一の位が1の数をかける暗算|60×31・34×21を「きりのよい数+1」で出すインド式かけ算【第六回】

この記事の結論

  • 一の位が1の数(21・31・41…)をかけるときは、「きりのよい数+1」に分ける
  • 例:60×31 → 60×30=1800、そこに60をたして 1860
  • 覚え方は「かけられる数を1回分たす」。×101・×1001の暗算にもそのまま使える
うかるくん

うかるくん

60×31って、筆算しないとむずかしいよ……。

サクラちゃん

サクラちゃん

31って、30にすごく近いよね。30なら計算しやすいのに。

合格先生

合格先生

いいところに気づいた。31は30と1に分けられる。30をかけてから、1の分をあとで足せばいいんだ。

31 30 + 1 きりのよい数 のこりの 1 60×31=60×30 + 60×1
31は「30と1」に分けられる

このやり方は、インド式かけ算の本でよく紹介される方法の一つです。といっても、特別な公式を覚える必要はありません。かける数を「きりのよい数」と「1」に分けるだけです。

「きりのよい数」とは、20・30・40のように一の位が0の数のことです。0のついた数のかけ算は九九でできるので、暗算がぐっと楽になります。

やり方(4ステップ):60×31

60 × 31 ① 分ける 31=30+1 ② きりのよい数をかける 60×30=1800 ③ 60×1 を出す 60×1=60 ④ たす 1800+60 答え 1860
60×31の計算のしかた(4ステップ)
  1. 分ける:かける数の31を30+1と見ます。
  2. きりのよい数をかける:60×30=1800。
  3. 1の分を出す:60×1=60。かけられる数がそのまま出てきます。
  4. たす:1800+60=1860。これが答えです。

慣れてきたら、③と④はまとめて「60を1回たす」と考えてかまいません。頭の中では「60×30で1800、60たして1860」と一息で言えるようになります。

きりのよい数のかけ算は「0をいったん取る」

②の60×30でつまずく人は、0をいったん取って九九で計算し、最後に0をつけると確実です。

60 × 30 0 を いったん取る(0は 2こ) 6×3=18 1800 0のない数でかける 0を 2こ つける 60×30=1800
60×30は、6×3=18に0を2こつけて1800

60には0が1こ、30にも0が1こあるので、あわせて2こ。6×3=18のうしろに0を2こつけて1800です。0の数を数えまちがえると、答えが10倍ずれるので気をつけましょう。

もう1問:34×21

かけられる数が0で終わらない場合も、やり方は同じです。21を20+1と分けます。

34 × 21 ① 分ける 21=20+1 ② きりのよい数をかける 34×20=680 ③ 34×1 を出す 34×1=34 ④ たす 680+34 答え 714
34×21は、34×20に34をたす

34×20は「34×2=68、0を1こつけて680」。そこに34をたして 714 です。

34 × 20 0 を いったん取る(0は 1こ) 34×2=68 680 0のない数でかける 0を 1こ つける 34×20=680
34×20は、34×2=68に0を1こつけて680

きりのよい数が40・70のとき:23×41、16×71

きりのよい数が大きくなっても同じです。

23 × 41 ① 分ける 41=40+1 ② きりのよい数をかける 23×40=920 ③ 23×1 を出す 23×1=23 ④ たす 920+23 答え 943
23×41は、23×40に23をたす
  • 23×41 → 23×40=920、920+23=943
  • 16×71 → 16×70=1120、1120+16=1136

23×40は「23×4=92に0をつける」と考えます。2桁×1桁のかけ算が速くできるほど、この方法も速くなります。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

たすのは「1」ではなくかけられる数そのもの。60×31なら60、34×21なら34をたす。ここが大事!

なぜこの方法で計算できるの?

タイルで考える(「60が31こ」)

60×31は「60が31こ」という意味です。31こを「30こ」と「1こ」に分けて数えても、全部の数は変わりません。

60×31 は「60 が 31こ」 1まい=60 60が30こ=180060が1こ=60あわせて 1860 60×31=1800+60=1860
60が30こで1800、60が1こで60、あわせて1860

60が30こで1800。のこりの1こが60。あわせて1860です。「1こ分=60」をたすので、たすのはかけられる数になるのです。

面積図で考える

60×31は、たて60、よこ31の長方形の面積とも考えられます。よこの31を30と1に分けると、大きな長方形(60×30)と、はば1の細い帯(60×1)に分かれます。

60×30 =1800 1 よこ 30 1 ぜんぶで 31 たて 60 60×1 =60 (はば1の帯は、見やすく太めにかいています) 60×31=1800+60=1860
大きな長方形に、はば1の帯を足す

式で書くと、60×31=60×(30+1)=60×30+60×1=1800+60=1860。小学校で習う分配法則(a×(b+c)=a×b+a×c)を使っています。中学生なら、a(b+1)=ab+a と文字式で書くとすっきりします。

使える数の見分け方

この方法が使えるのは、かける数の一の位が1のときです。21・31・41…91のほか、101・1001も「きりのよい数+1」です。

一の位が 1 → きりのよい数 +1 21 = 20 + 131 = 30 + 141 = 40 + 151 = 50 + 161 = 60 + 171 = 70 + 181 = 80 + 191 = 90 + 1101 = 100 + 11001 = 1000 + 1 広げると:一の位が 2 なら +2 22 = 20 + 2102 = 100 + 2
一の位が1の数は「きりのよい数+1」。一の位が2なら+2に広げられる

1で終わる数が前にあるときは入れかえる

31×24のように、一の位が1の数が前にあっても大丈夫です。かけ算は順番を入れかえても答えが同じなので、24×31として計算します。

31×24 24×31 かけ算は、順番を入れかえても答えは同じ 24×30=720、720+24=744
31×24は24×31と同じ。24×30=720に24をたして744

一の位が2なら「2回分たす」

同じ考え方は、一の位が2の数にも広げられます。35×22なら、22=20+2 なので、35×20=700 に 35×2=70 をたして 770。45×102なら 4500+90=4590 です。ただし、一の位が3・4と大きくなるほど足す数も大きくなり、楽さは減ります。そのときは第八回のたすきがけが便利です。

よくある間違い

60 × 31 (60×30=1800) × まちがい 1800+1 → 1801 ○ 正しい 1800+60 → 1860 たすのは 1 ではなく 60×1=60
たすのは1ではなく60
間違い例(60×31)正しくは
1をたしてしまう1800+1=1801たすのは60×1=60
きりのよい数のかけ算で0の数をまちがえる60×30=1806×3=18に0を2こつけて1800
分ける数をまちがえる31×24で31を分けようとして迷う入れかえて24×31にする
×1001で0を入れ忘れる48×1001=484848000+48=48048

迷ったら「きりのよい数のかけ算+かけられる数」と、式にもどして確かめましょう。答えの一の位も手がかりになります。60×31なら、一の位どうしの0×1=0から、答えの一の位は0になるはずです。

あせるサクラちゃん

サクラちゃん

わたし、1800+1で1801って書いちゃってた……。たすのは60なんだね!

練習問題①(基本 10問)

まずは2桁×2桁です。かける数(うしろの数)を「きりのよい数+1」に分けましょう。

  1. 33×31=
  2. 80×21=
  3. 12×41=
  4. 25×11=
  5. 43×21=
  6. 22×41=
  7. 70×61=
  8. 90×11=
  9. 53×51=
  10. 81×81=
答えを見る
  1. 33×31=1023 (31=30+1、33×30=990、990+33)
  2. 80×21=1680 (21=20+1、80×20=1600、1600+80)
  3. 12×41=492 (41=40+1、12×40=480、480+12)
  4. 25×11=275 (11=10+1、25×10=250、250+25)
  5. 43×21=903 (21=20+1、43×20=860、860+43)
  6. 22×41=902 (41=40+1、22×40=880、880+22)
  7. 70×61=4270 (61=60+1、70×60=4200、4200+70)
  8. 90×11=990 (11=10+1、90×10=900、900+90)
  9. 53×51=2703 (51=50+1、53×50=2650、2650+53)
  10. 81×81=6561 (81=80+1、81×80=6480、6480+81)

練習問題②(入れかえ・3桁・×101・一の位が2 10問)

3問目と5問目は、順番を入れかえると楽になります。

  1. 46×21=
  2. 17×31=
  3. 31×24=
  4. 65×41=
  5. 61×43=
  6. 125×81=
  7. 57×101=
  8. 36×1001=
  9. 45×22=
  10. 26×102=
答えを見る
  1. 46×21=966 (21=20+1、46×20=920、920+46)
  2. 17×31=527 (31=30+1、17×30=510、510+17)
  3. 31×24=744 (24×31と入れかえ、31=30+1、24×30=720、720+24)
  4. 65×41=2665 (41=40+1、65×40=2600、2600+65)
  5. 61×43=2623 (43×61と入れかえ、61=60+1、43×60=2580、2580+43)
  6. 125×81=10125 (81=80+1、125×80=10000、10000+125)
  7. 57×101=5757 (101=100+1、57×100=5700、5700+57)
  8. 36×1001=36036 (1001=1000+1、36×1000=36000、36000+36)
  9. 45×22=990 (22=20+2、45×20=900、900+90)
  10. 26×102=2652 (102=100+2、26×100=2600、2600+52)
大喜びするうかるくん

うかるくん

20問ぜんぶできた! 31も41も、もうこわくないぞ!

応用:×101・×1001は「ならべるだけ」

101は100+1なので、48×101=4800+48=4848。2桁の数に101をかけると、同じ数を2回ならべた形になります。3桁の数に1001をかけるときも同じです。

×101・×1001 は「ならべる」だけ 48×101 = 48 48 (4800+48) 73×101 = 73 73 (7300+73) 256×1001 = 256 256 (256000+256) 48×1001 = 48 048 (48000+48)
2桁×101は2回ならべる。2桁×1001は後ろを3けた(048)で書く
  • 2桁×101 → 同じ2桁を2回ならべる(73×101=7373)
  • 3桁×1001 → 同じ3桁を2回ならべる(256×1001=256256)
  • 2桁×1001 → 後ろを3けたにして 48048(48000+48)

ただし、3桁×101は「ならべるだけ」になりません。123×101=12300+123=12423 のように、ふつうにたし算をします。迷ったら「×100してたす」にもどりましょう。2桁×11を速く計算する方法は第三回の×11で紹介しています。

ほかの方法との使い分け

  • 一の位が9の数をかけるときは、反対に「きりのよい数−1」で考えます → 第七回
  • 11〜19どうし(16×11など)なら、くれない算のほうが速いこともあります(16×11=176)
  • どんな2桁×2桁でも使える方法は第八回のたすきがけです
うかるくん

うかるくん

「きりのよい数をかけて、かけられる数を1回たす」。これだけでいいんだね!

合格先生

合格先生

そうだ。次の第七回では、一の位が9の数で「1回ひく」をやってみよう。

インド式かけ算シリーズ

どの数のときにどの方法を使うかは「インド式かけ算・目次と早見表」へ。11〜19どうしのかけ算は、名前で覚えるくれない算がおすすめです。

くれない算の本家ページ(京大紅萌会)

小学生にもわかるように、ふりがな・イラストつきで説明しています。
くれない算(紅算)のやり方|11〜19のかけ算が頭の中でできる ›

🖨 くれない算の練習プリント(無料・PDF):小学生向けの解説・練習・答えのプリントを、京大紅萌会のくれない算ページで配布中です。学校の先生・塾の先生・保護者の方などは自由にお使いください → プリントを見る ›

よくある質問

60×31を暗算するには?

31を30+1と見ます。60×30=1800に、60×1=60をたして1860です。

なぜ1ではなく60をたすのですか?

60×31=60×(30+1)=60×30+60×1だからです。1の分は「60が1こ」なので、60をたします。

34×21はどう計算しますか?

21を20+1と見ます。34×20=680に34をたして714です。

31×24のように、1で終わる数が前にあるときは?

かけ算は順番を入れかえても答えが同じなので、24×31として、24×30=720に24をたして744です。

48×101を速く計算するには?

101を100+1と見ます。4800+48=4848で、2桁の数を2回ならべた形になります。

一の位が2の数にも使えますか?

使えます。35×22なら35×20=700に35×2=70をたして770です。一の位が大きくなるほど足す数が増えるので、第八回のたすきがけも使い分けましょう。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 計算のしくみは、小学校算数の「分配法則」による説明です

最終更新:2026年10月21日/作成:大学受験合格大作戦

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