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因数分解とは
式を、いくつかの式のかけ算の形に表すことです。たとえば x2+5x+6=(x+2)(x+3)。かけ算をほどく展開の反対の操作です。
読み方:いんすうぶんかい/英語:factorization/習う学年:中学3年(式の展開と因数分解)、数学Ⅰ(数と式)

うかるくん
因数分解って、結局なにをしているんですか? 公式を覚えるだけで精いっぱいで…
![合格先生]()
合格先生
12 を 2×2×3 に分けるのと同じで、式をかけ算の形に分けているんだ。面積の式を「たて×横」に直す、と考えるとイメージしやすいよ。
この用語のポイント
- 因数分解 = 式をかけ算の形に分けること(展開の反対)
- まず共通因数でくくる→公式→まだ分けられないか見直す
- 答えは展開して元に戻るかで確かめられる
やさしく言うと
因数分解は、式を「かけ算の形」に分けることです。身近なたとえで考えてみましょう。
- お菓子の箱づめ:クッキーが 12 枚あります。「3 枚ずつ 4 ふくろ」と言いかえると、12=3×4 というかけ算の形になります。ばらばらの数を「何個ずつ・何組」にまとめるのが分解です。
- タイルの並べかえ:大きいタイル、細長いタイル、小さいタイルを並べて、ぴったり長方形を作ると、全体は「たて×横」で表せます。下の図がこれです。
- 整数の素因数分解:12 を 2×2×3 に分ける素因数分解の、式バージョンが因数分解です。
面積が x2+5x+6 の長方形を考えます。この長方形は、たて x+2、横 x+3 に並べられます。つまり「面積の式」を「たて×横」に直すのが因数分解です。
面積 x²+5x+6 の長方形は、たて x+2、横 x+3かけ算の形に分けたときの1つ1つの式(x+2 や x+3)を因数といいます。まとめると、たし算・ひき算でつながった式を、因数のかけ算に書き直すことが因数分解です。
因数分解の例
○ 因数分解できている
- x2+5x+6=(x+2)(x+3)(かけて 6、たして 5)
- x2−9=(x+3)(x−3)(a2−b2 の形)
- x2+6x+9=(x+3)2(同じ因数が2つ)
- 2x2+4x=2x(x+2)(共通因数 2x でくくる)
- 2x2−8=2(x+2)(x−2)(くくってから公式)
- ax+ay=a(x+y)(文字でくくってもよい)
× 因数分解になっていない・まちがい
- x2+5x+6=x(x+5)+6(最後に +6 が残り、全体がかけ算になっていない)
- 2x2−8=2(x2−4)(まだ途中。2(x+2)(x−2) まで分ける)
- (x+2)(x+3)=x2+5x+6(これは反対の「展開」)
- x2+9=(x+3)(x−3)(展開すると x2−9。符号がちがう)
- x2−x−6=(x−2)(x+3)(展開すると x2+x−6)
- 4x2−1=(4x+1)(4x−1)(正しくは (2x+1)(2x−1))
因数分解の答えは、式全体が1つのかけ算になっている必要があります。一部だけかけ算にしても、因数分解ではありません。また、右の列の下の3つは、展開すると元の式に戻らないので×です。
図で見る
因数分解と展開は、行きと帰りの関係です。整数の素因数分解と並べると、つながりがよくわかります。
素因数分解・因数分解・展開の関係行きと帰りの関係なので、因数分解した答えは、展開すると元に戻るかで確かめられます。
![ひらめいたうかるくん]()
うかるくん
因数分解できたら、展開して元の式に戻るか確かめればいいんだ!
a2−b2=(a+b)(a−b) も、面積で見るとなっとくできます。1辺 a の正方形から1辺 b の正方形を切り取ったL字形は、青い部分を横にたおし、緑の部分をとなりに並べると、横 a+b、たて a−b の長方形になります。
正方形から小さい正方形を切り取った面積 a²−b² は、並べかえると (a+b)(a−b) の長方形になる因数分解の順番
どの式でも、次の順番で考えるとうまくいきます。
- 共通因数でくくる:どの項にもある文字や数を前に出す(3x2−6x=3x(x−2))。
- 公式を使う:下の表の形にならないか見る。
- まだ分けられないか見直す:くくった後の式も、さらに分けられることがあります。
いちばんよく使うのは、最後の x2+(a+b)x+ab の形です。かけて定数項、たして x の係数になる2つの数をさがします。かけ算の組から先に書き出すと、もれなく調べられます。
かけて −6 になる組を全部書き、たして −1 になるものを選ぶ高校の数学Ⅰでは、2x2+5x+3=(x+1)(2x+3) のような「たすきがけ」も使います。公式の使い方と練習は、公式辞典の乗法公式と因数分解の公式にくわしくまとめています。
何の役に立つの?
いちばん大きな使い道は、方程式を解くことです。x2+5x+6=0 は、(x+2)(x+3)=0 と分ければ、「かけて0になるのは、どちらかが0のとき」なので x=−2, −3 とすぐ求まります。
ほかにも、計算のくふうに使えます。たとえば 512−492 は、a2−b2=(a+b)(a−b) を使うと (51+49)(51−49)=100×2=200 と暗算できます。また、整数の問題で「n2+n=n(n+1) は連続する2つの整数の積だから偶数」のように、性質を説明するときにも使います。
なお、「どこまで分けるか」は数の範囲で変わります。ふつうは係数が有理数(分数)の範囲で考えるので、x2−2 はこれ以上分けません。実数の範囲まで広げると (x+2)(x−2) と分けられます。
テスト・入試ではこう出る
因数分解は中学3年で習い、高校入試の計算問題でほぼ毎年出ます。共通因数でくくってから公式を使う問題、2次方程式を因数分解で解く問題がよく出ます。高校の数学Ⅰでは、たすきがけや、文字が2つ以上ある式、おきかえを使う式など、むずかしい形も出てきます。
例題1(共通因数→公式)
3x2−12x+12 を因数分解しなさい。
- どの項も 3 でわれるので、共通因数 3 でくくる:3x2−12x+12=3(x2−4x+4)
- かっこの中は a2−2ab+b2 の形(x2−2×x×2+22)なので、x2−4x+4=(x−2)2
- 展開してたしかめ:3(x−2)2=3(x2−4x+4)=3x2−12x+12 で元に戻る。
答え 3(x−2)2
例題2(2次方程式を解く)
2次方程式 x2−3x−10=0 を解きなさい。
- かけて −10、たして −3 になる2つの数をさがす。2×(−5)=−10、2+(−5)=−3 なので、2 と −5。
- x2−3x−10=(x+2)(x−5) と因数分解できるので、方程式は (x+2)(x−5)=0。
- かけて 0 になるのは、どちらかが 0 のとき。x+2=0 または x−5=0。
答え x=−2, 5(たしかめ:x=5 なら 25−15−10=0)
![サクラちゃん]()
サクラちゃん
方程式を解くとき、どうして因数分解するとすぐ答えが出るんですか?
![合格先生]()
合格先生
「かけて 0 なら、どちらかが 0」という決まりがあるからだよ。かけ算の形にしておけば、1つ1つの因数を 0 にするだけで答えが出るんだ。
まちがえやすい点
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
2(x2−4) で止めるのは×! かっこの中もまだ分けられないか、最後に必ず見直そう。
- 共通因数を見落として途中で止まる:2x2−8 を 2(x2−4) で終えるのは×。2(x+2)(x−2) まで分けます。
- 共通因数を最初にくくらない:2x2+10x+12 をいきなり公式にあてはめようとすると、うまくいきません。まず 2(x2+5x+6) とくくってから 2(x+2)(x+3) にします。
- くくったときの符号:−x2+3x=−x(x−3) です。−x(x+3) としてしまうミスが多いです。マイナスでくくったら、かっこの中の符号は全部変わります。
- 2つの数の符号をまちがえる:x2−x−6 で「かけて −6、たして −1」は 2 と −3。(x−2)(x+3) とすると、展開して x2+x−6 になり元に戻りません。
- 一部だけかけ算にする:x(x+5)+6 のように、たし算が残る形は因数分解ではありません。
ことばの由来
因数は「かけ算のもとになる数(式)」、分解は「ばらばらに分けること」です。合わせて「因数に分けること」という意味です。英語では factorization(ファクタリゼーション)といい、因数を factor(ファクター)とよびます。factor は「要因・要素」という意味でも使われることばです。
ミニ問題
問題1 x2+7x+12 を因数分解しましょう。
答えと解き方を見る
(x+3)(x+4) です。かけて 12、たして 7 になる2つの数をさがします。12 になる組は 1と12、2と6、3と4 で、たして 7 になるのは 3 と 4 です。展開すると x2+7x+12 に戻ります。
問題2 4x2−25 を因数分解しましょう。
答えと解き方を見る
(2x+5)(2x−5) です。4x2=(2x)2、25=52 なので、a2−b2=(a+b)(a−b) の a が 2x、b が 5 です。(4x+5)(4x−5) としないように注意しましょう(展開すると 16x2−25 になってしまいます)。
問題3 (数学Ⅰ)2x2−x−3 を因数分解しましょう。
答えと解き方を見る
(x+1)(2x−3) です。x2 の係数が 2 なので、「たすきがけ」を使います。2=1×2、−3=1×(−3) と分けて、ななめにかけた 1×(−3)+1×2=−1 が x の係数 −1 に合います。展開してたしかめ:(x+1)(2x−3)=2x2−3x+2x−3=2x2−x−3。
関連する公式・用語
公式辞典で、くわしい証明と例題を見る
あわせて覚えたい用語
よくある質問
因数分解とは簡単にいうと何ですか?
式をかけ算の形に分けることです。たとえば x²+5x+6 を (x+2)(x+3) と表します。整数の素因数分解の、式バージョンです。
因数分解と展開のちがいは?
展開はかけ算をほどいてたし算の形にすること、因数分解はその反対で、たし算の形をかけ算の形にすることです。
因数分解は何から始めればいいですか?
まず全部の項に共通する数や文字(共通因数)でくくります。次に公式の形にならないかを見て、最後にまだ分けられないか見直します。
x²+5x+6 のような式はどう分けますか?
かけて定数項の6、たしてxの係数の5になる2つの数をさがします。2と3なので (x+2)(x+3) です。
因数分解は何年生で習いますか?
中学3年で基本の公式を習い、高校の数学Ⅰでたすきがけなど、さらにくわしく学びます。
因数分解は何の役に立ちますか?
方程式を解くときに役立ちます。かけて0になるのはどちらかが0のときなので、因数分解すると答えがすぐに求まります。計算のくふうにも使えます。
出典・参考
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第3学年 A 数と式(式の展開と因数分解)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅰ(数と式)
最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦