たすきがけで2桁×2桁を暗算するやり方|67×58などどんな数でも使えるインド式かけ算【第八回】

たすきがけで2桁×2桁を暗算するやり方|67×58などどんな数でも使えるインド式かけ算【第八回】

この記事の結論

  • たすきがけは、どんな2桁×2桁にも使えるインド式かけ算
  • ① 一の位どうし → ② たすき(ななめにかけて足す) → ③ 十の位どうしの3ステップ
  • 例:23×41 → ① 3×1=3 ② 2×1+3×4=14 ③ 2×4=8 → 右から並べてくり上がりを送ると 943
うかるくん

うかるくん

第一回から第七回まで覚えたけど、23×41みたいにどの形にも当てはまらないときはどうするの?

サクラちゃん

サクラちゃん

一の位も同じじゃないし、11〜19でもないし……。

合格先生

合格先生

そんなときこそたすきがけだ。形を選ばず、どんな2桁×2桁でも使えるぞ。

ぼくたち、形がそろってないよ… たすきがけならだいじょうぶ! 23 41 × どんな2桁×2桁にも使えるのが「たすきがけ」
形がそろっていなくても、たすきがけなら計算できる

たすきがけとは?

たすきがけは、2つの数をたてに並べて、数字どうしをたて・ななめ・たての順にかけていく計算方法です。ななめにかける線が×の形になり、着物のそでをしばる「たすき」に似ているので、この名前で呼ばれます。インド式計算の本では「たてと、ななめ」の計算として紹介されています。

数字を線で結ぶと「たすき」の形 23 41 23 41 1 2 3 ① 一の位どうし(たて) 3×1=3 ② たすき(ななめ) 2×1+3×4=14 ③ 十の位どうし(たて) 2×4=8 23 × 41 = 943
23と41を線で結ぶと、まん中に×(たすき)ができる

第一回〜第七回の方法は、「一の位が同じ」「11〜19どうし」のように形がそろったときだけ使える近道でした。たすきがけは近道ではありませんが、いつでも使えるのが強みです。

やり方(3ステップ)

23×41で、1段ずつ見ていきましょう。線で結ばれた数字どうしをかけます。

23 × 41 3214 ① 一の位どうしをかける 3×1=3 3 を書く 3214 ② たすき(ななめにかけて足す) 2×1+3×4=14 4 を書く、1 くり上がり 3214 ③ 十の位どうしをかける 2×4=8 8+くり上がり1=9(そのまま書く) 答え 943
23×41をたすきがけで計算する
  1. 一の位どうしをかけます。3×1=3。答えの一の位は3です。
  2. たすき:ななめにかけて足します。2×1+3×4=2+12=14。十の位に4を書き、1をくり上げます。
  3. 十の位どうしをかけます。2×4=8。くり上がりの1を足して9。
  4. 左から並べて 943。これが答えです。
「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

計算は右(一の位)から。くり上がりを左へ送っていくから、右から始めるのがコツだ!

くり上がりが多い例:67×58

一の位どうしの答えが2桁になると、くり上がりが続けて出てきます。やり方は同じです。

67 × 58 7685 ① 一の位どうしをかける 7×8=56 6 を書く、5 くり上がり 7685 ② たすき(ななめにかけて足す) 6×8+7×5=83 83+くり上がり5=88 → 8 を書く、8 くり上がり 7685 ③ 十の位どうしをかける 6×5=30 30+くり上がり8=38(そのまま書く) 答え 3886
67×58もたて・たすき・たての3ステップ
  1. 一の位どうし:7×8=56 → 6を書いて、5くり上がり。
  2. たすき:6×8+7×5=48+35=83。くり上がりの5を足して88 → 8を書いて、8くり上がり。
  3. 十の位どうし:6×5=30。くり上がりの8を足して38 → そのまま書く。
  4. 並べて 3886。

くり上がりは「右から左へ送る」

くり上がりは、右から左へ送る 5 8 ① 一の位どうし 56 6 ② たすき 83+5 =88 8 ③ 十の位どうし 30+8 =38 38 並べて 3886 右から順に計算する
①の5を②へ、②の8を③へ送る

それぞれの段では一の位の数字だけを書いて、残りを左どなりに送ると覚えましょう。最後の③だけは、出た数をそのまま書きます。

頭の中で送るのがむずかしいとき

くり上がりを送るのがむずかしいときは、3つの答えを位をずらして書いて、あとで足すやり方でもかまいません。②は十の位から、③は百の位から書きます。

一十百千 ① 一の位どうし 65 ② たすき (十の位から書く) 380 ③ 十の位どうし (百の位から書く) 0300 + 6883 答え うすい 0 は書かなくてよい(位をずらして書くだけ)
56・830・3000を足しても3886
うかるくん

うかるくん

くり上がりが2回も出たのに、ちゃんと3886になった!

合格先生

合格先生

慣れてきたら、くり上がりは頭の中で送ろう。紙に書くのは答えの数字だけでいい。

なぜたすきがけで計算できるの?

面積図で考える

67×58は、よこ67、たて58の長方形の面積です。67を60と7、58を50と8に分けると、長方形は4つに分かれます。

60 7 50 8 よこ 67、たて 58 の長方形 60×503000 7×50350 60×8=480 7×856 ③ 十の位どうし 3000 ② たすき 480+350 =830 ① 一の位どうし 56 3000+830+56=3886 オレンジの2つ(ななめの組み合わせ)が「たすき」
4つの長方形のうち、ななめの2つがたすき
  • みどり(60×50=3000)が③ 十の位どうし(6×5=30 を百の位に書く)
  • オレンジ2つ(60×8=480 と 7×50=350)が② たすき(6×8+7×5=83 を十の位に書く)
  • 赤(7×8=56)が① 一の位どうし

4つを足すと 3000+830+56=3886。たすきがけは、この4つの長方形を位ごとにまとめて足しているだけなのです。

筆算と同じことをしている

ふつうの筆算では、67×8=536 と 67×50=3350 を出して足します。実はこの2つの中にも、同じ4つのかけ算が入っています。

筆算のまとめ方(たての1行ずつ) 67×8=536 = 480+56 67×50=3350 = 3000+350 同じ4つを、組み直す たすきがけのまとめ方(位ごと) ①56 ②480+350 ③3000 どちらも答えは 3886
筆算は「たての行ごと」、たすきがけは「位ごと」にまとめる

筆算はたての行ごとにまとめ、たすきがけは位ごとにまとめます。使うかけ算は同じなので、答えも必ず同じになります。たすきがけは途中の数を書かなくてすむので、暗算に向いています。

文字式で考える(中学生・高校生向け)

2桁の数を 10a+b、10c+d とすると(67×58なら a=6、b=7、c=5、d=8)、

(10a+b)(10c+d)
=100×ac+10×(ad+bc)+bd

ac が十の位どうし、ad+bc がたすき、bd が一の位どうしです。中学3年で習う式の展開と同じ形で、高校で習う因数分解の「たすきがけ」も、同じしくみを逆向きに使っています。

第一〜七回との使い分け

2桁×2桁が出てきた! 第一〜七回の「そろった形」?(一の位が同じ・×11・11〜19 など) はい いいえ その回の方法がいちばん速い たすきがけ(どんな数でもOK) 迷ったら、たすきがけでも必ず答えは出る
まず形を見て、そろっていなければたすきがけ
回使える形例
第一回十の位を足すと10、一の位が同じ72×32=2304
第二回十の位が同じ、一の位を足すと1047×43=2021
第三回2桁×1142×11=462
第四回 くれない算11〜19どうし12×16=192
第五回和と差の積の公式が使える53×47=2491
第六回一の位が1の数をかける60×31=1860
第七回一の位が9の数をかける60×39=2340
第八回 たすきがけどんな2桁×2桁でも23×41=943
38×74=2812

形がそろっていれば、その回の方法のほうが速く計算できます。たとえば12×16は、たすきがけでも計算できますが、くれない算の「12+6=18、18×10=180、2×6=12、180+12=192」のほうが楽です(くれない算は11〜19どうしのとき)。形がそろわない23×41や38×74のようなときに、たすきがけの出番です。

頭を使って考える女性

よくある間違い

あせるサクラちゃん

サクラちゃん

たすきの足し算を忘れて、片方だけかけちゃった……!

間違い例(67×58)正しくは
くり上がりを足し忘れる56→6、83→3、30+8=38 で 383683にくり上がりの5を足して88 → 3886
たすきを片方しかかけない6×8=48 だけで 3536たすきは2つ:6×8+7×5=83
ななめでなく同じ数の中でかける6×7+5×8=82 で 3876上の十の位×下の一の位と上の一の位×下の十の位
3つの答えをそのまま並べる30・83・56 で 3083561桁ずつ書いて、残りは左へ送る

迷ったら、答えのだいたいの大きさを見ると間違いに気づけます。67×58は「70×60=4200より少し小さい」くらいなので、3886はちょうどよい大きさです。

練習問題①(10問)

まずは、くり上がりが少ない問題から。答えは「答えを見る」を押すと開きます。( )の中は ①一の位どうし、②たすき、③十の位どうし の数です。

  1. 21×34=
  2. 12×43=
  3. 32×13=
  4. 24×31=
  5. 42×23=
  6. 53×12=
  7. 34×27=
  8. 46×52=
  9. 38×24=
  10. 75×36=
答えを見る
  1. 21×34=714 (1×4=4、2×4+1×3=11、2×3=6)
  2. 12×43=516 (2×3=6、1×3+2×4=11、1×4=4)
  3. 32×13=416 (2×3=6、3×3+2×1=11、3×1=3)
  4. 24×31=744 (4×1=4、2×1+4×3=14、2×3=6)
  5. 42×23=966 (2×3=6、4×3+2×2=16、4×2=8)
  6. 53×12=636 (3×2=6、5×2+3×1=13、5×1=5)
  7. 34×27=918 (4×7=28、3×7+4×2=29、3×2=6)
  8. 46×52=2392 (6×2=12、4×2+6×5=38、4×5=20)
  9. 38×24=912 (8×4=32、3×4+8×2=28、3×2=6)
  10. 75×36=2700 (5×6=30、7×6+5×3=57、7×3=21)

練習問題②(くり上がりあり10問)

くり上がりが2回出る問題です。右から順に、くり上がりを左へ送りましょう。

  1. 89×76=
  2. 47×83=
  3. 58×69=
  4. 96×37=
  5. 78×49=
  6. 84×67=
  7. 59×88=
  8. 73×96=
  9. 68×79=
  10. 97×86=
答えを見る
  1. 89×76=6764 (9×6=54、8×6+9×7=111、8×7=56)
  2. 47×83=3901 (7×3=21、4×3+7×8=68、4×8=32)
  3. 58×69=4002 (8×9=72、5×9+8×6=93、5×6=30)
  4. 96×37=3552 (6×7=42、9×7+6×3=81、9×3=27)
  5. 78×49=3822 (8×9=72、7×9+8×4=95、7×4=28)
  6. 84×67=5628 (4×7=28、8×7+4×6=80、8×6=48)
  7. 59×88=5192 (9×8=72、5×8+9×8=112、5×8=40)
  8. 73×96=7008 (3×6=18、7×6+3×9=69、7×9=63)
  9. 68×79=5372 (8×9=72、6×9+8×7=110、6×7=42)
  10. 97×86=8342 (7×6=42、9×6+7×8=110、9×8=72)
大喜びするうかるくん

うかるくん

20問ぜんぶできた! これでどんな2桁×2桁でもこわくない!

発展:3桁×2桁にも広げられる

3桁×2桁でも、右から順に「その位に入るかけ算」を全部足すだけです。たすきが2回になり、4ステップになります。

123 × 45 32154 ① 一の位どうしをかける 3×5=15 5 を書く、1 くり上がり 32154 ② 右のたすき 2×5+3×4=22 22+くり上がり1=23 → 3 を書く、2 くり上がり 32154 ③ 左のたすき 1×5+2×4=13 13+くり上がり2=15 → 5 を書く、1 くり上がり 32154 ④ 左はしどうしをかける 1×4=4 4+くり上がり1=5(そのまま書く) 答え 5535
123×45は、たすきが2回の4ステップ

123×45なら、3×5=15 → 2×5+3×4=22 → 1×5+2×4=13 → 1×4=4。くり上がりを右から送ると、5→3→5→5 で 5535 です。123を「12」と「3」に分けて、12を十の位のように扱う考え方もあります(3×5=15、12×5+3×4=72、12×4=48 → 5535)。

インド式かけ算シリーズ

どの数のときにどの方法を使うかは「インド式かけ算・目次と早見表」へ。11〜19どうしのかけ算は、名前で覚えるくれない算がおすすめです。

くれない算の本家ページ(京大紅萌会)

小学生にもわかるように、ふりがな・イラストつきで説明しています。
くれない算(紅算)のやり方|11〜19のかけ算が頭の中でできる ›

🖨 くれない算の練習プリント(無料・PDF):小学生向けの解説・練習・答えのプリントを、京大紅萌会のくれない算ページで配布中です。学校の先生・塾の先生・保護者の方などは自由にお使いください → プリントを見る ›

よくある質問

たすきがけのかけ算とは何ですか?

2つの数をたてに並べ、一の位どうし、ななめにかけて足す「たすき」、十の位どうしの順に計算する方法です。どんな2桁×2桁にも使えます。

23×41をたすきがけで計算すると?

一の位どうし3×1=3、たすき2×1+3×4=14、十の位どうし2×4=8。右から4を書いて1をくり上げ、8+1=9として943です。

くり上がりはどうすればよいですか?

各段で一の位の数字だけを書き、残りを左どなりの段に足します。67×58なら56の5を83に足して88、88の8を30に足して38、答えは3886です。

くり上がりが2桁になることはありますか?

あります。99×99では、81の8をたすき81+81=162に足して170、170の17を81に足して98、答えは9801です。

筆算とどちらが速いですか?

使うかけ算は同じですが、たすきがけは途中の数を書かずに答えだけ書けるので、慣れると速くなります。形がそろっていれば第一〜七回の方法のほうがさらに速いです。

因数分解のたすきがけと関係がありますか?

あります。(10a+b)(10c+d)=100ac+10(ad+bc)+bdのad+bcが、因数分解のたすきがけと同じ組み合わせです。

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出典・参考

  • 計算のしくみは、中学校数学の「式の展開」による説明です
  • 練習問題・本文の計算はすべて検算済みです

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦