この記事の結論
- たすきがけは、どんな2桁×2桁にも使えるインド式かけ算
- ① 一の位どうし → ② たすき(ななめにかけて足す) → ③ 十の位どうしの3ステップ
- 例:23×41 → ① 3×1=3 ② 2×1+3×4=14 ③ 2×4=8 → 右から並べてくり上がりを送ると 943
うかるくん
第一回から第七回まで覚えたけど、23×41みたいにどの形にも当てはまらないときはどうするの?
サクラちゃん
一の位も同じじゃないし、11〜19でもないし……。
合格先生
そんなときこそたすきがけだ。形を選ばず、どんな2桁×2桁でも使えるぞ。
たすきがけとは?
たすきがけは、2つの数をたてに並べて、数字どうしをたて・ななめ・たての順にかけていく計算方法です。ななめにかける線が×の形になり、着物のそでをしばる「たすき」に似ているので、この名前で呼ばれます。インド式計算の本では「たてと、ななめ」の計算として紹介されています。
第一回〜第七回の方法は、「一の位が同じ」「11〜19どうし」のように形がそろったときだけ使える近道でした。たすきがけは近道ではありませんが、いつでも使えるのが強みです。
やり方(3ステップ)
23×41で、1段ずつ見ていきましょう。線で結ばれた数字どうしをかけます。
- 一の位どうしをかけます。3×1=3。答えの一の位は3です。
- たすき:ななめにかけて足します。2×1+3×4=2+12=14。十の位に4を書き、1をくり上げます。
- 十の位どうしをかけます。2×4=8。くり上がりの1を足して9。
- 左から並べて 943。これが答えです。

合格先生
計算は右(一の位)から。くり上がりを左へ送っていくから、右から始めるのがコツだ!
くり上がりが多い例:67×58
一の位どうしの答えが2桁になると、くり上がりが続けて出てきます。やり方は同じです。
- 一の位どうし:7×8=56 → 6を書いて、5くり上がり。
- たすき:6×8+7×5=48+35=83。くり上がりの5を足して88 → 8を書いて、8くり上がり。
- 十の位どうし:6×5=30。くり上がりの8を足して38 → そのまま書く。
- 並べて 3886。
くり上がりは「右から左へ送る」
それぞれの段では一の位の数字だけを書いて、残りを左どなりに送ると覚えましょう。最後の③だけは、出た数をそのまま書きます。
頭の中で送るのがむずかしいとき
くり上がりを送るのがむずかしいときは、3つの答えを位をずらして書いて、あとで足すやり方でもかまいません。②は十の位から、③は百の位から書きます。
うかるくん
くり上がりが2回も出たのに、ちゃんと3886になった!
合格先生
慣れてきたら、くり上がりは頭の中で送ろう。紙に書くのは答えの数字だけでいい。
なぜたすきがけで計算できるの?
面積図で考える
67×58は、よこ67、たて58の長方形の面積です。67を60と7、58を50と8に分けると、長方形は4つに分かれます。
- みどり(60×50=3000)が③ 十の位どうし(6×5=30 を百の位に書く)
- オレンジ2つ(60×8=480 と 7×50=350)が② たすき(6×8+7×5=83 を十の位に書く)
- 赤(7×8=56)が① 一の位どうし
4つを足すと 3000+830+56=3886。たすきがけは、この4つの長方形を位ごとにまとめて足しているだけなのです。
筆算と同じことをしている
ふつうの筆算では、67×8=536 と 67×50=3350 を出して足します。実はこの2つの中にも、同じ4つのかけ算が入っています。
筆算はたての行ごとにまとめ、たすきがけは位ごとにまとめます。使うかけ算は同じなので、答えも必ず同じになります。たすきがけは途中の数を書かなくてすむので、暗算に向いています。
文字式で考える(中学生・高校生向け)
2桁の数を 10a+b、10c+d とすると(67×58なら a=6、b=7、c=5、d=8)、
(10a+b)(10c+d)
=100×ac+10×(ad+bc)+bd
ac が十の位どうし、ad+bc がたすき、bd が一の位どうしです。中学3年で習う式の展開と同じ形で、高校で習う因数分解の「たすきがけ」も、同じしくみを逆向きに使っています。
第一〜七回との使い分け
| 回 | 使える形 | 例 |
|---|---|---|
| 第一回 | 十の位を足すと10、一の位が同じ | 72×32=2304 |
| 第二回 | 十の位が同じ、一の位を足すと10 | 47×43=2021 |
| 第三回 | 2桁×11 | 42×11=462 |
| 第四回 くれない算 | 11〜19どうし | 12×16=192 |
| 第五回 | 和と差の積の公式が使える | 53×47=2491 |
| 第六回 | 一の位が1の数をかける | 60×31=1860 |
| 第七回 | 一の位が9の数をかける | 60×39=2340 |
| 第八回 たすきがけ | どんな2桁×2桁でも | 23×41=943 38×74=2812 |
形がそろっていれば、その回の方法のほうが速く計算できます。たとえば12×16は、たすきがけでも計算できますが、くれない算の「12+6=18、18×10=180、2×6=12、180+12=192」のほうが楽です(くれない算は11〜19どうしのとき)。形がそろわない23×41や38×74のようなときに、たすきがけの出番です。

よくある間違い

サクラちゃん
たすきの足し算を忘れて、片方だけかけちゃった……!
| 間違い | 例(67×58) | 正しくは |
|---|---|---|
| くり上がりを足し忘れる | 56→6、83→3、30+8=38 で 3836 | 83にくり上がりの5を足して88 → 3886 |
| たすきを片方しかかけない | 6×8=48 だけで 3536 | たすきは2つ:6×8+7×5=83 |
| ななめでなく同じ数の中でかける | 6×7+5×8=82 で 3876 | 上の十の位×下の一の位と上の一の位×下の十の位 |
| 3つの答えをそのまま並べる | 30・83・56 で 308356 | 1桁ずつ書いて、残りは左へ送る |
迷ったら、答えのだいたいの大きさを見ると間違いに気づけます。67×58は「70×60=4200より少し小さい」くらいなので、3886はちょうどよい大きさです。
練習問題①(10問)
まずは、くり上がりが少ない問題から。答えは「答えを見る」を押すと開きます。( )の中は ①一の位どうし、②たすき、③十の位どうし の数です。
- 21×34=
- 12×43=
- 32×13=
- 24×31=
- 42×23=
- 53×12=
- 34×27=
- 46×52=
- 38×24=
- 75×36=
答えを見る
- 21×34=714 (1×4=4、2×4+1×3=11、2×3=6)
- 12×43=516 (2×3=6、1×3+2×4=11、1×4=4)
- 32×13=416 (2×3=6、3×3+2×1=11、3×1=3)
- 24×31=744 (4×1=4、2×1+4×3=14、2×3=6)
- 42×23=966 (2×3=6、4×3+2×2=16、4×2=8)
- 53×12=636 (3×2=6、5×2+3×1=13、5×1=5)
- 34×27=918 (4×7=28、3×7+4×2=29、3×2=6)
- 46×52=2392 (6×2=12、4×2+6×5=38、4×5=20)
- 38×24=912 (8×4=32、3×4+8×2=28、3×2=6)
- 75×36=2700 (5×6=30、7×6+5×3=57、7×3=21)
練習問題②(くり上がりあり10問)
くり上がりが2回出る問題です。右から順に、くり上がりを左へ送りましょう。
- 89×76=
- 47×83=
- 58×69=
- 96×37=
- 78×49=
- 84×67=
- 59×88=
- 73×96=
- 68×79=
- 97×86=
答えを見る
- 89×76=6764 (9×6=54、8×6+9×7=111、8×7=56)
- 47×83=3901 (7×3=21、4×3+7×8=68、4×8=32)
- 58×69=4002 (8×9=72、5×9+8×6=93、5×6=30)
- 96×37=3552 (6×7=42、9×7+6×3=81、9×3=27)
- 78×49=3822 (8×9=72、7×9+8×4=95、7×4=28)
- 84×67=5628 (4×7=28、8×7+4×6=80、8×6=48)
- 59×88=5192 (9×8=72、5×8+9×8=112、5×8=40)
- 73×96=7008 (3×6=18、7×6+3×9=69、7×9=63)
- 68×79=5372 (8×9=72、6×9+8×7=110、6×7=42)
- 97×86=8342 (7×6=42、9×6+7×8=110、9×8=72)

うかるくん
20問ぜんぶできた! これでどんな2桁×2桁でもこわくない!
発展:3桁×2桁にも広げられる
3桁×2桁でも、右から順に「その位に入るかけ算」を全部足すだけです。たすきが2回になり、4ステップになります。
123×45なら、3×5=15 → 2×5+3×4=22 → 1×5+2×4=13 → 1×4=4。くり上がりを右から送ると、5→3→5→5 で 5535 です。123を「12」と「3」に分けて、12を十の位のように扱う考え方もあります(3×5=15、12×5+3×4=72、12×4=48 → 5535)。
インド式かけ算シリーズ
- 第一回 十の位を足すと10、一の位が同じ(72×32など)
- 第二回 十の位が同じで、一の位を足すと10(47×43など)
- 第三回 2桁×11(42×11など)
- 第四回 くれない算(11〜19どうし)(12×16など)
- 第五回 和と差の積の公式が使える(53×47など)
- 第六回 一の位が1の数をかける(60×31など)
- 第七回 一の位が9の数をかける(60×39など)
- 第八回 たすきがけ(どんな2桁×2桁でも)(23×41など)(この記事)
- 第九回 100に近い数どうし(97×96など)
どの数のときにどの方法を使うかは「インド式かけ算・目次と早見表」へ。11〜19どうしのかけ算は、名前で覚えるくれない算がおすすめです。
くれない算の本家ページ(京大紅萌会)
小学生にもわかるように、ふりがな・イラストつきで説明しています。
くれない算(紅算)のやり方|11〜19のかけ算が頭の中でできる ›
🖨 くれない算の練習プリント(無料・PDF):小学生向けの解説・練習・答えのプリントを、京大紅萌会のくれない算ページで配布中です。学校の先生・塾の先生・保護者の方などは自由にお使いください → プリントを見る ›
よくある質問
たすきがけのかけ算とは何ですか?
2つの数をたてに並べ、一の位どうし、ななめにかけて足す「たすき」、十の位どうしの順に計算する方法です。どんな2桁×2桁にも使えます。
23×41をたすきがけで計算すると?
一の位どうし3×1=3、たすき2×1+3×4=14、十の位どうし2×4=8。右から4を書いて1をくり上げ、8+1=9として943です。
くり上がりはどうすればよいですか?
各段で一の位の数字だけを書き、残りを左どなりの段に足します。67×58なら56の5を83に足して88、88の8を30に足して38、答えは3886です。
くり上がりが2桁になることはありますか?
あります。99×99では、81の8をたすき81+81=162に足して170、170の17を81に足して98、答えは9801です。
筆算とどちらが速いですか?
使うかけ算は同じですが、たすきがけは途中の数を書かずに答えだけ書けるので、慣れると速くなります。形がそろっていれば第一〜七回の方法のほうがさらに速いです。
因数分解のたすきがけと関係がありますか?
あります。(10a+b)(10c+d)=100ac+10(ad+bc)+bdのad+bcが、因数分解のたすきがけと同じ組み合わせです。
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出典・参考
- 計算のしくみは、中学校数学の「式の展開」による説明です
- 練習問題・本文の計算はすべて検算済みです
最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦



