この記事の結論
- 100に近い数どうしのかけ算は、100からの差を使うと暗算できる
- 例:97×96 → 差は3と4 → 97−4=93、3×4=12 → ならべて 9312
- 100より大きい数(103×104=10712)、100をまたぐ数(102×97=9894)、1000に近い数(998×997)でも使える
うかるくん
97×96なんて、筆算しないと無理だよ……。
サクラちゃん
でも、どっちも100にすごく近いよね?
合格先生
そこがポイントだ。100まであといくつ足りないかを見てごらん。
100からの「差」を書き出そう
この方法では、まず2つの数が100からどれだけはなれているかを見ます。100より小さい数は「あといくつで100か(足りない数)」、100より大きい数は「100をいくつこえたか」です。
| 数 | 100との差 | 書き方 |
|---|---|---|
| 97 | あと3で100 | −3 |
| 96 | あと4で100 | −4 |
| 103 | 100を3こえる | +3 |
| 104 | 100を4こえる | +4 |
この「差」が1けたや小さい2けたなら、むずかしいかけ算が、かんたんな引き算・たし算と九九に変わります。
やり方(4ステップ):97×96
ノートには、下のように2つの数をたてにならべ、右に100との差を書きます。インド式かけ算の本でよく見る書き方です。
- 差を書く:97は100まで3、96は4足りません。−3、−4と書きます。
- ななめに計算:97から、となりの差4を引きます。97−4=93。(96−3でも同じ93になります)
- 差どうしをかける:3×4=12。
- ならべる:93と12をならべて 9312。これが答えです。
うかるくん
えっ、九九の3×4だけで9312が出た!
合格先生
そうだ。前の2けたは引き算、後ろの2けたは九九。慣れれば10秒もかからない。
「ならべる」とは、93を100倍して12をたすことです。93×100+12=9312。だから後ろはかならず2けたで書きます(くわしくはよくある間違い)。
100より大きい数どうし:103×104
100より大きい数どうしでも、やり方は同じです。ちがうのは、差が「+」なのでななめの計算がたし算になることだけです。
- 差は +3 と +4。
- ななめに:103+4=107。
- たてに:3×4=12。
- ならべて 10712。
100より大きい数どうしは、じつはくれない算の「100の台」と同じ計算です。104の4を103に「貸してくれない?」と借りて107、と考えてもかまいません。
100をまたぐとき:102×97
片方が100より大きく、もう片方が100より小さいときは、差が+2と−3になります。ななめの計算は 102−3=99(97+2でも99)。
たての計算は (+2)×(−3) で、答えはマイナスの6です。つまり、後ろの2けたは引き算になります。
- ななめに:102−3=99 → 9900。
- たてに:2×3=6 を引く。
- 9900−6=9894。
頭の中では「99から1を借りて98、100−6=94、ならべて9894」と考えると速いです。

合格先生
100をまたぐときだけ、後ろは引き算。符号(+と−)を見ればまちがえない!
後ろが2けたをこえるとき:88×87
差が大きくなると、たてのかけ算が3けたになることがあります。88×87なら、差は12と13です。
- ななめに:88−13=75。
- たてに:12×13=156。これは3けたです。
- 156の1を前にくり上げて、75+1=76。後ろは56。
- ならべて 7656。(式では 7500+156=7656)
12×13はくれない算で 15×10+2×3=156 と出せます。くれない算とあわせて使うと、80台の数どうしでも暗算できます。
なぜこの方法で計算できるの?
面積図で考える(100より小さいとき)
97×96は、たて97、よこ96の長方形の面積です。これを、1辺100の正方形(面積10000)から考えます。
正方形から上の帯(3×100=300)と右の帯(100×4=400)を引くと、右上の角(3×4)を2回引いたことになります。そこで1回分を戻します。
10000−300−400+12=9300+12=9312
この「9300」が、ななめの計算の93を100倍したものです。100−3−4=93 と、97−4=93 は同じ計算なのです。
面積図で考える(100より大きいとき)
103×104は、正方形に下の帯(300)、右の帯(400)、角(3×4=12)を足した形です。10000+300+400=10700 は 107×100、そこに12をたして10712になります。
文字式で考える(中学生・高校生向け)
2つの数を 100+a、100+b とします(97なら a=−3、103なら a=3)。
(100+a)(100+b)
=10000+100a+100b+ab
=(100+a+b)×100+a×b
100+a+b が「ななめの計算」、ab が「たてのかけ算」です。a と b の符号がちがうと ab がマイナスになるので、100をまたぐときは後ろが引き算になります。中学3年で習う乗法公式 (x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab で、x=100 としたものです。
練習問題①(100より小さい数どうし 10問)

合格先生
まずは90台どうしの10問。「ななめに引いて、たてにかける」だ!
- 98×97=
- 96×95=
- 99×94=
- 93×97=
- 95×95=
- 92×98=
- 91×99=
- 94×96=
- 97×97=
- 99×99=
答えを見る
- 98×97=9506 (98−3=95、2×3=6 → 95|06)
- 96×95=9120 (96−5=91、4×5=20 → 91|20)
- 99×94=9306 (99−6=93、1×6=6 → 93|06)
- 93×97=9021 (93−3=90、7×3=21 → 90|21)
- 95×95=9025 (95−5=90、5×5=25 → 90|25)
- 92×98=9016 (92−2=90、8×2=16 → 90|16)
- 91×99=9009 (91−1=90、9×1=9 → 90|09)
- 94×96=9024 (94−4=90、6×4=24 → 90|24)
- 97×97=9409 (97−3=94、3×3=9 → 94|09)
- 99×99=9801 (99−1=98、1×1=1 → 98|01)
応用①:1000に近い数(998×997)
基準を1000にしても同じです。ちがうのは、後ろを3けたで書くことだけです。
差は2と3。ななめに 998−3=995、たてに 2×3=6 を3けたで006。ならべて 995006。6けたのかけ算が一瞬で終わります。
応用②:50に近い数の2乗(48×48)
基準を50にすることもできます。このときは、ななめの答えを50倍します。50倍は「2で割って100倍」と同じなので、暗算しやすいです。
48は50より2小さいので、ななめに 48−2=46。46×50=46÷2×100=2300。差の2乗 2×2=4 をたして 2304。同じように、52×52=(52+2)×50+4=2704、47×47=44×50+9=2209 です。

うかるくん
基準は100だけじゃなくて、1000や50でもいいんだ!
練習問題②(100をこえる・またぐ・くり上がり・1000の近く 10問)
- 103×105=
- 107×102=
- 111×104=
- 112×108=
- 101×98=
- 104×97=
- 89×92=
- 86×88=
- 996×998=
- 1004×1003=
答えを見る
- 103×105=10815 (103+5=108、3×5=15 → 108|15)
- 107×102=10914 (107+2=109、7×2=14 → 109|14)
- 111×104=11544 (111+4=115、11×4=44 → 115|44)
- 112×108=12096 (112+8=120、12×8=96 → 120|96)
- 101×98=9898 (101−2=99、1×2=2を引く → 9900−2)
- 104×97=10088 (104−3=101、4×3=12を引く → 10100−12)
- 89×92=8188 (89−8=81、11×8=88 → 81|88)
- 86×88=7568 (86−12=74、14×12=168(くり上がり)→ 7400+168)
- 996×998=994008 (996−2=994、4×2=8 → 994|008)
- 1004×1003=1007012 (1004+3=1007、4×3=12 → 1007|012)
よくある間違い

合格先生
いちばん多いのは、後ろの0を書き忘れることだ!
| 間違い | 例 | 正しくは |
|---|---|---|
| 後ろの0を忘れる | 103×102 → 105と6で 1056 | 6を06と書いて 10506 |
| ななめに自分の差を引く | 97×96 → 97−3=94 | となりの差を引く:97−4=93 |
| 3けたをそのままならべる | 88×87 → 75と156で 75156 | 1をくり上げて 7656 |
| 100をまたぐのに後ろをたす | 102×97 → 9900+6=9906 | 後ろは引く:9900−6=9894 |
| 1000のときに2けたで書く | 998×997 → 995と06で 99506 | 後ろは3けた:995006 |
迷ったら「前の数×100+後ろの数」と式にもどして確かめましょう。
ほかの方法との使い分け
- 102×98のように100から同じだけはなれた2つの数なら、第五回の和と差の積で 10000−4=9996 と出すのもかんたんです。
- 100〜119どうし(112×115など)はくれない算の「100の台」と同じ計算です。
- 差が20をこえるような数(75×82など)では、後ろのかけ算が大きくなり、この方法の良さが小さくなります。ふつうに分けて計算しましょう。
うかるくん
100の近くなら、もう筆算いらないね! みんなもやってみてね。
インド式かけ算シリーズ
- 第一回 十の位を足すと10、一の位が同じ(72×32など)
- 第二回 十の位が同じで、一の位を足すと10(47×43など)
- 第三回 2桁×11(42×11など)
- 第四回 くれない算(11〜19どうし)(12×16など)
- 第五回 和と差の積の公式が使える(53×47など)
- 第六回 一の位が1の数をかける(60×31など)
- 第七回 一の位が9の数をかける(60×39など)
- 第八回 たすきがけ(どんな2桁×2桁でも)(23×41など)
- 第九回 100に近い数どうし(97×96など)(この記事)
どの数のときにどの方法を使うかは「インド式かけ算・目次と早見表」へ。11〜19どうしのかけ算は、名前で覚えるくれない算がおすすめです。
くれない算の本家ページ(京大紅萌会)
小学生にもわかるように、ふりがな・イラストつきで説明しています。
くれない算(紅算)のやり方|11〜19のかけ算が頭の中でできる ›
🖨 くれない算の練習プリント(無料・PDF):小学生向けの解説・練習・答えのプリントを、京大紅萌会のくれない算ページで配布中です。学校の先生・塾の先生・保護者の方などは自由にお使いください → プリントを見る ›
よくある質問
97×96を暗算するには?
100との差は3と4です。97−4=93、3×4=12をならべて9312です。
100より大きい数どうしでも使えますか?
使えます。103×104なら、ななめにたして103+4=107、3×4=12をならべて10712です。
102×97のように100をまたぐときは?
ななめに102−3=99、後ろは2×3=6を引きます。9900−6=9894です。
後ろが3けたになったらどうしますか?
百の位の数を前にくり上げます。88×87なら、75と156で、75+1=76、後ろは56なので7656です。
なぜこの方法で計算できるのですか?
(100+a)(100+b)を展開すると、(100+a+b)×100+abになるからです。前の数がななめの計算、後ろがたてのかけ算です。
1000に近い数にも使えますか?
使えます。後ろを3けたで書きます。998×997なら、998−3=995、2×3=006で995006です。
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出典・参考
- 計算のしくみは、中学校数学の「式の展開(乗法公式)」による説明です
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦


