
この記事の結論
- 53×47のようにまん中の数から同じだけはなれた2つの数のかけ算は、(まん中の数)²−(はなれている数)²で暗算できる
- 例:53×47 → まん中は50、はなれているのは3 → 2500−9=2491
- もとになるのは中学3年で習う和と差の積の公式 (a+b)(a−b)=a²−b²
うかるくん
53×47って、どっちもきりが悪くてむずかしそう……。
サクラちゃん
でも、53は50より3大きくて、47は50より3小さいよ。
合格先生
そこに気づけば勝ちだ。2つの数はまん中の50から3ずつはなれている。だから 50×50−3×3 で出せるぞ。
この方法は、2つの数のちょうどまん中がきりのよい数(50・60・100など)になるときに、とても速く計算できます。かけ算が、2乗と引き算に変わるのがポイントです。
やり方(4ステップ):53×47
- まん中の数を見つけます。53と47なら、たして2で割って (53+47)÷2=50。
- まん中の数を2乗します。50×50=2500。
- まん中からはなれている数(ここでは3)を2乗します。3×3=9。
- ②から③を引きます。2500−9=2491。
はなれている数は、2つの数の差の半分です。53−47=6 の半分で3。まん中の数は、2つの数の和の半分です。「和」と「差」を使うので、和と差の積と呼びます。
もう1問:くり下がりのある 74×66
74と66のまん中は70、はなれている数は4です。70×70=4900、4×4=16 なので、4900−16 を計算します。
4900−16 は、一の位・十の位でくり下がりが続いて、頭の中だと少し大変です。そんなときは 4900 を 4800 と 100 に分けます。100−16=84 なので、48 と 84 をならべて 4884。
102×98 も同じです。まん中は100、はなれている数は2なので、10000−4。9900 と 100 に分けて、100−4=96 → 9996 です。
うかるくん
引き算は「100を1つ借りる」と思えば、くり下がりもこわくないね!
合格先生
そのとおり。引く数が2桁までなら、いつもこの形で計算できる。
なぜこの方法で計算できるの?
面積図で考える
53×47は、よこ53、たて47の長方形の面積です。よこを50と3に分け、右はしのはば3の帯を切り取ります。その帯を回して下につけると、1辺50の正方形から、角の3×3だけが欠けた形になります。
面積は動かしても変わりません。だから 53×47=50×50−3×3=2500−9=2491 です。
公式で考える(中学生向け)
53×47=(50+3)(50−3)
=50×50−50×3+3×50−3×3
=50²−3²=2500−9=2491
展開すると、まん中の「−50×3」と「+3×50」が打ち消し合って消えます。だから2乗の引き算だけが残ります。これは乗法公式の「和と差の積」 (a+b)(a−b)=a²−b² そのものです。
逆向きに使うと因数分解の a²−b²=(a+b)(a−b) になります。98²−2²=(98+2)(98−2)=100×96=9600 のような計算の工夫にも使えます。
使える数・使えない数の見分け方
見るのは2つだけです。①2つの数を足すと偶数か(まん中が整数になるか)、②まん中の数がきりのよい数か(2乗がすぐ出るか)。
△の67×43は、55²=3025 と 12²=144 を知っていれば計算できますが、ふつうに計算するのとあまり変わりません。はなれている数が1桁のときがいちばん楽です。
足して奇数のとき:1ずらしてから使う
54×47のように足すと奇数になるときは、片方を1ずらして足して偶数の形にします。54×47=54×46+54 と考え、54×46 を和と差の積で出してから54を足します。
よくある間違い

合格先生
和と差の積は引き算。2500+9 と足してはいけない!
答えの見当をつけるクセも大切です。53×47は50×50=2500に近く、少しだけ小さくなります。和と差の積の答えは、いつも「まん中の数の2乗」より小さくなります。
練習問題①(まん中が10の倍数 10問)

合格先生
まずはまん中が50・60・70などになる10問。まん中を見つけたら、2乗して引くだけだ!
- 92×88=
- 73×67=
- 54×46=
- 61×59=
- 45×55=
- 58×62=
- 68×72=
- 77×83=
- 91×89=
- 39×41=
答えを見る
- 92×88=8096 (まん中90、はなれ2 → 8100−4)
- 73×67=4891 (まん中70、はなれ3 → 4900−9)
- 54×46=2484 (まん中50、はなれ4 → 2500−16)
- 61×59=3599 (まん中60、はなれ1 → 3600−1)
- 45×55=2475 (まん中50、はなれ5 → 2500−25)
- 58×62=3596 (まん中60、はなれ2 → 3600−4)
- 68×72=4896 (まん中70、はなれ2 → 4900−4)
- 77×83=6391 (まん中80、はなれ3 → 6400−9)
- 91×89=8099 (まん中90、はなれ1 → 8100−1)
- 39×41=1599 (まん中40、はなれ1 → 1600−1)
練習問題②(3桁・4桁・まん中が5で終わる・はなれが2桁 10問)
まん中が35・45などになる問題は、下の「2乗の早見表」を見ながらでもかまいません。
- 104×96=
- 203×197=
- 86×94=
- 56×44=
- 63×37=
- 37×33=
- 48×42=
- 85×75=
- 1001×999=
- 27×33=
答えを見る
- 104×96=9984 (まん中100、はなれ4 → 10000−16)
- 203×197=39991 (まん中200、はなれ3 → 40000−9)
- 86×94=8084 (まん中90、はなれ4 → 8100−16)
- 56×44=2464 (まん中50、はなれ6 → 2500−36)
- 63×37=2331 (まん中50、はなれ13 → 2500−169)
- 37×33=1221 (まん中35、はなれ2 → 1225−4)
- 48×42=2016 (まん中45、はなれ3 → 2025−9)
- 85×75=6375 (まん中80、はなれ5 → 6400−25)
- 1001×999=999999 (まん中1000、はなれ1 → 1000000−1)
- 27×33=891 (まん中30、はなれ3 → 900−9)
応用①:2乗を覚えると速くなる
この方法は「まん中の数の2乗」と「はなれている数の2乗」を使います。下の数を覚えておくと、ぐんと速くなります。
5で終わる数の2乗は、第二回(十の位が同じで、一の位を足すと10)の方法で出せます。35²=35×35なら、十の位の3と、3に1を足した4をかけて 3×4=12、うしろに25をつけて 1225。だから37×33は、まん中35・はなれ2で 1225−4=1221 です。
はなれている数が13のように2桁でも、13²=169 を知っていれば使えます。63×37は、まん中50で 2500−169=2331。11²〜19²はくれない算ですぐ出せます。

うかるくん
2乗を覚えれば覚えるほど、使える問題がふえるんだね!
応用②:第九回(100に近い数)との使い分け
102×98 は、第九回の100に近い数のかけ算でも計算できます。どちらでも答えは同じ9996です。
- 100から同じだけはなれている(102×98、105×95)なら、第五回の和と差の積がいちばん速いです。10000から差の2乗を引くだけです。
- 100からのはなれ方がちがう(97×96、103×104)なら、和と差の積は使えません。第九回の方法を使いましょう。
- 大きな数でも同じです。203×197=40000−9=39991、1003×997=1000000−9=999991。
どこで役に立つ?
- 中学受験:199×201=40000−1=39999 のような「計算の工夫」の問題でよく使います。まん中が200になることに気づけるかがポイントです。
- 西暦の問題:2025=45² なので、46×44=2025−1=2024。年号を使った計算問題でも役に立ちます。
- 高校受験:75²−25² を、因数分解を使って (75+25)(75−25)=100×50=5000 と計算する問題は定番です。和と差の積を逆向きに使っています。
うかるくん
「まん中で待ち合わせ」の形を見つけたら、2乗して引くだけ。みんなもやってみてね!
インド式かけ算シリーズ
- 第一回 十の位を足すと10、一の位が同じ(72×32など)
- 第二回 十の位が同じで、一の位を足すと10(47×43など)
- 第三回 2桁×11(42×11など)
- 第四回 くれない算(11〜19どうし)(12×16など)
- 第五回 和と差の積の公式が使える(53×47など)(この記事)
- 第六回 一の位が1の数をかける(60×31など)
- 第七回 一の位が9の数をかける(60×39など)
- 第八回 たすきがけ(どんな2桁×2桁でも)(23×41など)
- 第九回 100に近い数どうし(97×96など)
どの数のときにどの方法を使うかは「インド式かけ算・目次と早見表」へ。11〜19どうしのかけ算は、名前で覚えるくれない算がおすすめです。
くれない算の本家ページ(京大紅萌会)
小学生にもわかるように、ふりがな・イラストつきで説明しています。
くれない算(紅算)のやり方|11〜19のかけ算が頭の中でできる ›
🖨 くれない算の練習プリント(無料・PDF):小学生向けの解説・練習・答えのプリントを、京大紅萌会のくれない算ページで配布中です。学校の先生・塾の先生・保護者の方などは自由にお使いください → プリントを見る ›
2乗の計算に慣れたら、2乗・3乗で不思議に並ぶ数も見てみよう:累乗のおもしろい数字一覧(111111111²=12345678987654321、2025=45² など)。
よくある質問
53×47を暗算するには?
まん中の数50の2乗2500から、はなれている数3の2乗9を引いて2491です。
どんなときに使える方法ですか?
2つの数を足すと偶数になり、まん中の数が50・100などきりのよい数になるときに便利です。はなれている数が1桁だといちばん楽です。
なぜ引き算になるのですか?
(a+b)(a−b)を展開すると、a²−ab+ab−b²となり、まん中の2つが打ち消し合ってa²−b²が残るからです。
102×98はどう計算しますか?
まん中は100、はなれている数は2なので、10000−4=9996です。
54×47のように足して奇数のときは?
片方を1ずらします。54×46=2500−16=2484を出してから、ずらした分の54を足して2538です。
第九回の100に近い数のかけ算とはどう使い分けますか?
100から同じだけはなれた数どうし(102×98など)なら和と差の積、はなれ方がちがう数(97×96など)なら第九回の方法を使います。
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- インド式かけ算 第九回 100に近い数どうし(97×96など)
- くれない算(12×16など11〜19どうしのかけ算)
- インド式かけ算・目次と早見表
出典・参考
- 計算のしくみは、中学校数学の「式の展開(和と差の積)」による説明です
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦











