画餅に帰す(がべいにきす)の意味と由来|三国志の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

画餅に帰す(がべいにきす)の意味と由来|三国志の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

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画餅に帰すがべいにきす

ひとことで言うと

計画や努力が、実現しないでむだに終わること。魏の明帝が「名声は地面に描いた餅のようなもので、食べられない」と言った話から。

読み方がべいにきす
意味計画や努力などが、実現しないで、むだに終わること。「画餅」は絵にかいた餅で、見かけだけで役に立たないもの。
出典『三国志』魏書・盧毓伝(明帝の詔「名如畫地作餅,不可啖也」)
お話魏の明帝(曹叡)が、評判ばかりの若者たちを嫌い、人事を任された盧毓に「評判で選ぶな。名声は地に描いた餅で食べられない」と命じた
似た言葉絵に描いた餅・水の泡・机上の空論・空理空論
反対の言葉実を結ぶ・功を奏する・有言実行
漢文の句法禁止(莫かれ)・比況(如し)・不可能(不可)

このページのポイント

  • 「画餅に帰す」は計画や努力がむだに終わること。「画餅」はことわざの「絵に描いた餅」と同じです
  • 出典は『三国志』魏書・盧毓伝。「名声は食べられない餅」と言ったのは明帝(曹叡)で、盧毓はそれに答えた人です
  • 原文には禁止「莫かれ」・比況「如し」・不可能「不可」の句法が入っていて、漢文の練習にもなります

「画餅に帰す」の意味と読み方

「画餅に帰す」はがべいにきすと読みます。意味は「計画や努力などが、実現しないで、むだに終わること」です。「せっかく立てた計画が、画餅に帰した」のように、うまくいくはずだったことが、何の役にも立たずに終わったときに使います。

「画餅(がべい)」は絵にかいた餅(もち)のことです。見た目はおいしそうでも、絵の餅は食べられません。そこから「画餅」は、見かけだけで実際には役に立たないものという意味になりました。「帰す(きす)」は「最後にそこへ行き着く」という意味なので、「画餅に帰す」で「絵にかいた餅のような、役に立たないものに終わる」となります。

「画餅に帰す」を字に分けると画えがく絵にかく餅もち食べものに〜に行き先帰すきす行き着く画餅=絵にかいた餅(食べられない)画餅に帰す=役に立たないまま終わる計画・努力・構想が、実を結ばずにむだになること
「画」はえがく、「餅」はもち、「帰す」は行き着く。合わせて「役に立たないまま終わる」
うかるくん

うかるくん

「絵に描いた餅」っていうことわざは聞いたことがあります! それと同じですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

そのとおり。「絵に描いた餅」を、漢字2字の「画餅」で言ったのがこの言葉だよ。もとは中国の歴史書『三国志』に出てくる、魏の皇帝の言葉なんだ。皇帝が「評判(名声)は地面に描いた餅のようなもので、食べられない」と言ったところから来ているんだよ。

ふだんの文章では、たとえば次のように使います。

  • ○資金が集まらず、新しい駅を作る計画は画餅に帰した。
  • ○毎日2時間勉強するという目標も、続けなければ画餅に帰す。
  • ○どんなによい案も、実行する人がいなければ画餅に帰すおそれがある。
「画餅」の意味の移り変わり明帝の詔名声は地に画いた餅のよう評判だけの人は役に立たない画餅見かけだけで役に立たないもの「画餅にひとしい」「画餅にすぎない」画餅に帰す計画などが実現せずむだに「せっかくの計画も画餅に帰した」ことわざの「絵に描いた餅」も同じ意味です
もとは「名声は食べられない餅」という皇帝の言葉。そこから「役に立たないもの」「むだに終わる」の意味に

上の図のように、もとの話では「画餅」が指していたのは名声(評判)でした。それがのちに、計画・約束・理想など「形だけで中身がともなわないもの」全体に広がり、日本では「画餅に帰す」という言い方で、「結局むだに終わる」という意味に使われるようになりました。

絵で読む「画餅に帰す」のお話

話の舞台は、三国時代の魏(ぎ)の国です。魏は、曹操(そうそう)の子の曹丕(そうひ)が建てた国で、この話に出てくる明帝(めいてい)は、その次の皇帝・曹叡(そうえい)です。曹操から見ると孫にあたります。もう一人の主人公盧毓(ろいく)は、人を選んで役目につける仕事(人事)を任されていた役人です。盧毓は、劉備の先生として知られる学者・盧植(ろしょく)の子です。

絵で読む「画餅に帰す」のお話(4こま)

1名声を競う若者たち諸葛誕鄧颺評判◎評判◎明帝評判ばかりで中身はどうだ?
1魏の都では、若い役人の諸葛誕や鄧颺たちが、評判の高さを競い合っていました。明帝(曹叡)は、評判ばかりで中身の分からない人たちを嫌っていました。
2明帝が盧毓に命じる明帝盧毓よい人を得るのは盧生しだいだ
2大事な役目(中書郎)に人を選ぶとき、明帝は人事を任されていた盧毓に命じます。「よい人を得られるかどうかは、盧生(盧毓)しだいだ」。
3名は画いた餅明帝地面に描いた餅盧毓名声は、地に描いた餅のようなもの。食べられぬ!
3明帝は続けます。「評判のある人を選んではならない。名声は、地面に描いた餅のようなもので、食べることはできないのだ」。
4盧毓の答え明帝盧毓名声だけでは、すぐれた人は得られません。あとで力を確かめましょう名は以て異人を致すに足らず
4盧毓は「名声だけでは、すぐれた人は得られません。けれども、ふつうのよい人は得られます。あとで本当の働きを確かめましょう」と答えました。

このころの魏の都では、家がらのよい若い役人たちが、おたがいをほめ合って評判を高め、「名士」としてもてはやされることがはやっていました。その中心にいたのが諸葛誕(しょかつたん)や鄧颺(とうよう)たちです。諸葛誕は、蜀の諸葛亮(孔明)と同じ一族の人です。人々はこうした若者たちを「四窓八達(しそうはったつ)」などとあだ名して、からかいました(あだ名の中身や字は、注に引かれた書物によって書き方がちがい、くわしいことは諸説あります)。

人差し指を立てて説明するミスターT先生

ミスターT先生

ポイントは、「画餅」と言ったのは盧毓ではなく、皇帝の明帝だということ。明帝は「評判だけで人を選ぶな」と言い、盧毓は「評判にも使い道はある。あとで働きを確かめればいい」と、少しちがう考えを返しているんだ。辞書や本によっては「盧毓の言葉」と書かれていることもあるので気をつけよう。

盧毓の答えを聞いた明帝は、その考えを受け入れ、役人の働きぶりを調べて評価するきまり(考課の法)を作らせました。「名声は食べられない餅だ」という皇帝の強い言葉から、「見かけより、実際に役に立つかどうか」を確かめる仕組みが生まれた、という流れです。

「画餅に帰す」の原文・書き下し文・現代語訳

出典は、西晋の陳寿(ちんじゅ)がまとめた歴史書『三国志』の「魏書」にある盧毓伝です。1文ずつ、返り点と送り仮名をつけた訓読文で読んでいきましょう。返り点の読み方は返り点(レ点・一二点・上下点)の読み方、書き下し文のきまりは書き下し文の書き方とルールでくわしく説明しています。

原文(『三国志』魏書・盧毓伝。句読点を補ったもの)前此諸葛誕・鄧颺等馳名譽,有四窗八達之誚,帝疾之。時舉中書郎,詔曰:「得其人與否,在盧生耳。選舉莫取有名,名如畫地作餅,不可啖也。」毓對曰:「名不足以致異人,而可以得常士。……」

1文目:名声を競う若者たち

書き下し文諸しよ葛かつ誕たん、鄧とう颺やう等ら名誉を馳はせ、四窓八達の誚そしり有り。帝てい之これを疾にくむ。

(『三国志』魏書・盧毓伝(原文は「窗」「譽」。ここでは今の字で表示))

現代語訳(これより前)諸葛誕や鄧颺たちは名声を競い合い、「四窓八達」とそしられていた。明帝はこれを憎んでいた。

ここがポイント「馳す(はす)」は「広める」、「誚り(そしり)」は「悪口・非難」。「疾む(にくむ)」は「憎む」で、ここでは「病気」の意味ではありません。「之(これ)」は、名声を競う若者たちのふるまいを指します。

2文目:明帝の詔(人選は盧毓しだい)

書き下し文其その人を得うると否いなとは、盧ろ生せいに在あるのみ。

(『三国志』魏書・盧毓伝)

現代語訳ふさわしい人を得られるかどうかは、盧生(盧毓)しだいだ。

ここがポイント「与(と)」は「AとBと」の「と」でひらがなにします。「耳(のみ)」は「〜だけだ」と範囲をしぼる限定の句法(唯・耳・已)の字です。「盧生」の「生」は、ここでは人を呼ぶときの言い方です。

3文目:評判で選ぶな

書き下し文選せん挙きよには名有あるを取とること莫なかれ。

(『三国志』魏書・盧毓伝)

現代語訳人を選ぶときには、評判のある人を取ってはならない。

ここがポイント「莫(な)かれ」は「〜してはならない」という禁止の句法(勿・莫・無)。「莫し(なし)」と読めば否定ですが、命令の場面では「なかれ」と読みます。「選挙」は、今の「投票」の意味ではなく人を選んで役目につけることです。

4文目:名声は地に画いた餅

書き下し文名は地に画ゑがきて餅もちを作つくるが如ごとく、啖くらふべからざるなり。

(『三国志』魏書・盧毓伝(原文は「畫」))

現代語訳名声というものは、地面に絵をかいて餅を作るようなもので、食べることはできないのだ。

ここがポイント「如(ごと)し」は「〜のようだ」という比況の句法(如・若・猶)。「不可〜(〜べからず)」は「〜できない」で、可能・不可能の句法(可・能・得)の形です。「啖ふ(くらふ)」は「食べる」。この1文が「画餅」の言葉のもとです。

5文目:盧毓の答え

書き下し文名は以もつて異人を致いたすに足たらず、以もつて常士を得うべし。

(『三国志』魏書・盧毓伝)

現代語訳名声によっては、並外れた人物を招くことはできないが、ふつうのまともな人を得ることはできます。

ここがポイント「異人」は「並外れてすぐれた人」、「常士」は「ふつうのまじめな人」。「而」は読まない置き字(而・於・矣)で、ここでは「〜だが」という逆接のつなぎの働きをしています。
「画餅」の原文で覚える句法4つ莫取取ること莫かれ取ってはならない禁止如〜の如く(ごとく)〜のようで比況(たとえ)不可啖啖ふべからず食べることができない不可能不足〜に足らず〜するには足りない否定
明帝と盧毓の言葉に出てくる句法は4つ。禁止・比況・不可能・否定がまとめて練習できます

盧毓の答えの続き

盧毓の答えには続きがあります。「常士は教えを畏れ善を慕ひ、然る後に名有り」(ふつうの人は、教えを守り善いことを目指した結果として評判が生まれるのだから、評判そのものを憎む必要はない)と言い、さらに、役人の働きを確かめるきまりがすたれたせいで、ほめ言葉や悪口だけで人の上がり下がりが決まっていると、本当の問題点を指摘しました。

サクラちゃん

サクラちゃん

明帝は「名声なんか役に立たない」って言ったのに、盧毓は「名声にも意味はある」って言い返したんですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

そう。盧毓は「名声だけで決めるのはだめだけど、名声を全部捨てるのも行きすぎ。名声で候補を選び、あとで実際の働きで確かめればいい」と、間をとった答えをしたんだね。今の学校や会社の評価のしかたにも通じる、なかなか現実的な考え方だよ。

出典『三国志』と話の背景

「画餅」の出典は、『三国志』魏書・盧毓伝です。『三国志』は、西晋の陳寿が書いた歴史書(正史)で、魏・呉・蜀の三つの国の歴史を、人物ごとの伝記の形でまとめています。小説の『三国志演義』とは別の本で、「画餅」の話は正史のほうに書かれています。

三国時代は、後漢がおとろえたあと、魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備たちが争った時代です。三国志の有名な故事成語には、劉備が諸葛亮を三度訪ねた「三顧の礼(劉備と諸葛亮)」や、蜀の馬良の「白眉(馬良の故事)」などがあります。「画餅」は、その中でも魏の朝廷の、人の選び方をめぐる話です。

なぜ明帝は「名声」をきらったのか

この時代、人を役人に選ぶときには、まわりの評判がとても重く見られていました。魏では、地方ごとに人物を等級に分けて推薦するしくみ(九品官人法)が始まっていて、評判のよい人ほど出世しやすかったのです。すると、実力よりも「評判をつくること」に熱心な人が出てきます。おたがいにほめ合って名声を高め、仲間うちで固まる若者たちを、明帝は危ないと考えたわけです。

明帝と盧毓のやりとり明帝(曹叡)評判のある人を選ぶな。名声は地面に描いた餅で、食べられない。盧毓(人事の担当)名声だけでは並外れた人は得られないが、ふつうのよい人は得られます。名声はよい行いのあとからつくもの。大事なのはあとで実際の働きを確かめることです。明帝は受け入れ、役人の働きを調べるきまり(考課の法)を作らせた
明帝は「名声は食べられない」、盧毓は「名声+あとで確かめる」。話は、評価のきまりづくりへ進みます

その後の歴史を見ると、明帝が嫌った若者たちの一人・鄧颺は、のちに曹爽(そうそう。曹操とは別の人)という実力者に重く用いられますが、曹爽が司馬懿(しばい)にたおされたとき、いっしょに処刑されました。もう一人の諸葛誕も、のちに司馬氏にそむいて兵をあげ、敗れています。評判が高かった人たちが、最後には力をつけた司馬氏に負けていったことを思うと、「名声は画餅」という明帝の言葉は、少し重く聞こえます。

「画餅」は禅の言葉にも

「画餅」は、のちの時代の仏教(禅)の書物にも出てきます。「画餅は飢えを充たさず(絵の餅ではおなかはふくれない)」という形で、「本で読んだだけの知識では、本当の悟りは得られない」というたとえに使われたとされます。日本でも、鎌倉時代の禅僧・道元の『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』に「画餅」という巻があり、この言葉を深く考えています。今の中国語にも「画餅充飢」(絵の餅で飢えをしのぐ=空想でなぐさめる)という四字の言い方があります。

「画餅に帰す」の使い方と例文・似た言葉

「画餅に帰す」は、「計画」「構想」「努力」「約束」などが、実現しないままむだになったときに使う、少しかたい書き言葉です。新聞や評論文、ビジネスの文章でよく見かけます。「画餅に帰した」と過去の形で使うことが多く、「画餅に終わる」「画餅にひとしい」という言い方もあります。

  • ○台風で大会が中止になり、半年かけた準備が画餅に帰した。(努力がむだに)
  • ○予算の裏づけがなければ、どんな改革案も画餅に帰す。(計画が実現しない)
  • ○夏休みの勉強計画を画餅に帰さないように、毎日の量を少なめにした。(打ち消しの形)
  • ○現場の声を聞かずに作った規則は、画餅にひとしい。(役に立たないもの)
  • ×試合に負けて、チームは画餅に帰した。(人やチームそのものには使わない。「計画が」「努力が」などにする)
何が「画餅に帰す」のか○ 使える計画・プラン構想・夢努力・苦労約束・公約改革案× 使わない人そのもの「彼は画餅に帰した」目の前の物「この机は画餅だ」(意味が通らない)よく使う形:画餅に帰した・画餅に帰すおそれ画餅に帰さないよう・画餅に終わる
「画餅に帰す」の主語は、計画・構想・努力など「実現するはずだったもの」。人や物そのものには使いません
画餅に帰す似た言葉絵に描いた餅水の泡になる机上の空論空理空論有名無実反対の言葉実を結ぶ功を奏する日の目を見る有言実行
似た言葉・反対の言葉。「絵に描いた餅」がいちばん近い言い方です

似た言葉

  • 絵に描いた餅:見た目はよくても、実際には役に立たないもの。「画餅」をそのまま言いかえたことわざです。中学受験のことわざの問題でもよく出ます。
  • 水の泡(になる):それまでの努力や苦労が、すっかりむだになること。「画餅に帰す」とほぼ同じ場面で使えます。
  • 机上の空論:頭の中や机の上で考えただけで、実際には役に立たない理屈や計画。
  • 空理空論(四字熟語):現実からかけはなれた、役に立たない理論。
  • 有名無実(ゆうめいむじつ):名前や評判ばかりで、中身がともなわないこと。もとの話の「名声だけで中身がない」にいちばん近い四字熟語です。
  • 羊頭狗肉(見かけ倒し):見かけはりっぱでも中身がともなわないこと。「看板にいつわりあり」の意味で、「見かけと中身のずれ」という点が似ています。

反対の言葉

  • 実を結ぶ:努力や計画がよい結果になること。「画餅に帰す」のちょうど反対です。
  • 功を奏する:やったことが成功して、よい効き目があらわれること。
  • 日の目を見る:うもれていた計画や作品が、世に出て認められること。
  • 有言実行(四字熟語):口に出して言ったことを、そのとおり実行すること。計画を「絵の餅」にしない態度です。

英語では、「絵に描いた餅」は pie in the sky(空の上のパイ=手に入らない夢)とよく訳されます。「計画が画餅に帰した」は The plan came to nothing. や The plan ended in failure. のように言えます。

受験勉強への生かし方

受験生にとって、いちばん画餅に帰しやすいのは勉強計画です。きれいな計画表を作っただけで満足し、3日で止まってしまう…という経験はだれにでもあります。明帝の言葉を借りれば、「計画表は地面に描いた餅で、食べられない」のです。

計画を画餅にしないコツは、盧毓の答えにヒントがあります。盧毓は「名声で選び、あとで実際の働きを確かめる」と言いました。勉強でも、計画を立てたら1週間ごとに「本当にできたか」を確かめて、量を直すことが大切です。完璧な計画より、まず手を動かして終わらせることについては、「完璧を目指すよりまず終わらせろ」の意味と由来がくわしく、先のばしをやめる考え方は「いつかできることは今日もできる」の意味と勉強法が参考になります。目的別の記事は大学受験の勉強法まとめ(目的別の記事一覧)から探せます。

「画餅に帰す」のよくあるまちがい

  • 「がもち」「えもち」と読む:正しくはがべい。「餅」は音読みで「べい」と読みます(「煎餅(せんべい)」の「べい」と同じ)。字の形と読みは「餅」の読み方・書き順・部首、「画」の読み方・書き順・部首で確かめましょう。
  • 「帰す」を「かえす」と読む:ここではきすと読みます。「〜に帰す」は「最後に〜になる・〜に行き着く」という意味で、「水泡に帰す」(努力がむだになる)も同じ形です。「帰」の読み方・書き順・部首も見ておきましょう。
  • 「画餅に期す」「画餅に記す」と書く:同じ「きす」でも、「期す(期待する・約束する)」「記す」は別の言葉です。「帰す」は「帰る」の字です。
  • 人やチームについて使う:「彼は画餅に帰した」は誤り。計画・努力・構想など、実現するはずだったものについて使います。
  • 言ったのは盧毓だと思う:原文では、「名は地に画きて餅を作るが如し」は明帝(曹叡)の詔(命令の文書)の中の言葉です。盧毓はそれに答えた側です。
  • 「よいことが起きる」意味だと思う:「餅」がめでたいイメージなので勘ちがいしやすいですが、意味は「むだに終わる」というよくない結果です。
うかるくん

うかるくん

「画餅」の「画」って、「が」なんですか?「かく」の「かく」じゃなくて?

ミスターT先生

ミスターT先生

「画」には「が」(絵・画家)と「かく」(計画・区画)の2つの音読みがあるんだ。「絵」の意味のときは「が」と覚えよう。画餅は「絵の餅」だから「が」。同じ「画」を使う故事成語に、画竜点睛(がりょうてんせい)があるよ。

入試ではこう出る

「画餅に帰す」は、高校受験と大学受験で、主に語句の意味・漢字の読み書きとして出てきます。

  • 中学受験:「画餅に帰す」そのものよりも、同じ意味のことわざ「絵に描いた餅」の意味を問う問題としてよく出ます。「絵に描いた餅」と同じ意味の言葉を選ぶ問題で、「画餅」が選択肢に入ることもあります。
  • 高校受験:故事成語の意味を選ぶ問題、「画餅」の読み(がべい)を答える問題。評論文や新聞記事の中の「計画が画餅に帰した」という表現の意味を問う問題にも出ます。
  • 大学受験:評論文の語句問題として、「画餅に帰す」「画餅にひとしい」の意味を選ぶ形がよく出ます。漢文では、原文の「莫かれ(禁止)」「如し(比況)」「不可(不可能)」の読み方や訳が問われます。共通テストの漢文の出方は共通テストの漢文(配点・時間配分)、高校受験の漢文は高校受験の漢文(返り点・書き下し文の対策)にまとめています。
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

「画餅に帰す」の意味を書く問題では、「計画などが実現せず、むだに終わること」と、「何が」「どうなる」の両方を書くのがコツですね!

練習問題

やさしい

  1. 「画餅に帰す」の意味として正しいものを選びましょう。
    ア おいしい物を食べること イ 計画などがむだに終わること ウ よいことが続くこと エ 絵が上手なこと
    答えと解説を見るイ。「画餅」は絵にかいた餅(食べられない)で、「帰す」は「〜に終わる」。計画や努力が実現しないで終わることです。
  2. 「画餅」の読み方をひらがなで書きましょう。また、同じ意味のことわざを答えましょう。
    答えと解説を見るがべい。同じ意味のことわざは「絵に描いた餅」です。

ふつう

  1. 次の文のうち、「画餅に帰す」の使い方が正しいものを選びましょう。
    ア 雨で遠足が中止になり、準備が画餅に帰した。 イ 祖父は画餅に帰して、元気になった。 ウ 画餅に帰すほどおいしいケーキだった。
    答えと解説を見るア。準備(努力)がむだになったので正しい使い方です。イ・ウは意味が合いません。
  2. 「名如画地作餅、不可啖也」を書き下し文に直しましょう。
    答えと解説を見る名は地に画きて餅を作るが如く、啖ふべからざるなり。「如し」は比況(〜のようだ)、「不可〜」は「〜べからず(〜できない)」と読みます。

むずかしい

  1. 「選挙莫取有名」の「莫」はどう読み、どんな意味ですか。文全体の現代語訳も答えましょう。
    答えと解説を見る「なかれ」と読み、禁止(〜してはならない)を表します。訳は「人を選ぶときには、評判のある人を取ってはならない」。
  2. 明帝の「名声は画餅」という考えに対し、盧毓はどう答えましたか。要点を2つ書きましょう。
    答えと解説を見る①名声だけでは並外れた人物は得られないが、ふつうのよい人は得られる(名声にも使い道がある)。②大事なのは、あとで実際の働きを確かめるしくみである(この意見から考課の法が作られた)。

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よくある質問

画餅に帰すの意味を簡単に言うと何ですか?

画餅に帰すとは、計画や努力が実現しないで、むだに終わるという意味です。「画餅」は絵にかいた餅のことで、見た目だけで食べられない、つまり役に立たないものを表します。

画餅に帰すの読み方は何ですか?

「がべいにきす」と読みます。「餅」は煎餅の「べい」と同じ音読みで、「帰す」は「かえす」ではなく「きす」と読みます。

画餅に帰すの由来はどんな話ですか?

『三国志』魏書・盧毓伝にある話です。魏の明帝(曹叡)が、評判ばかりの若者たちを嫌い、人事を任された盧毓に「評判で人を選ぶな。名声は地面に描いた餅のようなもので食べられない」と命じたことから来ています。

「画餅」と言ったのは盧毓ですか、明帝ですか?

原文では、明帝(曹叡)の詔の中の言葉です。盧毓はそれに対して「名声だけでは並外れた人は得られないが、ふつうのよい人は得られる。あとで働きを確かめればよい」と答えた人です。

画餅に帰すの原文と書き下し文を教えてください。

原文は「名如畫地作餅,不可啖也」で、書き下し文は「名は地に画きて餅を作るが如く、啖ふべからざるなり」です。現代語訳は「名声は地面に描いた餅のようなもので、食べることはできない」となります。

画餅に帰すの例文を教えてください。

「資金が集まらず、新駅の計画は画餅に帰した」「準備が画餅に帰さないよう、毎日少しずつ進める」のように使います。主語は計画・努力・構想など、実現するはずだったものにします。

画餅に帰すはビジネスで使えますか?

使えます。少しかたい書き言葉なので、報告書やスピーチで「せっかくの計画が画餅に帰さないよう、実行の担当を決めましょう」のように使うと引きしまった表現になります。

画餅に帰すの似た言葉・反対の言葉は何ですか?

似た言葉は「絵に描いた餅」「水の泡になる」「机上の空論」「空理空論」などです。反対の言葉は「実を結ぶ」「功を奏する」「有言実行」などです。

画餅に帰すは英語で何と言いますか?

「絵に描いた餅」は英語で pie in the sky とよく訳されます。「計画が画餅に帰した」は The plan came to nothing. のように言えます。

画餅に帰すは入試でどう出ますか?

高校受験・大学受験で、意味を選ぶ問題や「画餅」の読みを答える問題としてよく出ます。中学受験では、同じ意味のことわざ「絵に描いた餅」の形でよく問われます。

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出典・参考

  • 原文:『三国志』魏書・巻二十二・盧毓伝(維基文庫の本文で確認。詔の言葉が明帝のものであることも本文で確認)
  • 書き下し文・現代語訳:合格大作戦(一般的な訓読をもとにした一例)
  • 「四窓八達」のあだ名の中身・字、禅の書物の「画餅」の出どころは、本によって書き方が分かれるため、諸説ありとしました
  • お話の絵・図:合格大作戦

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦