
この記事の結論
- 相対性理論は、アインシュタインが作った「時間と空間」の理論です。1905年の特殊相対性理論と、1915年の一般相対性理論があります。
- いちばん有名な結論は「速く動く時計はゆっくり進む」こと。これは中学3年で習う三平方の定理だけで計算できます。
- スマホの地図で使うGPSは、相対性理論で時計のずれを直さないと、1日に何kmもずれてしまうとされます。相対性理論は、毎日の生活を支える数学です。
相対性理論とは?ひとことで言うと
ふだん私たちは、「時間はだれにとっても同じように流れる」と思っています。ところがアインシュタインは、光の速さはだれから見ても同じという事実から出発して、「時間の進み方は、動いている人と止まっている人でちがう」ことを示しました。これが相対性理論です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作った人 | アインシュタイン(1879〜1955年) |
| 特殊相対性理論 | 1905年。光の速さはいつも一定 → 動く時計はゆっくり進む、動くものは短く見える、E=mc² |
| 一般相対性理論 | 1915年。重力を「時空のゆがみ」として説明する。重力が強い所では時間がゆっくり進む |
| 使う数学 | 特殊相対性理論は三平方の定理と平方根。一般相対性理論は曲がった空間の幾何学(リーマン幾何学) |
| 身近な例 | GPS(スマホの位置情報)、宇宙から飛んでくるミューオン、原子力・太陽のエネルギー(E=mc²) |
うかるくん
相対性理論って、天才にしか分からない難しい物理じゃないの?
合格先生
一般相対性理論の計算は大学院レベルだけど、特殊相対性理論の「時間の遅れ」なら、中学3年の三平方の定理だけで式が出せるんだ。今日はそれを一緒にやってみよう。
サクラちゃん
三平方の定理なら、もう習いました!
出発点:光の速さはだれから見ても同じ
光の速さは、秒速 299,792,458 m(約30万km)です。この値は今では長さの単位「メートル」を決めるのに使われていて、ぴったりこの数と決められています。
ふつうの物なら、速さは見る人によって変わります。時速100kmで走る車から、前に向かって時速100kmでボールを投げれば、道路に立つ人から見たボールは時速200kmです。ところが光はちがいます。どんなに速く動いている人から見ても、光の速さはいつも秒速約30万km。19世紀の終わりの実験でも、光の速さが地球の動きによって変わる様子は見つかりませんでした。
アインシュタインは、この「光の速さはいつも同じ」を出発点にしました。速さ=きょり÷時間 なのに、速さが変わらない。それなら、変わるのは時間ときょりのほうだ――これが相対性理論の考え方です。
三平方の定理で「時間の遅れ」を計算しよう
考えるのは光時計という、頭の中で作る時計です。上と下に鏡があり、光がその間を往復します。光が下の鏡から上の鏡まで行く時間を「1カチ」とします。
① 時計といっしょに動く人が見ると
時計といっしょに乗っている人には、光は真上にまっすぐ進みます。かかる時間を t₀ とすると、鏡の間のきょりは c t₀(c は光の速さ)です。
② 外に止まっている人が見ると
時計が横に速さ v で動いているので、光が上の鏡に着くまでに、鏡は横に動いています。外から見た時間を t とすると、光はななめに進み、その長さは c t。そのあいだに時計は横に v t 進みます。たての長さ c t₀、横の長さ v t、ななめの長さ c t で、直角三角形ができました。
③ 三平方の定理を使う
(c t)²=(c t₀)²+(v t)²
これを t について整理します。両辺から (v t)² をひくと c²t²−v²t²=c²t₀²、つまり t²(c²−v²)=c²t₀²。両辺を c² でわって平方根をとると
t=t₀ ÷ √(1−(v/c)²)
√(1−(v/c)²) は1より小さいので、t は t₀ より長くなります。外から見ると、動いている時計の「1カチ」に長い時間がかかる――つまり動いている時計はゆっくり進んで見えるのです。これを「時間の遅れ」といいます。

合格先生
ポイントは、光の速さ c がどちらから見ても同じだということ。ななめの道のほうが長いのに速さが同じだから、時間がかかる。それを三平方の定理で数にしただけなんだ!
どれくらい遅れる?速さと時間の遅れ
1÷√(1−(v/c)²) を、時間が何倍ゆっくり進むかを表す数として計算してみましょう(物理ではギリシャ文字のγ〈ガンマ〉で表します)。
| 速さ(光の速さの何倍か) | 時間がおそくなる割合 | 計算 |
|---|---|---|
| 0.6倍 | 1.25倍 | 1−0.36=0.64、√0.64=0.8、1÷0.8=1.25 |
| 0.8倍 | 約1.67倍 | 1−0.64=0.36、√0.36=0.6、1÷0.6=5/3 |
| 0.9倍 | 約2.29倍 | 1−0.81=0.19、√0.19≒0.436 |
| 0.99倍 | 約7.1倍 | 光の速さに近づくと、急に大きくなる |
0.6倍と0.8倍のときに数がきれいになるのは、3・4・5の直角三角形がかくれているからです(0.6=3/5、0.8=4/5)。三平方の定理の練習でおなじみの組が、ここでも出てきます。
では、ふだんの乗り物ではどうでしょう。時速300kmの新幹線に1時間乗っても、時計の遅れは約0.14ナノ秒(1ナノ秒は10億分の1秒)。光の速さにくらべて新幹線はとてもおそいので、遅れはほとんどありません。秒速約7.7kmで地球を回る国際宇宙ステーション(ISS)でも、速さによる遅れは1日に約28マイクロ秒(1マイクロ秒は100万分の1秒)です。
このように v が c よりずっと小さいときは、√(1−x) ≒ 1−x/2(x が小さいとき)という近似を使うと、遅れの割合は (v/c)²÷2 と簡単に計算できます。この近似は高校数学の微分で学ぶ考え方で、大学ではマクローリン展開として学びます。
GPSは相対性理論がないと使えない
スマホの地図で自分の場所が分かるのは、GPS衛星から届く電波の時刻を使っているからです。GPS衛星は、地上から約2万kmの高さを、秒速約3.9kmで回っています。衛星にはとても正確な時計がのっていて、電波が出た時刻と届いた時刻の差から、衛星までのきょりを計算します。
ところが衛星の時計には、相対性理論による2つのずれがあります。
| 原因 | ずれ(1日あたり) | 理論 |
|---|---|---|
| 衛星が速く動いている | 約7マイクロ秒遅れる(計算すると約7.2マイクロ秒) | 特殊相対性理論(この記事の式) |
| 地上より重力が弱い所にある | 約45マイクロ秒進む | 一般相対性理論(重力が弱いほど時間は速く進む) |
| 合計 | 約38マイクロ秒進む |
38マイクロ秒は小さく見えますが、電波は光の速さで進むので、38マイクロ秒のずれはきょりにすると約11km分にあたります。そのため、ずれを直さなければ、位置の計算は1日に約10kmもずれていくとされます。実際のGPSでは、このずれを前もって計算に入れて時計を調整しています。相対性理論は、教科書の中だけでなく、毎日のスマホの中で働いているのです。
サクラちゃん
100万分の1秒のずれで、10kmもずれちゃうんですか!
合格先生
電波は1マイクロ秒で約300mも進むからね。時計が少しずれるだけで、きょりの計算は大きくくるう。だから時間を正確に測ることは、場所を正確に知ることなんだ。
うかるくん
アインシュタインがいなかったら、スマホの地図で迷子になってたかもしれないんだね。
宇宙から降ってくるミューオン
時間の遅れは、自然の中でも確かめられています。宇宙から飛んでくる高エネルギーの粒子(宇宙線)が、地上から十数kmほどの空気にぶつかると、ミューオンという粒子が生まれます。ミューオンの寿命は約2.2マイクロ秒ととても短く、光の速さで飛んでも、ふつうに計算すると約660mしか進めません。
それなのに、ミューオンは地上でたくさん見つかります。光の速さの0.998倍で飛ぶミューオンでは、時間が約15.8倍ゆっくり進むので、地上から見ると寿命がのび、約10.4kmも進めるのです。時間の遅れが「本当に起きている」ことを示す、代表的な例です。
動くものは短く見える(長さの収縮)
ミューオンの話を、今度はミューオンの立場から見てみましょう。ミューオンにとっては、自分は止まっていて、地面のほうが光の速さの0.998倍で近づいてきます。ミューオン自身の時計はふつうに進むので、寿命はやはり約2.2マイクロ秒です。それでも地面に届くのはなぜでしょうか。
答えは、ミューオンから見ると空気の層の厚さが約15.8分の1に縮んでいるからです。地上から見て約10kmの道のりが、ミューオンには約660mに見えます。これを長さの収縮(ローレンツ収縮)といい、動いているものは、動く向きに 1÷γ の長さに縮んで見えます。
地上から見れば「時間がのびた」、ミューオンから見れば「きょりが縮んだ」。見る立場で説明は変わりますが、「ミューオンが地面に届く」という結果は同じです。時間と空間は別々のものではなく、見る立場によって入れかわり合う――これが「時空」という考え方につながります。
「同時」も人によってちがう
相対性理論のもう1つのふしぎは、同時かどうかも見る人によって変わることです。走る電車の真ん中で電球を光らせると、電車に乗っている人から見れば、光は前の壁と後ろの壁に同時に届きます。前後のきょりは同じで、光の速さも同じだからです。
ところが、ホームに立つ人から見ると、電車は前に進んでいるので、後ろの壁は光に近づき、前の壁は光から遠ざかります。光の速さはどちらにも同じなので、光は後ろの壁に先に届きます。乗っている人には「同時」なのに、ホームの人には「同時でない」。どちらが正しいということはなく、どちらも正しいのです。
「時間はだれにとっても同じ」という当たり前が成り立たないことを、アインシュタインはこうした思考実験(頭の中で行う実験)で示しました。実験の道具がなくても、図と式で考えぬけば新しい発見ができる。これは数学の問題を解くときの姿勢と同じです。
なぜ光より速く動けないの?
時間の遅れの式 t=t₀÷√(1−(v/c)²) を見ると、v が c に近づくほど √(1−(v/c)²) は0に近づき、遅れの割合はどんどん大きくなります(図2)。そして v=c だと0でわることになり、v が c より大きいと、ルートの中が負の数になってしまいます。
実際、物を速くしようとすると、速くなるほど同じだけ速さを上げるのに必要なエネルギーが大きくなり、光の速さにするには無限のエネルギーが必要になります。だから、質量のある物は光の速さに追いつけず、追いこすこともできません。数学で習う極限の考え方で言えば、「v を c に近づけると、γ は限りなく大きくなる」ということです。
よくある誤解
| 誤解 | 本当は |
|---|---|
| 時間が遅れるのは、時計がこわれるから | 時計の種類に関係なく、時間そのものの進み方が変わる。心臓の鼓動も、ミューオンの寿命も同じようにゆっくりになる |
| 動いている人は、自分の時間が遅いと感じる | 自分の時計はいつもふつうに進んで見える。遅れて見えるのは、相手から見たときだけ |
| 相対性理論は「すべては相対的」という意味 | 光の速さや s²=(ct)²−x² のように、だれから見ても変わらないものがある。むしろ「変わらないもの」を見つける理論 |
| E=mc²は原子爆弾の式 | 質量とエネルギーの関係を表す、自然の基本法則。太陽の光や、私たちの使うエネルギーにもかかわる |
ふたごのパラドックス
ふたごの兄が、光の速さの0.8倍で飛ぶ宇宙船で旅に出て、地球の時間で10年後に帰ってきたとします。宇宙船の中の時間は 10÷(5/3)=6年しかたっていません。帰ってきた兄は、地球にいた弟より4歳若いことになります。
「でも、兄から見れば動いているのは地球のほうだから、弟のほうが若くなるのでは?」――これが「ふたごのパラドックス」です。答えは、兄は途中で向きを変えている(止まって引き返す)ので、兄と弟は同じ立場ではない、というものです。ずっと同じ速さで動き続ける人どうしなら「おたがいに相手の時計が遅れて見える」のですが、引き返した兄のほうだけ時間が短くなります。
うかるくん
旅から帰ったら、弟のほうが年上になってるの? SFみたい!
合格先生
SF映画でもよく使われるね。ただ、本当にやるには光の速さに近いロケットが必要だから、今の技術ではまだ夢の話だよ。
E=mc²:小さな質量に大きなエネルギー
特殊相対性理論から出てくるもう1つの有名な式が E=mc² です。E はエネルギー、m は質量、c は光の速さ。「質量はエネルギーの一つの形で、質量1つ分には c² 倍のエネルギーがある」という意味です。
計算してみましょう。1g=0.001kg の質量がすべてエネルギーになると、E=0.001×(3×10⁸)²=約9×10¹³ジュール。電気の単位にすると約2,500万キロワット時(1キロワット時=360万ジュール)です。c² がとても大きな数(約9×10¹⁶)なので、ほんの少しの質量が、ものすごい量のエネルギーになります。
太陽が何十億年も光り続けられるのは、中心で水素がヘリウムに変わるとき、ほんの少し質量が減り、その分がE=mc²のエネルギーになるからです。原子力発電も、同じしくみでエネルギーを取り出しています。
重力でも時間は変わる(一般相対性理論をちょっとだけ)
GPSのところで、「重力が弱い所では時間が速く進む」と書きました。これが一般相対性理論の結論の1つです。逆に言えば、地球のように重い物の近くほど、時間はゆっくり進みます。
この効果はとても小さいですが、今の時計なら測れます。日本では、とても正確な「光格子時計」を東京スカイツリーの地上階と、地上450mの展望台に置いてくらべ、一般相対性理論のとおりに時計の進み方がちがうことを確かめた研究が、2020年に理化学研究所と東京大学などのグループから発表されました。これまで人工衛星を使って約1万kmの高さの差で行っていた実験を、450mの高さの差でできるようになったのです。高さが数百m変わるだけで、時間の進み方が変わることが、実際に測れる時代になりました。
ブラックホールのように重力がとても強い所では、時間の遅れはずっと大きくなります。ブラックホールの近くに長くいた人が、外に戻ると何十年もたっていた――というSF映画の設定も、この一般相対性理論の考え方をもとにしています。
一般相対性理論では、重力を「力」ではなく、時空のゆがみとして考えます。重い物のまわりで時空がゆがみ、まっすぐ進んでいるつもりの物や光が曲がって進む。1919年の日食の観測で確かめられた「星の光が太陽のそばで曲がる」現象も、このゆがみによるものです。
時空の三平方の定理:ミンコフスキーの発見
1908年、アインシュタインの大学時代の先生でもあった数学者ミンコフスキーは、相対性理論を「時間と空間を合わせた4次元の時空」の幾何学として表しました。
ふつうの平面では、2点の間のきょり s は s²=x²+y²(三平方の定理)で、どの向きから測っても同じです。時空では、時間を光の速さで「きょり」にした ct と、空間のきょり x を使って
s²=(ct)²−x²
という量が、どんな速さで動く人から見ても同じになります。三平方の定理の「+」が「−」に変わっただけですが、これが相対性理論の幾何学の正体です。光時計の式も、この見方から出てきます。3次元の空間の三平方の定理を知っていると、「次元を1つ増やして、時間の部分だけ符号を変える」と考えられます。
その後アインシュタインは、重力を説明するために、ガウスやリーマンが作った曲がった空間の幾何学を学び、1915年に一般相対性理論を完成させました。一般相対性理論の式づくりには数学者ヒルベルトも取り組み、のちにネーターが、その中のエネルギーの問題を考える中で有名な「ネーターの定理」につながる研究をしました。相対性理論は、物理と数学が手を取り合って生まれた理論なのです。
相対性理論の歴史(年表)
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1905年 | アインシュタインが特殊相対性理論を発表。同じ年にE=mc²の論文も出す |
| 1908年 | ミンコフスキーが「時空」の考え方を講演で発表 |
| 1915年 | アインシュタインが一般相対性理論を完成 |
| 1919年 | 日食の観測で、太陽のそばを通る星の光が曲がることが確かめられ、アインシュタインが世界的に有名になる |
| 1922年 | アインシュタインが来日し、各地で講演する。来日の途中でノーベル物理学賞(光電効果の研究による)の知らせを受ける |
| 2015年 | 一般相対性理論が予言した「重力波」を初めて直接観測(翌年発表、2017年ノーベル物理学賞) |
| 2019年 | 国際的な観測チームが、ブラックホールの影の画像を初めて発表 |
アインシュタインのノーベル賞は、相対性理論ではなく光電効果の研究に対するものでした。人物や名言についてはアインシュタインは何をした人?(業績と生涯)、名言の記事はアインシュタインの名言(無知について)や「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクション」の意味にまとめています。
受験とのつながり
| 学年・入試 | 相対性理論とつながる内容 |
|---|---|
| 中学3年・高校受験 | 三平方の定理、平方根の計算(√0.64=0.8 など)、3・4・5の直角三角形 |
| 高校数学 | 式の変形、無理式、近似(√(1−x) ≒ 1−x/2)、ベクトル |
| 高校物理 | 速さ・きょり・時間、等速直線運動。相対性理論そのものは「原子」の分野で発展的に学ぶ |
| 大学 | ローレンツ変換(行列)、テイラー展開、微分幾何学(一般相対性理論) |
大学入試の物理では、相対性理論が直接出ることは多くありません。でも、この記事の計算は「図をかいて直角三角形を見つけ、三平方の定理で式を立てて整理する」という、数学の図形問題とまったく同じ流れです。苦手な人は数学の勉強法も参考にしてください。
練習問題(答えは押すと開きます)
問題1(中学生)
光時計で、ななめの長さが5、たての長さが4のとき、横の長さを求めなさい。
答えと解き方
問題2(中学生)
√(1−0.36) と √(1−0.64) の値を求めなさい。
答えと解き方
問題3(高校生)
光の速さの0.6倍で動く時計は、外から見て何倍ゆっくり進みますか。また、外の時間で10年たつとき、その時計では何年たちますか。
答えと解き方
問題4(高校生)
(c t)²=(c t₀)²+(v t)² を t について解きなさい(t、t₀、c は正、v は c より小さい)。
答えと解き方
問題5(高校生)
1gの質量がすべてエネルギーになるときのエネルギーを、E=mc²(c=3×10⁸ m/s)で求めなさい。単位はジュール(kg・m²/s²)です。
答えと解き方
問題6(チャレンジ)
x が小さいとき √(1−x) ≒ 1−x/2 です。これを使うと、時計の遅れの割合が (v/c)²÷2 で表せることを説明しなさい。
答えと解き方
数学の読み物シリーズ
← 前の記事:百五減算とは?3・5・7の余りから数を当てる
次の記事:楕円曲線とは?点の足し算と暗号 →
あわせて知りたい数学者・公式
- アインシュタインの業績と生涯
- ミンコフスキーと4次元の時空
- リーマンとリーマン幾何学
- ピタゴラスと三平方の定理
- ネーターの定理とエミー・ネーター
- 三平方の定理の公式と証明
- 有名な数学者一覧(年代順・国別・分野別)
よくある質問
相対性理論とは何ですか?簡単に教えてください。
相対性理論とは、アインシュタインが作った時間と空間の理論です。「光の速さはだれから見ても同じ」ことから出発し、速く動く時計はゆっくり進むこと、重力が強い所では時間がゆっくり進むことなどを明らかにしました。
特殊相対性理論と一般相対性理論のちがいは何ですか?
特殊相対性理論(1905年)は、一定の速さで動く場合の時間と空間の関係を表す理論で、時間の遅れやE=mc²が出てきます。一般相対性理論(1915年)は重力をふくめた理論で、重力を時空のゆがみとして説明します。
時間の遅れは三平方の定理で計算できるのですか?
できます。光時計を外から見ると、光の道すじが直角三角形のななめの辺になります。三平方の定理から t=t₀÷√(1−(v/c)²) が出て、動く時計がゆっくり進むことが分かります。
光の速さはどれくらいですか?
光の速さは秒速299,792,458m(約30万km)です。今ではこの値をもとに長さの単位メートルが決められていて、ぴったりこの数と定められています。
GPSと相対性理論はどう関係していますか?
GPS衛星の時計は、速く動くことで1日に約7マイクロ秒遅れ、地上より重力が弱いことで約45マイクロ秒進み、合わせて約38マイクロ秒進むとされます。直さなければ位置が1日に約10kmずれるので、実際のGPSではこのずれを計算に入れています。
E=mc²とはどういう意味ですか?
E=mc²は、質量mがエネルギーの一つの形で、c²(光の速さの2乗)倍のエネルギーにあたることを表す式です。1gの質量は約9×10¹³ジュールのエネルギーにあたり、太陽や原子力のエネルギーのもとになっています。
ふたごのパラドックスとは何ですか?
光の速さに近い宇宙船で旅をして帰ってきた兄が、地球にいた弟より若くなるという話です。兄は途中で向きを変えるので弟と同じ立場ではなく、兄の時間だけが短くなります。
相対性理論は受験に出ますか?
相対性理論そのものは、大学入試の物理で直接出ることは多くありません。ただし時間の遅れの計算は、三平方の定理・平方根・式の変形という中学・高校数学の内容だけでできるので、数学の良い練習になります。
東京スカイツリーで相対性理論を確かめた実験とは何ですか?
2020年に理化学研究所と東京大学などのグループが発表した実験です。とても正確な光格子時計を東京スカイツリーの地上階と地上450mの展望台に置いてくらべ、高い所の時計のほうが速く進むという一般相対性理論の予言を確かめました。
相対性理論を勉強するには、どんな数学が必要ですか?
特殊相対性理論の時間の遅れは、中学3年の三平方の定理と平方根で計算できます。さらに高校の式の変形・ベクトル・微分を学ぶと理解が深まり、一般相対性理論には大学で学ぶ微分幾何学(リーマン幾何学)が必要です。
アインシュタインは相対性理論でノーベル賞をとったのですか?
いいえ。アインシュタインのノーベル物理学賞(1921年度)は、光電効果の研究に対するものです。相対性理論は当時まだ評価が分かれていたこともあり、受賞理由にはなりませんでした。
あわせて読みたい
出典・参考
- 光の速さの値(定義値):国際単位系(SI)のメートルの定義
- GPS衛星の時計のずれ(約7μs・約45μs・約38μs/日):GPSと相対性理論について広く紹介されている値
- 年号(1905・1908・1915・1919・1922・2015・2017・2019):アインシュタイン・ミンコフスキー・重力波・ブラックホール撮影についての一般的な資料
- 東京スカイツリーでの光格子時計の実験(2020年):理化学研究所・科学技術振興機構(JST)のプレスリリース(2020年4月7日)
- 計算(時間の遅れ・ミューオン・E=mc²・ふたご):合格大作戦が式から計算
- 図はすべて合格大作戦の自作
最終更新:2026年11月3日/作成:大学受験合格大作戦












