

この記事の結論
- 英文法の参考書(文法書)は、『総合英語Forest』のような網羅型の文法書を1冊だけ決めて極めるのが基本です。何冊も買わず、学校で配られた文法書があればそれでもかまいません
- 使い方は「1章ずつ読む」「わからない所を辞書のように引く」「例文を声に出して暗唱する」の3つ。問題集(基礎編3)でまちがえたら文法書に戻り、高2の終わりまでに全章を1周するのが目標です
英語の勉強法目次はコチラ⇒英語の勉強法

この記事は「英語の勉強法【基礎編②】文法書」です。
大学入試英語の勉強法【基礎編】
単語・熟語(①)は英語の「材料」、文法(②)は材料を組み立てる「ルール」、文法・語法演習(③)はルールを使いこなす「練習」です。3つのうちどれかが欠けると、長文読解・英作文・過去問という実践の段で点が安定しません。この記事では②の文法書について、どの本を選ぶかよりも選んだ1冊をどう使うかに重点を置いて書きます。単語帳の選び方と覚え方は①の「英単語・英熟語の覚え方【英語の勉強法 基礎編1】」、問題集の回し方は③の「英文法・語法問題集のおすすめと使い方」にまとめています。
英文法の参考書(文法書)とは:問題集とのちがい
英文法の参考書には、大きく分けて2つの種類があります。
- 文法書(総合英語・網羅型の参考書):時制・助動詞・関係詞・仮定法など、高校で習う英文法を1冊にすべてまとめた本です。説明・例文・図がのっていて、「なぜそうなるか」を読んで理解するための本です。厚さは数百ページあり、最初から最後まで読み通すより、必要なときに開く使い方が中心になります。
- 問題集(文法・語法の演習書):4択の空所補充や並べかえなど、短い問題がたくさん並んだ本です。ルールを本当に使えるかを確かめ、できない所を見つけるための本です。
たとえるなら、文法書は「地図」、問題集は「練習場」です。地図を持たずに練習場に行くと、なぜまちがえたのかがわからないまま答えの番号だけを覚えてしまいます。反対に、地図ばかり眺めて練習しないと、いざ入試で問題を見たときに体が動きません。2冊を行き来しながら、両方を1冊ずつ極めるのがいちばんの近道です。
ここでいう文法書は、学校で配られる「総合英語」「英文法」と名のつく厚い本がこれにあたります。薄い「ひと目でわかる」型の入門書は、文法がまったくわからない人の最初の1冊としては役に立ちますが、入試で必要な項目をすべては扱っていないことが多いので、入門書を終えたら網羅型の文法書に進みましょう。
英文法の参考書のおすすめ:総合英語Forest
英文法のバイブル的参考書です。
「Part1 これが基本」→「Part2 理解する」→「Part3 深く知る」の3Partシステムで構成。各文法事項を「本質の理解」→「基礎力の構築」→「詳細な文法知識の獲得」の順で掘り下げています。文法を視覚的にとらえ理解できる「概念図」や「イラスト」、また、角度を変えて新たな視点から理解を深める「コラム」も豊富に取り入れています。さらに、解説の横には「小見出し」を多数設けています。
多くの高校で採用されていますが買うだけ買わせてほとんど使っていないような高校もあります。
授業でしっかりと英文法をやってくれるのであれば大丈夫なのですが、文法に関して絶対の自信を持つためにはこの一冊を極めましょう。
※上の説明と「多くの高校で採用」は、この記事を書いた2008年当時のものです。
Forest 音トレ:例文を耳と口で覚える
また『総合英語Forest』の全ターゲット例文を使った学習書『Forest 音トレ』を併用するのも良い。
「聞いて覚える 暗唱文例集+CD」、「書いて身につける ディクテーション・ノート+CD」、「解いて確認する 例文ドリル」の3つのステップで学習できます。
文法書の例文は、その章のルールがいちばんきれいに入った「お手本の文」です。目で読むだけでなく、聞いて・書いて・解いて覚えると、ルールが体に入ります。音声つきの教材がない場合も、例文を自分で音読し、日本語訳を見て英文を言えるか試すだけで、同じ練習ができます(やり方は下の「例文の暗唱のしかた」)。
Forest 併用の問題集は「余力があれば」
また『総合英語Forest』併用の問題集(Forest 対応の問題集)を使ってもいいが英語の勉強法【基礎編③】で演習書を紹介するのでメインの演習書としてはお勧めしない。余力がある受験生や、『総合英語Forest』の理解を深めるのに利用するのは良い。
基礎編③ですすめているメインの演習書は『Next Stage 英文法・語法問題』です。文法書と問題集は、それぞれ1冊ずつと決めておきましょう。
学校で使っている文法書があれば見比べる
また、学校や予備校で使用している文法書があれば『総合英語Forest』と見比べてみよう。
極めるべき文法書は一冊だけにすること。
今は「総合英語Evergreen」が後継
Forest は1999年に初版が出た本です。2016年、『総合英語Forest』の著者たちは、新しい版を別の出版社(いいずな書店)から新しい書名で出すと発表しました。その後いいずな書店から出ているのが『総合英語Evergreen』で、Forest の流れをくむ文法書です。
そのため、今から1冊を選ぶならForest の流れをくむ Evergreen、または学校で配られた総合英語の文法書が候補になります。Forest を持っている人は、それを使い続けてもかまいません。高校の英文法の中身(時制・関係詞・仮定法など)は、何年たっても大きくは変わらないからです。どの本も改訂が重ねられているので、今の版の中身は書店で手に取って確かめてください。
うかるくん
学校で配られた文法書があるのに、ネットでおすすめされている本も気になって、3冊目を買おうか迷っています……。
合格先生
文法書はどれを選ぶかより、1冊を何回開いたかで差がつくんだ。学校の本で授業を受けているなら、それが一番の1冊だよ。
サクラちゃん
じゃあ、2冊目の文法書を買うより、今の1冊の例文を覚えたほうがいいってことですね。
合格先生
そのとおり。高校の英文法は、どの本でも中身はほぼ同じ。迷う時間を、例文を1つ覚える時間に回そう。
英文法の参考書の選び方:5つのチェックポイント
これから文法書を選ぶ人、手元に何冊かあって1冊に決めたい人は、次の5つで見比べてください。
- 例文が短く、覚えやすい:文法書の価値の半分は例文です。1章の大事な例文が1〜2行におさまっている本は、暗唱しやすく、英作文の材料にもなります。
- 図やイラストで説明がある:時制の「時間の線」、仮定法の「事実と反対」など、図で見ると一瞬でわかるものがあります。Forest の「概念図」もこの考え方です。
- 索引(さくいん)がくわしい:文法書は何度も「引く」本です。単語や文法用語から探せる索引が充実していると、辞書のように使えます。
- 学校の授業で使っている:授業で使う本なら、先生の説明と本の説明がそろい、定期テストの勉強がそのまま入試の勉強になります。
- 中を見て「読める」と思う:最後は相性です。書店で同じ章(たとえば仮定法)を何冊か読み比べ、いちばん頭に入ってくる本を選びましょう。
5つすべてに当てはまる本はなかなかありません。3つ以上当てはまれば十分です。そして、選んだあとは2冊目を買わないこと。2008年の記事で書いた「極めるべき文法書は一冊だけにすること」は、今も変わらない一番の原則です。
「1冊に絞って何度もくり返す」という考え方は、英語に限りません。数学の参考書で同じことを書いた「青チャートと1対1対応の演習」や、基本書を1冊に絞って反復する方法を紹介した「基本書を1冊に絞って反復する勉強法」も参考になります。
英文法の単元 一覧:文法書の「地図」をつかむ
文法書を開く前に、英文法の全体がどんな単元でできているかを知っておくと、迷子になりません。どの文法書も章の名前や順番は少しずつちがいますが、高校で習う英文法は、おおよそ次の6つのまとまりに分けられます。
- 動詞のまわり:時制・助動詞・受動態・仮定法。「いつのことか」「どんな気持ちで言っているか」を動詞の形で表す単元です。
- 準動詞:不定詞・動名詞・分詞(分詞構文)。動詞が名詞・形容詞・副詞のはたらきに変身する単元で、入試でいちばんよくねらわれます。
- 文をつなぐ:関係詞・接続詞・名詞節と副詞節。長い文を読むときに、どこからどこまでが1つのかたまりかを決める単元です。
- くらべる・飾る:比較・形容詞・副詞。比較は書きかえ問題がよく出ます。
- 名詞のまわり:名詞・冠詞・代名詞・前置詞。英作文で a と the、単数と複数をまちがえやすい所です。
- 特別な形:否定・倒置・強調・話法。長文の中で「形がふつうとちがう文」を読み解く単元です。
そして、すべての中心にあるのが文型(主語+動詞+目的語・補語の骨組み)です。どの単元も、最後は「この文の主語と動詞はどれか」に戻ってきます。文法書の最初の章が文型になっていることが多いのはそのためです。
単元ごとのよく出るポイント
入試でとくによくねらわれるポイントを、単元ごとに1つずつ例文と並べました(★の数は入試でのよく出る度合いの目安です)。文法書でその章を読んだら、例文をそのまま言えるか確かめてみましょう。
| 単元 | よくねらわれる所 | 例文 | 出る度 |
|---|---|---|---|
| 文型 | S+V+O+C の骨組み | make him happy(彼を幸せにする)の O+C | ★★★ |
| 時制 | 現在完了・進行形・時制の一致 | I have lived here for ten years. | ★★★ |
| 助動詞 | must/should/may+have+過去分詞 | He must have been tired.(疲れていたにちがいない) | ★★☆ |
| 受動態 | by 以外の前置詞・群動詞の受け身 | I was spoken to by a stranger. | ★★☆ |
| 不定詞・動名詞 | to do と ~ing の使い分け | stop to smoke と stop smoking | ★★★ |
| 分詞・分詞構文 | 名詞を飾る分詞・文を短くする形 | Seeing me, he ran away. | ★★★ |
| 関係詞 | which/what/where、前置詞+関係代名詞 | This is what I wanted. | ★★★ |
| 比較 | 原級・比較級・最上級の書きかえ | No other … is as tall as …. | ★★☆ |
| 仮定法 | 事実と反対・I wish・if の省略 | If I were you, I would … | ★★★ |
| 否定・倒置・強調 | not until・Never have I … ・It is … that | It was not until … that … | ★★☆ |
★3つの単元(文型・時制・不定詞と動名詞・分詞・関係詞・仮定法)は、文法問題だけでなく長文の読み取りと英作文の両方で毎回使います。時間がない人は、まずこの6つの章を優先して読みましょう。
文法用語は「最低限」覚える
文法書を読むと、「先行詞」「補語」「原形不定詞」など、たくさんの文法用語が出てきます。用語をすべて暗記する必要はありませんが、説明を読むための最低限の用語(主語・動詞・目的語・補語・名詞・形容詞・副詞・句・節)は覚えておくと、文法書がぐっと読みやすくなります。用語がわからないまま進むと、説明文そのものが読めずに止まってしまうからです。
英文法の参考書の使い方:読む・引く・覚えるの3つ
文法書は、問題集のように「最初から最後まで解いて終わり」の本ではありません。使い方は次の3つです。
① 読む:1章ずつ順に通読する
1回目は、学校の授業の進み方に合わせて、または自分で決めた順に、1章ずつ読みます。数百ページを一気に読む必要はありません。1日1章(長い章は半分)くらいのペースで十分です。読むときは、Part1(基本)にあたる最初の説明と例文をていねいに読み、細かい例外やコラムは1回目は軽く目を通すだけでかまいません。Forest の「これが基本→理解する→深く知る」の3段の作りは、まさにこの読み方に向いています。
読み終えたら、その章の大事な例文に印をつけておきます。この印が、あとで暗唱する例文になります。
② 引く:辞書のように索引から探す
2回目からの文法書は、辞書のように「引く」本になります。問題集でまちがえたとき、長文で意味の取れない文があったとき、英作文で「この形で合っているか」迷ったときに、索引から同じ項目を探して読み直します。
たとえば、問題集で「It is no use crying over spilt milk.」の no use ~ing をまちがえたら、索引で「use」や「動名詞の慣用表現」を引きます。長文で「Had I known ….」という文が出てきたら、「倒置」や「if の省略」を引きます。こうして引いたページには、日付や印をつけておきましょう。何度も引いたページが、あなたの弱点の地図になります。
辞書のように引く習慣は、英和辞典の使い方とも同じです。辞書の使い方については、昔の記事「電子辞書」も参考にしてください。
③ 覚える:例文を声に出して暗唱する
文法書の例文は、その章のルールがいちばんきれいに入った文です。ルールの説明を覚えるより、例文を1つ言えるようにするほうが、入試ではずっと役に立ちます。例文が口から出てくれば、文法問題では「この形、見たことがある」と気づけ、英作文では例文の単語を入れかえるだけで正しい文が書けます。
暗唱のしかたは、次の節でくわしく書きます。
文法書の回し方:1章を5つのステップで1周
読む・引く・覚えるを組み合わせると、1章の進め方は次の5つのステップになります。
- 例文を聞く:音声がある本なら、その章の例文を先に聞きます。音声がなければ、例文を目で読むだけでかまいません。何の章なのかを、まず耳と目でつかみます。
- 本文を読む:説明を読み、「なぜこの形になるのか」を理解します。図やイラストがあれば、必ず見ます。
- 例文を暗唱する:印をつけた例文を、声に出して言えるようにします。
- 問題集の同じ章を解く:基礎編③の問題集(Next Stage など)の、同じ単元の章を解きます。
- ×は文法書へ戻る:まちがえた問題は、文法書の同じ所を索引から探して読み直します。そして次の章へ進みます。
この輪を1章ずつ回すと、文法書(地図)と問題集(練習場)が自然につながります。文法書を全部読み終えてから問題集に進む必要はありません。1章読んだら、問題集の同じ章を解く。この並行のしかたが、もっとも効率のよい進め方です。
2周目・3周目は速くなる
1周目は時間がかかりますが、2周目からは「例文の暗唱」と「×だった所の読み直し」が中心になるので、ぐっと速く回せます。3周目には、目次を見ただけで各章の大事な例文が浮かぶ状態をめざしましょう。目次を見て例文が浮かばない章が、まだ弱い章です。
ノートは「まちがいの理由」だけ
文法書の内容をノートにまとめ直す必要はありません。文法書そのものが、すでにきれいにまとまった本だからです。ノートを作るなら、問題集でまちがえた問題の「正しい英文」と「まちがえた理由」だけを書き、文法書のページ番号を添えます。ノートの取り方そのものは「東大合格生のノートはかならず美しい」も参考になります。
英文法の例文の暗唱のしかた
例文の暗唱は、Forest 音トレの「聞いて覚える→書いて身につける→解いて確認する」の3ステップと同じ考え方で進めると、音声教材がなくても1人でできます。
- 聞いて(読んで)覚える:例文を見ながら、声に出して3回読みます。音声があれば、音声のまねをして読みます。意味のかたまりごとに区切って読むと覚えやすくなります。
- 書いて身につける:英文を隠し、日本語訳だけを見て英文をノートに書きます。音声があれば、聞こえた英文を書き取る(ディクテーション)のも効果があります。
- 解いて確認する:日本語訳を見て、英文をすらすら言えるか試します。つまったら、①に戻ります。
1日に覚える例文は5〜10文くらいが続けやすい量です(目安です)。翌日、前の日の例文を言えるか確かめてから、新しい例文に進みます。1週間たったら、その週の例文を全部まとめて言えるか試します。
例文を覚えるとき気をつけること
- 意味を考えながら言う:音だけをまねると、すぐに忘れます。「これは過去の事実と反対の仮定だから had+過去分詞」と、ルールを頭の中でつぶやきながら言います。
- 単語を入れかえてみる:If I had studied harder, I would have passed. を覚えたら、If I had left earlier, I would have caught the train. のように単語を入れかえて言ってみます。入れかえができれば、ルールが身についた証拠です。
- まちがえやすい所に印:three times as … as、not until … のように、語順をまちがえやすい所に印をつけておきます。
例文の暗唱は、受験英語を「話せる英語」にするための土台にもなります。暗唱した例文を少し変えて口に出す練習は、話す練習(瞬間英作文)そのものです。受験英語を話す力につなげたい人は「英語が得意だけど話せない人にお勧めの書籍3冊」、海外ドラマで聞く力を伸ばす方法は「いま思えば一番役に立った英語の勉強法」も読んでみてください。

合格先生
文法書は「1冊を、読む・引く・覚える」! 説明を暗記するより、例文を1つ言えるようにするほうが、入試ではずっと点になるぞ。
英文法はいつまでに? 高1・高2・高3の学年別の使い方
文法書は、高2の終わりまでに全章を少なくとも1周しておくのが目標です。基礎編③の問題集も「高校2年終了時までにある程度(何回か)繰り返していることが望ましい」としているので、文法書はそれと並行して進めます。
| 時期 | 文法書の使い方 | ここまでできれば合格 |
|---|---|---|
| 高1 | 学校の授業に合わせて1章ずつ読む。習った章の例文に印をつける | 習った章の例文を、日本語を見て言える |
| 高2 | 授業でまだの章も自分で読み進め、通読を終える。例文の暗唱を続ける | 目次を見て、各章の大事な例文が1つ浮かぶ |
| 高2の終わり | 全章を1周。問題集の同じ章と並行して回す | 問題集の×の理由を、文法書で自分で確かめられる |
| 高3 | 辞書のように引く使い方が中心。長文・英作文で迷った所を確かめる | 引いたページに印が増え、弱点がはっきりする |
| 直前期 | 新しく読み直すより、印をつけた例文だけを音読で総点検 | 印をつけた例文がすべて言える |
高1:授業と同じ章を読むだけでいい
高1のうちは、文法書を自分で先に進める必要はありません。授業で習った章を、その週のうちに文法書で読み直すだけで十分です。授業で配られたプリントと文法書の同じページを見比べ、例文に印をつけましょう。定期テストの前に印をつけた例文を言えるようにしておけば、テストの点と入試の力が同時につきます。
高2:通読を終えて、問題集と並行する
高2では、授業でまだ習っていない章も自分で読み進め、通読を終えます。仮定法・分詞構文・関係詞の後半(前置詞+関係代名詞・複合関係詞など)は、高2で読むことが多いむずかしい単元です。基礎編③の問題集を始めたら、1章読んだら問題集の同じ章を解く、という並行の形にしましょう。
高3・浪人生:辞書として引き、弱点だけ読み直す
高3になると、長文読解・英作文・過去問の時間が増えます。文法書を最初から読み直す時間はないので、辞書のように引く使い方が中心になります。長文で読めなかった文、英作文で迷った形を、その場で引いて確かめます。引いたページの印が多い章だけは、もう一度通して読み直しましょう。
浪人生や高3の夏から文法を始める人は、★3つの単元(文型・時制・準動詞・関係詞・仮定法)から先に読み、問題集と並行して1か月ほどで全体を1周するペースをめざします(目安です)。直前期の教材の絞り方は「入試直前期の勉強法」に書いています。
独学・高卒認定から大学受験を目指す人
学校の授業がない人は、文法書が「先生」の代わりになります。最初の数章(文型・時制・助動詞)は時間をかけてていねいに読み、文法用語に慣れましょう。説明が難しく感じたら、薄い入門書で全体をざっと見てから、網羅型の文法書に戻るのも1つの方法です。わからないことがあれば「受験の質問・相談」でも受け付けています。
英文法の参考書で伸びない人のよくある間違い
文法書を持っているのに文法が得意にならない人には、共通するパターンがあります。
- 何冊も買う:文法書を2冊、3冊と買うと、どれも中途半端になります。高校の英文法はどの本でも中身はほぼ同じです。極めるべき文法書は一冊だけにしましょう。
- 買っただけで開かない:2008年の記事で「買うだけ買わせてほとんど使っていないような高校もあります」と書いたように、文法書は持っているだけでは力になりません。机の上の、すぐ手が届く所に置いておくことから始めましょう。
- 最初から最後まで完璧に読もうとする:細かい例外やコラムまで1回目で覚えようとすると、途中で止まります。1回目は基本の説明と例文だけで十分です。
- 説明を暗記して、例文を覚えない:「現在完了は過去と現在をつなぐ」と説明が言えても、英文が書けなければ点になりません。覚えるのは説明より例文です。
- 問題集でまちがえても文法書に戻らない:解説を読んで「わかった」で終わると、同じ単元で何度もまちがえます。文法書の同じ所を読み、例文まで確かめるのが大事です。
- 文法と長文を切り離している:文法書の知識は、長文の中で見つけて初めて生きてきます。長文で「これは分詞構文だ」と気づけたら、文法の勉強が実を結んでいる証拠です。
問題集の側から見た「よくある間違い」は、基礎編③の「英文法・語法問題集のおすすめと使い方」にもまとめています。
共通テスト・私大・2次試験で文法書はどう役立つ?
共通テスト英語:速く正確に読むための土台
今の大学入学共通テスト(共通テスト、旧センター試験)の英語は、リーディング(80分・100点)とリスニング(100点)で、リーディングには文法・語法を単独で問う問題はありません。広告・記事・グラフなどから必要な情報を速く読み取る問題が中心です。
それでも文法書の知識は欠かせません。関係詞がどこまでかかるか、仮定法で「事実と反対」のことを言っているか、といった文の構造が一瞬でわからないと、時間が足りなくなるからです。共通テスト英語の仕上げ方は「共通テスト英語の総仕上げ」、高1〜高3の共通テスト対策の全体は「共通テストの勉強法」、2027年の時間割は「2027年 共通テストの時間割・日程」にまとめています。
私立大学:文法・語法の問題がそのまま出る
私立大学の一般選抜では、空所補充・並べかえ・正誤問題など、文法の知識を直接問う問題を出す大学が多くあります。問題集で練習し、まちがえた所を文法書で確かめる、という2冊の行き来が、そのまま点になります。慶應義塾大学 理工学部の英語でも、細かい文法の知識が問われるという見方を「慶應理工 英語の対策と勉強法」に書いています。
国公立大学の2次試験:和訳と英作文の土台
国公立大学の2次試験(個別学力検査)は記述式が中心です。たとえば京都大学(京大)の英語は、長文の和訳と英作文が中心の記述式です(リスニングはありません。くわしくは「京大入試の英語にリスニングはある?」)。和訳では、文の構造を文法で正しくつかめないと大きく減点されます。英作文では、文法書で暗唱した例文が「自信をもって書ける形」になります。京大英語の参考書の組み合わせは「京大合格までのお勧め参考書(英語)」をどうぞ。
英作文で気をつけたいカタカナ語
英作文では、文法のミスと同じくらい、日本語のカタカナ語をそのまま英語にしてしまうミスが多く見られます。「ノートパソコン」「マンション」のような和製英語は、英語では別の言い方になります。英作文で使ってはいけないカタカナ英語は「和製英語の一覧」にまとめました。似た意味の単語の使い分け(語法)は「libertyとfreedomの違い」も参考になります。
サクラちゃん
共通テストに文法問題が出ないなら、分厚い文法書を読む意味ってあるんですか?
合格先生
文法書は「文法問題のため」だけの本じゃないんだ。長文の文の構造をつかむのも、2次の和訳も、英作文も、全部文法の上に乗っているんだよ。
うかるくん
じゃあ、長文でわからない文が出たときに引くのが、今の文法書のいちばんの使い方なんですね。
合格先生
そのとおり! 引いたページに印をつけていけば、自分だけの弱点の地図ができる。それを直前期に見直せば完璧だ。
文法書の次は? 問題集・単語・長文へ
文法書を1冊極めたら、次は基礎編③の問題集で「使える」状態にします。そのあとは長文読解・英作文・過去問の実践へ進みましょう。
- 問題集:基礎編③「英文法・語法問題集のおすすめと使い方」。Next Stage を10回以上くり返す回し方を書いています。
- 単語・熟語:基礎編①「英単語・英熟語の覚え方【英語の勉強法 基礎編1】」、熟語帳の選び方は「英熟語の参考書の選び方」、難関大の単語の考え方は「東大の英単語」。
- 英語全体の作戦:英語の記事の入口は「大学受験の英語勉強法まとめ【英語学習大作戦】」です。
受験生が実際にどの文法書を使っているかは、受験掲示板「100点BBS」で聞いてみるのもよいでしょう。共通テスト掲示板のほか、京大志望なら京都大学の掲示板もあります。ただし、人の評判は「その人に合った本」の話です。最後は自分で中を見て、毎日開ける1冊を選んでください。

うかるくん
文法書は1冊にしぼって、1章ずつ読む→例文を暗唱→問題集の同じ章→×は文法書へ! 高2の終わりまでに全章1周、やってみます。
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よくある質問
英文法の参考書(文法書)のおすすめは?
網羅型の文法書を1冊選ぶのが基本です。この記事では総合英語Forestをすすめてきました。今はForestの流れをくむ総合英語Evergreenが出ています。学校で配られた総合英語の文法書があれば、それでもかまいません。
英文法の参考書は何冊やればいいですか?
文法書は1冊だけです。高校の英文法はどの本でも中身はほぼ同じなので、2冊目を買うより、1冊の例文を覚えるほうが力がつきます。演習は問題集を別に1冊使います。
英文法の参考書はどう使えばいいですか?
「1章ずつ読む」「わからない所を辞書のように索引から引く」「例文を声に出して暗唱する」の3つで使います。問題集でまちがえたら、文法書の同じ所に戻って読み直します。
総合英語Forestの後継は何ですか?
Forestの著者たちは2016年、新しい版を別の出版社(いいずな書店)から新しい書名で出すと発表しました。いいずな書店から出ている総合英語Evergreenが、Forestの流れをくむ文法書です。
英文法はいつまでに終わらせればいいですか?
高校2年の終わりまでに、文法書の全章を少なくとも1周し、問題集と並行して何回かくり返しておくのが目標です。高3は辞書のように引いて弱点を確かめる使い方が中心になります。
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- 英語の勉強法(目次)
- 英単語・英熟語の覚え方【英語の勉強法 基礎編1】
- 英文法・語法問題集のおすすめと使い方【英語の勉強法 基礎編3】
- 和製英語の一覧(英作文で使ってはいけないカタカナ英語)
- 英語が得意だけど話せない人にお勧めの書籍3冊
- 共通テスト英語の総仕上げ
出典・参考
- 「『総合英語 Forest』が変わる いいずな書店 新書名公募キャンペーン開始」(いいずな書店、2016年5月9日、共同通信PRワイヤー):Forest の初版1999年、著者の意向で新版をいいずな書店から新書名で出版
- 大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト実施要項」(英語の試験時間・配点)
- Forest・Forest 音トレの説明は2008年の記事を書いた当時のもの。今の版の中身は書店で確認してください
- 例文・単元の分け方は代表的な文法書の説明による。「1日1章」「1日5〜10文」「★の数」などは目安です
最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦












