虎の威を借る狐の意味と由来|戦国策の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

虎の威を借る狐の意味と由来|戦国策の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

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虎の威を借る狐とらのいをかるきつね

ひとことで言うと

力のある人の権力をたよりにして、いばる弱い者のたとえ。虎の後ろにつかせて歩き、獣たちが逃げるのを自分がこわがられていると見せかけた狐の話から。

読み方とらのいをかるきつね
意味力のある人の権力をたよりにして、いばる弱い者のたとえ。
出典『戦国策』楚策一(江乙が楚の宣王に話したたとえ)
お話虎につかまった狐が「天帝がわたしを百獣のかしらにした」とうそをつき、虎を後ろに連れて歩いて、獣たちが逃げるのを見せた。虎は獣たちが狐をおそれたと思いこんだ
似た言葉笠に着る・権威をかさに着る・人のふんどしで相撲を取る
反対の言葉実力で勝負する・独立独歩
漢文の句法禁止(無敢)・使役(使)・反語(敢不〜乎)

このページのポイント

  • 「虎の威を借る狐」は人の力をたよりにして、いばる弱い者のたとえ。いばっているのは狐の方です
  • 出典は『戦国策』。虎を後ろに連れて歩いた狐の話を、4こまのイラストで読めます
  • 原文には禁止・使役・反語・否定の句法が入っていて、返り点の練習にぴったりです

「虎の威を借る狐」の意味と読み方

「虎の威を借る狐」はとらのいをかるきつねと読みます。意味は「力のある人の権力をたよりにして、いばる弱い者」のたとえです。自分には力がないのに、うしろにいる強い人の名前や立場を使ってえらそうにする人のことを言います。

「威(い)」は人をおそれさせる力・いきおいのこと。「借る(かる)」は「借りる」の古い言い方です。つまり「虎のこわさを借りて、いばっている狐」という意味です。中国の戦国時代の話を集めた本『戦国策』にある、虎と狐のたとえ話から生まれました。

獣たちが本当にこわかったのは?虎(強い)狐(弱い)獣たち見て逃げる狐:「みんな、わたしがこわいのだ」→ 虎の力を借りて、えらそうに見せた本当は:獣たちは後ろの虎がこわかった虎はそれに気づかなかった
獣たちが逃げたのは、狐ではなく後ろの虎がこわかったから。狐は虎の「威」を借りていたのです
うかるくん

うかるくん

狐ってかしこいイメージがあるけど、この言葉だと悪者なんですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

お話の中の狐は、自分が食べられないように知恵を使ったから、かしこいとも言える。でも言葉として使うときは、「人の力でいばる、ずるい人」という悪い意味になるんだ。ほめ言葉には使わないから気をつけよう。

ふだんの言い方では、たとえば次のように使います。

  • ○社長の名前を出していばるなんて、虎の威を借る狐だ。
  • ○キャプテンの友だちだからといって、後輩に命令するのは虎の威を借る狐のようなものだ。
  • ○「父は議員だぞ」と言う彼は、まさに虎の威を借る狐だった。
絹に描かれた、こちらをにらみながら前へ進む大きな虎の絵。毛並みと縞もようがこまかく描かれている
江戸時代の画家・岸駒(がんく)がえがいた虎の絵(部分)。昔の中国や日本で、虎は「百獣の王」として、強さやおそろしさの代表でした。画像:岸駒「Tiger」(1790年、メトロポリタン美術館蔵、パブリックドメイン)

絵で読む「虎の威を借る狐」のお話

まずは話の流れを、4つの場面で見てみましょう。登場するのは虎と狐と、森の獣たちです。食べられそうになった狐が、とっさのうそで虎をだますところが見どころです。

絵で読む「虎の威を借る狐」のお話(4こま)

1虎が狐をつかまえる食べてはいけない!天の神さまが、わたしを百獣の王にしたのだ
1虎が獣をさがして食べようとし、狐をつかまえました。狐は「わたしを食べてはいけない。天の神さま(天帝)が、わたしを百獣のかしらにしたのだ」と言います。
2狐が先を歩くうそだと思うならわたしの後ろについて来て見てごらん
2狐は続けます。「うそだと思うなら、わたしが先を歩くから、後ろについて来て見てごらん。獣たちがわたしを見て逃げ出さないはずがない」。虎はなるほどと思い、いっしょに歩き出しました。
3獣たちがみんな逃げるにげろ!
3獣たちは2匹を見ると、みんな逃げていきました。本当は、狐の後ろにいる虎を見て逃げたのです。
4虎は思いこむみんな狐がこわいのだな…しめしめ虎は獣の己を畏れて走るを知らざるなり
4虎は、獣たちが自分をこわがって逃げたとは気づかず、「みんな狐をこわがっているのだ」と思いこみました。

狐は、自分が強いのではなく、後ろにいる虎が強いだけだと分かっていました。それでも、獣たちが逃げるところを見せれば、虎は「狐がこわがられている」と思うだろうと考えたのです。うまくいったのは、虎が「獣たちは自分をこわがっている」と気づかなかったからでした。

人差し指を立てて説明するミスターT先生

ミスターT先生

この話で大事なのは、狐がいばれたのは、虎がうしろにいたからということだ。虎がいなくなれば、狐にはだれもおそれない。だから「人の力を借りていばる人」のたとえになるんだね。

「虎の威を借る狐」の原文・書き下し文・現代語訳

中学・高校の教科書や問題集では、次の形で読むことが多いです(書き下し文は代表的な読み方の一例です)。1文ずつ、返り点と送り仮名をつけた訓読文で見ていきましょう。返り点の読み方は返り点(レ点・一二点・上下点)の読み方、書き下し文のきまりは書き下し文の書き方でくわしく説明しています。

白文(教科書で多い形)虎求百獣而食之、得狐。狐曰、「子無敢食我也。天帝使我長百獣。今子食我、是逆天帝命也。子以我為不信、吾為子先行。子随我後観。百獣之見我而敢不走乎。」虎以為然。故遂与之行。獣見之皆走。虎不知獣畏己而走也。以為畏狐也。

1文目:虎が狐をつかまえる

書き下し文虎とら百獣ひやくじうを求もとめて之これを食くらふ、狐きつねを得たり。

(『戦国策』楚策一(教科書で多い形))

現代語訳虎がいろいろな獣をさがし求めては食べていたが、(あるとき)狐をつかまえた。

ここがポイント「而」は読まない置き字で、ここでは「求めて」の「て」の働きをしています。「百獣」は「すべての獣」。「之(これ)」は獣たちを指します。

2文目:狐「わたしを食べるな」

書き下し文狐きつね曰いはく、「子し敢あへて我われを食くらふこと無なかれ。」

(『戦国策』楚策一(教科書で多い形))

現代語訳狐が言うには、「あなたは決してわたしを食べてはいけない。」

ここがポイント「無かれ(なかれ)」は「〜するな」という禁止の句法。「敢へて(あへて)」がつくと「決して〜するな」と強い禁止になります。「子(し)」は「あなた」。一二三点の練習にもなる1文です。

3文目:「天帝がわたしを百獣のかしらにした」

書き下し文天帝てんてい我をして百獣ひやくじうに長ちやうたらしむ。今子し我を食くらはば、是これ天帝てんていの命に逆さからふなり。

(『戦国策』楚策一(教科書で多い形))

現代語訳天の神さまは、わたしを百獣のかしらにならせた。今あなたがわたしを食べたら、それは天の神さまの命令にそむくことになるのだ。

ここがポイント「使A〜(Aをして〜しむ)」は「Aに〜させる」という使役の句法。「長たらしむ」で「かしらにならせる」です。「食らはば」は「もし食べたら」という仮定の読み方。

4文目:「うそだと思うなら、先を歩こう」

書き下し文子し我われを以もつて信しんならずと為なさば、吾われ子しの為ために先行せんかうせん。

(『戦国策』楚策一(教科書で多い形))

現代語訳あなたがわたしの言うことを本当でないと思うなら、わたしがあなたのために先を歩こう。

ここがポイント「以A為B(AをもつてBとなす)」は「AをBだと思う」という言い方。「為(ため)に」は「〜のために」。同じ「為」の字が、読み方を変えて2回出てきます。「先行」は1語として「せんかう(せんこう)」と読みました。

5文目:「獣たちが逃げないはずがない」

書き下し文子し我が後しりへに随したがひて観みよ。百獣ひやくじうの我を見て敢あへて走はしらざらんや。

(『戦国策』楚策一(教科書で多い形))

現代語訳あなたはわたしの後ろについて来て見ていなさい。獣たちが、わたしを見て逃げ出さないことがあろうか(いや、必ず逃げ出す)。

ここがポイント「敢へて〜ざらんや」は「どうして〜しないことがあろうか、いや必ず〜する」という反語の句法。文の終わりの「乎」は、ここでは読まずに「〜んや」の送り仮名で表します。「走る」は漢文では「逃げる」の意味です。

6文目:虎は気づかない

書き下し文虎とら獣けものの己おのれを畏おそれて走るを知しらざるなり。以もつて狐きつねを畏おそると為なすなり。

(『戦国策』楚策一(教科書で多い形))

現代語訳虎は、獣たちが自分をこわがって逃げたのだと分からなかった。狐をこわがっているのだと思ったのである。

ここがポイント「不知〜(〜を知らず)」は否定の句法。レ点と一二点が組み合わさった「不レ知二…一」の形は、入試の返り点の問題でよく問われます。「己(おのれ)」は虎自身のことです。
「虎の威を借る狐」で覚える句法4つ無敢〜敢へて〜こと無かれ禁止(決して〜するな)使A〜我をして〜長たらしむ使役(Aに〜させる)敢不〜乎敢へて走らざらんや反語(〜しないだろうか、いや〜する)不知〜を知らざるなり否定(〜を知らない)
「虎の威を借る狐」には、禁止・使役・反語・否定がそろっています

原典(『戦国策』楚策一)の本文では

維基文庫(中国語のウィキソース)で見られる『戦国策』楚策一の本文は、次のような場面から始まります。

『戦国策』楚策一の本文(句読点を補ったもの、一部)荊宣王問群臣曰:「吾聞北方之畏昭奚恤也,果誠何如?」群臣莫對。江一對曰:「虎求百獸而食之,得狐。……」
  • 話の始まり:楚の宣王(「荊」は楚の別名)が家来たちに「北の国々は昭奚恤(しょうけいじゅつ)をおそれているそうだが、本当か」とたずね、だれも答えられませんでした(「群臣莫対」)。そこで江一(江乙)が、このたとえ話をしたのです。
  • 人の名前:維基文庫の本文では「江一」ですが、注に「鮑本(ほうほん)では『乙』」とあり、日本の教科書では「江乙(こういつ)」とすることが多いです。
  • 「観」の位置:本文は「子隨我後,觀百獸之見我而敢不走乎」と句読点が打たれていて、「観」を後ろへかけて読むこともできます(下の図)。
  • ほかの本にも:本文の注には、同じ話が前漢の『新序』にもあると書かれています。
「観」で切る? 後ろへかける?子随我後観百獣之見我而敢不走乎読み方1(教科書で多い)子我が後に随ひて観よ。百獣の我を見て敢へて走らざらんや。読み方2子我が後に随ひて、百獣の我を見て敢へて走らざるかを観よ。どちらでも「ついて来て、獣が逃げるのを見よ」の意味
「観」で文を切るか、後ろへかけるか。読み方は2通りありますが、意味の大筋は同じです
サクラちゃん

サクラちゃん

原文に「虎の威を借る」っていう言葉は出てくるんですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

原文には出てこないんだ。中国では、この話を4字にまとめた「狐假虎威(こかこい)」という成語が使われていて、日本では「虎の威を借る狐」という言い方で広まった。いつごろからこの形で言うようになったのかは、はっきりした資料が見つからなかったので、ここでは書かないでおくね。

出典『戦国策』と話の背景

「虎の威を借る狐」の出典は『戦国策(せんごくさく)』です。中国の戦国時代に、国々を回って王に意見を説いた人たち(遊説家)の言葉や作戦を、国ごとに集めた本で、前漢の劉向(りゅうきょう)がまとめたとされます。「蛇足」「漁夫の利」「隗より始めよ」なども、この本から生まれた言葉です。

『戦国策』の話には、たとえ話で王を説得するものがたくさんあります。強い言葉で反対するより、分かりやすいお話で考えさせるほうが、王の心を動かしやすかったからです。四字熟語の三人成虎(うその話も3人が言えば本当にされる)も、『戦国策』のたとえ話から来ています。思想家たちのちがいは諸子百家(儒家・道家・法家)の考え方で図にしています。

江乙は何を言うためにこの話をしたのか

話の相手は楚の宣王です。楚は南の大きな国で、昭奚恤(しょうけいじゅつ)という重臣が力をもっていました。宣王が「北の国々は、昭奚恤をおそれているそうだが本当か」とたずねると、江乙はこのたとえ話をして、こう続けます。

「今、王の国は五千里四方の広さがあり、よろいを着た兵は百万人います。それをすべて昭奚恤にまかせておられる。だから北の国々が昭奚恤をおそれているのは、本当は王の兵をおそれているのです。ちょうど獣たちが虎をおそれたのと同じです」。

江乙のたとえ:だれがだれ?虎楚の宣王(王の大軍)狐重臣の昭奚恤百獣北の国々北の国々がこわいのは、昭奚恤ではなくそのうしろにいる王の百万の兵(『戦国策』楚策一の江乙の答え)
虎=王の大軍、狐=昭奚恤、獣たち=北の国々。江乙は、昭奚恤が王の力を借りているだけだと言いたかったのです

つまり江乙は、「昭奚恤がこわがられているのは、王の力を借りているからにすぎない」と王に気づかせようとしたのです。同じ楚策一には「江乙、昭奚恤を悪む(にくむ)」という題の話など、江乙が昭奚恤を王に悪く言う話がほかにもいくつかのっています。このたとえ話にも昭奚恤の力をおさえたいというねらいがあったと読む人が多いのですが、江乙の本当の気持ちまでは書かれておらず、読み方には諸説ありです。

「虎の威を借る狐」の使い方と例文・似た言葉

「虎の威を借る狐」は、「〜は虎の威を借る狐だ」「虎の威を借る狐のように〜」の形で使います。人を批判する言葉なので、目上の人に向かって使うと失礼になることがあります。「虎の威を借る」だけで使うこともあります。

  • ○部長の名前を出して後輩に命令する彼は、虎の威を借る狐だ。
  • ○強い国の後ろだてを得て、となりの国にいばるのは虎の威を借る狐のやり方だ。
  • ○先生のお気に入りだからと虎の威を借るような態度をとると、友だちが離れていく。
  • ○親の名声に虎の威を借る狐とならないよう、自分の力でがんばりたい。
  • ×先生の助けを借りて問題が解けた。まさに虎の威を借る狐だ。(助けてもらっただけで、いばっていないので合わない)

ポイントは、「人の力を借りる」+「いばる」の2つがそろうことです。人に助けてもらうこと自体は悪いことではないので、「助けを借りた」だけの場面では使いません。

虎の威を借る狐似た言葉笠に着る権威をかさに着る人のふんどしで相撲を取る反対の言葉実力で勝負する独立独歩自分の力でやりとげる
似た言葉・反対の言葉。「笠に着る」は「虎の威を借る」とほぼ同じ場面で使えます

似た言葉

  • 笠に着る(かさにきる):権力や立場をたよりにして、いばったり、わがままをしたりすること。「親の地位を笠に着る」のように使います。
  • 権威をかさに着る:上と同じ意味。新聞や評論文でよく見る言い方です。
  • 人のふんどしで相撲を取る:人の物や力を使って、自分の得をはかること。「いばる」より「ちゃっかり得をする」ことに重点があります。
  • 親の七光り:親の地位や名声のおかげで、子が得をすること。本人がいばっていなくても使う点が少しちがいます。

反対の言葉

  • 実力で勝負する・自分の力でやりとげる:人の力にたよらないこと。
  • 独立独歩(どくりつどっぽ):人にたよらず、自分の信じる道を進むこと。

「虎の威を借る狐」のよくあるまちがい

「虎の威」の「威」を書きまちがえない威い(いきおい)威力・威張る○ これ位い(くらい)地位・位置× 虎の位意い(こころ)意味・意見× 虎の意「威張る」の「威」と覚えよう
「威」は「人をおそれさせる力」。「位」「意」と書くのはまちがいです
  • 「威」を「位」「意」と書く:「威」は威力・威張る(いばる)・権威の「威」です。字の形は「威」の読み方・書き順・部首で確かめましょう。「借」の読み方・書き順・部首も、あわせて書けるようにしておきます(「狐」は常用漢字ではありません)。
  • いばっているのを虎だと思う:いばっているのは狐(弱い者)です。虎は「力のある人」のたとえで、だまされている側です。
  • 「借る」を「借りる」にしないといけないと思う:「借る」は「借りる」の古い形で、辞書の見出しは「虎の威を借る狐」です。ふだんの会話で「虎の威を借りる狐」と言うこともありますが、テストではもとの形「借る」で覚えましょう。
  • ほめ言葉として使う:「かしこく人の力を利用した」という意味では使いません。いつも批判する意味です。
  • 漢文の「走」を「走る(ランニング)」と訳す:漢文の「走」は多くの場合「逃げる」です。「獣見之皆走」は「獣たちはそれを見てみな逃げた」と訳します。
うかるくん

うかるくん

虎が主役っぽいのに、ことわざの悪者は狐なんですね。こんがらがりそう…。

ミスターT先生

ミスターT先生

言葉の形を見てごらん。「虎の威を借る狐」で、最後が「狐」だろう。この言葉が指しているのは狐の方なんだ。「虎の力を借りた狐」=いばる弱い者、と覚えよう。

入試ではこう出る

「虎の威を借る狐」は、中学受験から大学受験まで、それぞれ形を変えて出てきます。

  • 中学受験:ことわざ・故事成語の意味を選ぶ問題、「○の威を借る△」の空らんに動物を入れる問題、「威」を漢字で書く問題がよく出ます。
  • 高校受験:漢文の入門として、返り点をつける・書き下し文に直す・「虎は何に気づかなかったか」を答える問題が出ることがあります。高校受験の漢文の出方は高校受験の漢文(返り点・書き下し文の対策)にまとめています。
  • 大学受験:「無敢〜」の禁止、「使A〜」の使役、「敢不〜乎」の反語を訳す問題。また、話の外側(江乙が王に何を言いたかったか)まで読ませる問題も見られます。共通テストでの漢文の出方は共通テストの漢文(配点・時間配分)へ。
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

「獣たちは何をおそれて逃げたのか」という問題は、「狐ではなく、後ろにいた虎」と答えるのがポイントですね! 虎は「獣が自分をおそれている」とは気づかなかったんだ。

練習問題

やさしい

  1. 「虎の威を借る狐」の意味として正しいものを選びましょう。
    ア 強い人を助ける、やさしい人 イ 力のある人の権力をたよりに、いばる弱い者 ウ 強い者と弱い者がなかよくすること エ かしこくて強い人
    答えと解説を見るイ。自分には力がないのに、強い人の力をたよりにしていばる人のことです。
  2. 「とらのいをかるきつね」の「い」を漢字で書きましょう。
    答えと解説を見る威。「人をおそれさせる力」という意味で、威力・威張るの「威」です。「位」「意」はまちがいです。

ふつう

  1. 「子無敢食我也」を書き下し文に直し、意味を答えましょう。
    答えと解説を見る子敢へて我を食らふこと無かれ。意味は「あなたは決してわたしを食べてはいけない」。「無かれ」は禁止、「敢へて」がついて強い禁止になります。
  2. 獣たちが逃げたのは、本当は何をおそれたからですか。また、虎はそれをどう思いこみましたか。
    答えと解説を見る本当は狐の後ろにいる虎(自分)をおそれて逃げた。虎はそれに気づかず、獣たちは狐をおそれて逃げたと思いこみました。

むずかしい

  1. 「百獣之見我而敢不走乎」の「敢不〜乎」は何という句法ですか。句法の名前と、文全体の現代語訳を答えましょう。
    答えと解説を見る反語(敢へて〜ざらんや=どうして〜しないことがあろうか、いや必ず〜する)。訳は「獣たちが、わたしを見て逃げ出さないことがあろうか(いや、必ず逃げ出す)」。
  2. 『戦国策』で、江乙はこの話を何のたとえとして楚の宣王に話しましたか。
    答えと解説を見る北の国々が重臣の昭奚恤をおそれているのは、本当は昭奚恤にまかされている王の大軍をおそれているのだ、ということのたとえです。虎=王(の兵)、狐=昭奚恤、獣たち=北の国々にあたります。

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よくある質問

虎の威を借る狐の意味を簡単に言うと何ですか?

力のある人の権力をたよりにして、いばる弱い者のたとえです。自分には力がないのに、うしろにいる強い人の名前や立場を使ってえらそうにする人のことを言います。

虎の威を借る狐の由来となった話はどんな話ですか?

『戦国策』楚策一にある話です。虎につかまった狐が「天帝がわたしを百獣のかしらにした。後ろについて来ればわかる」と言い、虎を連れて歩きました。獣たちは虎を見て逃げましたが、虎は狐をおそれて逃げたのだと思いこみました。

虎の威を借る狐の「威」とはどういう意味ですか?

人をおそれさせる力・いきおいのことです。威力・威張る・権威の「威」と同じで、「位」や「意」と書くのはまちがいです。

虎の威を借る狐の話は、もともと何のたとえですか?

楚の宣王の家来の江乙(江一)が、北の国々が重臣の昭奚恤をおそれているのは、本当は昭奚恤にまかされている王の大軍をおそれているのだ、と王に説明するためのたとえです。

虎の威を借る狐の似た言葉は何ですか?

笠に着る・権威をかさに着る・人のふんどしで相撲を取るなどです。反対の意味の言葉には、実力で勝負する・独立独歩などがあります。

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出典・参考

  • 原文:『戦国策』楚策一「荊宣王問群臣」(維基文庫の士礼居叢書本で確認。教科書で多い形は、読みやすいように字や句読点を整えたもの)
  • 書き下し文・現代語訳:合格大作戦(教科書で多い読み方をもとにした一例)
  • 絵:メトロポリタン美術館(Open Access、パブリックドメイン)
  • お話の絵・図:合格大作戦

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦