破竹の勢い(はちくのいきおい)の意味と由来|晋書・杜預の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

破竹の勢い(はちくのいきおい)の意味と由来|晋書・杜預の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

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破竹の勢いはちくのいきおい

ひとことで言うと

止められないほど激しい勢いで進むこと。晋の杜預が呉を攻めるとき、「今の軍は竹を割るようなもの。数節割ればあとは自然に割れる」と言って一気に進んだ話から。

読み方はちくのいきおい
意味止めることができないほど、激しい勢いで進むこと。
出典『晋書』杜預伝(原文は「譬如破竹」)
お話280年、晋が呉を攻めたとき、「冬まで待とう」という意見に対し、杜預が「今の軍の勢いは竹を割るようなもの」と言って進み、呉はほろんだ
似た言葉破竹之勢・飛ぶ鳥を落とす勢い・怒涛の勢い・向かうところ敵なし
反対の言葉竜頭蛇尾・尻すぼみ・失速
漢文の句法再読文字(未・宜)・比況(譬如)・置き字(而)

このページのポイント

  • 「破竹の勢い」は止められないほど激しい勢いで進むこと。よい方向(勝つ・進む・のびる)に使います
  • 出典は『晋書』杜預伝。竹ははじめの数節を割れば、あとは一気に割れるというたとえを、4こまのイラストと図で読めます
  • 原文には再読文字(未・宜)・比況(譬如)・置き字が入っていて、三国時代の最後の場面の言葉です

「破竹の勢い」の意味と読み方

「破竹の勢い」ははちくのいきおいと読みます。意味は「止めることができないほど、激しい勢いで進むこと」です。戦いやスポーツで勝ち進むようす、仕事や人気がどんどんのびるようすに使います。

「破竹(はちく)」は竹を割ること。竹は、はじめの一節・二節を割るときは力がいりますが、そこを割ってしまえば、あとは刃を当てているだけで、下まで一気にすっと割れていきます。そのようすから、「いったん勢いがつくと、もう止められない」という意味になりました。

「破竹」=竹を割るときのようす1なたを当てる最初が大事2数節を割る力がいる3あとは一気に止められない
竹は、はじめの数節を割ってしまえば、あとは一気に割れていきます。これが「破竹」の勢いです
うかるくん

うかるくん

「破竹」の「破」って、「やぶる」ですよね。竹をやぶるって、どういうことですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

いいところに気がついた。漢文では「破」は「割る・こわす」という意味でよく使うんだ。「破竹」は竹を割ること。中国の歴史書『晋書(しんじょ)』に、杜預(どよ)という将軍が「今のわが軍は、竹を割るようなものだ」と言った話がある。そこから生まれた言葉なんだよ。

今の日本語では、次のように使います。

  • ○チームは初戦から破竹の勢いで勝ち進み、ついに優勝した。
  • ○新しく出たゲームは破竹の勢いで売り上げをのばしている。
  • ○デビューした新人選手は、破竹の八連勝を記録した。

絵で読む「破竹の勢い」のお話

話の舞台は、三国時代の終わりです。魏・蜀・呉の三つの国のうち、蜀はすでにほろび、魏は晋(しん)という国にかわっていました。残るのは南の呉(ご)だけ。280年、晋の皇帝・司馬炎(しばえん)(武帝)は、呉を攻めるために大軍を出しました。その将軍の一人が、この話の主人公の杜預(どよ)です。4つの場面で見てみましょう。

絵で読む「破竹の勢い」のお話(4こま)

1晋の軍の会議杜預これから夏で、大水と病気が心配。冬まで待ちましょういや…
1280年、晋の軍が呉を攻めていたときのことです。会議で「これから夏になり、大水や病気が心配です。冬まで待ちましょう」という意見が出ました。
2杜預の言葉杜預今、わが軍の勢いはさかんだ。竹を割るようなものだ!
2すると将軍の杜預(どよ)が言いました。「今、わが軍の勢いはさかんだ。たとえば、竹を割るようなものだ。」
3竹を割ると…はじめの数節を割れば…(數節の後)あとは刃を迎えて割れる(皆刃を迎へて解く)
3「竹は、はじめの数節を割ってしまえば、あとは刃を当てるだけで、自然にすっと割れていく。もう手をかける所もないほどだ。」
4一気に呉の都へ秣陵(呉の都)呉晋晋晋止められない勢い譬へば竹を破るがごとし
4杜預は将軍たちに作戦を指示し、晋の軍はまっすぐ呉の都・秣陵(建業)へ向かいました。この年のうちに呉はほろび、晋が中国を統一しました。

多くの将軍が「今は無理をせず、冬まで待とう」と考えたのに対して、杜預は「勢いのある今こそ進むべきだ」と主張しました。いったん勢いがついたら、止めずにそのまま進めば、相手は自然にくずれていく——それを、だれでも知っている竹を割るときの手ごたえにたとえたのです。

会議で分かれた二つの意見多くの将軍呉は百年の敵すぐには勝てない夏は大水・病気が心配だ→冬まで待とう杜預今は兵の勢いがさかんだ竹を割るのと同じ数節割ればあとは…→今すぐ進もう杜預の意見で、晋の軍はまっすぐ呉の都・秣陵へ
「冬まで待とう」という多くの将軍と、「今すぐ進もう」という杜預。会議は杜預の意見で決まりました
人差し指を立てて説明するミスターT先生

ミスターT先生

杜預のたとえのうまいところは、「はじめは力がいる」ことも言っている点だ。数節を割るまではたいへん。でもそこを乗りこえれば、あとは一気。だから「最初の山場をこえた今こそ、止まってはいけない」という説得になるんだね。

「破竹の勢い」の原文・書き下し文・現代語訳

出典は、唐の時代にまとめられた晋の歴史書『晋書』の杜預伝(どよでん)です。呉との戦いの会議の場面を、1文ずつ、返り点と送り仮名をつけた訓読文で見ていきましょう。返り点の読み方は返り点(レ点・一二点・上下点)の読み方、書き下し文のきまりは書き下し文の書き方でくわしく説明しています(書き下し文は代表的な読み方の一例です)。

白文(『晋書』杜預伝より。新字体)時衆軍会議、或曰、「百年之寇、未可尽克。今向暑、水潦方降、疾疫将起、宜俟来冬、更為大挙。」預曰、「昔楽毅藉済西一戦以並強斉、今兵威已振、譬如破竹、数節之後、皆迎刃而解、無復著手処也。」遂指授群帥、径造秣陵。

1文目:「まだ勝てない」という意見

書き下し文或あるひと曰いはく、「百ひやく年ねんの寇こうは、未いまだ尽ことごとく克かつべからず。」

(『晋書』杜預伝)

現代語訳ある人が言った。「百年も続いてきた敵(呉)は、まだすっかり打ち負かすことはできない。」

ここがポイント「未(いま)だ〜ず」は、一度目に「いまだ」、返ってから二度目に「ず」と読む再読文字。「可(べ)からず」は「〜できない」で、可能・不可能の句法の形です。「寇(こう)」は「外から攻めてくる敵」のこと。「百年」は、呉が長く続いてきた手ごわい相手だということを、おおまかに言った言い方と考えられます。

2文目:「冬まで待とう」

書き下し文宜よろしく来らい冬とうを俟まちて、更さらに大挙たいきよを為なすべし。

(『晋書』杜預伝)

現代語訳(夏の大水や病気をさけて)来年の冬を待って、あらためて大軍を出すのがよい。

ここがポイント「宜(よろ)しく〜べし」は「〜するのがよい」とすすめる再読文字。一度目は「よろしく」、上下点で返ってから二度目に「べし」と読みます。この前に「今暑に向かひ、水潦方に降り、疾疫将に起こらんとす(これから暑くなり、大雨が降り、流行り病が起ころうとしている)」とあります。

3文目:杜預の言葉(昔の名将のたとえ)

書き下し文昔むかし楽がく毅き済せい西せいの一いつ戦せんに藉よりて以もつて強きやう斉せいを並あはす。

(『晋書』杜預伝)

現代語訳昔、燕の楽毅は、済西でのたった一度の戦いの勝利をきっかけに、強い国の斉を(ほとんど)手に入れた。

ここがポイント杜預はまず、戦国時代の燕の名将・楽毅(がくき)の例をあげます。一度の勝利の勢いにのって、一気に攻めきった例です。楽毅は、燕の昭王が人材を集めたときに燕へやって来た人物で、そのいきさつは「隗より始めよ」の話につながっています。

4文目:竹を割るようなもの

書き下し文今いま兵へい威ゐ已すでに振ふるふ、譬たとへば竹たけを破やぶるがごとし。

(『晋書』杜預伝)

現代語訳今、わが軍の勢いはもうさかんになっている。たとえば、竹を割るようなものだ。

ここがポイント「譬(たと)へば〜がごとし」は「たとえば〜のようだ」という比況の句法(如・若・猶)。「如(ごと)し」は書き下し文ではひらがなにします。「破竹」は「竹を破る(割る)」で、レ点と一二点が重なった「一レ点」の練習になる形です。

5文目:数節割れば、あとは自然に

書き下し文数すう節せつの後のち、皆みな刃やいばを迎むかへて解とけ、復また手てを著つくる処ところ無なきなり。

(『晋書』杜預伝)

現代語訳数節を割ったあとは、みな刃を迎えるように自然に割れていき、もう手を加える所もないのである。

ここがポイント「而」は読まない置き字で、「迎へて」の「て」の働きをしています。「復(ま)た〜無し」は「もう〜はない」という否定の句法。「刃を迎へて解く」は、中国では今も「迎刃而解(問題がすらすら解決する)」という成語として使われています。

6文目:まっすぐ呉の都へ

書き下し文遂つひに群ぐん帥すいに指授しじゆし、径ただちに秣まつ陵りように造いたる。

(『晋書』杜預伝)

現代語訳こうして(杜預は)将軍たちに作戦を指示し、まっすぐ(呉の都の)秣陵へ向かわせた。

ここがポイント「遂(つひ)に」は「こうして・そのまま」。「径(ただ)ちに」は「まっすぐ」、「造(いた)る」は「行き着く」という意味です。秣陵(まつりょう)は、呉の都・建業(けんぎょう)の古い呼び名で、今の中国・南京のあたりです。
「破竹の勢い」の原文で覚える句法4つ未可未だ〜べからずまだ〜できない再読文字+可能宜宜しく〜べし〜するのがよい再読文字譬如譬へば〜がごとしたとえば〜のようだ比況無復復た〜無しもう〜はない否定
「破竹の勢い」の原文で覚える句法は4つ。再読文字が2つ(未・宜)出てくるのがポイントです

原典(『晋書』杜預伝)の本文では

維基文庫(中国語のウィキソース)で見られる本文は、次のとおりです(旧字体・句読点は維基文庫のもの)。

『晋書』杜預伝の本文(一部)時眾軍會議,或曰:「百年之寇,未可盡克。今向暑,水潦方降,疾疫將起,宜俟來冬,更為大舉。」預曰:「昔樂毅藉濟西一戰以並強齊,今兵威已振,譬如破竹,數節之後,皆迎刃而解,無復著手處也。」遂指授群帥,徑造秣陵。
  • 「勢」の字は出てこない:この場面の原文は「譬如破竹(譬へば竹を破るがごとし)」で、「勢」の字はありません。「破竹の勢い」「破竹之勢」という形は、この言葉から生まれた言い方です。
  • 「数」は「數」:原文は旧字体です。「數節」で「いくつかの節」という意味です。
  • 「並(あは)す」:楽毅の文の「並」は、ここでは「ならぶ」ではなく、「合わせる・自分のものにする(併合する)」という意味で、「あはす」と読みます。
サクラちゃん

サクラちゃん

「破竹の勢い」って、杜預が言った言葉そのままじゃないんですね。

ミスターT先生

ミスターT先生

そうなんだ。杜預が言ったのは「譬へば竹を破るがごとし(たとえば竹を割るようなものだ)」。そこから「竹を割るような勢い」=「破竹の勢い」という言い方が生まれた。故事成語には、このように原文を短くまとめて言葉にしたものが多いんだよ。

出典『晋書』と話の背景

「破竹の勢い」の出典は『晋書(しんじょ)』です。三国時代のあとに中国を統一した晋(西晋・東晋)の歴史を書いた本で、唐の時代、太宗(李世民)の命令でまとめられました。人物の伝記を集めた「列伝」の中に、杜預の伝記があります。中国の歴史書の流れは漢文の文学史(史記・三国志・唐詩)でも整理しています。

青い頭巾をかぶり、黄色い着物を着た、長いひげの男性の上半身の絵。右上に「司徒杜預」と書かれている
昔の中国の偉人の肖像を集めた画集にある杜預の絵。右上に「司徒杜預」と書かれています(「司徒」は、亡くなったあとに贈られた位の名前)。画像:『至聖先賢半身像』より「司徒杜預」(元代、国立故宮博物院〈台北〉蔵、Wikimedia Commons・パブリックドメイン)

杜預という人

杜預(222〜285年)は、晋の将軍であり、学者でもありました。字(あざな)は元凱(げんがい)です。武芸は得意ではなかったと伝えられますが、作戦を立てるのがうまく、呉との戦いでは荊州の方面の軍を率いました。

杜預は、学問の人としても有名です。孔子がまとめたとされる歴史書『春秋』の解説書『春秋左氏伝』を深く研究し、『春秋経伝集解(しゅんじゅうけいでんしっかい)』という注釈書を書きました。この本は、今でも『春秋左氏伝』を読むときの大切な手がかりになっています。『晋書』には、武帝に「あなたには何の癖(へき・好きでたまらないもの)があるのか」と聞かれた杜預が、「わたしには左伝癖(さでんへき)があります」と答えた話も出てきます。左伝が好きで好きでたまらない、という意味です。

三国時代から晋の統一まで220年魏が建国(後漢が終わる)221年劉備が皇帝に(蜀)229年孫権が皇帝に(呉)263年蜀がほろびる265年司馬炎が晋を建てる(魏が終わる)280年晋が呉をほろぼし、中国を統一↑この戦いで「破竹の勢い」
220年に始まった三国時代は、280年に晋が呉をほろぼして終わりました。「破竹の勢い」はこの最後の戦いの言葉です

三国時代の終わり

三国時代は、220年に魏が後漢にかわって建国したところから始まります。翌年に劉備が蜀で、229年に孫権が呉で皇帝になり、三人の皇帝が並び立ちました。263年に蜀がほろび、265年には魏の家臣だった司馬炎が魏にかわって晋を建てます。残る呉との戦いが、280年の戦いでした。

杜預の言葉のあと、晋の軍は長江ぞいに一気に攻め下りました。水軍を率いた王濬(おうしゅん)らが呉の都・建業にせまり、呉の皇帝・孫晧(そんこう)は降伏します。こうして、およそ六十年続いた三国時代は終わりました。「三国志」の物語でおなじみの劉備・曹操・孫権・諸葛亮たちのあとの時代の話で、「三顧の礼」や「水魚の交わり」から続く三国時代の、いわば最後の場面の言葉なのです。

「破竹の勢い」の使い方と例文・似た言葉

「破竹の勢い」は、「破竹の勢いで〜する」「破竹の勢いの〜」の形でよく使います。また「破竹の五連勝」「破竹の進撃」のように、「破竹の」だけで勢いのよさを表すこともあります。ポイントは、よい方向へ、止められないほど勢いよく進むことです。

  • ○地区大会を破竹の勢いで勝ち上がり、県大会への出場を決めた。(スポーツ)
  • ○その会社は破竹の勢いで店の数を増やしている。(仕事・商売)
  • ○新人作家のデビュー作は、破竹の勢いで売れ続けた。(人気)
  • ○横綱は初日から破竹の十連勝だ。(「破竹の」だけの形)
  • ×雨が破竹の勢いで降ってきた。(自然の激しさには「すごい勢いで」「たたきつけるように」などを使う)
  • ×チームは破竹の勢いで負け続けている。(悪い方向には使わない)
破竹の勢い似た言葉破竹之勢飛ぶ鳥を落とす勢い怒涛の勢い向かうところ敵なし少しちがう快刀乱麻竹を割ったよう反対竜頭蛇尾尻すぼみ失速
似た言葉・反対の言葉。「快刀乱麻」「竹を割ったよう」は、似ているけれど意味がちがいます

似た言葉

  • 破竹之勢(はちくのいきおい):四字熟語として書くときの形です。
  • 飛ぶ鳥を落とす勢い:空を飛ぶ鳥さえ落とすほど、勢いや力がさかんなこと。人の権力や人気についてよく使います。
  • 怒涛(どとう)の勢い:あれくるう大波のように、激しい勢いのこと。
  • 向かうところ敵なし:どんな相手にも負けないほど強いこと。
  • 一気呵成(いっきかせい):とちゅうで休まず、ひと息に物事をやりとげること。

少しちがう言葉

  • 快刀乱麻(かいとうらんま):もつれた麻をよく切れる刀で断ち切るように、こじれた問題をあざやかに解決すること。「勢いよく進む」ではなく「あざやかに解決する」意味です。
  • 竹を割ったよう:「竹を割ったような性格」のように、さっぱりして、さわやかな性格を言うたとえ。同じ竹のたとえでも、意味はまったく別です。

反対の言葉

  • 竜頭蛇尾(りゅうとうだび):はじめは勢いがよいが、終わりはふるわないこと。「尻すぼみ」も同じような意味です。
  • 失速・足踏み・伸び悩み:勢いがなくなったり、なかなか進まなかったりすること。

「破竹の勢い」のよくあるまちがい

「破竹の勢い」は進む側・勝つ側に○破竹の勢いで勝ち進む破竹の勢いで売り上げをのばす×破竹の勢いで負け続ける(悪い方向には使わない)△「竹を割ったような性格」は別の言い方=さっぱりした性格(勢いの意味ではない)
「破竹の勢い」は勝つ側・進む側に使います。「竹を割ったような性格」とは別の言い方です
  • 悪い方向に使う:「破竹の勢いで負ける」「破竹の勢いで成績が下がる」はまちがい。勝つ・進む・のびるなど、よい方向の勢いに使います。
  • 読みをまちがえる:読みははちくです。「破(は)」と「竹(ちく)」の音読みで、「やぶれたけ」などと訓読みはしません。字は「破」の読み方・書き順・部首、「竹」の読み方・書き順・部首で確かめましょう。
  • 「波竹」「覇竹」と書く:「なみ」の「波」や、「覇者」の「覇」ではありません。「竹を破る(割る)」の「破」です。
  • 「竹を割ったよう」と取りちがえる:「竹を割ったような性格」は、さっぱりした性格のこと。勢いの意味ではありません。
  • 植物の「ハチク」とまぜる:竹の種類に「淡竹(はちく)」という竹がありますが、故事成語の「破竹」とは別の言葉です。
うかるくん

うかるくん

「破竹の勢いで負けた」って、なんとなく言っちゃいそうです…。

ミスターT先生

ミスターT先生

お話を思い出そう。「破竹」は晋の軍が勝ち進むようすだった。だから勝つ側・進む側の言葉。負け続けるなら「連戦連敗」や「総くずれ」と言うんだ。杜預がだれの立場で言ったかを覚えておけば、もうまちがえないよ。

入試ではこう出る

「破竹の勢い」は、中学受験から大学受験まで、それぞれ形を変えて出てきます。

  • 中学受験:慣用句・故事成語の意味を選ぶ問題、「はちく」を漢字で書く問題、「□竹の勢い」の□をうめる問題。
  • 高校受験:故事成語の意味と由来、正しい使い方の文を選ぶ問題(「負ける」側に使った引っかけに注意)。高校受験の漢文の出方は高校受験の漢文(返り点・書き下し文の対策)にまとめています。
  • 大学受験:漢文では「未可」「宜」の再読文字、「譬如」の比況、「無復〜」の読み方と訳がよく問われます。共通テストでの漢文の出方は共通テストの漢文(配点・時間配分)へ。
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

杜預が竹のたとえで言いたかったことを書く問題は、「勢いのある今、進めば、相手は竹が割れるように自然にくずれていくので、冬まで待たずにすぐ攻めるべきだ」と、「待とう」という意見への反論として書くのがコツですね!

練習問題

やさしい

  1. 「破竹の勢い」の意味として正しいものを選びましょう。
    ア 竹のようにまっすぐな性格 イ 止められないほど激しい勢いで進むこと ウ 物をこわしてしまうほど乱暴なこと エ はじめはよいが終わりはふるわないこと
    答えと解説を見るイ。竹がはじめの数節を割ると一気に割れていくことから生まれた言葉です。エは反対の意味の「竜頭蛇尾」です。
  2. 「はちくのいきおい」の「はちく」を漢字で書きましょう。
    答えと解説を見る破竹。「竹を破る(割る)」という意味です。「波竹」「覇竹」はまちがいです。

ふつう

  1. 「譬如破竹」を書き下し文に直しましょう。また、「如」は何を表す字ですか。
    答えと解説を見る譬へば竹を破るがごとし。「如(ごと)し」は「〜のようだ」という比況を表します。
  2. 次の文のうち、「破竹の勢い」の使い方がまちがっているものを選びましょう。
    ア 破竹の勢いで勝ち進む。 イ 破竹の勢いで売り上げがのびる。 ウ 破竹の勢いで負けが続く。
    答えと解説を見るウ。「破竹の勢い」は勝つ・進む・のびるなど、よい方向の勢いに使います。

むずかしい

  1. 「百年之寇、未可尽克」を書き下し文に直し、現代語訳しましょう。
    答えと解説を見る百年の寇は、未だ尽く克つべからず。訳は「百年も続いてきた敵は、まだすっかり打ち負かすことはできない」。「未」は「いまだ〜ず」と読む再読文字です。
  2. 杜預は、竹を割ることを何のたとえとして使いましたか。会議での意見の対立をふまえて説明しましょう。
    答えと解説を見る多くの将軍は「夏は大水や病気が心配なので冬まで待とう」と言いましたが、杜預は、勢いのある今の晋の軍は、はじめの数節さえ割れば自然に割れていく竹のように、このまま進めば呉は次々にくずれていくというたとえで、今すぐ進むべきだと主張しました。

「破竹の勢い」とあわせて覚えたい関連ページ

『晋書』から生まれた故事成語(絵で読む)

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よくある質問

破竹の勢いの意味を簡単に言うと何ですか?

止めることができないほど、激しい勢いで進むことです。試合で勝ち進むときや、売り上げや人気がどんどんのびるときに使います。

破竹の勢いの由来はどんな話ですか?

『晋書』杜預伝の話です。280年、晋が呉を攻めたとき、「夏は大水や病気が心配だから冬まで待とう」という意見が出ましたが、将軍の杜預は「今の軍の勢いは竹を割るようなもの。はじめの数節を割れば、あとは刃を迎えて自然に割れる」と言って進み、呉はその年のうちにほろびました。

破竹の勢いの「破竹」とはどういう意味ですか?

竹を割ることです。竹は、はじめの数節を割ると、あとは刃を当てるだけで一気に割れていくことから、止められない勢いのたとえになりました。

破竹の勢いは悪い意味でも使えますか?

使いません。勝つ・進む・のびるなど、よい方向の勢いに使います。「破竹の勢いで負ける」はまちがった使い方です。

破竹の勢いの反対の言葉は何ですか?

竜頭蛇尾や尻すぼみなどです。はじめは勢いがよくても、終わりはふるわないことを表します。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 原文:『晋書』杜預伝(維基文庫の本文で確認。白文は新字体にしたもの)
  • 書き下し文・現代語訳:合格大作戦(一般的な読み方をもとにした一例)
  • 絵:『至聖先賢半身像』より「司徒杜預」(国立故宮博物院〈台北〉蔵、Wikimedia Commons、パブリックドメイン)
  • お話の絵・図:合格大作戦

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦