごし方は「共通テスト前日にやっておきたいこと20」へ。
私立大学の直前期(1月下旬〜2月)
私立大学の入試の日程は大学ごとにちがうので、必ず各大学の入試要項で確かめてください。この時期の中心は志望校の過去問です。共通テストが終わってから急に新しい問題集を始めるより、過去問で出題の形に慣れ、まちがえた所を今までの問題集で確かめる方が効率的です。共通テストの自己採点が終わったら、気持ちを切りかえて、すぐに私立大学の過去問に移りましょう。
国公立2次試験の直前期(2月〜3月)
2027年の国公立大学の2次試験は、前期日程が2月25日(木)からです。後期日程は3月12日以降に行われます(日付は各大学の募集要項で確かめてください)。2次試験の直前期は、志望校の過去問と、今まで使ってきた記述の問題集が中心です。京都大学(京大)のように2次試験の配点が大きい大学では、この時期の過去問の復習が合否を分けます。学部別の配点は「京都大学の学部別 配点一覧」、京大の数学の出題の特徴は「京大数学(文系)の出題分析」「京大数学(理系)の出題分析」、東京大学(東大)の過去問集の選び方は「東大の過去問集の選び方と使い方」にあります。
サクラちゃん
共通テストが終わったら、2次の記述の問題集を新しく1冊買おうと思っていたんです。それもだめですか?
合格先生
前期まで1か月あるから、問題量の少ない厳選された問題集なら、元の記事の3種類に入るね。数日で1周できるかを先に計算しよう。
サクラちゃん
分厚い本だと、2月25日までに終わらないかもしれません。
合格先生
そう。それに、2次の直前期のいちばんの教材は志望校の過去問。過去問を解いて、まちがえた所を今までの問題集で確かめる。新しい本はその「すき間」に入るものだけにしよう。
サクラちゃん
過去問が先、新しい本は薄いものだけ。分かりました!
入試直前期の1日の勉強の組み立て方
最後に、学校がない日や家で勉強する日の組み立ての例を図6に示します。時間は一例なので、自分の生活に合わせて変えてください。
- 朝は暗記の見直し:起きてすぐの短い時間に、英単語・古文単語・公式など、まとめの本の内容を見直します。
- 午前は本番の時刻で演習:共通テストは両日とも9:30に始まります。本番と同じ時刻に過去問や予想問題を解くと、朝から頭を働かせる練習になります。
- 午後はその日の解き直し:午前にまちがえた問題に×印をつけ、その日のうちに解き直します。
- 夕方は×の問題の周回:図4のやり方で、今までの教材の×と△を回します。
- 夜はまとめの本と弱点:その日に分かったことを、まとめの本に書き足します。夜ふかしはせず、本番と同じ時刻に起きられるように寝ましょう。
図6には「新しい教材の時間」がありません。直前期の時間はかぎられています。その時間を、今までやってきたことを確実にすることに使いましょう。勉強時間や記録のつけ方は「勉強記録(勉強ログ)のつけ方」、試験中の時間配分や見直しは「共通テストの解き方(時間配分・見直し・マーク)」も参考にしてください。

うかるくん
机の本を3つに絞って、×と△を回す! 新しい本を買うお金と時間で、今までの本を仕上げるんですね。今日から始めます!
入試直前期の情報交換|受験掲示板「100点BBS」
直前期は、ほかの受験生が何をしているかが気になるものです。受験掲示板「100点BBS」の「共通テスト掲示板」では、直前期の勉強や本番の手ごたえを話し合えます。京大志望の人は京都大学受験掲示板もあります。勉強の進め方で迷ったら、「受験の質問・相談」からご相談ください。
よくある質問
入試直前期に新しい参考書を買ってもいいですか?
おすすめしません。最後まで終わらず、手をつけただけで勉強した気になりやすいからです。今まで使い込んだ参考書・問題集を見直す方が効率的です。
直前期にどうしても新しい問題集をやるなら、どんなものがいいですか?
まとめ用の簡単な参考書、予想問題や過去問題集など傾向にそった教材、問題量の少ない厳選された問題集の3種類にしましょう。
直前期の復習はどうやって進めればいいですか?
問題に○・△・×の印をつけ、×と△だけを解き直します。回すたびに×が残った問題だけにしぼると、1周がどんどん速くなります。
共通テストが終わったら何をすればいいですか?
自己採点のあと、私立大学や国公立2次試験の志望校の過去問に移ります。新しい教材より、過去問と今までの問題集の復習が中心です。
2027年の共通テストと国公立の前期日程はいつですか?
共通テストの本試験は2027年1月16日(土)・17日(日)、追試験は1月23日・24日です。国公立大学の前期日程は2月25日(木)から始まります。
あわせて読みたい
- 共通テスト直前期の心構え10|残り1か月の勉強と生活のアドバイス
- 共通テストまで1か月でやること10
- 共通テストまであと7日でやるべきこと
- 共通テスト直前の問題集の選び方
- 基本書を1冊に絞って反復する勉強法
- 共通テスト前日にやっておきたいこと20
出典・参考
- 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」(本試験・追試験の日程、国公立大学の前期日程。大学入試センター)
- 後期日程の時期:文部科学省「大学入学者選抜実施要項」
- 元の記事:大学受験合格大作戦「入試直前期の勉強法」(2010年12月20日)。図は大学受験合格大作戦が作成
最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦










