
この記事の結論
- 百五減算(ひゃくごげんざん)は、ある数を3・5・7でわった余りから、もとの数を当てる計算法です。3×5×7=105 なので「百五減」と呼ばれます。
- やり方は「余り×70+余り×21+余り×15を計算し、105より小さくなるまで105をひく」だけ。中国の『孫子算経』の問題がもとで、江戸時代の『塵劫記』にものっています。
- 数学では中国の剰余定理と呼ばれ、中学受験の「余りの問題」から、カレンダーの干支、インターネットの暗号まで使われています。
百五減算とは?数当てゲームで体験しよう
まずは、友だちとできる数当てゲームから始めましょう。
- 友だちに、1から100までの数を1つ、心の中で決めてもらいます。
- その数を3でわった余り、5でわった余り、7でわった余りの3つだけを教えてもらいます。
- あなたは、それだけで友だちの数をぴたりと当てます。
たとえば「3でわると2余り、5でわると3余り、7でわると2余る」と言われたら、答えは23です。この当て方が百五減算です。
うかるくん
余りを3つ聞くだけで当たるの? 超能力みたい!
合格先生
タネはたったの3つの数、70・21・15なんだ。これを覚えれば、だれでも当てられる。しかもこのタネは、1500年以上前の中国の本にもう書いてあるんだよ。
サクラちゃん
70・21・15……。どこから出てきた数なんでしょう?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | 百五減算(ひゃくごげんざん)。「百五減」とも |
| ひとことで | 3・5・7でわった余りから、もとの数を当てる計算法 |
| 使うタネ | 70・21・15(と、105) |
| もとの問題 | 中国の数学書『孫子算経』の「3でわると2余り、5でわると3余り、7でわると2余る数は?」(答え23) |
| 日本では | 江戸時代の『塵劫記』に「百五減」としてのる。関孝和は『括要算法』でこの解き方を「翦管術(せんかんじゅつ)」と呼んだ |
| 数学での名前 | 中国の剰余定理(英語で Chinese remainder theorem) |
百五減算のやり方(3ステップ)
『孫子算経』の問題「3でわると2余り、5でわると3余り、7でわると2余る数」で、やり方を見てみましょう。
| ステップ | すること | この問題では |
|---|---|---|
| 1 | 3でわった余りに 70 をかける | 2×70=140 |
| 2 | 5でわった余りに 21 をかけ、7でわった余りに 15 をかける | 3×21=63、2×15=30 |
| 3 | 全部たして、105より小さくなるまで 105 をひく | 140+63+30=233 → 233−105−105=23 |
確かめてみましょう。23÷3=7余り2、23÷5=4余り3、23÷7=3余り2。ぴったり合っています。国立国会図書館の解説でも、この問題は140・63・30をたした233から105をくり返しひいて、23を求める形で紹介されています。
『塵劫記』では、余りが「2・1・2」の問題になっています。2×70+1×21+2×15=140+21+30=191、191−105=86。86÷3=28余り2、86÷5=17余り1、86÷7=12余り2で、ちゃんと合います。

合格先生
覚えるのは「3は70、5は21、7は15」。余りにかけてたして、105をひく。これだけだ!
なぜ70・21・15なの?タネあかし
70・21・15を、3・5・7でわった余りを表にすると、ふしぎなことが分かります。
| 数 | しくみ |
|---|---|
| 70 | 5でも7でもわり切れる(5×7×2)。3でわると1余る |
| 21 | 3でも7でもわり切れる(3×7)。5でわると1余る |
| 15 | 3でも5でもわり切れる(3×5)。7でわると1余る |
つまり70は「3でわった余りだけを1にして、5と7には影響しない」数です。だから余り×70は、3でわった余りだけをちょうどその数にします。21は5の担当、15は7の担当。3人がそれぞれ自分の担当だけを受けもつので、たし合わせると3つの条件が同時にそろうのです。
最後に105をひくのは、105が3でも5でも7でもわり切れるからです。105をひいても、3つの余りは変わりません。だから、105より小さい数になるまでひいて大丈夫なのです。
ちなみに、70は「5と7の最小公倍数35の2倍」です。35では3でわった余りが2になってしまうので、2倍して余りを1にしています。このように「ほかの数でわり切れて、自分の担当の余りだけ1」になる数を作るのが、百五減算のいちばん大事な考え方です。
サクラちゃん
3人の係が、それぞれ自分の余りだけ担当していたんですね!
合格先生
そのとおり。この「係を分けて、あとでたす」考え方は、大学で学ぶ数学でもそのまま使われているんだ。
小学生でもできる「書き出し」の解き方
70・21・15を覚えていなくても、書き出してしぼりこむ方法なら、だれでも解けます。いちばん大きい7から始めると速く進みます。
- 7でわると2余る数を書き出す:2、9、16、23、30、37、44、51、58……
- その中で、5でわると3余る数をさがす:23、58、93
- さらに、3でわると2余る数をさがす:23
中学受験では、この書き出しの考え方と、「余りがそろうとき」「不足がそろうとき」の公式を組み合わせて解きます。くわしい解き方は余りの問題の解き方と公式(中学受験)にまとめています。
答えはいつも1つ?表で分かる理由
「3でわると○余り、5でわると△余る数」は、0から14までの中に必ず1つだけあります。それを見るために、たてに3でわった余り、横に5でわった余りをとった表に、0から14を入れてみましょう。
15個のます目に、15個の数がちょうど1つずつ入りました。空きも重なりもありません。たとえば「3でわると2余り、5でわると3余る数」は、黄色の8です。
これは、3と5が1以外に共通の約数をもたない(たがいに素)から起こることです。3・5・7でも同じで、0から104までの105個の数が、105通りの余りの組み合わせにちょうど1つずつ対応します。だから百五減算の答えは、105より小さい数の中に必ず1つ決まるのです。この理由を式で証明したものが、中国剰余定理の公式と証明です。
反対に、4と6のように共通の約数(2)をもつ数では、こうはなりません。4でわると1余る数は奇数、6でわると2余る数は偶数なので、両方をみたす数は1つもありません。百五減算が3・5・7を使うのは、この3つがどれも素数で、たがいに素だからです。
百五減算の歴史:中国の『孫子算経』から江戸の『塵劫記』へ
| 時代 | できごと |
|---|---|
| 4〜5世紀ごろ(諸説あり) | 中国の数学書『孫子算経』に「3でわると2余り、5でわると3余り、7でわると2余る数は?」の問題がのる(答え23) |
| 1247年 | 中国・南宋の秦九韶が『数書九章』で「大衍求一術(たいえんきゅういつじゅつ)」をまとめ、わる数がもっと大きいときにも使える一般的な解き方を示す |
| 13世紀 | 中国の『楊輝算法』に、この種の問題の解き方が「翦管術」という名前で出てくる |
| 江戸時代 | 吉田光由の『塵劫記』(1627年初版)の流れをくむ本に「百五減」がのり、広く知られる |
| 1712年 | 関孝和の遺稿『括要算法』が刊行される。百五減算の解き方を「翦管術」と呼んで扱った |
| 1801年 | ドイツのガウスが『整数論(数論研究)』で「合同式」という書き方を作り、この定理を整理する |
関孝和が使った「翦管術」という名前は、関が学んだ13世紀中国の数学書『楊輝算法』から取ったものといわれます(国立国会図書館の解説)。西洋ではこの定理が中国の本に由来することから、「Chinese remainder theorem(中国の剰余定理)」と呼ばれています。
中国には、漢の将軍・韓信が兵士を3人ずつ、5人ずつ、7人ずつ並ばせて、余った人数から兵の数を言い当てた――という言い伝えもあり、「韓信点兵(かんしんてんぺい)」とも呼ばれます。ただしこれは後の時代の言い伝えで、本当にあった話かどうかは分かっていません。
江戸時代の人たちは、『塵劫記』のような本で百五減算を学び、数当てを遊びとして楽しみました。神社に数学の問題を奉納する「算額」の文化とも同じ時代です。くわしくは算額とは?江戸時代の数学の絵馬で紹介しています。
身近な百五減算:干支は「10と12の余り」
年賀状でおなじみの干支(えと)も、実は余りの組み合わせです。干支は、10文字の十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と、12文字の十二支(子・丑・寅・卯……)の組み合わせでできています。
西暦から4をひいて、10でわった余りで十干が、12でわった余りで十二支が決まります(余り0が甲・子)。2026年なら、2026−4=2022。2022÷10=202余り2で十干は3番目の「丙」、2022÷12=168余り6で十二支は7番目の「午」。2026年は丙午(ひのえうま)です。
十干と十二支が両方とも最初にもどるのは、10と12の最小公倍数の60年後です。60歳を「還暦(かんれき)」と呼ぶのは、生まれた年と同じ干支に還るからです。ただし10と12は2という共通の約数をもつので、組み合わせは10×12=120通りではなく60通りしかありません。「甲丑」のような組み合わせは出てこないのです。さきほどの「たがいに素でないと、ぴったり1つずつにならない」ことの身近な例です。
インターネットの暗号でも使われている
中国の剰余定理は、今でも現役の数学です。インターネットで買い物をするときなどに使われるRSA暗号では、何百けたもの大きな数の計算をします。このとき、大きな数を2つの素数でわった余りに分けて計算し、最後に中国の剰余定理でもとの数にもどす工夫がよく使われます。大きな計算を小さな計算に分けられるので、速く計算できるのです。
「係を分けて、あとでたす」という百五減算の考え方が、1500年以上たった今も、みなさんのスマホの中で働いているわけです。暗号を支える素数については素数の話もどうぞ。

うかるくん
江戸時代の数当てが、スマホの暗号にもつながっているなんて!
曜日も「7でわった余り」
カレンダーの曜日は、7でわった余りそのものです。今日が火曜日なら、7日後も14日後も火曜日。100日後は、100÷7=14余り2 なので、火曜日から2つ進んだ木曜日です。
1年は365日で、365÷7=52余り1。だから、うるう年をはさまなければ、来年の同じ日は曜日が1つずれます。うるう年の366日なら、366÷7=52余り2で、2つずれます。誕生日の曜日が毎年1つずつずれていくのは、この余りのせいです。
「何日後は何曜日?」は中学受験の算数でも定番の問題です。百五減算と同じく、「大きな数をそのまま考えずに、余りだけを見る」のがコツです。
自分だけの「百五減算」を作ろう:六十減算
百五減算のしくみが分かると、わる数を変えた自分だけの数当てを作れます。たとえば3・4・5でやってみましょう。3×4×5=60 なので「六十減算」です(たがいに素な3つの数なら作れます)。
| 担当 | 条件 | タネの数 |
|---|---|---|
| 3の係 | 4と5でわり切れて、3でわると1余る | 40(20の2倍) |
| 4の係 | 3と5でわり切れて、4でわると1余る | 45(15の3倍) |
| 5の係 | 3と4でわり切れて、5でわると1余る | 36(12の3倍) |
さがし方は、「ほかの2つの数の最小公倍数」を1倍、2倍、3倍……として、担当の数でわった余りが1になるものを見つけるだけです。たとえば4の係は、3と5の最小公倍数15の倍数 15・30・45 のうち、4でわると1余る 45 を選びます。
使ってみましょう。「3でわると1余り、4でわると2余り、5でわると3余る数」なら、1×40+2×45+3×36=40+90+108=238。60より小さくなるまで60をひくと、238−180=58。58÷3=19余り1、58÷4=14余り2、58÷5=11余り3 で、ぴったりです。
小さい子と遊ぶなら、もっと簡単な2・3・5の「三十減算」もおすすめです。タネは、2の係が 15(3と5でわり切れて、2でわると1余る)、3の係が 10(2と5でわり切れて、3でわると1余る)、5の係が 6(2と3でわり切れて、5でわると1余る)。1から30までの数なら、「偶数か奇数か」「3でわった余り」「5でわった余り」を聞くだけで当てられます。たとえば奇数(2でわると1余る)で、3でわると2余り、5でわると4余るなら、15+20+24=59、59−30=29 です。
うかるくん
タネの数を自分で作れるなら、友だちに「どうやってるの?」って言われても、すぐにはバレないね!
合格先生
タネの数を自分で見つけられたら、しくみを本当に理解した証拠だ。7・8・9で「五百四減算」に挑戦するのもおもしろいよ。
わる数が大きいときは?五百四減算と大衍求一術
先生が言った「7・8・9」でも作ってみましょう。7×8×9=504 なので「五百四減算」です。7・8・9 は、どの2つも1以外の共通の約数をもちません。
| 担当 | ほかの2つの積 | 何倍すると余り1? | タネの数 |
|---|---|---|---|
| 7の係 | 8×9=72(7でわると2余る) | 4倍:2×4=8 は7でわると1余る | 288 |
| 8の係 | 7×9=63(8でわると7余る) | 7倍:7×7=49 は8でわると1余る | 441 |
| 9の係 | 7×8=56(9でわると2余る) | 5倍:2×5=10 は9でわると1余る | 280 |
ここでのコツは、「72をそのまま何倍もする」のではなく、72を7でわった余りの2だけを見て、「2に何をかけると7でわって1余るか」を考えることです。小さい数で考えられるので、計算がぐっと楽になります。
わる数がもっと大きくなると、この「何倍すると余りが1になるか」をさがすのが大変になります。そこで役に立つのが、13世紀の秦九韶がまとめた大衍求一術です。「求一」は「1を求める」、つまり余りが1になる倍数を求めるという意味で、まさに百五減算のタネを作る方法です。やり方は、わり算をくり返すユークリッドの互除法とほぼ同じで、高校数学の「一次不定方程式 ax+by=1 を解く」ことにあたります。
江戸時代の和算家も、こうした方法を研究しました。『塵劫記』で遊びとして広まった百五減算は、和算家の手で、より大きな数にも使える一般的な方法として発展していったのです。
数当てマジックとして見せるコツ
百五減算は、家族や友だちの前でやると盛り上がるマジックになります。うまく見せるコツをまとめました。
| コツ | くわしく |
|---|---|
| 数の範囲を決める | 「1から100まで」と先に言っておく。105以上の数を選ばれると、105ずつずれた数(たとえば23と128)を区別できない |
| わり算は相手にしてもらう | 相手に紙と電卓をわたし、余りだけを言ってもらう。相手の数を見ないのがマジックらしさ |
| 計算は頭の中で | 70・21・15のかけ算は、余りが0〜6なので暗算できる。いちばん大きくても 2×70+4×21+6×15=314 |
| ひき算は大きく | 合計が210以上なら、まず210(105の2倍)をひくと速い |
| 最後に確かめる | 答えを言う前に、3でわった余りだけでも頭の中で確かめると安心 |
なお、余りが3つとも0のときは、計算の合計も0になります。このときの答えは、1から105までの範囲なら105です。「0になったら105」と覚えておきましょう。
まちがえやすいポイント
- かける数の取りちがえ:3の余りには70、5の余りには21、7の余りには15。「3・5・7」と「70・21・15」を、大きい順・小さい順の逆で対応させると覚えやすい(わる数が小さいほど、タネは大きい)。
- 105をひきすぎる:答えは0より大きく105以下(1〜100の数当てなら100以下)。ひきすぎてマイナスになったら、105を1回たしもどす。
- 余りをまちがえる:「3でわると5余る」のように、わる数以上の余りはありえない。余りは3なら0〜2、5なら0〜4、7なら0〜6。
- たがいに素でない数で作る:4と6のように共通の約数があると、答えがない組み合わせができてしまう。自分で作るときは、たがいに素な数を選ぶ。
受験とのつながり
| 入試 | よく出る形 | 関連ページ |
|---|---|---|
| 中学受験 | 「○でわると△余る数」の最小の数・100以下の個数。余りがそろう、不足がそろう、書き出し | 余りの問題 |
| 高校受験 | 文字式で「3でわると2余る数」を 3n+2 と表す問題、整数の性質の証明 | 最大公約数と最小公倍数 |
| 大学受験 | 合同式(mod)、不定方程式 ax+by=c、ユークリッドの互除法、下2けたを求める問題 | 中国剰余定理 |
例題:中学受験の形で解いてみよう
例題1 100以下の整数のうち、3でわると2余り、5でわると3余る数はいくつありますか。
まず、いちばん小さい数を見つけます。5でわると3余る数(3、8、13……)を書き出すと、3でわると2余るのは 8。あとは3と5の最小公倍数15ずつふえるので、8、23、38、53、68、83、98。100以下では 7個 です。(計算なら (100−8)÷15=6余り2 で、8 をふくめて 6+1=7個)
例題2 3でわると2余り、5でわると3余り、7でわると2余る数のうち、1000にいちばん近い数を求めなさい。
いちばん小さい数は百五減算で 23。答えは105ずつふえるので、23+105×9=968 と 23+105×10=1073 が1000の前後です。1000との差は 32 と 73 なので、答えは 968 です。このように「いちばん小さい数」と「くり返しの間かく(最小公倍数)」が分かれば、どんな範囲の問題も解けます。
大学受験の整数問題では、「3でわった余りで分類する」「mod 7 で考える」などが定番です。百五減算の考え方が分かっていると、「余りで分けて考える」ことに慣れて、整数問題がぐっと得意になります。不定方程式を解くときのユークリッドの互除法も、70・21・15のような「余りが1になる数」を見つけるのに使われます。京大・東大でも整数問題はよく出るので、京大理系数学の出題分析もあわせて見てみてください。
練習問題(答えは押すと開きます)
問題1(小学生)
4でわると3余り、5でわると4余る数のうち、いちばん小さい数を求めなさい。
答えと解き方
問題2(小学生)
3でわると1余り、5でわると2余る数のうち、いちばん小さい数と、2番目に小さい数を求めなさい。
答えと解き方
問題3(中学生)
百五減算を使って、3でわると1余り、5でわると2余り、7でわると3余る、105より小さい数を求めなさい。
答えと解き方
問題4(中学生)
『塵劫記』の問題:3でわると2余り、5でわると1余り、7でわると2余る、105より小さい数を求めなさい。
答えと解き方
問題5(高校生)
西暦から4をひいて10でわった余りで十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸、余り0が甲)、12でわった余りで十二支(子から亥、余り0が子)が決まります。2030年の干支を求めなさい。
答えと解き方
問題6(高校生)
3でわると2余り、4でわると3余り、5でわると1余る正の整数のうち、最も小さいものを求めなさい。また、条件をみたす数はどんな形で表せますか。
答えと解き方
数学の読み物シリーズ
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- ユークリッドの互除法と『原論』
- 中国剰余定理の公式と証明(大学受験)
- 余りの問題の解き方と公式(中学受験)
- 算額とは?江戸時代の数学の絵馬
よくある質問
百五減算とは何ですか?
百五減算(ひゃくごげんざん)とは、ある数を3・5・7でわった余りから、もとの数を当てる計算法です。余りにそれぞれ70・21・15をかけてたし、105より小さくなるまで105をひけば答えが出ます。3×5×7=105から「百五減」と呼ばれます。
百五減算のやり方を教えてください。
3でわった余りに70、5でわった余りに21、7でわった余りに15をかけて、全部たします。その合計から、105より小さくなるまで105をひいた数が答えです。たとえば余りが2・3・2なら、140+63+30=233、233−210=23です。
なぜ70・21・15を使うのですか?
70は5と7でわり切れて3でわると1余る数、21は3と7でわり切れて5でわると1余る数、15は3と5でわり切れて7でわると1余る数だからです。それぞれが自分の担当の余りだけを決めるので、たし合わせると3つの条件が同時にそろいます。
百五減算はどの本に出てきますか?
もとは中国の数学書『孫子算経』の「3でわると2余り、5でわると3余り、7でわると2余る数は?」という問題です。日本では江戸時代の『塵劫記』に「百五減」としてのり、関孝和は『括要算法』でこの解き方を「翦管術」と呼びました。
中国の剰余定理とは何ですか?
中国の剰余定理とは、たがいに素な数でわった余りがそれぞれ決まっていると、その条件をみたす数が、わる数の積より小さい範囲にただ1つあるという定理です。百五減算は、わる数が3・5・7のときの中国の剰余定理です。
百五減算は中学受験に出ますか?
「3でわると2余り、5でわると3余る数」のような余りの問題は、中学受験の算数でよく出ます。中学受験では、書き出してしぼりこむ方法や、余りや不足がそろうときの公式を使って解くのが基本です。
干支と百五減算にはどんな関係がありますか?
干支は、十干(10種類)と十二支(12種類)の組み合わせで、西暦から4をひいて10と12でわった余りで決まります。両方が同時に最初にもどるのは10と12の最小公倍数の60年後で、これが還暦です。余りの組み合わせで年を表すという点で、中国の剰余定理と同じ考え方です。
中国の剰余定理は今でも使われていますか?
使われています。インターネットの安全な通信に使われるRSA暗号では、大きな数の計算を素数でわった余りに分けて行い、中国の剰余定理でもとにもどすことで計算を速くする工夫が広く使われています。
百五減算で100より大きい数も当てられますか?
3・5・7の余りだけでは、105ずつちがう数(たとえば23と128)を区別できないので、当てられるのは105通りの範囲の中だけです。もっと大きい数を当てたいときは、3・4・5・7(積420)のように、たがいに素な数を増やして範囲を広げます。
百五減算の70・21・15は覚えなければいけませんか?
覚えておくと速いですが、自分で作ることもできます。70は5×7=35の倍数のうち3でわると1余る数、21は3×7の倍数のうち5でわると1余る数、15は3×5の倍数のうち7でわると1余る数です。同じ方法で、2・3・5なら15・10・6、3・4・5なら40・45・36というタネが作れます。
韓信点兵とは何ですか?
中国の漢の将軍・韓信が、兵士を3人・5人・7人ずつ並ばせて、余った人数から兵の数を当てたという言い伝えです。百五減算の別名のように使われますが、本当にあった話かどうかは分かっていません。
あわせて読みたい
- 算額とは?江戸時代の数学の絵馬をわかりやすく
- 余りの問題の解き方と公式【中学受験】
- 中国剰余定理の公式と証明【大学受験】
- 秦九韶は何をした人?大衍求一術をわかりやすく
- 関孝和は何をした人?業績・生涯をわかりやすく
- 有名な数学者一覧
出典・参考
- 『孫子算経』の問題と答え・百五減算の解き方(140・63・30の和から105をひく)・『塵劫記』の類題・関孝和『括要算法』の翦管術と『楊輝算法』・Chinese remainder theorem の呼び名:国立国会図書館 電子展示会「江戸時代の数学」
- 『塵劫記』の著者・刊行年:国立国会図書館「江戸時代の数学」、コトバンク「塵劫記」
- 2026年・2030年の干支:西暦から4をひいて10・12でわった余りで計算(合格大作戦)
- 図はすべて合格大作戦の自作
最終更新:2026年11月3日/作成:大学受験合格大作戦












