素因数分解とは?意味とやり方(すだれ算)をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

素因数分解とは?意味とやり方(すだれ算)をわかりやすく【例題・問題つき】|合格大作戦 数学用語辞典

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素因数分解とは

整数を素数だけのかけ算の形に表すことです。たとえば 60=2×2×3×5=22×3×560=2\times2\times3\times5=2^2\times3\times5 です。どんな順に分けても、答えはただ1通りに決まります。

読み方:そいんすうぶんかい/英語:prime factorization/習う学年:中学1年(中学受験の算数でも使う)

ハルちゃん

ハルちゃん

12=3×412=3\times4 も「かけ算に分けた」のに、素因数分解じゃないんですか?

合格先生

合格先生

4 はまだ 2×22\times2 に分けられるね。全部が素数になるまで分けて、12=22×312=2^2\times3 にしたら素因数分解のできあがりだよ。

この用語のポイント

  • 素因数分解 = 整数を素数だけのかけ算に分けること
  • 小さい素数 2, 3, 5, … で順に割る(すだれ算)。同じ数は 222^2 のようにまとめる
  • 約数の個数は (指数+1)のかけ算。分け方の順番がちがっても答えはただ1通り

やさしく言うと

素因数分解は、整数を素数だけのかけ算に分けることです。たとえば 12=2×2×312=2\times2\times3 です。身近なたとえで考えてみましょう。

  • ブロックのおもちゃ:どんな整数も、素数という「これ以上分けられないブロック」を組み合わせてできています。素因数分解は、その数がどのブロックを何個使ってできているかを調べる作業です。
  • 料理の材料表:カレーの材料を「じゃがいも2個、にんじん1本」と書き出すように、6060 を「2 が2個、3 が1個、5 が1個」と書き出すのが素因数分解です。
  • 木の枝分かれ:60 を 6×10 に分け、6 を 2×3、10 を 2×5 に分け…と、枝分かれさせていくと、最後の葉っぱが全部素数になります(下の図)。
分け方がちがっても、最後は同じ素数になる 606102325604152235 60=6×1060=4×15 どちらも 60 = 2×2×3×5 = 2²×3×5
60 をどう分けはじめても、最後は 2, 2, 3, 5 になる

同じ数をかけるところは、2×2=222\times2=2^2 のように右上に小さく個数を書いてまとめます(累乗)。60=22×3×560=2^2\times3\times5 です。分け方の順番がちがっても、答えはただ1通りに決まります。

素因数分解の例と、そうではないもの

○ 素因数分解できている

  • 12=22×312=2^2\times3
  • 60=22×3×560=2^2\times3\times5
  • 100=22×52100=2^2\times5^2
  • 72=23×3272=2^3\times3^2
  • 91=7×1391=7\times13(素数どうしのかけ算)
  • 13=1313=13(素数はそのまま)

× 素因数分解になっていない

  • 12=3×412=3\times4(4 は素数ではない)
  • 60=2×3060=2\times30(30 がまだ分けられる)
  • 72=8×972=8\times9(8 も 9 も素数ではない)
  • 12=1×22×312=1\times2^2\times3(1 は素数ではないので入れない)
  • 18=2×918=2\times9(9=3×3 が残っている)
  • 0.5×240.5\times24(素因数分解は整数どうしのかけ算)

「素因数」は、素数である因数(かけ算の部品)のことです。60 の素因数は 2, 3, 5 の3つです。

指さして説明するハルちゃん

ハルちゃん

4 とか 9 が残っていたら、まだ途中なんだね。全部素数になるまで分けよう!

求め方(すだれ算)

小さい素数 2, 3, 5, 7, … で、割り切れるかぎり順に割っていきます。最後に素数が残ったら終わりです。割り算をはしごのように下へ書く方法を、すだれ算(はしご算)といいます。

すだれ算(小さい素数で割っていく) 272236218393 左の割った数 2, 2, 2, 3 と 最後の 3 をかける 72 = 2×2×2×3×3 = 2³×3² 割れなくなったら、次の素数(2→3→5→7…)にかえる
72 をすだれ算で素因数分解する
  1. まず 2 で割れるだけ割る(偶数のあいだは 2 で割る)。
  2. 2 で割れなくなったら 3、次に 5、7、11…と、次の素数にかえる。
  3. 商が素数になったら終わり。左に並んだ数と最後の商をかけたものが答え。

倍数の見分け方を知っていると速くなります。3 の倍数は各位の数の和が 3 の倍数(例 171171 は 1+7+1=91+7+1=9)、5 の倍数は一の位が 0 か 5 です。

ボードで説明するまなぶくん

まなぶくん

小さい素数から順に割って、割れなくなったら次の素数にかえるのがコツだよ!

図で見る:素因数分解でわかること

約数の個数

72=23×3272=2^3\times3^2 の約数は、「2 を何個使うか(0〜3個)」と「3 を何個使うか(0〜2個)」の組み合わせで全部つくれます。表にすると、ひと目でわかります。

72 = 2³ × 3² の約数を全部つくる 3 を 0, 1, 2 個(3通り) 2 を0〜3個 139113922618441236882472 2 の選び方 4 通り × 3 の選び方 3 通り 約数の個数 = (3+1)×(2+1) = 12 個
2 の選び方 4 通り × 3 の選び方 3 通り = 約数 12 個

だから、ap×bqa^p\times b^q の約数の個数は (p+1)×(q+1)(p+1)\times(q+1) 個です。「+1」は、その素数を1個も使わない選び方の分です。

最大公約数と最小公倍数

2つの数を素因数分解して並べると、共通の部分が最大公約数、全部をあわせたもの(共通の部分は1回だけ)が最小公倍数です。

素数のカードで比べる 12 223 18 233 緑のわく=両方にある 最大公約数 = 共通の部分 2 × 3 = 6 最小公倍数 = 全部をあわせる(共通は1回) 2 × 2 × 3 × 3 = 36
12 と 18:共通の 2×3=6 が最大公約数、あわせた 36 が最小公倍数
数素因数分解約数の個数
1222×32^2\times33×2=63\times2=6 個
6022×3×52^2\times3\times53×2×2=123\times2\times2=12 個
7223×322^3\times3^24×3=124\times3=12 個
10022×522^2\times5^23×3=93\times3=9 個

平方数かどうか

素因数分解の指数(右上の数)がすべて偶数なら、ある整数の2乗(平方数)です。144=24×32=(22×3)2=122144=2^4\times3^2=(2^2\times3)^2=12^2 です。\sqrt{} の計算で 72=22×32×2=62\sqrt{72}=\sqrt{2^2\times3^2\times2}=6\sqrt2 と簡単にするときも、この考え方を使います。

テスト・入試ではこう出る

素因数分解は中学1年で習います。中学受験の算数でも、約数の個数や最大公約数・最小公倍数を求めるときによく使います。中学3年では平方根の計算、高校では数学Aの整数の問題で使います。よく出るのは次の形です。

  • ある数を素因数分解する
  • 約数の個数を求める
  • 「〇〇に何をかけると平方数になるか」
  • 最大公約数・最小公倍数を求める

例題1(約数の個数)

360 の約数は何個ありますか。

  1. すだれ算で素因数分解:360=23×32×5360=2^3\times3^2\times5
  2. 2 の選び方は 0〜3 個の 4 通り、3 は 0〜2 個の 3 通り、5 は 0〜1 個の 2 通り。
  3. かけ合わせて 4×3×2=244\times3\times2=24

答え 24 個

例題2(平方数をつくる)

12 にできるだけ小さい自然数をかけて、ある自然数の2乗にします。かける数を求めなさい。

  1. 1212 を素因数分解する:12=22×312=2^2\times3
  2. ある整数の2乗になるには、指数(右上の数)がすべて偶数であればよい。
  3. 2 の指数は 2 で偶数。3 の指数は 1 で奇数なので、3 をもう1つかければよい。
  4. 12×3=36=6212\times3=36=6^2

答え 3

ハルちゃん

ハルちゃん

どうして指数が偶数だと、2乗の数になるの?

合格先生

合格先生

指数が偶数なら、素数のカードを同じ2つのグループに分けられるからだよ。36=22×3236=2^2\times3^2 なら、(2×3)(2\times3) と (2×3)(2\times3) に分けて 6×66\times6。カードが余らずに2等分できるのが平方数なんだ。

まちがえやすい点

腕でバツを作る合格先生

合格先生

4 や 9 のような素数でない数が残っていたら、まだ途中! 最後は全部、素数にしよう。

  • 素数でない数が残っている:72=2×4×972=2\times4\times9 は、4 と 9 がまだ分けられます。最後は全部、素数にします。
  • 1 を入れる:1 は素数ではないので、素因数分解には書きません。
  • 9 や 15 などの奇数を素数とかんちがいする:すだれ算で 9 が残ったときに「素数だから終わり」としてしまうまちがいです。9=3×39=3\times3 なので、まだ割れます。
  • 約数の個数で「+1」を忘れる:72=23×3272=2^3\times3^2 の約数を 3×2=63\times2=6 個とするのは×。0個使う場合もふくめて (3+1)×(2+1)=12(3+1)\times(2+1)=12 個です。
  • 累乗でまとめ忘れる:2×2×2×3×32\times2\times2\times3\times3 のままでも誤りではありませんが、ふつうは 23×322^3\times3^2 とまとめて答えます。

ことばの由来

「素因数」は「素数である因数」、「分解」は「ばらばらに分ける」という意味です。英語では prime factorization(素数の因数に分けること)といいます。どんな2以上の整数も、順番のちがいを除いてただ1通りに素因数分解できるという事実は、算術の基本定理(素因数分解の一意性)とよばれ、整数の性質を考えるときの土台になっています。

ミニ問題

問題1 84 を素因数分解しましょう。

答えと解き方を見る

84=22×3×784=2^2\times3\times7 です。2 で割って 42、もう一度 2 で割って 21、3 で割って 7。7 は素数なので終わりです。84=4×2184=4\times21 で止めると、4 と 21 がまだ分けられるので途中です。

問題2 200 の約数は何個ありますか。

答えと解き方を見る

12 個です。200=23×52200=2^3\times5^2 なので、約数の個数は (3+1)×(2+1)=12(3+1)\times(2+1)=12 個。実際に書くと 1, 2, 4, 5, 8, 10, 20, 25, 40, 50, 100, 200 で、12 個あります。

問題3 1×2×3×⋯×101\times2\times3\times\cdots\times10 を計算すると、一の位から 0 がいくつ続きますか。

答えと解き方を見る

2 個です。

  1. 末尾の 0 は 10=2×510=2\times5 が1つできるごとに1個ふえます。
  2. 1〜10 をかけた数にふくまれる素因数 5 は、5 と 10 から1個ずつで2個。素因数 2 はもっとたくさんある。
  3. 2 と 5 の組は 2 つしかできないので、0 は 2 個。

実際、1×2×⋯×10=36288001\times2\times\cdots\times10=3628800 です。

関連する公式・用語

公式辞典で、くわしい証明と例題を見る

あわせて覚えたい用語

よくある質問

素因数分解とは何ですか?

整数を素数だけのかけ算の形に表すことです。たとえば60=2×2×3×5=2²×3×5です。

素因数分解のやり方を教えてください。

小さい素数2、3、5、7…で、割り切れるかぎり順に割っていきます。割った数と最後に残った素数をかけ合わせた形が答えです。この書き方をすだれ算といいます。

素因数分解に1は入れますか?

入れません。1は素数ではないからです。

素因数分解から約数の個数を求めるには?

指数にそれぞれ1をたして、かけ合わせます。72=2³×3²なら、(3+1)×(2+1)=12個です。

素因数分解の答えは1通りですか?

はい。かける順番のちがいを除けば、ただ1通りに決まります。これを素因数分解の一意性といいます。

素因数分解は何年生で習いますか?

中学1年で習います。中学受験の算数でも、約数や最大公約数を求めるときによく使います。高校では数学Aの整数の学習で使います。

出典・参考

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第1学年 A 数と式(素因数分解)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編」数学A(数学と人間の活動)

最終更新:2026年10月13日/作成:大学受験合格大作戦