因数とは?意味と項とのちがい・共通因数をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

因数とは?意味と項とのちがい・共通因数をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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因数とは

かけ算(積)の形にしたときの、1つ1つの数や式です。12=3×412=3\times4 なら 3 と 4、x2+3x+2=(x+1)(x+2)x^2+3x+2=(x+1)(x+2) なら x+1x+1 と x+2x+2 が因数です。和の形の式を因数の積に直すことを因数分解といいます。

読み方:いんすう/英語:factor/習う学年:中学3年(式の展開と因数分解)。素因数分解は中学1年、因数定理は数学Ⅱ

うかるくん

うかるくん

x2+3x+2x^2+3x+2 の因数って、x2x^2 と 3x3x と 2 ですか?

合格先生

合格先生

それは項だね。因数はかけ算の部品。(x+1)(x+2)(x+1)(x+2) と積の形にしてはじめて、x+1x+1 と x+2x+2 が因数だと言えるんだ。

この用語のポイント

  • 因数 = 積の形にしたときの部品
  • たし算でつながった部分は項で、因数ではない
  • 因数分解は共通因数から。分けられるところまで分ける

やさしく言うと

因数は、かけ算の形にしたときの、1つ1つの部品です。身近な例で考えてみましょう。

  • いすの並べ方:12 脚のいすを、すきまなく長方形に並べます。「3 列に 4 脚ずつ」なら 12=3×412=3\times4。この 3 と 4 が 12 の因数です。
  • お弁当の材料:お弁当をつくる「材料」が因数、完成したお弁当が「積」のイメージです。材料をかけ合わせると、もとの数や式ができます。
  • 面積の「たて」と「よこ」:長方形の面積は たて × よこ。たてとよこが、面積の因数です。

式でも同じで、x2+3x+2=(x+1)(x+2)x^2+3x+2=(x+1)(x+2) なら、x+1x+1 と x+2x+2 が因数です。和(たし算)の形の式を、因数のかけ算(積)の形に直すことを因数分解といいます。

x 11 x1 x²xx x11 よこ x+2、たて x+1 面積を「和」で書くと x²+3x+2 「積」で書くと (x+1)(x+2) かけている 1つ1つが因数
長方形の面積 x2+3x+2x^2+3x+2 は、たて×よこ (x+1)(x+2)(x+1)(x+2) とも書ける
ひらめいたうかるくん

うかるくん

因数は「かけ算の部品」。たし算でつながっている部分は「項」なんだ!

因数の例と、因数ではないもの

○ 因数

  • (x+1)(x+2)(x+1)(x+2) の x+1x+1 と x+2x+2
  • 3x(x−2)3x(x-2) の 33、xx、3x3x、x−2x-2(部品を組み合わせたものも因数)
  • x2−1=(x−1)(x+1)x^2-1=(x-1)(x+1) の x−1x-1、x+1x+1
  • 12=2×2×312=2\times2\times3 の 2、3(素因数)
  • 12 の因数 1、2、3、4、6、12(かけて 12 になる組の数)
  • a(b+c)a(b+c) の aa と b+cb+c

× 因数ではないもの

  • x2+3x+2x^2+3x+2 の x2x^2 や 3x3x(たし算の部分は項)
  • x(x+1)+2(x+1)x(x+1)+2(x+1) の xx(全体が積の形ではない)
  • x2+1x^2+1 の x+1x+1(かけても x2+1x^2+1 にならない)
  • 12 の 5(12÷5 は割り切れない)
  • x2−4x^2-4 の x−4x-4(正しくは x−2x-2 と x+2x+2)
  • 2x+32x+3 の 22(2x+32x+3 は2でくくれない)

見分け方は、全体がかけ算の形になっているかです。たし算でつながった部分は「項」で、因数ではありません。迷ったら、それで割り切れるか(ほかの因数とかけて元にもどるか)で確かめます。

図で見る

整数の因数は、タイルを長方形に並べると目で見えます。12 個のタイルは、1×12、2×6、3×4 の3通りの長方形に並べられます。たてとよこに出てくる数が、12 の因数です。

12個のタイルで長方形を作る 1 × 12 2 × 6 3 × 4 たて × よこ が 「因数の組」 12 の(正の)因数:1, 2, 3, 4, 6, 12 5個ずつ・7個ずつでは長方形にならない
長方形に並べられる「たて」と「よこ」が、12 の因数

整数も式も、因数をさらに分けていくと、これ以上分けられない部品にたどりつきます。整数では素数(素因数)、式では1次式などがそれにあたります。

整数 式 1234 22 x³−xxx²−1 x−1x+1 12=2×2×3 x³−x=x(x−1)(x+1)
整数も式も、これ以上分けられない部品(赤)まで分ける

因数分解は「共通因数」から

因数分解では、まずどの項にも入っている因数(共通因数)をくくり出します。

式共通因数因数分解
3x2+6x3x^2+6x3x3x3x(x+2)3x(x+2)
2x2−82x^2-8222(x2−4)=2(x−2)(x+2)2(x^2-4)=2(x-2)(x+2)
x(x+1)+2(x+1)x(x+1)+2(x+1)x+1x+1(x+1)(x+2)(x+1)(x+2)

3つ目の例のように、かっこごとの式も共通因数になれます。x+1x+1 をひとまとまりと見れば、「xx 個の (x+1)(x+1) と 2 個の (x+1)(x+1) で、合わせて (x+2)(x+2) 個の (x+1)(x+1)」と考えられます。

ひらめいたうかるくん

うかるくん

因数分解は、まず共通因数をくくり出すのが第一歩だね!

因数定理(数学Ⅱ)

高校の数学Ⅱでは、因数定理を学びます。整式 P(x)P(x) で P(a)=0P(a)=0 なら、x−ax-a は P(x)P(x) の因数です。たとえば P(x)=x3−xP(x)=x^3-x は P(1)=0P(1)=0 なので、x−1x-1 を因数にもちます。

xy −101 x+1 x x−1 y = x³ − x P(a)=0 となる a があれば、x − a が因数 x³ − x = x(x − 1)(x + 1)
グラフが x 軸と交わる x=a の点ごとに、因数 x−a がある
サクラちゃん

サクラちゃん

P(1)=0P(1)=0 だと、どうして x−1x-1 が因数だとわかるんですか?

合格先生

合格先生

P(x)P(x) を x−1x-1 で割った余りは P(1)P(1) になるんだ(剰余の定理)。それが 0 なら割り切れるから、x−1x-1 はかけ算の部品、つまり因数だよ。

整数の因数と素因数

整数でも「因数」といいます。これ以上分けられない因数が素数のとき、それを素因数といい、素因数だけのかけ算に直すことを素因数分解といいます。整数の因数は、正の数で考えると約数とほぼ同じ意味です。約数は「割り切る数」という見方、因数は「かけ算の部品」という見方のちがいです。

テスト・入試ではこう出る

中学1年で素因数分解、中学3年で因数分解を習い、高校入試では因数分解の計算がよく出ます。高校の数学Ⅰでは文字が多い式やたすきがけ、数学Ⅱでは因数定理を使った3次式の因数分解が出ます。どれも最初の一歩は共通因数を見つけることです。

例題1(共通因数をくくり出す)

2x2y−6xy2x^2y-6xy を因数分解しなさい。

  1. 係数 2 と 6 の共通な因数は 2。
  2. 文字は、どちらの項にも xx と yy が1つずつ入っている。
  3. 共通因数は 2xy2xy。くくり出すと 2x2y−6xy=2xy×x−2xy×3=2xy(x−3)2x^2y-6xy=2xy\times x-2xy\times3=2xy(x-3)。

答え 2xy(x−3)2xy(x-3)(展開すると元に戻ります)

例題2(因数定理・数学Ⅱ)

x3−2x2−x+2x^3-2x^2-x+2 を因数分解しなさい。

  1. P(x)=x3−2x2−x+2P(x)=x^3-2x^2-x+2 に x=1x=1 を入れると、1−2−1+2=01-2-1+2=0。因数定理より、x−1x-1 は因数。
  2. P(x)P(x) を x−1x-1 で割ると、商は x2−x−2x^2-x-2。つまり P(x)=(x−1)(x2−x−2)P(x)=(x-1)(x^2-x-2)。
  3. x2−x−2x^2-x-2 は、かけて −2-2、たして −1-1 の 1 と −2-2 で (x+1)(x−2)(x+1)(x-2)。

答え (x−1)(x+1)(x−2)(x-1)(x+1)(x-2)(P(−1)=0P(-1)=0、P(2)=0P(2)=0 になることでもたしかめられます)

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

x(x+1)+2(x+1)x(x+1)+2(x+1) で止めるのは×! 全体がかけ算の形になるまで因数分解しよう。

  • 因数分解を途中で止める:x(x+1)+2(x+1)x(x+1)+2(x+1) は、まだたし算の形です。共通因数 x+1x+1 でくくって (x+1)(x+2)(x+1)(x+2) まで進めます。
  • まだ分けられる因数を残す:2x2−8=2(x2−4)2x^2-8=2(x^2-4) で止めず、x2−4=(x−2)(x+2)x^2-4=(x-2)(x+2) まで分けます。
  • 項と因数をまぜる:x2+3x+2x^2+3x+2 の x2x^2, 3x3x, 22 は項です。因数は、積の形 (x+1)(x+2)(x+1)(x+2) にしてはじめて言えます。
  • くくったあとの「1」を忘れる:ab+ac−a=a(b+c−1)ab+ac-a=a(b+c-1) です。−a-a をくくると −1-1 が残ります。a(b+c)a(b+c) は×です。
  • 因数定理で符号を逆にする:P(2)=0P(2)=0 なら因数は x−2x-2 です。x+2x+2 ではありません。「x=2x=2 を入れると 0 になる式」と考えましょう。

ことばの由来

「因」には「もと・原因」という意味があります。因数は「もとになる数」、つまりかけ合わせて数や式をつくる「もと」という意味です。英語では factor(ファクター)といい、ふだんの英語でも「要因・要素」という意味で使われます。因数分解は factorization です。

ミニ問題

問題1 12 の正の因数を、すべて答えましょう。

答えと解き方を見る

1, 2, 3, 4, 6, 12 の6個です。12=1×12=2×6=3×412=1\times12=2\times6=3\times4 と、かけて 12 になる組を書き出すと、もれなく見つかります。このうち素数の 2 と 3 が素因数です。

問題2 x−2x-2、x+3x+3、x−3x-3 のうち、x2−5x+6x^2-5x+6 の因数になっているものをすべて選びましょう。

答えと解き方を見る

x−2x-2 と x−3x-3 です。x2−5x+6=(x−2)(x−3)x^2-5x+6=(x-2)(x-3) と因数分解できます。かけて 6、たして −5-5 になるのは −2-2 と −3-3 です。x+3x+3 は因数ではありません(x=−3x=-3 を入れると 9+15+6=309+15+6=30 で、0 になりません)。

問題3 ab+ac−aab+ac-a を、共通因数でくくりましょう。

答えと解き方を見る

a(b+c−1)a(b+c-1) です。3つの項すべてに aa が入っています。最後の項 −a-a は a×(−1)a\times(-1) なので、くくったあとに −1-1 が残ることに注意しましょう。a(b+c)a(b+c) としてしまうと、展開したとき −a-a が消えてしまいます。

関連する公式・用語

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あわせて覚えたい用語

よくある質問

因数とは簡単にいうと何ですか?

かけ算の形にしたときの1つ1つの部品です。12=3×4なら3と4、(x+1)(x+2)ならx+1とx+2が因数です。

因数と約数のちがいは何ですか?

正の整数で考えると、ほぼ同じ意味です。約数は「割り切る数」という見方、因数は「かけ算の部品」という見方で、式では因数という言葉をよく使います。

因数と項のちがいは何ですか?

項はたし算でつながった1つ1つの部分、因数はかけ算でつながった1つ1つの部分です。x²+3x+2の項はx²、3x、2で、因数はx+1とx+2です。

共通因数とは何ですか?

どの項にも入っている因数のことです。3x²+6x なら3xが共通因数で、くくり出すと3x(x+2)になります。

因数定理とは何ですか?

整式P(x)でP(a)=0なら、x−aはP(x)の因数になる、という定理です。高校の数学Ⅱで学び、3次式の因数分解に使います。

因数分解は何年生で習いますか?

中学3年で習います。整数の素因数分解は中学1年、因数定理は高校の数学Ⅱで学びます。

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第1学年(素因数分解)・第3学年 A 数と式(式の展開と因数分解)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学Ⅱ(いろいろな式:因数定理)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦