呉越同舟(ごえつどうしゅう)の意味と由来|孫子の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

呉越同舟(ごえつどうしゅう)の意味と由来|孫子の原文・書き下し文・現代語訳とイラストで読むお話【故事成語】

故事成語の一覧 › 『孫子』

中学受験高校受験大学受験

呉越同舟ごえつどうしゅう

ひとことで言うと

仲の悪い者どうしが同じ場所にいること。また、同じ困難のためには協力し合うこと。『孫子』が、仲の悪い呉の人と越の人も、同じ舟で風にあえば左右の手のように助け合う、とたとえた言葉から。

読み方ごえつどうしゅう
意味①仲の悪い者どうしが、同じ場所や境遇にいること。②仲の悪い者どうしでも、同じ困難や目的のためには協力すること。
出典『孫子』九地篇(兵の動かし方を説明するたとえ)
お話憎み合っている呉の人と越の人でも、同じ舟で川を渡るときに風にあえば、左右の手のように助け合う、と孫子がたとえた
似た言葉一蓮托生・同じ舟に乗る・昨日の敵は今日の友
反対に近い言葉同床異夢
漢文の句法比況(如)・使役(使)・可能(可)・再読文字(未)

このページのポイント

  • 「呉越同舟」は仲の悪い者どうしが同じ場にいること。もとの話では力を合わせるほうが中心です
  • 出典は『孫子』九地篇。実際の出来事ではなく、兵の動かし方を説明するたとえ話です
  • 呉と越が仲の悪い国だった理由(臥薪嘗胆の争い)や、「舟」の字のまちがいもまとめました

「呉越同舟」の意味と読み方

「呉越同舟」はごえつどうしゅうと読みます。意味は次の2つです。

  1. 仲の悪い者どうしが、同じ場所や同じ境遇にいること。
  2. 仲の悪い者どうしでも、同じ困難や同じ目的のためには、力を合わせること。

「呉(ご)」と「越(えつ)」は、昔の中国にあった、となりどうしの国の名前です。この2つの国は長いあいだ争い続けた、とても仲の悪い国でした。その呉の人と越の人が、同じ舟(同舟)に乗り合わせる、というのがこの言葉の形です。

「呉越同舟」の2つの意味1同じ場所にいる仲の悪い者どうしが、同じ場所・同じ境遇にいること2協力し合う(もとの話の中心)仲の悪い者どうしでも、同じ困難や同じ目的のためには力を合わせること※ふだんは1の意味で使うことも多い
ふだんは「仲の悪い者どうしが同じ場にいる」の意味で使うことも多いですが、もとの話の中心は「助け合う」ほうです
うかるくん

うかるくん

呉の人と越の人が同じ舟に乗って、嵐の中で助け合ったんですよね?本当にあった話なんですか?

ミスターT先生

ミスターT先生

そこが大事なところだ。この話は『孫子』という兵法の本の中で、「もしも呉の人と越の人が同じ舟に乗って風にあったら、きっと助け合うだろう」というたとえとして出てくるんだ。だれかが本当に舟に乗った出来事として書かれているわけではないんだよ。

ふだんの言い方では、たとえば次のように使います。

  • ○ライバル校の選手どうしが、選抜チームで呉越同舟となった。
  • ○ふだんは対立している2つの会社が、災害の復旧では呉越同舟で協力した。
  • ○犬猿の仲の二人が、同じ班になって呉越同舟の旅が始まった。

絵で読む「呉越同舟」のお話

まずは原文の流れを、4つの場面で見てみましょう。話しているのは兵法家の孫子です。2こま目からは、孫子が説明のために出したたとえ話の中の場面です。

絵で読む「呉越同舟」のお話(4こま)

1孫子のたとえ常山の蛇「率然」尾頭戦の上手な人はこの蛇のように動く孫子王
1兵法家の孫子は、「戦の上手な人は、常山の蛇『率然』のようだ。頭を打てば尾が、尾を打てば頭が、腹を打てば頭と尾が助けに来る」と言いました。
2同じ舟に乗る呉越ぷいっ※孫子のたとえ話
2「兵をそのように動かせるのか」と問われて、孫子は「できる」と答え、たとえを出します。仲の悪い呉の人と越の人が、同じ舟で川を渡るとしましょう。
3風にあううわっ、しずむ!
3川の途中で大風にあい、舟は大きくゆれて、今にも沈みそうになります。
4左右の手のように助け合う呉越力を合わせろ!其の相救ふや左右の手の如し
4すると二人は、ふだんのけんかを忘れて、右手と左手のように息を合わせて助け合うだろう、というのです。

孫子が言いたかったのは、「ふだんは仲が悪い人どうしでも、同じ危険の中に置かれれば、自然と助け合う」ということです。だから、戦で兵を一つにまとめたいなら、兵たちが助け合わざるをえない状況を作ればよい、と考えたのです。

人差し指を立てて説明するミスターT先生

ミスターT先生

呉越同舟は「仲の悪い者が同じ場所にいる」という意味で覚えている人が多いけれど、孫子の文では「左右の手のように助け合う」がいちばん大事な所なんだ。テストでは、この「協力する」ほうの意味もよく問われるよ。

大きな筆の字で、縦に数行の漢字が書かれた古い書の一部
北宋の書家・米芾(べいふつ)の「呉江舟中詩」の一部。昔、呉の国があった地方の川「呉江」を舟で行ったときの詩です。右はしの行から「風起西北」(風が西北から起こる)の字が読め、舟の旅と風のことが詠まれています。画像:米芾「Poem Written in a Boat on the Wu River」(中国・北宋、1095年ごろ、メトロポリタン美術館蔵、パブリックドメイン)

「呉越同舟」の原文・書き下し文・現代語訳

出典は『孫子』の九地篇(きゅうちへん)です。書き下し文は代表的な読み方の一例です。1文ずつ、返り点と送り仮名をつけた訓読文で見ていきましょう。返り点の読み方は返り点(レ点・一二点・上下点)の読み方、書き下し文のきまりは書き下し文の書き方でくわしく説明しています。

白文(『孫子』九地篇。維基文庫の本文の字を、今の字に直したもの)故善用兵者、譬如率然。率然者、常山之蛇也。撃其首則尾至、撃其尾則首至、撃其中則首尾倶至。敢問、「兵可使如率然乎。」曰、「可。夫呉人与越人相悪也。当其同舟而済、遇風、其相救也如左右手。」是故方馬埋輪、未足恃也。

1文目:戦の名人は率然のよう

書き下し文故ゆゑに善よく兵へいを用もちふる者ものは、譬たとへば率そつ然ぜんの如ごとし。率そつ然ぜんなる者ものは、常じやう山ざんの蛇へびなり。

(『孫子』九地篇)

現代語訳だから、兵をうまく動かす者は、たとえれば率然のようなものだ。率然とは、常山にすむ蛇である。

ここがポイント「如(ごと)し」は「〜のようだ」とたとえる比況の句法。「AはBの如し」の形で、AをBにたとえます。「常山」は中国の山の名前で、「恒山」とも書かれます。

2文目:頭も尾も助けに来る蛇

書き下し文其その首くびを撃うてば則すなはち尾を至いたり、其その尾をを撃うてば則すなはち首くび至いたり、其その中なかを撃うてば則すなはち首しゆ尾び倶ともに至いたる。

(『孫子』九地篇)

現代語訳その頭を打てば尾が助けに来て、その尾を打てば頭が助けに来て、その胴の真ん中を打てば頭と尾が両方とも助けに来る。

ここがポイント「〜ば則ち…」は「〜すると、そのときは…」という条件の言い方。同じ形を3回くり返して、リズムよく説明しています。仮定・条件の読み方は仮定の句法へ。

3文目:兵を率然のようにできるか

書き下し文敢あへて問とふ、「兵へいは率そつ然ぜんの如ごとくならしむべきか。」曰いはく、「可かなり。」

(『孫子』九地篇)

現代語訳あえておたずねしたい、「兵を率然のように動かすことができるのか。」答えて言う、「できる。」

ここがポイント「使(し)む」は「〜させる」という使役の句法、「可(べ)し」は「〜できる」という可能の句法の字です。二つが組み合わさって「〜させることができる」。文末の「乎(か)」は疑問です。

4文目:呉の人と越の人

書き下し文夫それ呉ご人ひとと越えつ人ひとと相あひ悪にくむなり。

(『孫子』九地篇)

現代語訳そもそも、呉の人と越の人とは、たがいに憎み合っている。

ここがポイント「夫(そ)れ」は「そもそも」と話を始める言葉。「与(と)」は「AとBと」の「と」で、ひらがなで書き下します。「相(あひ)」は「たがいに」。

5文目:同じ舟で風にあえば

書き下し文其その舟ふねを同おなじくして済わたるに当あたりて、風かぜに遇あはば、其その相あひ救すくふや、左さ右いうの手ての如ごとし。

(『孫子』九地篇)

現代語訳(その二人が)同じ舟に乗って川を渡っているときに、風にあえば、たがいに助け合うさまは、左右の手のようである。

ここがポイントここが「呉越同舟」の出どころです。「同舟(舟を同じくす)」は「同じ舟に乗る」。「而」は読まない置き字。上下点の中にレ点が入った形で、番号の順に読むと分かりやすくなります。

6文目:馬をつなぐだけでは足りない

書き下し文是この故ゆゑに馬うまを方ならべ輪わを埋うづむるも、未いまだ恃たのむに足たらず。

(『孫子』九地篇)

現代語訳だから、(兵が逃げないように)馬をつなぎ並べ、車輪を土に埋めても、それだけでは頼りにならない。

ここがポイント「未(いま)だ〜ず」は「まだ〜ない」という再読文字。レ点が2つ続くので、「恃む→足ら→未だ…ず」と下から返ります。形だけで兵を引き止めても、兵の心は一つにならない、という意味です。
「呉越同舟」の原文で覚える句法4つ如率然率然の如し率然のようだ比況可使〜しむべき〜させることができる使役+可能未足未だ〜足らずまだ〜十分でない再読文字而(読まない)「〜して」をつなぐ置き字
「呉越同舟」の原文に出てくる句法。比況・使役・可能・再読文字・置き字が練習できます

原典(『孫子』九地篇)の本文では

維基文庫(中国語のウィキソース)で見られる『孫子』九地篇の本文は、次のとおりです(字は旧字体のまま、句読点はその本文によります)。

『孫子』九地篇の本文(維基文庫)故善用兵者,譬如率然。率然者,常山之蛇也。擊其首則尾至,擊其尾則首至,擊其中則首尾俱至。敢問:「兵可使如率然乎?」曰:「可。夫吳人與越人相惡也,當其同舟而濟。遇風,其相救也,如左右手。」是故方馬埋輪,未足恃也;齊勇如一,政之道也;剛柔皆得,地之理也。故善用兵者,攜手若使一人,不得已也。
  • 「呉越同舟」の4文字は出てこない:原文は「呉人と越人と相悪むなり。其の舟を同じくして済るに当たりて…」という形です。そこから「呉越」「同舟」を取り出して、4文字の言葉になりました。いつごろから4文字で使われるようになったかは、はっきりした資料が見つかりませんでした。
  • 話の続き:このあと「勇を斉(ひと)しくして一の如くするは、政の道なり」(兵の勇気を一つにそろえるのは、治め方しだいだ)と続き、最後に「兵が手をつないで一人の人のように動くのは、そうせざるをえない状況に置くからだ(已むを得ざればなり)」とまとめています。
サクラちゃん

サクラちゃん

呉越同舟って、「仲良くしましょう」っていういい話かと思っていました。

ミスターT先生

ミスターT先生

たしかに、助け合う所だけ見るといい話に聞こえるね。でも孫子は戦の将軍の立場から書いている。「兵どうしの仲がよくなくても、逃げ場のない状況に置けば、いやでも助け合う。だから将軍はそういう状況を作れ」という、なかなかきびしい兵法なんだ。

出典『孫子』と話の背景

「呉越同舟」の出典は『孫子(そんし)』です。中国の春秋時代の兵法家・孫武(そんぶ)の兵法をまとめた本とされ、戦い方だけでなく、戦わずに勝つこと、情報を集めることの大切さなどを説いています。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」も『孫子』の言葉です。孫子の兵法の原文と意味は、孫子の兵法の原文・書き下し・意味(風林火山など)でも読むことができます。

歴史書『史記』によると、孫武は呉の王・闔閭(こうりょ)に仕え、呉を強い国にしたと伝えられます。呉に仕えた兵法家が「呉の人と越の人」をたとえに使ったのは、当時の人にとって「呉と越=とても仲の悪い国どうし」が、だれにでも分かるたとえだったからだと考えられます。ただし、孫武の生涯については分からないことも多く、『孫子』のどこまでを孫武本人が書いたのかには諸説あります。

呉と越は、となりどうしの国海長江太湖呉越※位置はおおよそ(今の江蘇省南部・浙江省のあたり)
呉と越は、長江の下流の南にならぶ、となりどうしの国でした

呉と越は、なぜ仲が悪かったのか

呉と越は、今の中国の江蘇省の南部と浙江省のあたりにあった、となりどうしの国です。春秋時代の終わりごろ、両国ははげしく争いました。

呉と越の、長い争い(春秋時代の終わり)前496年越王句践が呉と戦い、呉王闔閭が傷を負って亡くなる前494年闔閭の子・夫差が越を破り、句践は会稽山で降伏する前473年力をたくわえた越が、呉をほろぼすこの争いから「臥薪嘗胆」も生まれた
呉と越の争い。「臥薪嘗胆」の話も、この争いの中から生まれました

越王句践(こうせん)との戦いで呉王闔閭が亡くなると、その子の夫差(ふさ)が父のかたきをうとうとし、越を破ります。負けた句践は会稽山(かいけいざん)で降伏し、そのはじをすすぐために力をたくわえて、ついに呉をほろぼしました。この、かたきうちのために苦労をたえる話から生まれたのが「臥薪嘗胆」です。「呉越」という2文字は、それだけで「仲の悪い者どうし」を表すようになり、「呉越の争い」「呉越の仲」のようにも使われます。

九地篇は「兵をどこに置くか」の篇

「九地」とは、戦のときの9種類の土地(状況)のことです。九地篇は、土地や状況によって兵の動かし方を変えるべきだと説く篇で、その中に、逃げ場のない状況に置かれた兵は、死にものぐるいで戦うという考えが出てきます。

常山の蛇「率然」は、体じゅうで助け合う頭を打つと→ 尾が来る腹を打つと→ 頭も尾も尾を打つと→ 頭が来る尾頭兵もこの蛇のように動かすのが、戦の名人
常山の蛇「率然」。どこを攻められても、体全体で助け合います

呉越同舟のたとえも、この考えの一つです。仲の悪い兵どうしでも、同じ危険の中にいれば左右の手のように助け合う。馬をつなぎ車輪を埋めて、形だけで逃げられないようにしても足りない。兵の心が一つになるのは、そうするしかない状況に置かれたときだ、というわけです。川を背にして逃げ場をなくし、兵を必死に戦わせた「背水の陣」の話も、この考え方に通じます。

「呉越同舟」の使い方と例文・似た言葉

「呉越同舟」は、「呉越同舟だ」「呉越同舟の〜」「呉越同舟で〜する」の形で使います。ふだんは仲が悪い・立場が対立している人どうしが、同じ場所にいる、または同じ目的のために協力する場面で使うのがポイントです。

  • ○選挙では争った二つの党が、法案を通すために呉越同舟で手を組んだ。(目的のために協力)
  • ○ライバルどうしの二人が、呉越同舟でエレベーターに閉じこめられた。(同じ場所・境遇)
  • ○大雪で動けなくなった電車の中で、乗客たちは呉越同舟、たがいに助け合った。
  • ○決勝で戦う両校の応援団が、同じバスに乗り合わせて呉越同舟となった。
  • ×仲よしの三人で、呉越同舟の楽しい旅行に出かけた。(仲がよい人どうしには使わない)
  • ×みんなで呉越同舟して、舟で川を下った。(ただ舟に乗ることではない)
呉越同舟似た言葉一蓮托生昨日の敵は今日の友同じ舟に乗る仲の悪さ犬猿の仲不倶戴天反対に近い同床異夢(同じ所で別の夢)
似た言葉と、反対に近い言葉。「同床異夢」は同じ場所にいても心はばらばら、という言葉です

似た言葉

  • 一蓮托生(いちれんたくしょう):結果がどうなろうと、行動や運命をともにすること。「同じ舟に乗る」という言い方も、ほぼ同じ意味で使います。
  • 昨日の敵は今日の友:前に争った相手が、状況が変わって味方になること。

仲の悪さを表す言葉

  • 犬猿の仲:犬と猿のように、とても仲が悪いこと。「呉越」も同じように仲の悪さのたとえになります。
  • 不倶戴天(ふぐたいてん):同じ天の下にはいっしょに生きていられないほど、深くうらんでいること。

反対に近い言葉

  • 同床異夢(どうしょういむ):同じ床に寝ていても、ちがう夢を見ること。同じ立場・同じ仕事をしていても、考えや目的がばらばらなこと。「仲が悪くても力を合わせる」呉越同舟とは、ちょうど逆の向きの言葉です。

「呉越同舟」のよくあるまちがい

  • 本当にあった出来事だと思う:呉越同舟は、孫子が兵の動かし方を説明するためのたとえ話です。「呉の人と越の人が実際に舟で助け合った記録」として書かれたものではありません。
  • 仲のよい人どうしに使う:「呉」と「越」は仲の悪い国のたとえ。仲よしのグループには使いません。
  • 「舟」を「船」「州」と書く:正しくは「同舟」。「舟」は小さなふね、「船」は大きなふねにも使う字ですが、この言葉では「舟」と書きます。「州」は別の意味の字です。字の形は「舟」の読み方・書き順・部首で確かめましょう。
  • 「呉」を「誤」、「越」を「超」と書く:「呉」は国の名前で、ごんべんはつきません。「越」は「こえる」の字で、「超」とは形も部首もちがいます。「呉」の読み方・書き順・部首、「越」の読み方・書き順・部首も見ておきましょう。
  • 読みを「ごえつどうせん」「ごこしどうしゅう」とする:正しくはごえつどうしゅう。「越」は音読みで「えつ」です。
うかるくん

うかるくん

「同床異夢」と「呉越同舟」、どっちがどっちか分からなくなりそうです…。

ミスターT先生

ミスターT先生

呉越同舟は「仲が悪いのに、いっしょに助け合う」、同床異夢は「いっしょにいるのに、心はばらばら」。仲と心が、ちょうど反対の組み合わせになっていると覚えよう。

入試ではこう出る

「呉越同舟」は、中学受験から大学受験まで、それぞれの形で出てきます。

  • 中学受験:四字熟語・故事成語の意味を選ぶ問題、「ごえつどうしゅう」を漢字で書く問題(「舟」の字に注意)。「呉」と「越」が仲の悪い国だったことを知っているかを問う問題もあります。
  • 高校受験:漢文の資料として、返り点をつける・書き下し文に直す・「左右の手の如し」が何をたとえているかを答える問題。高校受験の漢文の出方は高校受験の漢文(返り点・書き下し文の対策)にまとめています。
  • 大学受験:原文の「可使如率然乎」の使役・可能、「未足恃」の再読文字を訳す問題。孫子がこのたとえで何を言いたかったのか(兵が助け合わざるをえない状況を作る)を説明させる問題が考えられます。共通テストでの漢文の出方は共通テストの漢文(配点・時間配分)へ。
ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

「左右の手の如し」が何のたとえか聞かれたら、「仲の悪い呉人と越人が、右手と左手のように息を合わせて助け合うこと」と、だれとだれが・どうするかまで書くといいですね!

練習問題

やさしい

  1. 「呉越同舟」の意味として正しいものを選びましょう。
    ア 仲のよい者どうしが旅行すること イ 仲の悪い者どうしが同じ場所にいたり、協力したりすること ウ 大きな舟を作ること エ 二つの国が一つになること
    答えと解説を見るイ。「呉」と「越」は仲の悪い国のたとえです。
  2. 「ごえつどうしゅう」を漢字で書きましょう。
    答えと解説を見る呉越同舟。「舟」を「船」「州」と書かないように注意しましょう。

ふつう

  1. 「其相救也如左右手」を書き下し文に直し、意味を答えましょう。
    答えと解説を見る書き下し文は「其の相救ふや左右の手の如し」。意味は「たがいに助け合うさまは、左右の手のようである」。「如し」は比況(〜のようだ)です。
  2. この話は、実際にあった出来事として書かれていますか。理由とともに答えましょう。
    答えと解説を見る書かれていない。『孫子』の中で、兵をどう動かすかを説明するために、「もし呉人と越人が同じ舟で風にあえば助け合うだろう」というたとえとして出てくるからです。

むずかしい

  1. 「兵可使如率然乎」を書き下し文に直し、現代語訳しましょう。
    答えと解説を見る書き下し文は「兵は率然の如くならしむべきか」。訳は「兵を率然(常山の蛇)のように動かすことができるのか」。「使」は使役、「可」は可能の字です。
  2. 孫子は、呉越同舟のたとえを使って、将軍は兵をどのように動かすべきだと言っていますか。
    答えと解説を見る仲の悪い者どうしでも、同じ危険の中に置かれれば左右の手のように助け合う。だから将軍は、兵たちが助け合わざるをえない状況に置いて、全体を一つにまとめるべきだ、ということです。馬をつなぎ車輪を埋めるような形だけの方法では足りない、とも述べています。

「呉越同舟」とあわせて覚えたい関連ページ

『孫子』から生まれた故事成語(絵で読む)

← 前の語:株を守るの意味と由来 | 次の語:蛍雪の功の意味と由来 →

読みもの(合格大作戦の記事)

受験掲示板「100点BBS」で質問・相談しよう

よくある質問

呉越同舟の意味を簡単に言うと何ですか?

仲の悪い者どうしが、同じ場所や同じ境遇にいることです。また、仲の悪い者どうしでも、同じ困難や目的のためには協力し合うという意味もあります。

呉越同舟は本当にあった話ですか?

実際の出来事として書かれたものではありません。『孫子』九地篇で、孫子が「憎み合う呉の人と越の人でも、同じ舟で風にあえば左右の手のように助け合う」と、兵の動かし方を説明するためのたとえとして出したものです。

呉越同舟の出典は何ですか?

春秋時代の兵法家・孫武の兵法をまとめたとされる『孫子』の九地篇です。原文は「夫れ呉人と越人と相悪むなり。其の舟を同じくして済るに当たりて、風に遇はば、其の相救ふや、左右の手の如し」です。

なぜ「呉」と「越」なのですか?

呉と越は春秋時代のとなりどうしの国で、長いあいだはげしく争った、とても仲の悪い国だったからです。この争いからは「臥薪嘗胆」という故事成語も生まれました。

呉越同舟の反対の言葉は何ですか?

反対に近い言葉は「同床異夢」です。同じ立場や同じ場所にいながら、考えや目的がばらばらなことを表します。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 原文:『孫子』九地篇(維基文庫の本文で確認。白文は今の字に直したもの)
  • 書き下し文・現代語訳:合格大作戦(よく読まれる読み方をもとにした一例)
  • 書の写真:メトロポリタン美術館(Open Access、パブリックドメイン)
  • お話の絵・図:合格大作戦

最終更新:2026年10月29日/作成:大学受験合格大作戦