完璧(かんぺき)の意味と由来|史記の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

完璧(かんぺき)の意味と由来|史記の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

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完璧かんぺき

ひとことで言うと

欠点がまったくないこと。趙の藺相如が、宝の「和氏の璧」を秦にだまし取られずに、傷一つつけず趙へ持ち帰った話から。

読み方かんぺき
意味欠点がまったくないこと。少しも足りないところがなく、りっぱなこと。
出典『史記』廉頗藺相如列伝(「臣請ふ璧を完うして趙に帰らん」)
お話趙の藺相如が、十五の城と取りかえると言って和氏の璧をだまし取ろうとした秦の王から、璧を無事に守って趙へ持ち帰った
似た言葉完全無欠・非の打ち所がない・万全
反対の言葉不完全・不十分・未完成
漢文の句法使役(使)・仮定(〜ずんば)・願望(請ふ)

このページのポイント

  • 「完璧」は欠点がまったくないこと。もとは「璧を完うする」=宝を傷つけずに守り通す、という意味でした
  • 出典は『史記』。和氏の璧を秦から守りぬいた藺相如の話を、4こまのイラストで読めます
  • 「璧」は下が玉。「完壁(かべ)」と書くのは、入試でもよくあるまちがいです

「完璧」の意味と読み方

「完璧」はかんぺきと読みます。意味は「欠点がまったくないこと」「少しも足りないところがなく、りっぱなこと」です。「完璧な答え」「準備は完璧だ」のように、ふだんの会話でもよく使います。

「完」は「欠けたところがない・まっとうする」、「璧(へき)」は玉(ぎょく)という美しい石で作った、平たい円板の宝物です。つまり「完璧」は、もともと「宝の璧を、傷一つない元のままの姿で守り通す」という意味でした。中国の歴史書『史記』にある、趙の国の藺相如(りんしょうじょ)という人の話から生まれた言葉です。

「璧(へき)」ってどんな物?まん中に穴材料玉(ぎょく)という石形平たい円板。穴あき使い道儀式・贈り物の宝「和氏の璧」は、天下に知られた名玉
「璧」は玉(ぎょく)で作った、まん中に穴のある平たい円板。昔の中国の大切な宝でした
うかるくん

うかるくん

「完璧」の「ぺき」って、かべの「壁」じゃないんですか? 守りがかたいかべ、みたいな…。

ミスターT先生

ミスターT先生

そう思う人がとても多いんだ。でも正しくは、下が「玉(たま)」の「璧」。かべではなく宝石の円板のことなんだよ。宝を守りぬいた話を知れば、もう「完壁」とは書かなくなるはずだ。

ふだんの言い方では、たとえば次のように使います。

  • ○何度も練習したので、発表の準備は完璧だ。
  • ○彼女は英語も数学も完璧にこなす。
  • ○完璧な人などいないのだから、失敗をおそれすぎないでいい。
「完璧」の意味が広がるまでもとの話(『史記』)璧を完うして趙に帰る=大切な璧を、無事に持ち帰る「完」=欠けたところがない璧に傷一つない、まるごと無事今の「完璧」=欠点がまったくない
「璧を完うして(無事に守り通して)趙に帰る」から、「欠点がまったくない」という今の意味へ

「完」には「まっとうする(最後までやりとげる)」「欠けたところがない」という意味があります。もとの話では「璧を完うする」という動作でしたが、日本語では「完全な璧のように、傷も欠けもない」という状態を表す言葉として使われるようになりました。

緑色の玉で作られた、まん中に丸い穴のある平たい円板。表面に小さな点の模様がならんでいる
この話の時代(戦国時代の終わりごろ)から前漢にかけて作られた、玉(ぎょく)の璧。和氏の璧そのものではありませんが、璧がこのようなまん中に穴のあいた平たい円板だったことが分かります。画像:「Disc (Bi)」(中国・東周〜前漢、紀元前3〜2世紀、メトロポリタン美術館蔵、パブリックドメイン)

絵で読む「完璧」のお話

まずは話の流れを、4つの場面で見てみましょう。登場するのは、趙(ちょう)の王、秦(しん)の王、そして趙の使いの藺相如です。強い国と弱い国の間で、ひとりの使者が知恵と勇気で宝を守りぬく話です。

絵で読む「完璧」のお話(4こま)

1趙の王の前で誓う城が手に入らなければ璧を完うして趙に帰ります!
1趙の国が宝の「和氏の璧」を手に入れると、強い秦の王が「十五の城と取りかえよう」と言ってきました。使いに選ばれた藺相如は、趙の王に「城が手に入らなければ、璧を完うして趙に帰ります」と約束します。
2秦王は大よろこび万歳!城をわたす気がないな…
2秦の王は璧を受け取ると大喜びで、まわりの人たちに回して見せ、みんなが「万歳!」とさけびます。けれども、城をわたす話はまったくしません。
3柱に寄っておどす頭と璧をこの柱で砕くぞ!
3相如は「璧に小さなきずがあります。お見せしましょう」と言って璧を取り返し、柱に寄りかかって「わたしの頭と璧を、この柱で砕いてしまいますぞ」とせまりました。
4ぶじに趙へ趙へ秦の王にはないしょで…璧を完うして趙に帰る
4秦の王が約束を守らないと見ぬいた相如は、従者に粗末な服を着せて璧をふところに入れさせ、抜け道からこっそり趙へ帰らせました。璧は無事に趙へもどったのです。

秦は当時いちばん強い国で、趙はそれより弱い国でした。璧を渡さなければ攻めこまれるかもしれず、渡せば城をもらえないままだまし取られるかもしれない。どちらに転んでも趙が損をしそうな、むずかしい場面だったのです。

十五の城 ⇔ 和氏の璧秦強い国趙弱い国十五の城璧趙のなやみ渡すと…だまし取られるかも渡さないと…攻めてくるかも藺相如の約束城が手に入れば → 璧は秦に置いてくる城が来なければ → 璧を完うして趙に帰る
秦の申し出は「十五の城と璧の取りかえ」。趙はどちらを選んでも損をしそうな立場でした
人差し指を立てて説明するミスターT先生

ミスターT先生

相如のすごいところは、出発する前に「城が来なければ璧を持ち帰る」と約束し、そのとおりにやりとげたことだ。言葉どおり「璧を完うした」から、この話が「完璧」という言葉になったんだね。

3こま目で相如が柱をにらんだとき、『史記』は「怒髪上りて冠を衝く」(怒りで髪の毛が逆立ち、冠をつき上げた)と書いています。ここから、はげしく怒るようすを表す「怒髪冠を衝く」「怒髪天を衝く」という言い方も生まれました。

「完璧」の原文・書き下し文・現代語訳

『史記』廉頗藺相如列伝の、話の中心になる文を1文ずつ読んでいきましょう。書き下し文は、教科書で多い読み方の一例です。返り点の読み方は返り点(レ点・一二点・上下点)の読み方、書き下し文のきまりは書き下し文の書き方でくわしく説明しています。

白文(教科書で多い形、一部)趙恵文王時、得楚和氏璧。秦昭王聞之、使人遺趙王書、願以十五城請易璧。……相如曰、「王必無人、臣願奉璧往使。城入趙而璧留秦。城不入、臣請完璧帰趙。」

1文目:趙が和氏の璧を手に入れる

書き下し文趙ちやうの恵文王けいぶんわうの時、楚その和氏かしの璧へきを得たり。

(『史記』廉頗藺相如列伝)

現代語訳趙の恵文王の時代に、(趙は)楚の国の和氏の璧を手に入れた。

ここがポイント「和氏(かし)の璧」は、もとは楚の国で見つかった名玉です。「得たり」の「たり」は完了の意味で、「手に入れた」と訳します。一二点が1組だけの、読みやすい1文です。

2文目:秦の王が取りかえを申しこむ

書き下し文秦しんの昭王せうわう之これを聞き、人をして趙王ちやうわうに書を遺おくらしめ、願ねがはくは十五城を以もつて璧に易かへんことを請こふ。

(『史記』廉頗藺相如列伝(教科書で多い形))

現代語訳秦の昭王はこれを聞いて、人に趙王への手紙を届けさせ、「どうか十五の城と璧とを取りかえてほしい」と申しこんだ。

ここがポイント「使A〜(Aをして〜しむ)」は「Aに〜させる」という使役の句法。「人をして書を遺らしめ」で「人に手紙を届けさせ」です。「願はくは」はお願いの言い方で、くわしくは願望の句法(願はくは・請ふ)へ。

3文目:相如の約束(「完璧」のもと)

書き下し文城入らずんば、臣しん請こふ璧へきを完まつたうして趙ちやうに帰かへらん。

(『史記』廉頗藺相如列伝)

現代語訳もし城が(趙の)手に入らなければ、わたくしは、どうか璧を無事なまま守って趙に持ち帰らせていただきたい。

ここがポイント「入らずんば」は「もし入らないならば」という仮定の句法の読み方。「請ふ」は「どうか〜させてください」とへりくだって願う言い方です。「完璧」の2字は、この「璧を完うして」から来ています。

4文目:璧を取り返すための一言

書き下し文璧へきに瑕きず有り。請こふ王に指示しじせん。

(『史記』廉頗藺相如列伝)

現代語訳(その)璧には小さなきずがあります。どうか王にお示ししたい。

ここがポイント本当にきずがあったわけではなく、璧を自分の手に取りもどすための作戦でした。「瑕(きず)」は玉のきずのことで、「玉に瑕(たまにきず)」の「瑕」と同じ字です。

5文目:柱の前でのおどし

書き下し文臣しんの頭今璧へきと倶ともに柱はしらに砕くだけん。

(『史記』廉頗藺相如列伝)

現代語訳わたくしの頭は、今この璧といっしょに、柱にぶつけて砕けてしまうでしょう。

ここがポイント「於」は場所を表す字で、ここでは読まずに「柱に」の送り仮名で表す置き字。文の終わりの「矣」も読まない置き字です。「於」の働きは「於」の読み方と働きにまとめています。

6文目:従者に璧を持ち帰らせる

書き下し文乃すなはち其その従者じゆうしやをして褐かつを衣きて、其その璧へきを懐いだき、径道けいだうより亡にげ、璧へきを趙ちやうに帰かへさしむ。

(『史記』廉頗藺相如列伝)

現代語訳そこで、自分の従者に粗末な服を着させ、その璧をふところに入れて、近道(抜け道)から逃げさせ、璧を趙に返させた。

ここがポイント「使」が文の最後の「帰さ」までかかる長い使役の文で、上下点(下・中・上)の中に一二点とレ点が入っています。「褐(かつ)」は身分の低い人が着る粗末な毛織りの服。目立たないように変装させたのです。
「完璧」の話で覚える句法4つ使A〜人をして書を遺らしむ使役(〜させる)不入城入らずんば仮定(もし〜ないなら)請〜臣請ふ〜帰らん願望(どうか〜したい)不可不許さざるべからず二重否定(〜しなければ)
「完璧」の話には、使役・仮定・願望・二重否定がそろっています

原典(『史記』)の本文では

維基文庫(中国語のウィキソース)で見られる『史記』巻八十一の本文では、教科書の形と次のような違いがあります。

『史記』廉頗藺相如列伝の本文(句読点を補ったもの、一部)秦昭王聞之,使人遺趙王書,原以十五城請易璧。……城入趙而璧留秦;城不入,臣請完璧歸趙。
  • 「願」が「原」:維基文庫の本文では「原以十五城請易璧」と「原」の字になっています。教科書では意味の通りやすい「願」の字で示すことが多く、ここでも「願はくは」と読みました。
  • 「城入趙而璧留秦」:約束の前半は「城趙に入らば、璧は秦に留めん」(城が手に入れば璧は秦に置いてくる)です。教科書では後半の「城入らずんば…」だけをのせることもあります。
  • 相如の判断:相如は出発の前に「秦は強く趙は弱い。許さざるべからず(申し出を受けないわけにはいかない)」とも言っています。「不可不〜」は二重否定の句法です。
サクラちゃん

サクラちゃん

原文に「完璧」っていう2字の言葉は出てくるんですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

「完璧」という形では出てこない。出てくるのは「完璧帰趙(璧を完うして趙に帰らん)」の4字だ。中国では今もこの4字が「借りた物を傷つけずに返す」という意味の成語として使われている。日本で「完璧」の2字が「欠点がない」という意味で使われるようになったのが、いつごろからかは、はっきりした資料が見つからなかったので書かないでおくね。

出典『史記』と話の背景

「完璧」の出典は、前漢の司馬遷(しばせん)が書いた歴史書『史記』の「廉頗藺相如列伝(れんぱりんしょうじょれつでん)」です。趙の名将・廉頗と、使者として活躍した藺相如という2人を中心に書いた伝記です。『史記』の書き方や、ほかの名場面は漢文の文学史(史記・論語・唐詩など)でも紹介しています。

話の舞台は戦国時代の終わりごろ、紀元前3世紀です。七つの大きな国(戦国七雄)が争う中で、西の秦がどんどん強くなり、ほかの国々をおびやかしていました。趙は秦の東どなりにある国で、恵文王が治めていました。

そもそも「和氏の璧」とは

和氏の璧のいわれは、『韓非子』和氏篇に出てきます。楚の国の卞和(べんか)という人が山で玉の原石を見つけ、王にささげました。ところが王の職人は「ただの石だ」と言い、卞和はうそつきとして足を切られてしまいます。次の王にささげても同じことが起こりました。三代目の王がその石をみがかせると、本当にすばらしい玉が出てきたので、「和氏の璧」と名づけられたといいます。

その名玉が、のちに趙の手に入り、秦の王が「十五の城と取りかえたい」と言うほどの宝になったのです。このあと和氏の璧がどうなったかについては、秦の始皇帝の印(玉璽)に作り変えられたという言い伝えもありますが、はっきりした証拠はなく、諸説ありです。

藺相如はどんな人?

藺相如は、もとは趙の宦者令(かんじゃれい)の繆賢(ぼくけん)という人の家来でした。繆賢が「この人は勇気があり、知恵もある」と王にすすめたことで、使者に選ばれます。璧を守りぬいた手柄で上大夫(じょうたいふ)という高い位につき、その後も秦の王との会見(澠池の会)で趙の王の名誉を守り、ついには最高の位の上卿(じょうけい)になりました。

この出世に腹を立てたのが、戦で手柄を立ててきた将軍の廉頗です。それでも相如は「秦が趙を攻めないのは、廉頗とわたしの2人がいるからだ。2人が争えば国があぶない」と言って争いをさけました。これを聞いた廉頗は深く反省し、2人は「刎頸の交わり」(首を切られても悔いがないほどの固い友情)を結びます。「完璧」と「刎頸の交わり」は、同じ列伝から生まれた故事成語なのです。

「完璧」の使い方と例文・似た言葉

「完璧」は、名詞として「完璧を目指す」、形容動詞として「完璧だ・完璧な・完璧に」の形でよく使います。足りないところや失敗が一つもないときに使うのがポイントです。

  • ○テストの見直しをして、答えは完璧だと思った。
  • ○キーパーの完璧な守りで、相手に一点も与えなかった。
  • ○何でも完璧にしようとする人を「完璧主義」と言う。
  • ○この漢字はまだ完璧には覚えていない。(打ち消しの形)
  • ×その計画は完璧に失敗した。(「完全に」「まったく」の意味で、悪いことの強調には使わない)

「完璧主義」は、何でも欠点なく仕上げないと気がすまない性格のことです。よい面もありますが、「完璧でなければやらない」となると、かえって動けなくなることもあります。

完璧似た言葉完全無欠非の打ち所がない万全パーフェクト反対の言葉不完全不十分未完成欠点だらけ
似た言葉・反対の言葉。「完全無欠」は「完璧」とほぼ同じ意味の四字熟語です

似た言葉

  • 完全無欠(かんぜんむけつ):完全で、欠けたところがまったくないこと。「完璧」とほぼ同じ意味です。
  • 非の打ち所がない:悪いところを指摘できないほどすぐれていること。
  • 万全(ばんぜん):少しの手ぬかりもないこと。「万全の準備」のように、準備や対策に使うことが多い言葉です。
  • 双璧(そうへき):意味は少しちがいますが、同じ「璧」を使う言葉。どちらもすぐれていて優劣がつけにくい2つのこと(2枚の璧から)。「日本の物理学の双璧」のように使います。

反対の言葉

  • 不完全(ふかんぜん):完全でないこと。足りないところがあること。
  • 不十分・未完成:じゅうぶんでないこと、まだできあがっていないこと。
  • 欠点だらけ:悪いところがたくさんあること。

「完璧」のよくあるまちがい

「璧」と「壁」は下の部分がちがう璧へき(下が「玉」)宝石の円板完璧・双璧○ 完璧壁かべ(下が「土」)家のかべ壁画・岸壁× 完壁宝の「玉(たま)」を守った話だから「玉」の字
「完璧」の「璧」は下が「玉」。下が「土」の「壁(かべ)」と書くのはまちがいです
  • 「完璧」を「完壁」と書く:いちばん多いまちがいです。「璧」は下が玉、「壁」は下が土。宝石の円板を守った話なので「玉」の字です。字の形は「璧」の読み方・書き順・部首と「壁」の読み方・書き順・部首で見くらべてみましょう。「完」は「完」の読み方・書き順・部首へ。
  • 「かべのように守りがかたい」という意味だと思う:「完璧」の「璧」はかべではありません。「守りが完璧」とは言えますが、それは「欠点がない守り」という意味です。
  • 「かんぺき」の「ぺき」を「へき」と読まない:「璧」の音読みは「へき」で、「完」とつながって「かんぺき」と読みます。「双璧」は「そうへき」です。
  • もとの意味を「完全な宝」だと思う:もとは「璧を完うする」=宝を傷つけずに守り通す、という動作の意味でした。
  • 「完璧に失敗」のように使う:「完璧」は「欠点がない」というほめる言葉です。悪いことを強めたいときは「完全に」「すっかり」を使います。

「璧」は、2010年の常用漢字表の改定で加わった字です。それより前は、新聞などで「完ぺき」とひらがなで書かれることもありました。今は「完璧」と漢字で書けるようにしておきましょう。

うかるくん

うかるくん

「璧」と「壁」、テストのときにどっちだったか、わからなくなりそうです…。

ミスターT先生

ミスターT先生

相如が守ったのは「たま(玉)」。だから「完璧」は下が玉。かべは土で作るから「壁」は下が土。宝の玉を守った話=玉の字、と話とセットで覚えれば、もうまちがえないよ。

入試ではこう出る

「完璧」は、中学受験から大学受験まで、それぞれ形を変えて出てきます。

  • 中学受験:「かんぺき」を漢字で書く問題(「完壁」とまちがえやすい)、故事成語の意味を選ぶ問題、「璧」が何を指すかを問う問題がよく出ます。
  • 高校受験:故事成語の由来の説明文や漢文の入門として、「城入らずんば」の意味・「完璧」のもとになった部分を書き抜く問題が出ることがあります。高校受験の漢文の出方は高校受験の漢文(返り点・書き下し文の対策)にまとめています。
  • 大学受験:『史記』の「藺相如」の場面は、漢文の教科書で長文として読むことが多い話です。「使A〜」の使役、「請ふ」の願望、「不可不」の二重否定、相如の行動の理由などが問われます。共通テストでの漢文の出方は共通テストの漢文(配点・時間配分)へ。
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

相如が「璧に瑕有り」と言った理由を書く問題では、「秦王が城をわたす気がないと見ぬき、璧を自分の手に取りもどすため」と、ねらいまで書くのがコツですね!

練習問題

やさしい

  1. 「完璧」の意味として正しいものを選びましょう。
    ア かべのように守りがかたいこと イ 欠点がまったくないこと ウ 大切な宝物のこと エ すべてを終わらせること
    答えと解説を見るイ。「完璧」は欠点がまったくないことです。アの「かべ」は「壁」とのまちがいから来る誤解です。
  2. 「かんぺき」を漢字で書きましょう。また、「ぺき」の字の下の部分は何ですか。
    答えと解説を見る完璧。「璧」の下の部分は玉です。下が「土」の「壁」と書くのはまちがいです。

ふつう

  1. 「城不入、臣請完璧帰趙。」を書き下し文に直しましょう。
    答えと解説を見る城入らずんば、臣請ふ璧を完うして趙に帰らん。「入らずんば」は「もし入らないならば」という仮定、「請ふ」は「どうか〜させてください」というお願いです。
  2. 藺相如は、なぜ従者に粗末な服を着せて、璧を抜け道から趙へ持ち帰らせたのですか。
    答えと解説を見る秦の王が、十五の城を趙にわたす気がなく、璧だけをだまし取ろうとしていると見ぬいたからです。目立たない服装で抜け道を通らせ、秦に気づかれないうちに璧を無事に趙へ返しました。

むずかしい

  1. 「秦昭王聞之、使人遺趙王書」の「使」は何という句法ですか。句法の名前と、この部分の現代語訳を答えましょう。
    答えと解説を見る使役(AをしてBせしむ=AにBさせる)。訳は「秦の昭王はこれを聞いて、人に趙王への手紙を届けさせた」。
  2. 「完璧」と同じ『史記』廉頗藺相如列伝から生まれた故事成語を一つ答え、その意味を説明しましょう。
    答えと解説を見る刎頸の交わり(ふんけいのまじわり)。相手のためなら首を切られても悔いがないほどの、固い友情のこと。廉頗と藺相如が仲直りして結んだ友情から生まれました。(「怒髪冠を衝く」も同じ場面の表現です)

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よくある質問

完璧の意味を簡単に言うと何ですか?

欠点がまったくないことです。少しも足りないところがなく、りっぱなようすを表します。もとは「璧(宝の玉)を傷つけずに守り通す」という意味でした。

完璧の由来となった話はどんな話ですか?

『史記』廉頗藺相如列伝の話です。秦の王が十五の城と取りかえると言って趙の宝「和氏の璧」を手に入れようとしましたが、使者の藺相如は秦の王に城をわたす気がないと見ぬき、璧を無事に趙へ持ち帰りました。

完璧の「璧」と「壁」はどうちがいますか?

「璧(へき)」は下が「玉」で、玉で作った平たい円板の宝のことです。「壁(かべ)」は下が「土」です。完璧は宝の玉を守った話なので「璧」と書き、「完壁」はまちがいです。

完璧の書き下し文はどう読みますか?

もとになった原文「城不入、臣請完璧帰趙」は、「城入らずんば、臣請ふ璧を完うして趙に帰らん」と読みます。「もし城が手に入らなければ、璧を無事なまま趙に持ち帰らせてください」という意味です。

完璧の似た言葉・反対の言葉は何ですか?

似た言葉は完全無欠・非の打ち所がない・万全など、反対の言葉は不完全・不十分・未完成などです。

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出典・参考

  • 原文:『史記』巻八十一 廉頗藺相如列伝(維基文庫の本文で確認。教科書で多い形は、読みやすいように字や句読点を整えたもの)
  • 和氏の璧のいわれ:『韓非子』和氏篇
  • 書き下し文・現代語訳:合格大作戦(教科書で多い読み方をもとにした一例)
  • 写真:メトロポリタン美術館(Open Access、パブリックドメイン)
  • お話の絵・図:合格大作戦

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦