約数と倍数とは?意味と見つけ方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

約数と倍数とは?意味と見つけ方をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

合格大作戦 数学用語辞典 › 数と式

中学受験高校受験大学受験

約数と倍数とは

約数は、その数をわりきれる整数(12 の約数は 1, 2, 3, 4, 6, 12)です。倍数は、その数を整数倍した数(3 の倍数は 3, 6, 9, …)です。12=3×412=3\times4 なら、3 は 12 の約数で、12 は 3 の倍数です。

読み方:やくすうとばいすう/英語:divisor / multiple/習う学年:小学5年(倍数・約数)。高校は数学A(数学と人間の活動)

まなぶくん

まなぶくん

約数と倍数って、どっちがどっちか、すぐわからなくなっちゃう…

合格先生

合格先生

12=3×412=3\times4 で考えよう。3 は 12 の約数(12 をわりきる)、12 は 3 の倍数(3 を 4 倍した数)。小さいほうが約数、大きいほうが倍数だよ。

この用語のポイント

  • 約数 = わりきれる数、倍数 = 整数倍した数
  • 約数はかけ算のペアでさがす。1 とその数自身も約数
  • 約数はかぎりがあり、倍数は限りなくある

やさしく言うと

約数は、その数をわりきることができる整数です。12 は 1, 2, 3, 4, 6, 12 でわりきれるので、これが 12 の約数です。

倍数は、その数を 1倍、2倍、3倍、…した数です。3 の倍数は 3, 6, 9, 12, … です。

みのまわりのたとえで考えてみましょう。

  • おかしを同じ数ずつ分ける(約数):クッキーが 12 まいあります。1人, 2人, 3人, 4人, 6人, 12人なら、あまりなく同じ数ずつ分けられます。でも 5人だと 2 まいあまります。あまりなく分けられる人数が、12 の約数です。
  • 階段を 3 段ずつのぼる(倍数):3 段ずつのぼると、足をのせる段は 3 段目、6 段目、9 段目、… です。これが 3 の倍数。九九の「3 の段」の答えと同じです。
  • えんぴつのセット(倍数):1 箱 12 本入りのえんぴつを買うと、本数は 12 本、24 本、36 本、… と、12 の倍数にしかなりません。

2つはうらおもての関係です。12=3×412=3\times4 なので、「3 は 12 の約数」で、「12 は 3 の倍数」です。まとめると、わりきる側が約数、わりきられる側が倍数です。

12個の点を長方形に並べる 1 × 12 2 × 6 3 × 4 1234612 12 の約数は 1, 2, 3, 4, 6, 12(6個)
12個の点を長方形に並べると、約数がペアで見つかる
ひらめいたまなぶくん

まなぶくん

長方形に並べると、約数が2つずつペアで見つかるんだ!

約数・倍数の例と、そうではないもの

○ 約数・倍数

  • 12 の約数:1, 2, 3, 4, 6, 12(12 をわりきる)
  • 3 の倍数:3, 6, 9, 12, 15, …(3 の段の答え)
  • 18 は 6 の倍数(6×3=186\times3=18)
  • 7 の約数は 1 と 7 だけ(7 は素数)
  • 1 はどんな整数の約数にもなる
  • どの数も、それ自身の約数でもあり倍数でもある(12 は 12 の約数で倍数)

× 約数・倍数ではないもの

  • 5 は 12 の約数ではない(12÷5=212\div5=2 あまり 2)
  • 20 は 6 の倍数ではない(6×3=186\times3=18、6×4=246\times4=24 の間)
  • 24 は 12 の約数ではない(12 の倍数)
  • 1.5 は 3 の約数ではない(約数は整数で考える)
  • 3 は 12 の倍数ではない(12 の約数)
  • 4 と 6 の最小公倍数を 24 とする(正しくは 12)

図で見る

2つの数の約数を、円の図(ベン図)にかいてみます。左の円に 12 の約数、右の円に 18 の約数を入れると、どちらにも入る数が、まん中の重なりに集まります。これが公約数です。

12 の約数 18 の約数 412 918 123 6 重なり(1, 2, 3, 6)が公約数。いちばん大きい 6 が最大公約数
12 の約数と 18 の約数。重なりの 1, 2, 3, 6 が公約数
まなぶくん

まなぶくん

重なりのところに入る数って、どうやってさがせばいいの?

合格先生

合格先生

小さいほうの数(12)の約数を書き出して、1つずつ「18 もわりきれるかな?」とたしかめればいいよ。4 と 12 は 18 をわりきれないから、重なりには入らないね。

倍数は、数直線にならべるとよくわかります。4 の倍数と 6 の倍数を上下にかくと、同じ場所にくる数が公倍数です。

4 の倍数 0 48121620246121824 6 の倍数 公倍数 公倍数 いちばん小さい公倍数 12 が最小公倍数
4 の倍数と 6 の倍数が重なるところが公倍数

見つけ方

  • 約数:かけ算のペアをさがします。12=1×12=2×6=3×412=1\times12=2\times6=3\times4 なので、約数は 1, 2, 3, 4, 6, 12 です。小さいほうから調べ、ペアが重なったら終わりです。
  • 倍数:九九の段と同じです。3 の倍数は「3 の段」の答え 3, 6, 9, … で、どこまでも続きます。

約数は数がかぎられていますが、倍数は限りなくあります。

大きな数が「何の倍数か」は、わり算をしなくても、次の見分け方でわかります。

倍数見分け方例
2 の倍数一の位が 0, 2, 4, 6, 8358 → 一の位が 8 なので○
3 の倍数各位の数の和が 3 の倍数471 → 4+7+1=12 なので○
4 の倍数下 2 けたが 4 の倍数(または 00)1316 → 16 は 4 の倍数なので○
5 の倍数一の位が 0 か 52025 → 一の位が 5 なので○
9 の倍数各位の数の和が 9 の倍数5481 → 5+4+8+1=18 なので○

6 の倍数は「2 の倍数で、しかも 3 の倍数」になっている数です。たとえば 114 は、一の位が 4 で、1+1+4=61+1+4=6 なので 6 の倍数です(6×19=1146\times19=114)。

机で勉強するまなぶくん

まなぶくん

約数はペアで探すと、見落としがなくなるよ!

公約数と公倍数

2つの数に共通する約数を公約数、そのうちいちばん大きいものを最大公約数といいます。共通する倍数を公倍数、そのうちいちばん小さいものを最小公倍数といいます。

2つの数公約数最大公約数公倍数最小公倍数
12 と 181, 2, 3, 6636, 72, 108, …36
4 と 61, 2212, 24, 36, …12

公倍数は、最小公倍数の倍数になっています(4 と 6 なら 12, 24, 36, …)。同じように、公約数は最大公約数の約数になっています(12 と 18 なら 6 の約数 1, 2, 3, 6)。

「最小公約数」や「最大公倍数」は考えません。公約数のいちばん小さいものは、いつも 1 です。公倍数は限りなくあるので、いちばん大きいものはありません。

テスト・入試ではこう出る

約数と倍数は小学 5 年で習います。中学受験では、しきつめ(最大公約数)、同時に出発・同時に重なる(最小公倍数)、1 から○までに△の倍数はいくつ、といった文章題でよく出ます。「どの数でわりきれるか」「いつ重なるか」という言葉が出てきたら、約数・倍数を思い出しましょう。

例題1(最大公約数を使う)

たて 12cm、横 18cm の長方形の紙に、同じ大きさの正方形のカードをすきまなく、重ならないようにしきつめます。できるだけ大きい正方形にすると、1辺は何 cm で、何まい使いますか。

  1. 正方形の1辺は、たての 12cm も、横の 18cm も、ぴったりわりきれる長さでなければなりません。つまり 12 と 18 の公約数です。
  2. 公約数は 1, 2, 3, 6。いちばん大きいのは 6(最大公約数)です。
  3. まい数は、横に 18÷6=318\div6=3 まい、たてに 12÷6=212\div6=2 まいで、3×2=63\times2=6 まい。

答え 1辺 6cm、6 まい

18cm 12cm 6cm6cm6cm6cm6cm6cm いちばん大きい正方形は 1辺 6cm(12 と 18 の最大公約数) 横に 18÷6=3まい、たてに 12÷6=2まい → 6まい
1辺 6cm の正方形なら、ぴったり 6 まいでしきつめられる

例題2(最小公倍数を使う)

A のバスは 4 分ごと、B のバスは 6 分ごとに、同じバス停を出ます。朝 7 時にちょうど同時に出ました。次に同時に出るのは何時何分ですか。また、7 時から 8 時までに(7 時と 8 時もふくめて)同時に出るのは何回ですか。

  1. A のバスは 0, 4, 8, 12, … 分後、B のバスは 0, 6, 12, … 分後に出ます。
  2. 同時に出るのは、4 と 6 の公倍数の分だけたったときです。最小公倍数は 12 なので、12 分ごとです。
  3. 7時から8時までの 60 分では、0, 12, 24, 36, 48, 60 分後の 6 回です(60÷12=560\div12=5 に、はじめの 7時の 1 回をたす)。

答え 次は 7時12分、全部で 6 回

中学・高校での約数と倍数

小学校では、約数・倍数は 1 以上の整数で考え、0 は倍数に入れません。高校の数学では、整数 aa, bb について a=bka=bk(kk は整数)と書けるとき、bb は aa の約数、aa は bb の倍数と決めます。この決め方では、−3-3 も 12 の約数で、0 はすべての整数の倍数です(0=b×00=b\times0)。どの範囲で考えるかで、答えが変わることに注意しましょう。

中学では、約数・倍数は素因数分解とつながります。12=22×312=2^2\times3 のように素数のかけ算に分けると、約数の個数や最大公約数・最小公倍数を、書き出さずに求められます。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

約数に 1 とその数自身を入れ忘れるのが多いまちがい! 12 の約数は 1 と 12 もふくめて 6 個だよ。

  • 1 とその数自身を約数に入れ忘れる:12 の約数を「2, 3, 4, 6」の 4 個と答えるまちがいです。どんな数も、1 とその数自身は必ず約数です。正しくは 1, 2, 3, 4, 6, 12 の 6 個です。
  • 約数と倍数を逆にする:「12 は 3 の約数」は×で、「12 は 3 の倍数」です。「3 は 12 の約数」なら○です。正の数なら、小さいほうが約数、大きいほうが倍数と覚えましょう。
  • 最小公倍数を「2つの数のかけ算」だと思う:4 と 6 の最小公倍数を 4×6=244\times6=24 とするまちがいです。正しくは 12 です。かけ算で出せるのは、5 と 7 のように、1 以外の公約数がない(互いに素な)ときだけです。
  • 最大公約数と最小公倍数を取りちがえる:12 と 18 の最大公約数は 6、最小公倍数は 36 です。最大公約数はもとの数以下、最小公倍数はもとの数以上になります。答えが 12 より大きい「最大公約数」が出たら、どこかがまちがっています。

ことばの由来

倍数の「倍」は、「何倍」の倍です。もとの数を何倍かした数なので、倍数といいます。英語では multiple(マルチプル)で、「たくさん重なった」という意味の言葉です。

約数は、英語では divisor(ディバイザー)で、「わる(divide)もの」という意味です。「約」には「ちぢめる」という意味があり、分数をかんたんにする「約分」にも同じ字を使います。

ミニ問題

問題1 18 の約数を、全部書きましょう。

答えと解き方を見る

1, 2, 3, 6, 9, 18(6個)です。かけ算のペアで考えると、18=1×18=2×9=3×618=1\times18=2\times9=3\times6 です。4 と 5 ではわりきれないので、ペアはこの 3 組だけです。

問題2 1 から 50 までの整数の中に、6 の倍数はいくつありますか。

答えと解き方を見る

8 個です。50÷6=850\div6=8 あまり 2 なので、6 の倍数は 6×16\times1 から 6×8=486\times8=48 までの 8 個です。1 つずつ書き出さなくても、わり算の「商」で数えられます。

問題3 1 から 100 までの整数の中に、4 でも 6 でもわりきれる数はいくつありますか。

答えと解き方を見る

8 個です。

  1. 4 でも 6 でもわりきれる数は、4 と 6 の公倍数です。
  2. 4 と 6 の最小公倍数は 12 なので、公倍数は 12 の倍数です。
  3. 100÷12=8100\div12=8 あまり 4 なので、8 個(12, 24, …, 96)です。

4×6=244\times6=24 の倍数(4 個)と考えるのはまちがいです。12 や 36 をとりこぼしてしまいます。

100点の答案を掲げるハルちゃん

ハルちゃん

ペアでさがす、倍数はわり算で数える。これで約数と倍数はばっちりだね!

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

約数と倍数のちがいは何ですか?

約数はその数をわりきれる整数、倍数はその数を整数倍した数です。12=3×4なら、3は12の約数で、12は3の倍数です。

1は約数ですか?

はい。1はどんな整数もわりきるので、すべての整数の約数です。

0は倍数ですか?

小学校では0を倍数に入れません。高校の整数の学習では、0=3×0のように書けるので、0はすべての整数の倍数と考えます。

3の倍数の見分け方は?

各位の数をたした和が3の倍数なら、その数は3の倍数です。471なら4+7+1=12なので3の倍数です。

最小公倍数は2つの数をかければ求められますか?

いつもではありません。4と6の最小公倍数は24ではなく12です。かけ算で求められるのは、5と7のように1以外の公約数がないときだけです。

約数と倍数は何年生で習いますか?

小学5年で習います。中学受験でもよく出ます。高校では数学Aで、最大公約数・最小公倍数やユークリッドの互除法を学びます。

出典・参考

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第5学年 A 数と計算(整数の性質)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(数学と人間の活動)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦