
この記事の結論
- 一の位が9の数(19・29・39…99)をかけるときは、「きりのよい数−1」と見る
- 例:60×39 → 60×40=2400、そこから60を引いて 2340
- 覚え方は「かけられる数を1回分ひく」。48×99=4800−48=4752 のように×99・×999にも使える
うかるくん
60×39かあ。39って、かけ算しにくい数だよね……。
サクラちゃん
39は40より1小さいだけだよ。40なら簡単なのに。
合格先生
そのとおり。40をかけてから、多くかけた1の分を引けばいいんだ。
第六回では、31を「30+1」と分けて、かけられる数をたしました。今回はその反対です。39のように一の位が9の数は、すぐ上のきりのよい数(40)より1少ないので、40をかけてから、かけられる数を1回ひきます。
やり方(4ステップ):60×39
- 見かたを変える:かける数の39を40−1と見ます。
- きりのよい数をかける:60×40=2400(6×4=24に0を2こつける)。
- 多い分を出す:40をかけると、本当より60×1=60だけ多くなります。
- ひく:2400−60=2340。これが答えです。
慣れたら「60×40で2400、60ひいて2340」と一息で言えるようになります。
引き算のくり下がりは「多めに引いて戻す」
この方法でつまずきやすいのは、最後の引き算です。2400−60は、十の位から引けないので、くり下がりが起きます。そんなときは、100を引いてから、引きすぎた分を戻すと楽です。
2400−100=2300、引きすぎた40を戻して2340。くり下がりを頭の中で追わなくてすみます。
もう1問:きりのよい数が70のとき(23×69)
69は70−1。23×70は「23×7=161、0をつけて1610」です。そこから23を引きます。
1610−23も「30を引いて7を戻す」と考えると、1580+7=1587。もう1つ、36×19なら 36×20=720、720−36=684 です。

合格先生
ひくのは「1」ではなく、かけられる数そのもの。60×39なら60、23×69なら23を引くんだ。
なぜこの方法で計算できるの?
タイルで考える(「60が39こ」)
60×39は「60が39こ」という意味です。いったん「60が40こ」とかぞえて、多い1こを取りのぞけば、39こになります。
60が40こで2400。そこから1こ(60)を取ると2340です。取りのぞくのは「1こ分=60」なので、ひくのはかけられる数になります。
面積図で考える
60×39は、たて60、よこ39の長方形の面積です。よこを1だけ広げた60×40の長方形を考え、そこからはば1の帯(60×1)を取りのぞくと、ちょうど60×39になります。
式で書くと、60×39=60×(40−1)=60×40−60×1=2400−60=2340。小学校で習う分配法則です。中学生なら a(b−1)=ab−a と書けます。
第六回と並べると、ちがいは「たす」か「ひく」かだけだとわかります。
使える数の見分け方
この方法が使えるのは、かける数の一の位が9のときです。19〜89のほか、99・999も「きりのよい数−1」です。
9で終わる数が前にあるときは入れかえる
29×24のように、一の位が9の数が前にあっても、順番を入れかえて24×29とすれば同じように計算できます。
一の位が8なら「2回分ひく」
一の位が8の数にも広げられます。35×18なら、18=20−2 なので、35×20=700 から 35×2=70 を引いて 630。45×98なら 4500−90=4410、12×998なら 12000−24=11976 です。
よくある間違い
| 間違い | 例(60×39) | 正しくは |
|---|---|---|
| 1を引いてしまう | 2400−1=2399 | 引くのは60×1=60 |
| 引き算のくり下がりをまちがえる | 2400−60=2440 | 100を引いて40を戻す:2340 |
| きりのよい数を下に取る | 39を30+9と見て、かえって大変 | 39は40−1と上のきりのよい数を使う |
| ×99で前の数を減らし忘れる | 48×99 → 48と52で4852 | 前は48−1=47、答えは4752 |
答えの見当をつける習慣も役に立ちます。60×39は60×40=2400より少し小さいはずなので、2399や2440ではなく2340が正しいとわかります。

合格先生
「1を引く」はいちばん多い間違いだ。引くのはかけられる数、と声に出して確かめよう!
練習問題①(基本 10問)
かける数(うしろの数)を「きりのよい数−1」と見て計算しましょう。
- 20×59=
- 11×39=
- 84×19=
- 32×39=
- 71×29=
- 48×69=
- 50×79=
- 12×89=
- 13×19=
- 25×49=
答えを見る
- 20×59=1180 (59=60−1、20×60=1200、1200−20)
- 11×39=429 (39=40−1、11×40=440、440−11)
- 84×19=1596 (19=20−1、84×20=1680、1680−84)
- 32×39=1248 (39=40−1、32×40=1280、1280−32)
- 71×29=2059 (29=30−1、71×30=2130、2130−71)
- 48×69=3312 (69=70−1、48×70=3360、3360−48)
- 50×79=3950 (79=80−1、50×80=4000、4000−50)
- 12×89=1068 (89=90−1、12×90=1080、1080−12)
- 13×19=247 (19=20−1、13×20=260、260−13)
- 25×49=1225 (49=50−1、25×50=1250、1250−25)
応用:×99・×999の近道
99は100−1なので、48×99=4800−48=4752 です。さらに近道があります。2桁の数に99をかけると、答えは「その数−1」と「100−その数」をならべた形になります。
- 48×99 → 48−1=47、100−48=52 → 4752
- 23×99 → 22と77 → 2277
- 125×999 → 125−1=124、1000−125=875 → 124875(3桁×999は後ろが3けた)
なぜなら、48×99=4800−48=4700+(100−48) だからです。100−48は「たして100になる数」なので、すぐに出せます。199・299をかけるときは「きりのよい数−1」にもどって、36×199=36×200−36=7200−36=7164 と計算します。

サクラちゃん
48×99は「47と52」! たすと99になる2つの数がならぶんだ!
練習問題②(×99・×999・入れかえ・一の位が8 10問)
6問目と7問目は、順番を入れかえると楽になります。
- 63×99=
- 27×99=
- 86×99=
- 36×199=
- 250×999=
- 39×24=
- 59×16=
- 45×18=
- 25×98=
- 14×998=
答えを見る
- 63×99=6237 (99=100−1、63×100=6300、6300−63)
- 27×99=2673 (99=100−1、27×100=2700、2700−27)
- 86×99=8514 (99=100−1、86×100=8600、8600−86)
- 36×199=7164 (199=200−1、36×200=7200、7200−36)
- 250×999=249750 (999=1000−1、250×1000=250000、250000−250)
- 39×24=936 (24×39と入れかえ、39=40−1、24×40=960、960−24)
- 59×16=944 (16×59と入れかえ、59=60−1、16×60=960、960−16)
- 45×18=810 (18=20−2、45×20=900、900−90)
- 25×98=2450 (98=100−2、25×100=2500、2500−50)
- 14×998=13972 (998=1000−2、14×1000=14000、14000−28)
ほかの方法との使い分け
- 一の位が1の数なら「きりのよい数+1」 → 第六回
- 13×19のように11〜19どうしなら、くれない算でも計算できます(13+9=22 → 220、3×9=27 → 247)
- 98×97のように100に近い数どうしなら、第九回の100に近い数どうしが速いです
- どんな2桁×2桁でも使える方法は第八回のたすきがけです
うかるくん
39も99も「上のきりのよい数から1回ひく」だね。もう筆算いらないや!
合格先生
よし。第六回の「たす」と合わせて、一の位が1と9の数はどちらも暗算できるようになったな。
インド式かけ算シリーズ
- 第一回 十の位を足すと10、一の位が同じ(72×32など)
- 第二回 十の位が同じで、一の位を足すと10(47×43など)
- 第三回 2桁×11(42×11など)
- 第四回 くれない算(11〜19どうし)(12×16など)
- 第五回 和と差の積の公式が使える(53×47など)
- 第六回 一の位が1の数をかける(60×31など)
- 第七回 一の位が9の数をかける(60×39など)(この記事)
- 第八回 たすきがけ(どんな2桁×2桁でも)(23×41など)
- 第九回 100に近い数どうし(97×96など)
どの数のときにどの方法を使うかは「インド式かけ算・目次と早見表」へ。11〜19どうしのかけ算は、名前で覚えるくれない算がおすすめです。
くれない算の本家ページ(京大紅萌会)
小学生にもわかるように、ふりがな・イラストつきで説明しています。
くれない算(紅算)のやり方|11〜19のかけ算が頭の中でできる ›
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よくある質問
60×39を暗算するには?
39を40−1と見ます。60×40=2400から、60×1=60を引いて2340です。
なぜ1ではなく60を引くのですか?
60×39=60×(40−1)=60×40−60×1だからです。40をかけると60が1こ分多くなるので、60を引きます。
48×99の速い計算方法は?
99を100−1と見て、4800−48=4752です。「48−1=47」と「100−48=52」をならべても4752になります。
2400−60のような引き算が苦手です
100を引いてから引きすぎた40を戻すと楽です。2400−100=2300、2300+40=2340です。
29×24のように、9で終わる数が前にあるときは?
順番を入れかえて24×29とします。24×30=720から24を引いて696です。
一の位が8の数にも使えますか?
使えます。35×18なら35×20=700から35×2=70を引いて630です。45×98なら4500−90=4410です。
あわせて読みたい
- インド式かけ算 第六回 一の位が1の数をかける(60×31・34×21)
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- インド式かけ算 第八回 たすきがけ(23×41など)
- くれない算(12×16など11〜19どうしのかけ算)
- インド式かけ算・目次と早見表
出典・参考
- 計算のしくみは、小学校算数の「分配法則」による説明です
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦











