この記事の結論

  • 偏差値30から早稲田大学・慶應義塾大学(早慶)を目指す英語は、①中学英語の復習→②単語・文法→③英文解釈→④長文読解・速読→⑤志望学部の過去問の5つの段を、飛ばさずに1段ずつ上るのが近道です。
  • 早慶の英語は学部ごとに試験時間・配点・形式が大きく違い、表にあるおもな学部では合計点の3〜5割を英語が占めます。④の段からは、志望学部の過去問の形に合わせて練習します。

この記事は、2009年9月に書いたものです。もとは、相互リンクをした英語学習法のサイト『偏差値30から早稲田・慶應大学に合格する英語学習法』を紹介する、短いお知らせでした。管理人は、その春に慶応大学総合政策学部(慶応SFC)に合格した方で、受験生時代に合格大作戦の記事でモチベーションに影響を受けたそうです。その方から、感謝のメールとブログ開設のお知らせをいただきました。

元の記事には、そのサイトへのリンクがのっていなかったため、今はサイトの中身を確かめることができません。でも、サイトの名前の「偏差値30から早稲田・慶應」という言葉は、今も多くの受験生が知りたいテーマです。そこで2026年10月に、題材を「偏差値30から早稲田・慶應を目指す英語の勉強法(段階)」に広げて書き直しました。

英語の勉強の全体の順番は「英語の勉強法|大学受験英語の順番と9段のロードマップ」に、英語の記事の一覧は「大学受験の英語勉強法まとめ」にあります。この記事では、偏差値30という低いところから、早慶の英語まで上ることに絞って、どの段から始めるか、各段で何をするか、早稲田と慶應の学部ごとの英語の違い、1年の計画を図で説明します。

偏差値30とは?早稲田・慶應との距離を知る

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偏差値30は、山のどこにいる? 3040506070 平均点=偏差値50 偏差値30 平均より標準偏差2つ分下 下から約2.3%の位置 偏差値70 上から約2.3%の位置 勉強の段を上るほど、右へ動く 偏差値=同じ模試を受けた人の中での「位置」 点数の分布が山の形(正規分布)に近いときの目安
図1 偏差値30は、山のどこにいる? 偏差値は同じ模試を受けた人の中での位置

まず、「偏差値30」がどんな位置なのかを正しく知っておきましょう。偏差値は、同じ模試を受けた人たちの中で、自分の点数が平均からどれだけ離れているかを表す数字です。次の式で計算します。

偏差値 = 50 + 10 ×(自分の点 − 平均点)÷ 標準偏差

標準偏差は「点数のちらばりぐあい」です。平均点ちょうどの人が偏差値50で、標準偏差1つ分だけ下なら40、2つ分下なら30になります。点数の分布が山の形(正規分布)に近いとき、偏差値30は下から約2.3%の位置です。反対に偏差値70は、上から約2.3%の位置にあたります。偏差値のしくみは「東大の合格最低点は何点?偏差値50からの目標点の立て方」でもくわしく説明しています。

偏差値30は「伸びしろ」がいちばん大きい

偏差値30と聞くと、早慶はとても遠く感じるかもしれません。でも、偏差値30の人の多くは、英語の「基礎の段」に大きな穴がある状態です。中学の文法があやふやだったり、単語をほとんど覚えていなかったりします。穴が大きいということは、埋めたぶんだけ点数がはっきり上がるということでもあります。偏差値60の人が65に上げるより、30の人が45に上げるほうが、やることがはっきりしているのです。

偏差値は模試によって変わる

偏差値は「同じ模試を受けた人の中での位置」なので、どの模試かによって数字が変わります。受ける人のレベルが高い模試では低く出て、幅広い人が受ける模試では高く出ます。ネットで見かける「早稲田の○○学部は偏差値いくつ」という数字も、どの模試の、どの基準の数字かで変わります。偏差値の数字だけで一喜一憂せず、志望学部の過去問で何点取れるかを最後のものさしにしましょう。

偏差値30から早慶 英語の勉強法:5段階の順番

偏差値30から早慶へ:英語の5段の階段 ① 中学英語中学の復習中学文法OK② 単語・文法1冊を極める単語帳8割③ 英文解釈1文を正確に1文を訳せる④ 長文・速読速く大量に時間内に読む⑤ 過去問学部の形で合格点へ 早慶 段を飛ばさず、1段ずつ上るのがいちばんの近道 白い札=次の段へ進む目安(数字は目安の一例)
図2 偏差値30から早慶へ:英語の5段の階段(白い札は次の段へ進む目安の一例)

偏差値30から早慶の英語までの道のりを、図2のように5つの段に分けて考えます。大事なのは、段を飛ばさないことです。偏差値30の人が、いきなり早慶の過去問や難しい長文の問題集を始めても、1文目から意味が取れず、解説を読んでもわからないまま時間が過ぎてしまいます。勉強を段に分けて1段ずつ上る考え方は「大学受験勉強法の進め方「合格への階段」の上り方」にもまとめました。

段やること使う教材(一般名)次へ進む目安(一例)
① 中学英語中学3年分の文法と基本の単語を復習する中学英語の総復習の参考書・問題集中学の文法問題がほぼ解ける
② 単語・文法大学受験の単語帳と文法の問題集を1冊ずつ極める単語帳・熟語帳・文法書・文法語法の問題集単語帳の8割がわかり、文法問題集が自力で解ける
③ 英文解釈長い1文を、構造をつかんで正確に読む英文解釈の参考書長文の1文1文を正しく訳せる
④ 長文・速読入試レベルの長文を、時間を計って速く正確に読む長文読解の問題集時間内に最後まで読み切れる
⑤ 過去問志望学部の形式で得点する練習をする志望学部の過去問合格点に届く

① 中学英語の段:中学3年分を「見ないで解ける」に

偏差値30から始める人に、いちばん大事なのがこの段です。大学受験の英語は、中学で習う文法の上に積み上がっています。be動詞と一般動詞の区別、時制(現在・過去・未来・現在完了)、助動詞、比較、受け身、不定詞・動名詞、関係代名詞。これらがあやふやなまま高校の文法に進むと、どこかで必ずつまずきます。

中学英語の総復習用の参考書や問題集を1冊選び、短い期間で一気に終わらせましょう。中学英語は量がそれほど多くないので、毎日まとまった時間をかければ数週間〜2か月ほどで一周できます(期間は一つの例です)。恥ずかしがることはありません。高校生や浪人生が中学の本から始めるのは、遠回りではなく、いちばんの近道です。

② 単語・文法の段:単語帳と文法の問題集を1冊ずつ極める

2段目は、大学受験用の英単語・英熟語と英文法です。単語を知らなければ、どんなに読み方を工夫しても英文は読めません。文法を知らなければ、単語の意味がわかっても文の意味が取れません。この2つは、英語の「道具」です。

単語帳は、レベルの低いものから始めます。偏差値30の人は、いきなり難しい単語帳を使うより、基礎レベルの単語帳を1冊完璧にするほうが早く力がつきます。中学〜高1向けの単語帳は「英単語帳 おすすめ 中学生・高1|基礎の7冊をレベル順に」、単語の覚え方は「英単語・英熟語の覚え方|単語帳は1冊を極める」、単語帳と長文のどちらで覚えるかは「英単語の覚え方は単語帳と長文どっち?」にまとめました。熟語は「英熟語 参考書のおすすめと選び方」や「英熟語のおすすめ参考書『合格英熟語300』」を参考にしてください。

文法は、文法書(総合英語の参考書)で全体の地図をつかみ、文法・語法の問題集をくり返して身につけます。文法書の使い方は「英文法の参考書(文法書)の選び方と使い方」、問題集の回し方は「英文法・語法問題集のおすすめと使い方」にくわしく書きました。

③ 英文解釈の段:長い1文を正確に読む

3段目は英文解釈です。早慶の英語の長文には、関係詞や分詞、挿入などで長くなった1文がたくさん出てきます。単語と文法を知っていても、どれが主語でどれが動詞かがわからないと、文の意味は取れません。英文解釈は、文の骨組み(主語・動詞・目的語・補語)と、飾り(修飾語)を見分けて読む練習です。

英文解釈の参考書を1冊決めて、1文ずつ、構造を書きこみながら読む練習をします。英文解釈の参考書の使い方は「ビジュアル英文解釈の使い方|英文解釈の勉強法」で紹介しています。この段をていねいにやった人ほど、次の長文の段で伸びが速くなります。

④ 長文読解・速読の段:速く、たくさん読む

4段目は長文読解と速読です。早慶の英語は、試験時間に対して読む量が多いことで知られています。1文ずつは読めても、時間内に最後まで読み切れなければ、本番では点になりません。この段では、長文読解の問題集を使って、毎日1題、時間を計って読みます。

はじめは時間内に読み切れなくてもかまいません。読み終わったら、①かかった時間を記録する、②答え合わせをする、③わからなかった文を英文解釈の段にもどって分析する、④その長文を音読して、くり返し読む、という流れで1題を仕上げます。同じ長文を何度も音読すると、英語を前から順に読むくせがつき、読むスピードが上がっていきます。

⑤ 過去問の段:志望学部の形で得点する

いちばん上の段は、志望学部の過去問です。早慶の英語は、学部ごとに試験時間・問題の量・形式(長文の数、文法問題の有無、英作文の有無、会話文など)がかなり違います。くわしくは、次の章で見ていきます。過去問の段では、志望学部の「くせ」をつかみ、時間配分と解く順番を決めていきます。

うかるくん

うかるくん

英語の偏差値が30なんです……。こんなところから、本当に早稲田や慶應を目指していいんでしょうか?

合格先生

合格先生

偏差値30は、基礎の段に大きな穴があるというサインだ。穴が大きいぶん、埋めればはっきり伸びる。大事なのは、恥ずかしがらずに中学英語の段から始めること。そして、段を飛ばさずに1段ずつ上ることだよ。

うかるくん

うかるくん

中学の文法からやり直します! 図の階段を、1段ずつ上っていけばいいんですね。

偏差値30の英語は何から始める?つまずきの段を診断

どの段から始める? 英語のつまずき診断 中学の文法問題(時制・比較など)が解ける? いいえ ① 中学英語へ はい単語帳の基本の単語が8割わかる? いいえ ② 単語・文法へ はい長文の1文1文を正しく訳せる? いいえ ③ 英文解釈へ はい長文を時間内に最後まで読める? いいえ ④ 長文・速読へ はい ⑤ 志望学部の過去問へ進む 「いいえ」が出た段から始める(8割は目安の一例)
図3 どの段から始める? 英語のつまずき診断(「いいえ」が出た段から始める)

同じ偏差値30でも、つまずいている段は人によって違います。図3の4つの質問に、上から順に答えてみましょう。最初に「いいえ」が出た段が、あなたが始めるべき段です。

診断のしかた:実際に解いてみる

  1. 中学英語の診断:中学英語の総復習の問題集から、時制・比較・受け身・不定詞・関係代名詞などの問題を、単元をばらして20問ほど解きます。ほとんど解ければ合格です。解けない単元があれば、その単元だけ中学の本にもどります。
  2. 単語の診断:基礎レベルの単語帳から、ページを適当に開いて50語ほど、英語を見て日本語の意味を言ってみます。8割くらい言えれば、次へ進んでかまいません(8割は目安の一例です)。
  3. 英文解釈の診断:共通テストや入試の長文から、長めの文を5文ほど選び、辞書を使ってもよいので和訳します。解答の訳と比べて、文の構造(主語・動詞のとり方)が合っているかを確かめます。
  4. 速読の診断:入試レベルの長文1題を、問題の制限時間どおりに解きます。最後まで読めなかったら、長文・速読の段です。

よくあるつまずき:「単語は知っているのに読めない」

偏差値30〜40の人によくあるのが、「単語帳はかなり覚えたのに、長文になると読めない」という悩みです。この場合、穴は文法か英文解釈の段にあることがほとんどです。単語の意味をつなぎ合わせて「なんとなく」読んでいるので、少し長い文になると意味が取れなくなります。単語帳をさらにくり返すより、文法の問題集と英文解釈の段にもどるほうが早く解決します。

よくあるつまずき:「文法問題は解けるのに長文が遅い」

反対に、文法問題集はよく解けるのに長文が時間内に終わらない人は、英文解釈か速読の段に課題があります。1文ずつ日本語に訳してから意味を考えるくせがあると、どうしても時間がかかります。音読をくり返して、英語の語順のまま意味を取る練習をしましょう。

早稲田大学の英語:学部別の試験時間と形

早稲田・慶應の英語の試験時間(学部別) 早稲田大学(2027年度 入試ガイド)法学部90分文学部・文化構想学部90分教育学部(A・B方式)90分商学部90分理工3学部90分社会科学部60分国際教養学部90分+60分慶應義塾大学(2026年度要項。経済は2027年度)文学部120分経済学部100分法学部80分商学部90分理工学部90分総合政策・環境情報120分 同じ大学でも、英語の時間は学部ごとにちがう 国際教養はReading+Writing。総合政策・環境情報は外国語を選んだ場合
図4 早稲田・慶應の英語の試験時間(学部別)。同じ大学でも学部ごとに違う

早稲田大学(早大)の一般選抜の英語は、学部ごとに試験時間や配点が違います。2027年度の入試ガイド(早稲田大学 入学センター)と2026年度の入学試験要項で確かめた、おもな学部の英語は次のとおりです。

学部2027年度の試験日英語の時間英語の配点(合計)
法学部2月15日(月)90分60点(150点中)
文化構想学部2月12日(金)90分75点(200点中)
文学部2月17日(水)90分75点(200点中)
教育学部(A・B方式)2月19日(金)90分要項で確認
商学部2月21日(日)90分要項で確認
社会科学部2月22日(月)60分要項で確認
国際教養学部2月13日(土)Reading 90分+Writing 60分要項で確認
基幹理工・創造理工・先進理工学部2月16日(火)90分120点(360点中)
政治経済学部2月20日(土)総合問題 120分(日英両言語の長文読解)総合問題 100点+共通テスト

時間・配点は早稲田大学の公式資料によります。正式な2027年度の入学試験要項は、2026年11月上旬に公開予定とされています。受験の前には、必ず最新の要項で確かめてください。

早稲田の英語の特徴:学部ごとの「くせ」をつかむ

早稲田大学は、学部ごとに独自の問題を作っています。そのため、同じ「早稲田の英語」でも、長文の数や長さ、文法問題の有無、英作文や要約の有無などが学部によって違います。政治経済学部のように、英語だけの試験ではなく日本語と英語の両方の長文を読む総合問題で選ぶ学部もあります。国際教養学部は、読む力(Reading)と書く力(Writing)の試験が分かれています。

また、文学部・文化構想学部などには、英語の外部試験(英語4技能テスト)を使う方式もあります。方式ごとに受ける科目が変わるので、どの方式で受けるかも早めに決めておきましょう。理工系3学部の英語の対策は「早稲田 理工 英語 対策|試験時間90分・配点120点」に、数学は「早稲田 理工 数学 対策」にまとめています。

慶應義塾大学の英語:学部別の試験時間と形

慶應義塾大学(慶應・慶大。「慶応」とも書く)も、学部ごとに英語の時間と配点が違います。2027年度の時刻を含む一般選抜要項は2026年11月上旬に公開予定のため、下の表の時間は2026年度の一般選抜要項(昨年度参考)のものです(経済学部は2027年度からの新しい形)。試験日と配点は2027年度の公式資料で確かめました。

学部2027年度の試験日英語の時間英語の配点(合計)
文学部2月15日(月)120分150点(350点中)
経済学部(A・B方式)2月13日(土)100分(2027年度から)200点(400点中)
法学部2月16日(火)80分200点(450点中)
商学部(A・B方式)2月14日(日)90分200点(400点中)
理工学部2月12日(金)90分150点(500点中)
総合政策学部2月17日(水)120分(外国語を選んだ場合)200点(400点中)
環境情報学部2月18日(木)120分(外国語を選んだ場合)200点(400点中)

慶應の英語の特徴:配点が大きい学部が多い

慶應は、表のように英語の配点が200点の学部が多いのが特徴です。経済学部は、2027年度から小論文を休止し、英語(100分・200点)と数学または地理歴史(100分・200点)の2科目で選ぶ形に変わります(慶應義塾大学 経済学部のお知らせ)。文学部の英語(独自試験)は、2026年度の要項では紙の辞書を2冊まで使えるという珍しい形でした。辞書を引く時間があるぶん、英文の量や難しさも考えて練習する必要があります。

理工学部の英語の対策は「慶應理工 英語の対策と勉強法」に、数学は「慶應理工 数学の対策と勉強法」にまとめています。

元の管理人が合格した「慶應SFC」の英語

元の記事で紹介した管理人が合格した総合政策学部は、環境情報学部とともに湘南藤沢キャンパス(SFC)にあり、2つをまとめて「慶應SFC」と呼ぶことがあります。この2学部の一般選抜は、2026年度の要項では、「外国語」「数学」「外国語および数学」「情報および数学」から1つを選ぶ120分・200点の試験と、120分・200点の小論文の2つでした。英語を選ぶ場合は、1つの試験に120分をかけて、長い英文を読み続ける力が求められます。英語が得意になれば、それだけで合計点の半分を得意科目で戦えるともいえます。

早慶の英語の配点:おもな学部で3〜5割が英語

合計点のうち「英語」が占める割合 半分(50%) 早稲田 法学部40%(60/150点)早稲田 文・文化構想38%(75/200点)早稲田 理工3学部33%(120/360点)慶應 文学部43%(150/350点)慶應 経済学部50%(200/400点)慶應 法学部44%(200/450点)慶應 商学部50%(200/400点)慶應 理工学部30%(150/500点)慶應 総合政策・環境情報50%(200/400点) 英語は、表の学部では合計点の3〜5割 配点は早稲田・慶應の公式資料から。総合政策・環境情報は外国語を選んだ場合
図5 合計点のうち「英語」が占める割合。表の学部では3〜5割

図5は、表の配点から合計点のうち英語が占める割合を計算したものです。早稲田の法学部は150点中60点で40%、文学部・文化構想学部は200点中75点で約38%、理工3学部は360点中120点で約33%です。慶應は、経済・商・総合政策・環境情報(外国語を選んだ場合)がちょうど半分の50%、法学部が約44%、文学部が約43%、理工学部が30%です。

つまり、表の学部では、英語は合計点の3〜5割を占めます。文系の学部なら、英語の出来が合否を大きく左右します。偏差値30から早慶を目指すなら、まず英語を最優先にするのは理にかなった作戦です。英語が伸びれば、ほかの科目の勉強にも気持ちの余裕が生まれます。

英語が得意になると、併願の幅も広がる

早稲田と慶應は、学部ごとに試験日が違います。2027年度は、早稲田が2月8日(人間科学部 数学選抜方式)から2月23日(スポーツ科学部)まで、慶應が2月9日(医学部の第1次)から2月18日(環境情報学部)までです。英語の配点が大きい学部が多いので、英語の力がつけばいくつもの学部を併願しやすくなります。ただし、学部によって英語の形が違うので、受ける学部の数をむやみに増やすと、過去問の対策が手薄になります。形の似た学部をまとめて受けるのも一つの考え方です。

偏差値30から早慶へ:英語の1年の計画(例)

偏差値30から1年で早慶へ:英語の計画(例) 4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月 ① 中学英語中学の復習② 単語・文法単語帳・文法の問題集③ 英文解釈1文を正確に④ 長文・速読毎日1題、時間を計る⑤ 過去問志望学部の過去問 単語 毎日続ける 過去問を見る 入試 2027年度の試験日:早稲田 2月8日〜23日、慶應 2月9日〜18日(学部による) 期間は一つの例。今の段と志望学部の形で前後する
図6 偏差値30から1年で早慶へ:英語の計画(期間は一つの例)

図6は、高3の4月(または浪人の春)に英語の偏差値30から始めた場合の、1年の計画の例です。あくまで一つの例で、今の段や志望学部の形によって前後します。大事なのは、入試の日から逆算して、各段に使える時間を決めておくことです。

4月〜5月:中学英語を一気に終わらせる

最初の2か月で、中学英語の総復習を終わらせます。同時に、基礎レベルの単語帳も始めます。この時期は、模試の偏差値がまだ動かなくても気にする必要はありません。土台を作る時期です。

4月〜9月:単語帳と文法の問題集をくり返す

単語帳と文法・語法の問題集を、夏の終わりまでに何周もくり返します。問題集は、解けなかった問題に印をつけ、2周目からは印の問題だけを解き直すと効率がよくなります。単語は入試の日まで毎日続けます。単語は、やめるとすぐに忘れてしまうからです。

6月〜9月:英文解釈で1文を正確に

文法がひと通り終わったら、英文解釈の参考書に入ります。夏休みは、英文解釈と単語・文法をしっかり仕上げる、いちばん大事な時期です。8月には、志望学部の過去問を1年分だけ見て(解いてみて)、ゴールの高さと形を知っておきましょう。点数は気にしなくてかまいません。

8月〜1月:長文読解と速読を毎日

夏の終わりからは、長文読解の問題集を毎日1題、時間を計って解きます。読んだ長文は音読して、何度も読み返します。秋になると、偏差値がぐっと上がり始める人が多い時期です。成績が上がらない時期があっても、それは力がたまっている「踊り場」かもしれません。やる気の保ち方は「受験のモチベーションの保ち方」にまとめました。

11月〜2月:志望学部の過去問

11月ごろからは、志望学部の過去問に本格的に取り組みます。第一志望の学部は、できるだけ多くの年度を解きましょう。早慶の過去問は、大学・学部ごとの過去問集(赤本など)で手に入ります。共通テストを使う方式も受けるなら、共通テストの英語の対策も並行します。共通テストの英語の仕上げは「共通テスト英語の総仕上げ」にあります。

浪人生・高1・高2の場合

浪人生は、1年前にどの段まで上ったかで計画が変わります。春のうちに図3の診断をやり直し、「わかったつもり」の段がないかを確かめましょう。浪人生の気持ちの持ち方は「浪人生のプレッシャーは現役の15倍?」に書きました。高1・高2で偏差値30の人は、時間に余裕があります。高2の終わりまでに②の単語・文法の段を終えられれば、高3は英文解釈と長文にじっくり時間をかけられます。

「ここが大事!」と説明する合格先生

合格先生

偏差値30からの1年は、前半で土台(中学英語・単語・文法・英文解釈)を作り、後半で速読と過去問。前半で偏差値が動かなくても、あせって段を飛ばさないことが大事なんだ。

早慶の英語の過去問はいつから?使い方と回し方

志望学部の過去問の回し方 志望学部 の過去問 ① 本番と同じ時間で解く② 大問ごとに採点・記録③ 落とした原因を段に分ける④ 下の段で補強して解き直す 過去問は「力を測る道具」で、「直す段を教えてくれる地図」
図7 志望学部の過去問の回し方。解く→採点・記録→原因を段に分ける→補強して解き直す

過去問は、合格への階段のいちばん上の段です。でも、最後の最後まで見ないのはおすすめできません。過去問には2つの使い方があります。

使い方1:夏に「ゴール」を見る

高3の夏ごろに、志望学部の過去問を1年分だけ解いてみます(解けなければ、読むだけでもかまいません)。目的は、ゴールの高さと形を知ることです。長文がいくつあるか、1題が何語くらいか、文法問題があるか、英作文があるか。それがわかると、下の段で何を重点的にやればいいかが見えてきます。

使い方2:秋から冬に本番の練習をする

④の長文・速読の段まで来たら、本格的に過去問を解きます。図7のように、①本番と同じ時間で解く、②大問ごとに採点して記録する、③落とした問題の原因がどの段にあるかを分ける、④その段で補強してから、同じ形式の問題を解き直す、という輪を回します。

  • 知らない単語・熟語が多かった → ②単語・文法の段
  • 文法・語法の問題で落とした → ②単語・文法の段
  • 1文の意味が取れなかった → ③英文解釈の段
  • 最後まで読み切れなかった → ④長文・速読の段
  • 解く順番や時間配分がまずかった → ⑤過去問の段(作戦を立て直す)

過去問は「力を測る道具」であると同時に、どの段を直せばいいかを教えてくれる地図でもあります。点数が低くてもあわてず、原因の段を1つずつ埋めていきましょう。

時間配分と解く順番を決める

早慶の英語は、問題の量が多いことが多く、時間配分が合否を分けます。過去問を解くときは、大問ごとにかかった時間を記録しておき、「どの大問から解くか」「1題に何分まで使うか」を決めていきます。わからない問題で止まらず、いったん飛ばして先に進む練習もしておきましょう。

サクラちゃん

サクラちゃん

早稲田も慶應も、いろいろな学部を受けたいです。でも、学部ごとに英語の形が違うなら、過去問はどうやって進めればいいですか?

合格先生

合格先生

まず第一志望の学部の過去問をいちばん多く解こう。次に、形が似ている学部をまとめて練習するといい。受ける学部を増やしすぎると、どの学部の対策も中途半端になってしまう。時間・長文の数・英作文の有無で、学部をくらべてみるといいよ。

サクラちゃん

サクラちゃん

第一志望をいちばん多く、似た形の学部はまとめて、ですね。学部ごとの形を表にしてみます!

偏差値30から早慶を目指す人のよくある失敗5つ

失敗1:いきなり早慶レベルの問題集から始める

「早慶に行きたいから、早慶レベルの問題集をやる」という気持ちはよくわかります。でも、偏差値30の段階で難しい問題集を始めても、1文目から意味が取れず、解説を読んでも理解できません。本の難しさは、今の段に合わせて選ぶのが基本です。

失敗2:単語帳を何冊も買って、どれも途中

単語帳や問題集をたくさん集めても、途中でやめた本が何冊あっても、力はつきません。1つの段に1冊を決めて、全部わかるようになるまでくり返しましょう。勉強法や参考書を集めることに夢中になる「勉強法マニア」にならない考え方は「オリジナル勉強法の作り方」に書きました。

失敗3:単語だけで読もうとする

単語の意味をつなぎ合わせて「なんとなく」読むくせがつくと、早慶の長い文で意味を取りちがえます。単語と同じくらい、文法と英文解釈に時間をかけましょう。

失敗4:時間を計らずに長文を解く

時間を気にせず、ていねいに読む練習は③の段では大切です。でも、④の段からは必ず時間を計って解きます。早慶の英語は量が多いので、時間内に読み切る練習をしていないと、本番で最後の大問が手つかずになります。

失敗5:授業や講座をたくさん受けて、自習の時間がない

授業を受けるだけでは、英語の力はつきません。単語を覚える、問題集を解き直す、長文を音読する、といった自習の時間があってはじめて、授業の内容が身につきます。授業と自習の時間の配分は「予備校の授業は切るべき?英語の授業を切る判断基準と自習の時間配分」にまとめました。

ひらめいたサクラちゃん

サクラちゃん

つまずいている段を診断して、そこから1段ずつ。早慶の英語は学部ごとに形が違うから、最後は第一志望の学部の過去問で仕上げるんだね!

早慶の英語に役立つ合格大作戦の記事

5つの段ごとに、合格大作戦の英語の記事を並べました。

早稲田・慶應の記事は「早稲田・慶応合格大作戦」と「早稲田合格大作戦」のカテゴリーに、英語の記事は「英語の勉強法」のカテゴリーにまとめています。英作文で和製英語を使わない注意は「和製英語 一覧」、受験英語を話す力につなげる方法は「英語が話せない人の勉強法」へ。勉強の進め方の相談は「受験の質問・相談」で受け付けています。

元の記事:偏差値30から早稲田・慶應大学に合格する英語学習法(2009年)と相互リンク

2009年9月の元の記事では、相互リンクをした英語学習法サイト『偏差値30から早稲田・慶應大学に合格する英語学習法』を紹介しました。管理人は、この年の春に慶応大学総合政策学部(慶応SFC)に合格した方で、受験生時代に合格大作戦でモチベーションに影響を受けて合格されたそうです。感謝のメールとブログ開設のお知らせを受け取り、「これからもブログ運営頑張ってください」とエールを送りました。元の記事にはサイトへのリンクがのっておらず、今はサイトの中身を確かめられません。

このサイトは「相互リンク集2」「相互リンク」のカテゴリー、「早稲田・慶応合格大作戦」「早稲田合格大作戦」「英語の勉強法」のカテゴリーに掲載していました。大学受験合格大作戦と相互リンクをご希望の方は「相互リンクの方法」を参考にしてください。

よくある質問

偏差値30から早稲田・慶應に合格できますか?

可能性はあります。偏差値30は基礎の段に大きな穴があるサインで、中学英語→単語・文法→英文解釈→長文・速読→過去問と段を飛ばさずに埋めれば、点数ははっきり伸びます。ただし時間がかかるので、早く始めることが大切です。

偏差値30の人は英語の何から始めればいいですか?

まず中学英語の文法と基本の単語の復習から始めます。中学の文法問題が解けるようになったら、大学受験用の単語帳と文法の問題集を1冊ずつ極めます。

早稲田と慶應の英語の違いは何ですか?

同じ大学でも学部ごとに違います。たとえば早稲田の法学部は90分・60点、慶應の法学部は80分・200点(2026年度要項の時間、2027年度の配点)です。志望学部の過去問で形を確かめることが大切です。

早慶の英語の過去問はいつから解けばいいですか?

高3の夏ごろに1年分を解いて形を知り、長文・速読の段まで来た秋から冬に本格的に取り組むのが目安です。第一志望の学部をいちばん多く解きます。

慶應SFC(総合政策学部・環境情報学部)の英語はどんな試験ですか?

2026年度の要項では、「外国語」「数学」「外国語および数学」「情報および数学」から1つを選ぶ120分・200点の試験と、120分・200点の小論文でした。英語を選ぶと合計点の半分が英語になります。

あわせて読みたい

出典・参考

  • 早稲田大学 入学センター「2027年度 入試ガイド『一般選抜』」(学部ごとの試験日・時間割)、「2026年度 一般選抜・大学入学共通テスト利用入試 入学試験要項」(科目の時間・配点)
  • 慶應義塾大学「【昨年度参考】2026年度 一般選抜要項」(各学部の時間割・配点)、「2027年度 一般選抜 試験教科・科目・配点」、一般選抜ページ(2027年度の試験日)
  • 慶應義塾大学 経済学部「2027年度以降の『経済学部一般選抜』の試験科目変更等について」(2024年12月6日)
  • 元の記事で紹介したサイト『偏差値30から早稲田・慶應大学に合格する英語学習法』は、元の記事にもリンクが無く、2026年10月時点で中身は確かめられず
  • 図は大学受験合格大作戦が作成(偏差値の位置は正規分布に近いときの目安。期間・割合の目安は説明のための例。英語の割合は上の配点から計算)

最終更新:2026年10月23日/作成:大学受験合格大作戦

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